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好きになった男には運命の相手がいたー―。
――たとえ目の前に「運命」が存在したとしても、自分の本心を大切にしたい。
好きな相手に運命の相手が現れて……という作品は数あれど「運命を断ち切る」という部分に焦点を当てた作品は、案外少ないように思います。
「運命」に支配されるオメガバースの世界でも、大切な人を想う気持ちだけは、変わらない。
「運命を断ち切る」という決断が、果たして最善だったのかは分かりません。
ただ……
こんなにも悲劇的で美しいオメガバースを、他で見ることは出来ないでしょう。
"自分の運命くらい自分で決めたい"α×性に縛られず真っ直ぐに生きるβ(→後天性Ω)高校生のお話。
後天性のΩになった八尾くんへの周囲の当たりはきついけど、襲われそうな時に助けてくれて、Ωとわかっても態度の変わらない九條くんが凄く良かったです。
オメガバース作品が大好きでよく見ますが、運命の番(本能)を拒否した時の反動がこの作品独自のもので、その内容にとても驚きました。
"本能に従うことがαにとって自然で幸せなこと"だと言われている世界で、運命に抗い好きな人の為に真っ直ぐに生きる彼らに感動しました。
九條くんの運命の番であった二葉ちゃんもまた、意思とは関係なく運命に動かされて苦しい思いをしています。
最終的に二葉ちゃん含めた2組のCPが誕生した事、とても嬉しかったです。運命に大きく振り回されたけれど、4人……いや、7人には幸せになって欲しいです。
もう本当に大好き!!の一言です!!
私自身、KINACO先生を認知した作品は「僕たちは運命に嫌われている(以下僕運)」が初めてでした。
前情報は全く入れておらず(当時知らない作家さんだったので)美麗な表紙に惹かれて購入を決めました。
ですが、まさかこんなに悲しくも、尊い作品になるとは思いもせずに…。
BL作品でオメガバースというと、メインのキャラクターは互いに運命の相手同志で、最終的にそのまま結ばれる、な展開が多いですが僕運は、運命の相手と違う人とを好きになり、運命という縛りに逆らうストーリーです。
強烈な運命という繋がりをあえて逆らう展開って今までになかった展開だったので、作中はその展開にとても胸が締め付けられました。
主人公である八尾くんは、βからΩに突然変異してしまう後天性のΩです。
Ωであることにショックは受けつつも、持ち前の明るさと元気な性格がシリアスな部分の物語を終始明るくしてくれます。いやもうほんと八尾くん可愛いんですよ…!
そして相手となるαは、陸上部でのライバルである九條くん。
運命の相手は自分自身で決めたいという強い意志を持ったキャラクターで、Ωに変異している最中の八尾くんに対し「臭い」発言!(いい匂いってことはぼそっといいますが本人には臭いw)いきなり笑かしてくれますw
そんな愛嬌のあるキャラクター達を揺るがすのが九條くんの運命の相手である二葉。この二葉ちゃんがなー、いい子なんですけど、まぁー主人公二人をかき乱すかき乱す…。
二葉ちゃんは運命を素直に受け入れていますし、決して悪いことをしているわけではないのですが、それを跳ね除ける九條くんには強い意志が…。
ここから既にタイトルにある「運命に嫌われている」は始まっています。
物語の中盤から九條くんは運命に逆らい、苦しみながらも八尾くんを好きであることを伝えるのですが、もうここからずっと苦しい…苦しいんですけど一気に物語に引き込まれていきます。
八尾くんもそんな九條くんに惹かれつつも、運命に逆らうことで九條くんがどうなるかが分かっているからこそ、自分の気持ちを押し殺しながら笑顔で誤魔化すんですけど、またその後の展開がもう辛すぎます…。
なんで他のαとしちゃうのおおおお!!だめだめだめ…と手で顔を覆いたくなりました…。
そして一緒に行くはずだった花火大会の花火を遠くから眺めているところに九條くんが…!この告白シーンがもうすっごい良いのですよ…!
言葉ではうまく表現できないので、ここはぜひ単行本で確認して頂きたいです…。
私はここからずっと涙腺が壊れました…涙が止まりません。
ただ互いに思い合っているだけなのにタイトルの通り「運命に嫌われている」んです。
運命から抗い続けた結果、二人には悲しい展開が…。
九條くんが運命の相手より八尾くんを選んだことで、九條くんは長い長いこん睡状態に陥ります。
その空白の期間(5年間という長い年月)はページの都合上なのか、作中にないのが非常に残念です…そこをすごく読みたかったです…。
しかしまあ、なんですかこの展開…。
美麗な表紙だな、素敵だなと思って買った作品がこんなに涙する切なくて苦しくて尊いなんて…。
世の中に溢れているオメガバースとは一味も二味も違うと感じました、まさに神の評価に相応しい作品だと思いました。
色んな方にただのオメガバースの作品ではないことを知っていただきたい!そんな風に思える作品でした。
同じ高校、同じ部活の九條くん(α)と八尾くん(後天性Ω)がお互いに惹かれて、けれど 運命に遮られて、お互いに苦しむけど、光を魅せてくれる素敵な作品です。
αだからΩだから関係なく、お互いがお互いに 目の前の一人の人間として 惹かれており、運命とは何か 本当の幸せとは何か みんなが苦しみ どうしたら良いか考え心と反した行動に出たりするけど、それでもお互い好き同士で、、、途中、 苦しんでしまう展開が待ち受けてはいますが、最後はみんなが幸せで笑顔な日を送れるようになります。
ストーリーもしっかりしてますので、読み応えがありますし、何より色んなオメガバースを読んでいますが、リアルな感じを味わいます。(いい意味で)
また、タイトルも なるほど そういうことかとわかる部分が出てきます!
そして、KINACO先生の絵はとても綺麗で、ひとつひとつが丁寧です。
ぜひ、読んでほしいです。
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【ここからネタバレあり】
βだった八尾くんが突如後天性Ωへとなってしまいます。 ヒートにあてられた先輩や同級生たち(その他諸々)が襲いかかろうとしたところに、同じ部活のライバル 九條くんが手を差し伸べて、助けてくれて、ヒートを抑えるために同意で 行為をするところから展開が変化していきます。
後天性Ωになってしまった八尾くんに対して、今まで仲良かった友人たちも同じ部活の先輩たちの態度も変わってしまう一方で、九條くんだけは、「おまえはおまえだ」と αだからΩだから関係なく今まで通り八尾くんと接します。
八尾くんもだんだんと九條くんに惹かれ始めた時、九條くんがラットを起こしてしまいます。
運命の番の二葉くんのファーストヒートにあてられて。
その場はなんとか収まりますが、そこからが九條くんと八尾くんの苦しみが始まります。
運命を抗うと 最悪死に陥ってしまうと知っている八尾くんの行動や言動が、切なくて けど 好きだからこそ そうするしかない気持ちが現れていて、涙が出ます。
けれど、運命に抗ってでも 好きな人と一緒にいたい九條くんも真っ直ぐ八尾くんと向き合います。
彼らがどう乗り越えて、幸せを手に入れることが出来たのかぜひ読んでほしいです。
九条くんも八尾くんも二葉くんもみんな救われる結果になっておりますので、最後はハッピーな気持ちになります。
※態度が変化した友人たちも、八尾くんが普通に接することから、いい子たちになります。
胸が締め付けられました。もっとたくさんの人に知ってほしいオメガバース作品です。オメガバースってロマンチックでエッチな世界だと思ってたけど、こういう視点からみるとこんなにも切ないものなのかと唸らさせられました。
オメガバ作品て斜に構えたひねくれたキャラが多い中、この作品の子達は本当に素直でまっすぐ。普通の子達という印象。だからこそ余計にこの子達に降りかかる「運命じゃないという運命」が辛く感じた。好きあっているのに、運命がそれを阻む…泣けました
八尾も九條ももう一人もいい子だから余計に切ない。初めから両思いじゃないのが余計良かった。
できたら前後編で読みたかった…いい作品にはちゃんとページ数や巻数をあげてほしいよ…(東京オメガバで1番面白いと思うのに…)
オメガバースを語る上で外せない作品だとおもいます。
他の方も言ってるけど、オメガバースでこんなにまっすぐで純粋で切ない作品はこれ以外なかなか出会えないと思う。
気持ちが溢れてちるちる初レビューしてしまいました。なんだか中身のない、エッチなだけの作品が増えてきたBL界で、こういう難しいテーマにまっすぐ向き合って描こうとする作家をしっかり評価していきたい。頑張ってほしいな…