• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

あらすじ

双子の姉弟である美織と織美。オメガの織美が男に言い寄られるたびにアルファの姉が追い払ってくれているが、あるパーティーで!?
超強引なアルファの攻めに、半ば強制的に同居を了承させられてしまうオメガの織美。双子の姉も、高校の親友もアルファである織美は、周囲のせいでどんどん逃げ道を断たれていくことに。コメディタッチで描く異色オメガバース。

作品情報

作品名
アルファ様には敵わない
著者
若月京子 
イラスト
こうじま奈月 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775528938
3

(4)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
11
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

アナコンダにロックオンされたうさぎ


オメガバースもの。
アルファに気に入られたオメガが甘やかされ囲い込まれ番となる話。

基本甘々な話で、頭のおかしい女が横恋慕してくるのがうっとおしいですが、それ以外はひたすら甘やかされる話です。

<あらすじ>
双子の姉・美織と共に大手アイスメーカーの創業記念パーティーに参加していた織美(受け)はアイスを爆食いしているところに声をかけてきた創業者一族の次男・正嗣(攻め)に見初められてしまいます。
‪後日、正式に伴侶として迎えたいと訪ねてきた正嗣に対して、織美以外は大賛成。‬
高校を卒業したらすぐに結婚するため、正嗣の実家に移り住むことになってしまいます。
初めて会った時、優しい瞳の奥が一度キラリと光った時に感じた恐怖を忘れていなかった織美は大反対。
駄々をこねた織美でしたが、美織にかなうはずもなく、‪3日後‬には結納も交わし正嗣の実家に引っ越すことになってしまったのでした。
正嗣の家では専属料理人の山口が腕によりをかけて料理やデザートを振舞い、優しい正嗣の両親や家政婦の戸田に大歓迎され、行儀見習いの律子には厳しく指導されるものの甘やかされまくりで外堀からどんどん埋められていくのでした。
そんな二人のもとへ、正嗣の従妹・香菜恵がやってきます。
その日から、織美への嫌がらせが始まるのです。


双子の美織と織美はベータ一族の中に生まれたアルファとオメガの姉弟です。
稼業の呉服屋は早くから優秀な美織が跡取りとして手を挙げていて、人を見る目がなくぽやぽやしている織美は早々に番を見つけなければと思われていました。
名家とは言え責任の少ない次男である正嗣の申し出はそんな美織にとって、渡に船だったのです。
この交渉には両親も参加していますが、基本アルファ同士の美織と正嗣との話し合いで決定され、織美の意見は無視されます。
が、織美にべた惚れの正嗣に甘やかされ、大好きなアイスの食べ放題など食い意地のはった織美は嫌がりながらも初めから結構楽しんでいるようでした。

ただ、香菜恵が登場したことにより、織美の通う高校に悪評を立てられ少しづつ疲弊していきます。この嫌がらせが実に巧妙でした。
それでも、幼稚部からの友人たちに守られ、家でも全面的に守られているため、香菜恵の行動には腹は立ちながらもそれほどのダメージは受けません。
最終的に香菜恵が起こした行動は犯罪であり、この女が何を考えていたのか本当に謎です。これでたとえ織美が番候補から脱落したとして自分が選ばれると思っていたのだとしたら、よっぽど頭がおかしいとしか言いようがありません。
もし、正嗣が間に合わなかったら彼女には地獄が待っていたでしょう。
最終的なこの女への制裁が軽いのはちょっと不満でした。
できれば、二度と外を歩けないようにしてほしかった。
未遂で終わった織美だけならこの処置でも仕方ないかと思いますが、すでに10人以上の被害者がいるとなるとどうも納得いかなかった。
できれば落ちるところまで落ちてほしかったです。
とはいえ、時間の問題だったとはいえ、香菜恵のバカな行動が織美が正嗣を受け入れるのを加速させたのは間違いありません。
織美の信頼を得るには手っ取り早かったかもしれません。


この作者様の話に登場する受けは料理を作るのが得意か食べるのが大好きということが多いと思うのですが、今作では料理を(特にアイス)食べるのが大好きという男の子でした。アイスに目がなくあっさり懐柔されていく様子にはちょっと呆れます。
つがい成立の最大の立役者は専属料理人の山口かもしれません。(笑)


二人が番成立させるだけで話が終わってしまったのが残念でした。
できれば子供ができるまで読みたかったです。
あとがきでこの先の展望が描かれていたので、短編とかで読めないですかね。

あと、兄と姉がいることが分かっていましたが、彼らが一切出てこないのがちょっと気になりました。
特に長男は次期社長として年齢的にももうヒムロで仕事をしていてもおかしくないのに、一切出てこないのはなぜだったのだろう。
ただ単に尺の問題かな。
織美がアルファに囲まれて皆に可愛がられるといいですね。

2

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP