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表題作金魚の産声

知久
悠太

同時収録作品金魚の産声

知久
悠希

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

「記憶が戻ったら、俺はお前と居られなくなる」
瀬戸内海の小島で静かに暮らす、知久と悠太。
悠太は過去の記憶を失くして幼児退行しているが、知久は何故かその記憶を取り戻そうとはせずに
何かから身を隠すようにして暮らしている。

閉じた世界で、どこか歪な幸せに浸る知久は常に”誰か”の面影を悠太に重ねているようで…?

作品情報

作品名
金魚の産声
著者
ごんたくにど 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
ISBN
9784813032533
4

(123)

(60)

萌々

(31)

(15)

中立

(11)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
25
得点
480
評価数
123
平均
4 / 5
神率
48.8%

レビュー投稿数25

"選ぶ"重み

間違いなく神作品。連載中からずっと大好きで、コミックス発売を楽しみにしていました。

ずっと悠太の存在に違和感はありましたが、それを受け入れるか受け入れないかで悩みながら、そばにいる知久。そんな知久にも違和感。物語は、最初違和感だらけで、そこに興味をそそられました。何かあるぞ、これは。

何かありました、ありまくりでした笑。

悠太は、悠希という、知久の恋人の別人格でした。ある出来事により、悠希の中に新しく生まれた、別の存在でした。ある出来事とは、悠希の実の父親との確執、そして父親の死。理不尽にも結婚させられそうな悠希と彼を助けて悠希の父親を殺害しまった知久。死にかけた悠希は、突然、記憶をなくし、幼児化してしまうのですが、咄嗟に知久が悠太と名前を付けました。悠太、その名前には思い入れがあり、同性同士では子を授かることはできないけど、いたら楽しいだろうと、そんな二人の思い入れの深い、"二人の子"の名前でした。
さらなる事実、悠希の父親を殺害してしまった事への罪悪感から身を隠していた知久と悠太でしたが、本当に殺したのは悠希だったこと。あくまでも悠希の発言であり、真実は悠希と父親のみぞ知るって感じですが、とどめは悠希がしていました。
さらにさらに、悠希は途中から、悠太の存在に気がついていながら、悠希にはあえて戻っていなかった。すんません、読んでいただくのが1番なのですが、別人格を客観視していたというか、悠太として生きながらも悠希もいたというか、読んでください笑。

知久は悩みます。自分が愛しているのは、悠希なのか、悠太なのか。どちらかを選ぶなら、どちらかは手放さなければならないのか。どちらも大切だから、悩んで、悩んで、悩みます。
知久の中にも私の中にもなかった、悠希の発想。痺れるくらいに衝撃を受け、今までのことがたくさん思い出されて、どっと涙が出てきました。どちらも選べばいい。楽しいことは倍になり(悠希も悠太もいる生活)、辛いことは分かち合えば半分になる(悠希の父親を殺した罪は一緒に背負う)。知久と悠希と悠太は、知久が気がつかないうちに、知久が求めていた"悠希となりたかった家族"そのものでした。

悠希の提案を、欲張りとは全く思いませんでした。悠希自身が悠太と共に生きる事を望んでいたからっていうのもありますが、知久が悠希も悠太も愛してることに対しての、"どちらかを選ぶ"発想よりも"どちらも大切"がしっくりきました。悠希と悠太、どちらかを失うという選択肢が私もずっと頭の中にありましたが、それを打破してくれる、悠希の言葉に、救われました。どちらかしか選べない現実を頭でわかっていても、希望を捨てずにはいられず、でもどう理由や言い訳をしたらいいかが見つかっていなかったので、発想の転換に本当にビビビッてきました!!素晴らしかった!大号泣でした。

どちらかを選ぶ、かではなく、どちらも選ぶ。簡単だけど難しくて、
"どっちにしよう"と悩んで迷って複雑に考えがちだけど、シンプルに"どちらも"でいいんです。
誰が一つにしろと言ったのか。でも、どちらかにするのと同じくらい、実は"どちらも"を選ぶのって覚悟がいるんじゃないかなと思いました。"選ぶ"重みを感じました。

タイトルの、金魚の産声。
金魚はフナの突然変異で生まれたものらしいので、悠希から悠太が生まれたこととか、タイトルと関係してるのかなとか勝手に思いました。

私の説明では多分全然なんのこっちゃだと思うので笑、とにかく読んでください!すっごく面白かったし、自信持ってオススメ出来ます!考えさせられる、深い作品でした。

10

すごい作家さまが出てきたなあ…

表紙では金魚を食べてる訳です。
表紙裏ではなにやら不穏な台詞が…
どうやら一筋縄ではいかないBLなんだろうなあと購入。

冒頭がこの表紙のシーンから始まります。
割と衝撃的…でもなんか台詞はほのぼのしてるから困る(笑)

この作品の詳細を語ろうとすると
確実にネタバレするし
ネタバレしたら魅力は半減してしまうと思うので
私はあたりさわりのない感想を書こうと思います。

帯もあらすじもあえて読まないで
まっさらな気持ちで読んでいただければ
この作品の素晴らしさは感じられると思うのです。

絵柄・シチュエーション・台詞・ストーリー…すべてが素晴らしい。

これを幸せかどうかと感じるのは受け手それぞれの評価だと思うんですが、私はこのコたちがどこか知らない街で今日も笑ってくれていると信じたいです。

9

一粒で二度美味しい!新しい世界観のBL

ぶっちゃけ評価分かれそうな独特な作品ですね。
個人的には、かなり好みな作品でした◎

ストーリー、作画共に独特の雰囲気があり、
作画は平成初期の少女漫画っぽくて、
どこか懐かしい雰囲気がアラサーには刺さる笑
また、BLでは重要な濡れ場ですが
とても色っぽく、ガッツリ描写もありました◎

あらすじを読む限り、シリアス系で暗い話かな…?
と、思っていたのですが、終盤のどんでん返しには驚きました。
しかも、最終的には主役2人は前に進むのでハッピーエンド?かな??

ストーリーと構成がとても上手く
BLでは珍しい展開でミステリー小説の様でした。
これから読む方は、ネタバレ等の前知識なしで読んだ方が楽しめると思います。

所謂、胸キュンを期待するBLではなく、物語を楽しむ作品ですね。
多少、無理がある部分もありますが、
個人的にはBLの枠を超えて純粋に漫画として楽しめました!
デビュー作との事ですが、かなりクオリティ高いですね✨

普通の甘エロBLには飽きてきた…と言う方に向いてます。
逆にトキメキを期待すると、ちょっと違うかな…?となるかも。
個性派BLがお好きなら刺さると思います。


※以下ネタバレ注意※


恋人が記憶を無くして幼児退行しており、
知久(攻)が以前の彼と比べてしまう所がとてと切なくて読んでいて辛い…。

幼児退行した恋人との濡れ場もそれなりにあったのですが、
何だか犯罪臭が凄くて個人的には、あまり萌られず、、、
しかし、エロは濃厚で◎

最後は2人で一緒に未来を進んでいくので、
明るい展開ではあるのですが、過去に、ある事件を起こしている関係で、
すっきりハッピーエンドとは言きれない仄暗さがあります。
今後も2人は過去の罪を背負って生きていく訳なので
共依存的な部分もあり、ある意味メリバなのかな?と言う印象に。

万人向けではないけど、好きな人には刺さる個性派BLでした。

4

気になる本

試し読みでずっと気になってた本!

簡単なあらすじは、幼児退行になった悠太と恋人の知久の話。
試し読みで読んだ時は、幼児な悠太萌え・・・(´ཫ`* )って感じだったがきちんと買って読んでみると奥が深い内容だった。

なぜ悠太が幼児退行になったのか、悠希とはいったい誰なのか、なぜ知久が別れを告げないといけないのかなどとても気になる内容でした。
少しシリアスな展開がありますが、何より表紙がとても綺麗で惹きつけられます!
ぜひたくさんの人に読んでもらいたいです!
本当に最高でした(*´∀`)

3

シリアスだけど、すごくすき

ツイッターで見かけて気になり、購入しました。

友久(攻め)と一緒に暮らしている悠太(受け)が金魚を口にくわえてるところから始まるストーリー。
身体のわりに、話し方が子供のような悠太とどういう関係なのか、どうして二人が一緒に暮らしているのか・・・次々と続く展開に、ページが進みました。
知久は悠太のことを可愛がっているけれど、時々悠太と誰かを重ねている部分があったりと何かを隠している・・・その理由が後半から話の流れとともに、説明されていきます。
現時点でネタバレぎみかもしれませんが、これ以上はよりネタバレになりそうなので、控えますが、これだけは言えます。最後はハッピーエンドです。(私的には)

友久と悠太・そして悠希がそれぞれ悩んで苦しんで、それでもそばに居たいと思ったのなら、二人が今幸せということなのだから、これからも見守りたいと思います。

終わり方ももやもや感がなく、スッキリした気持ちで読み終えました。

好みがわかれる作品かもしれませんが、私はとても大好きな作品になりました。

3

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