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ケモ耳愛溢れるフェッティッシュな作品かと思ってました。思ってましたよ⁈
ナニコレBLなの⁈ 道徳か⁈ 道徳の時間なのか⁈ と、ちょっと驚かされてしまう。
戦争が終結し(いきなりだなっ!)獣人を迫害する国から、子供たちを保護するICM(国際民族移住機関)の職員である鳩堀は、ほぼ野生化した獣人の子供を預かる事になる。
人間に虐待され、傷付いた子供は鳩堀に怯えるが、その優しさに触れて徐々に心を開いて行く。
狼少年が人として成長して行く、という様な冒頭。
フツーのBLならば、発情期を迎えた子供にムラついてエロエロめでたし!なんだが、そうはいくまいよ。というのは読み進めるウチに気がつく。
鳩堀という男、まぁ絵に描いたような無欲な、まるで菩薩の様な男なのだ。
独身なのだが、何歳になるのか。子供に「おじさん」と呼ばせ、親の様な心持ちで接する。
子育てなんてしたことが無いのに、いつも穏やかで、子供の為に何が出来るのかと考えてばかりいる様な男だ。
鳩堀は、子供に彼が生まれたであろう地名・リコと名付け、彼が受けて来た虐待の痕を見て涙する。リコが社会で生きて行く為にと教養を身に付けさせようとするのだが、ふと。迫害する側は動物である事を強要し、また今は、ヒトである事を強要する。それは彼等が生きて行く上で必要であっても。「文化的ふるまいを求められる場以外では、獣の習性を無理に抑え込ませることはせずにおきたいと思っているのです。」鳩堀は移民局の大使に告げる。話を聞いている大使も獣人であったりする。むしろこの移民局でのびのびと働く同僚の殆どが獣人だ。
私はふと思い出す。過去、戦争で植民地化された国々の言葉狩りや、思想や文化の異なる二つの国の血を継いだ子供たちの事を。彼等のよるべ無いアイデンティティを。
意外にもシリアス展開に涙しました。
途中、移民局で異種間結婚を申し出るカップルが登場します。リコとは違って、毛並が美しく甘やかされて育った獣人ノア。里親として育てたというイケメンとの間に愛情を育み、めでたく結婚するという。それは隷属じゃ無いのかと読み手側を少しハラハラさせたりもするのですが。彼等が本当に愛情で結ばれている事が後に分かる。イケメンだと思っていたノアのダーリンは女性⁈ 詳しくは描かれていないんですが、異種間の結婚というだけでは無くて。彼女がジェンダーをも超えた存在である事も匂わせています。
またノアがリコとは違い、ケモ耳なんて可愛らしいものでは無く。首から下が人間というミックスであるのに対し、「獣頭」というのが蔑称となっている。
彼等が幾つもの障害を乗り越えている事がチラリと垣間見えるのです。
幸せそうな2人を見つめて羨ましがるリコ。「おじさんのおくさんになりたい。」
そんなリコにも巣立ちの時。
鳩堀は親として、リコが生きて行く為にリコを独り立ちさせようとします。ただリコの為に。
もちろんおじさんを愛してしまっているリコは抵抗します…。ここ涙無しでは語れません‼︎捨てられる、と勘違いしたリコは虐待されていた頃を思い出したのか「おじさん、リコ、ぶってもいいから。捨てないで…。」
『なんて事を言わせてしまったんだろう。リコを守り幸せにするべき立場の僕が…。』
鳩堀はリコに向ける愛情ゆえに手離す時が来たのだと、そっとリコに告げるのです。
リコが自分らしく生きられる様にする為に。
そしていつか、2人で共に暮らす未来の為に。
リコもおじさんの愛情を知って、巣立ちを受け入れるのです。
鳩堀は、リコを隷属させたりしない。一己の者として認め、敬い、愛するのだと。
ラストには同性婚を最高裁が認めたというニュースがラジオから流れていて。リコが一己の者として、鳩堀と肩を並べて共に生きる未来を予感させてくれるのでした。
作品を貫ぬく思想のようなものが重く、その割にエピソード事態は軽いので、子供に読み聞かせる様な雰囲気を持つ作品なのですが、ずしりと胸に刺さりました。
描き下ろしは甘あま後日談などでは無く。リコを預かってまだ2週間の当時のお話。
まだおじさん以外の人が怖くて、ベッタリ職場までついて来ていたリコでしたが、同僚たちの話を聞いておじさんの迷惑になると気付き、嫌だけど、すっごく嫌だけど、頑張ってお留守番をする健気な様子。
そうそう、物語の特性上、エチはありません。発情期を迎えたリコのソロプレイのみ。
可愛すぎて泣きました。
また、文化や人間のエゴ、子供から大人になることなど様々なことを考えさせられました。
基本ふんわりしていて、のんびりしています。
私は大好きです。
ラブというよりかは愛のあるライフといった感じでした。
続編希望です!
お願いします…この作品を読むのです…読むと必ず人類愛に目覚め優しくなれます…読むのです……
BLではあるけれど、単純にそうではないのでBLのくくりだともったいない!
マンガ好きの人にももっと読んでほしいし、進めたい。
虐待されてたリコ。
おじさんに引き取られ人間の世界に慣れるよう頑張るリコ!
おじさんのおくさんになりたくて、掃除洗濯料理をするリコ!
健気でかわいいんです。
リコの成長物語でもあります。
見守りたい。。。
B Lであるかどうかは分かりませんが、
確かに愛を感じるお話です。
愛って言葉は広いですね。
本作では、家族愛・博愛・恋愛……色々な愛が当てはまると思います。
難民でハーフの獣人・リコを預かった鳩堀(おじさん)。
リコは耳としっぽ以外は、ほとんど人間です。
だけど人間から虐待されていたため、
臆病で警戒心が強く世間知らず。
鳩堀はそんなリコに名を与え、心の交流をはかっていきます。
リコの背中が傷だらけでビクビク怯えていて、
その背中を見て謝りながら泣く鳩堀ーー
と、一緒に泣くわたし(´ฅωฅ`)‧º·˚.
まいったなぁ……
序盤で泣いてしまったと思ったけど、
終始泣いてしまう結果にーー
〝おじさん〟の鳩堀が心底優しくて心穏やかなんです。
やっぱり親がいいと子も良い子に育つのねーって感じで、
リコもとてもいい子に成長していきます^^
鳩堀を思って空回りするところも、
〝おくさん〟になりたくて悩むところも全てが愛おしかった。
鳩堀に恋するリコの気持ちを受け取った上で、
自分が先に逝く事を思ってリコの自立を促す鳩堀に涙腺崩壊.°(ಗдಗ。)°.
そして、同性婚が認められたニュースが流れ、
未来に希望を残すラストだったと思います。
唇を合わせるだけの軽いキスだけですが、
それ以上なにも望みません。
そのくらい清く尊かった……
その後の二人をみてみたいーー
いや、ぜひ見守らせてほしい!