「なあ、どうしてお前は、もう一度俺の前に現れたんだ――?」

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表題作さよならのモーメント

[仮]犬飼 司
大狼 亮輔,25歳,死んだ春哉の幼馴染み
[仮]鼓 春哉
時計屋店主

その他の収録作品

  • 書き下ろし:八月七日夜の話/カバー下漫画

あらすじ

事故でこの世を去った幼馴染みの亮輔の死を引きずる春哉の前に、”自分は亮輔だ”と言う見知らぬ高校生・司が現れる。聞くと自殺未遂を止めようとした亮輔が、司の中に入ってしまったらしい。奇妙な縁で繋がった三人は、それを機に不思議な共同生活を送ることになる。司を介して亮輔と言葉を交わせて喜ぶ春哉と、春哉のために亮輔に体を貸す司。ずっとこのまま三人の生活が続くと思われたが――…?

作品情報

作品名
さよならのモーメント
著者
仁嶋中道 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
&.Emo comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784796415590
4.6

(150)

(112)

萌々

(28)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
695
評価数
150
平均
4.6 / 5
神率
74.7%

レビュー投稿数15

生と死を繋ぐ、不思議で温かな三角関係

【亮輔(幽霊)↔︎春哉←司】の一風変わった三角関係ですが、3人の不思議な交流と心の機微が丁寧に描かれていて、温もりを感じる優しい読後感でした。
因みに【性描写無し・キスまで】エロ大好き人間の私でも、丁寧な心理描写と緻密なストーリーで大満足でした!

片思いだった幼馴染みを亡くし、立ち直れずにいる春哉。
そんな彼の幼馴染で事故死した幽霊の亮輔。
そして、亮輔に取り憑かれた霊感持ちの高校生・司。
春哉と亮輔は両片想いで、そんな二人を不憫に思い亮輔に身体を貸していた司ですが、いつしか春哉の優しさと温もりに惹かれるようになっていて……

粗筋からして切ない三角関係ですが、お互いがお互いを思いやる、優しくて居心地の良い関係性でした。
だからこそ、いつまでも3人一緒に…と願う彼らですが、生きる人間と幽霊ではそう上手くいく筈もなく……

辛い経験から自暴自棄となり自殺を図っていた司ですが、亮輔と春哉の優しさに触れ、不安定な少年から前向きに成長していく姿にグッときます!

前向きに歩み出す司に対して、次第に惹かれていく春哉。そんな春哉の変化に亮輔は気づいていて…
亮輔の「今を見て優先順位ぐらいつけろ」の強い言葉には春哉への"前に進んで欲しい"と思う気持ちが込められていて、胸が締め付けられました。

前に進みだした司なら、春哉を過去から引っ張ってくれる筈。そう思って身を引くことにしたんだろうな……
正直、亮輔と司の友情関係が凄く好きだったので「亮輔、消えないで…‼︎」と、成仏の瞬間は辛かった…

亮輔と春哉に出会い前向きに成長する司と、司に出会いお互いの恋心にケジメをつける二人。偶然だった3人の出会いは、タイトルにある『モーメント』の通り、過去から未来に進む為の"契機・きっかけ"だったように思います。
また、ラストで登場する百日草の花言葉には「不在の友を想う」「幸福」の意味があり、じんわりと心に沁みる素敵な演出でした。

只、司と母親の確執が解決していないようで、少しだけモヤモヤ…上下巻ならこの辺りも補完があったのかな
緻密なストーリーで毎回ハッとさせられる仁嶋先生には、是非とも長編作品を描いて頂きたいですね…!

★先生のTwitterに高校時代の亮輔&春哉が小学生の司と出会う番外編が掲載されているので、興味がある方は是非!

12

エロなし優しい三角関係×幽霊

・エロなし(最後にキスだけ)
・三角関係
・幽霊
・幼馴染両片思い
・年下攻め、年上受け

上記の設定が盛り込まれているので、地雷要素があるかたやエロ絶対な方はご注意ください。

・時計修理技能士の春哉(亮輔が好きだった)
・自●未遂の高校生司(1話で春哉に助けられ好きになる)
・事故で幽霊になった亮輔(春哉が好きだった)

この三人の三角関係ですが、ドロドロした春哉を他の二人で取り合うようなシーンはなく、好きだけどもう一人の相手も捨て置けない…なんならこのまま3人でいたいと思う…でもそれで本当にいいの?と進んでいく話です。

春哉が霊感がないため、亮輔を認知することができず、霊感のある司の身体を借りることで、亮輔と春哉は話すことが出来ます。

司が序盤、親と友達のとあることが原因で家にも友人関係にも救いがなく人生に絶望するのですが、春哉と亮輔に救われ大切に扱われることで、だんだんと守られる子から成長していきます。

春哉は亮輔のことが好きでしたがだんだんとそばにいてくれる司の方にも好意があふれていき自分の変化に戸惑う。

亮輔はそんな二人の変化を見ながら冷静に状況を見ている。

帯の文が「拝啓、愛しい人。俺の分まで幸せになって…」なので「幽霊」という設定を相まって最初からラストをなんとなく察しながら読み進めましたが、それぞれの思いが整う形で綺麗にまとまっていました!
切なさのなかにあたたかさがある優しいお話なのと、丁寧な作画に好感が持てて好きです!

カバー裏の2Pともに漫画でしたが、個人的にこのエピソード色んな想像が描きたてられて好きでした。

ちなみに、コミコミスタジオの有償小冊子も含めてみたのですが、これを見ると司の思いがさらにわかり最終的に私は司推しになりました。
これから読まれる方は是非有償も一度チェックしてみてほしいです!

6

せつなくても極めてハピエン

死が絡むお話はどうしても悲しさや切なさが勝って苦手に思うことが多いのですが、このお話は大丈夫でした!
むしろ読み終わる頃には、すべてをひっくるめて司と春哉とその関係性を愛おしく思える、そんな前向きな話でした。

あらすじや試し読みで極端に亮輔の死に拒絶反応が出るようでなければ、ぜひおすすめしたい作品です。

過去2作品もそうですが、丁寧に描かれる気持ちの揺れ動きとストーリー運びがとても好きで、もうすっかり仁嶋先生のファンです。

4

心の支え

ストリート展開が秀逸!!!
お化けを含めたトライアングルの行方がなんともいえない物悲しさの中に幸せの光が見出せる作品。
感情の機微が入り乱れ『生と死』を繋ぐ。
表紙の絵と帯の煽り文が素敵過ぎます。


事故でこの世を去った幼なじみの亮輔の死を引きずる春哉の前に見知らぬ高校生:司が『亮輔』として現れるが、にわかに信じられずにいるが『ふたり』しか知り得ない話を始めるが…。

不思議な出会い、不思議な関係、不思議なトライアングル、不思議な共同生活。
このまま、穏やかに『三人』の生活が続くのかと、思われたがーーー。


10年後も観てみたいキャラクター達です。

3

とにかくすごい

作家様買い。

春哉と、亡くなった春哉の幼馴染みの亮輔と、
亮輔のことが見える司とのお話。

読む前はややこしいのかなー?って思って懸念してたんですけど
すっごくわかりやすく描いてくださっていたので
特に何も考えずに読む進めることが出来ます。

春哉と亮輔は実は両片思いだったことがわかって、そこでまず切なくなりました。
その後も切ないけど温かくて、うまく言えないけど読んでよかったなぁって思いました。

死ネタが絡んでるので悲しい気持ちにもなるんですけど
亮輔が居たことによって、春哉と司が救われたことは確かで
二人が未来を向いていることも確かなんですよ。

ちゃんと春哉も亮輔も最後はお互いに自分の気持ちを伝えられたこと
これが一番の救いなんじゃないかなぁって思いました。

仁嶋先生の作品ってとにかくすごくて、いつも感想書くのが難しいんですけど
いろんなことを考えさせられる作品だなぁって思います。

3

この作品が収納されている本棚

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