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表題作新装版 真夜中の相棒

あらすじ

心優しい美青年ジョニーの人生は三つのことで成り立っていた。アイスクリームを食べること、テレビを観ること、そしてカネのために人を殺すこと。彼は天使のように静かに、手際よく、ターゲットを殺す。
そんなジョニーの世話を焼き、殺しの仕事をとってくるのが相棒マックの仕事だ。マックがいなければジョニーは生きていけない。そんな二人は裏社会の片隅で、静かに暮らしていた。あの事件が起きるまでは。
計画外で殺してしまった男。その男は刑事だった。そしてその相棒が、執念の捜査を開始して、ジョニーとマックへとにじり寄ってくる……。

1984年に邦訳され、男たちの切ないまでの絆を詩情ゆたかに描いた傑作として、多くの読者を熱狂させた伝説の傑作。アメリカ推理作家協会賞受賞

翻訳:小菅 正夫

作品情報

作品名
新装版 真夜中の相棒
著者
テリー ホワイト 
媒体
小説
出版社
文藝春秋
レーベル
文春文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784167900878
5

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

共依存ってこういう事よね

素晴らしかったです。上質のノワール小説。ベトナム帰還兵の元上官・マックと戦地で精神的に壊れてしまった元後輩兵士ジョニー。帰還後2人はひょんな事から殺し屋コンビになってしまいます。ジョニーは無垢な金髪碧眼の実行役。計画を立てる役のマック(茶色い髪で緑色の瞳のハンサム)はジョニーに全面的に頼られてそれに快感を覚えているけど、ギャンブル狂いのロクデナシ。ジョニーの前でだけ救世主みたいになれるのです。

側から見れば年上のマックがジョニーのお世話役のように見えるけど、実はジョニーも世話をさせる事によってマックを精神的に支えている…立派な共依存です。2人は性愛関係はないけど愛し合っている伴侶のような存在でもあります。心が落ち着かない夜は2人で同じベッドに入りますが添い寝するだけ。でもそれがまた萌えるのです。

2人に巻き込まれ事故のような形で最愛の仕事のパートナー・マイクを殺されてしまった刑事のサイモン。共に妻子がいたのにこの2人もかなりの行き過ぎた伴侶的な存在だったので亡くなったマイクの為に狂気の暴走をするサイモンの壊れっぷりも非常に良かったです。ロードムービーのような雰囲気も素敵だし度々出てくる映画や洋楽のタイトルが物語に花を添えます。意外性のある衝撃のラストは皆様の目でお確かめ下さい。

あとがきによると1982年作でゲイ・ミステリの走りのような作品だそうです。素敵な作品にまた出会えたことに感謝。同じ作者の似たテイストの刑事もの2作も購入したので読むのが楽しみです。

今作は「天使が隣で眠る夜」という邦題で映画化されてるそうです。腐女子の胸を打つ素敵なタイトルだ。

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