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てんてん
特典
出会えた事が運命
本品は『運命よりも大切なきみへ 』のアマゾン限定特典
ペーパーです。
本編幕間、鷹人と番になった修司の様子が語られています。
源一が養子の修司とともに営む喫茶店プリマヴェーラは駅か
ら徒歩15分以上かかる上に、入り組んだ路地にあります。
源一のコーヒーを目当てにやってくる客が多いみせでしたが、
修司がバリスタチャンピオンシップで優勝してからは客足が
格段に増えました。
小さなころから生真面目で働きものだった修司ですが、源一
が入院してからはさらに拍車がかかったように思われます。
店を任せる分には頼りになることこの上なくても、親心と
してはもう少しくらい気を抜いて休んでもらいとも思います。
そんな時に源一のもう1人の息子である鷹人が、ドアベルを
鳴らして入ってきます。彼はカウンターの修司のまっすぐ
向かい、軽くハグすることを習慣化しています。
最初修司は店でのそういった行為を都度怒って窘めましたが、
下手に抵抗すると逆に店内の注目を集めると気づいてからは
されるがままとなっていました。
修司に助け舟を出すべく会計を頼むと修司はそそくさと鷹人
の腕から逃れてレジへ向かいます。その後ろ姿を見送る鷹人
の顔には隠し切れない気色が浮かんでいました。
店でいちゃつかれるのは考えものですが、2人はつい先日、
紆余曲折を経て番になったばかりの、いわば新婚のような
時期なので口を出すのも野暮というものです。
しかし映画化公開されて有名人になったラスキャンダルに
されるのではとも心配しますが、鷹人としては隠すつもり
がないようです。
それでも修司がどうお思うかは気になるようで･･･
A4版４つ折り片面にて2人を見守ってきた養父視点での
お話になります。
源一は少しだけトーンのおちた鷹人の小さな弱音に全力で
耳を傾けます。鷹人に対する答えをもつのは修司だけです。
ちゃんと本人に訊くようにアドバイスし、鷹人用に卵サン
ド歩作ったことを告げると鷹人は笑いながら自宅スペース
へと向かいました。
ランチタイムも終わり残るオーダーは2件だけです。源一
は修司にも休息を取らせて少しの間でも2人きりにさせて
やろうと声をかけます。
カウンターに戻ってきた修司は薄いピンク色の封筒を手に
していてどこか上の空でした。どうやら鷹人宛の手紙を預
かったようですが、以前の修司ならあっけらかんとしてい
たのに今の修司は焼いているようです。
そんな修司の変化に源一はニヤリと口端を上げて修司の
頭を撫でますが、手紙の宛名は「春川修司さま」でした。
すると修司はその場で手紙を開き、くれた人に番がいる
と告げてくると飛び出していきます。
あっけにとられつつもいつの間にか後ろに立っていた
鷹人が喜びに悶える事に気づき、「良かったな」と笑い
飛ばす
･･･というほのぼので甘いお話でした♪
養父の目を通して2人の穏やかな関係が語られ、今後の
彼らの幸せな未来が案じられていました。
出会った時から一緒にいるべきと思っていた源一にとっ
て2人のすれ違いはとてもつらいモノだったと思います。
また家族して過ごせることを誰よりも喜んでいるのは
源一なのかもしれないですね。
