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表題作推しの溺愛が限度を超えてます

関宮涼誠,モデル兼企業家,23歳
川久保佑紀(倉本悠也),18歳

その他の収録作品

  • 恋人の嗜み
  • あとがき

あらすじ

幼い頃から大好きな、隣家の涼誠お兄ちゃん。母の再婚で遠方へ転居する佑紀はそれでも、高校生になれば傍にいられると希望を抱いていたが、大人の勝手に翻弄され夢のまた夢に。明日をも知れぬ境遇でも、モデルとして活躍する彼を推していれば今日も幸せ――そんな佑紀を何年もかけて捜し迎えに来てくれた涼誠と、なんと共に暮らすことに……!?

作品情報

作品名
推しの溺愛が限度を超えてます
著者
きたざわ尋子 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344850637
3.8

(34)

(11)

萌々

(10)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
127
評価数
34
平均
3.8 / 5
神率
32.4%

レビュー投稿数8

シリアスかと思いきや

サマミヤさんの挿絵につられてお買い上げ。
きたざわさん作品は溺愛・執着攻めって割と多いイメージがありますが、今作品の攻めさんも執着攻め。薄幸な受けちゃんを一途に愛しひたすら溺愛するというお話ですが、そのバックボーンから推測してしまうシリアスさはあまりありません。

その大きな理由の一つに、攻めさんの執着っぷりがコミカルに描かれているから。

薄幸受けがスパダリに愛でられ愛され幸せになる、という王道のストーリーですが、そこにくすりと笑ってしまう因子が加わることでシリアス過ぎず、王道のそれとは一線を画す作品になっていたような気がします。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




18歳の佑紀は高校にも通わず夜のバイト(水系のお仕事ではありません)をしながらバーの片隅を間借りさせてもらい、そこで寝泊まりさせてもらっている。

人目を避け人と関わることを良しとしないその生活には実は理由があった。
家庭環境に恵まれなかった彼は、15歳という年齢で家を飛びだし、もとい逃げ出してきたのだった。そこをゲイバーのママの艶子に拾われ、最低限の生活だけは保障してもらっている。

そんな彼の唯一の楽しみは「推し活」。
モデルで起業家でもあるRYOSEIのオタクを自認している彼は、今日もRYOSEIの情報を求めてネットをさまよっている。が、RYOSEIは実は幼馴染。子どもの時は「涼誠お兄ちゃん」と呼び懐いていたのだった。人気モデルとその日暮しをしている自分とでは住む世界が違う。だからこうしてネット越しで涼誠お兄ちゃんをひっそりと応援しているのだった。

が、実は涼誠の方も佑紀のことをずっと探していて―?

というお話。

序盤こそ佑紀が可哀想で薄幸さに満ち溢れていますが、涼誠も佑紀にご執心ということがきちんと読者に提示された状態でストーリーが展開していくのでハラハラしたりシリアス展開になることはほぼありません。と言いますのもですね、涼誠と佑紀の視点が交互で紡がれていくんですね。なので涼誠の感情はきちんと読者にも見えているのですが、彼の心の中の声が、めっちゃ可愛いの。コミカル、と言ってもいいかも。

こういうお話の攻めさん、と言ったら、カッコよくてクールで懐が広くて受けさんファーストで。という大人の男性がテッパンな気がしますが、涼誠という男性の佑紀への執着心が、時にコミカルに、時に笑いを誘う描き方がされているので読んでいて思わず吹き出してしまうシーンもたくさんありました。

で、今作品には登場人物はさほど多くはありません。
序盤からすでに、主に描かれる人物は今作品の主人公の涼誠と佑紀の二人に加え、涼誠の弟・卓馬くんと佑紀を助けてくれた艶子ママのほぼ4人くらいしか登場してきません。なのに、この4人の紡ぐストーリーのなんと面白いことか。それぞれ王道というかBL作品では既視感ありありな中身を持っている男性たちなのですが、その絡み方が絶妙です。笑えるし、しんみりもさせられるし、元気ももらえる。個人的に、艶子さんと卓馬くんのその後が読んでみたいです。

あと、呼び名一つで端的に彼らを魅せる手腕に脱帽しました。
佑紀(「ユキ」と読む)が涼誠にとってはユウ、であること。
涼誠が、RYOSEIさまだったり、涼誠お兄ちゃんだったり、涼誠さん、だったり。
かと思うと、卓馬にとって佑紀は川久保であること、とか。
あとは艶子さんを、違う呼び方で呼ぶ男性(個人的には卓馬推し)が現れてくれるといいな。

薄幸青年がスパダリに愛され愛でられる、という王道のストーリーは個人的に大好きな設定で大好きなのですが、これはそこにさらに笑いとかコミカルさも加わっていて非常に面白く萌え満載なお話でした。

あとリアルで推し活している人にはより面白く読めるんじゃないかな。推しがそこで生活してる!って、これ以上ない魅惑の世界だよね。

サマミヤさんの挿絵目当てで購入しましたが、もちろんサマミヤさんの挿絵は完璧すぎるほど完璧に今作品の世界観をまるっと描いていて最高でしたけれども、何よりお話が非常に面白かったです。

評価で悩みましたがちょびっとおまけして神評価で。

11

確かに限度を超えてますね

久々にゆっくり小説を読みました。
最近は短時間で読み切れる漫画を読むことが多いのですが、時間があるときは小説ですね。
今回の攻めさまは、かなりの執着攻めですね。ユウを探すためならば、芸能人になっちゃうなんて。そしてインスタのフォロワーさんの中からユウを探し出そうとしているなんて凄い人だなと思いました。
個人的にはインスタのフォロワーさんで、ユウが勝手に同志だと思っていた人たちとは今後絡むことあるのかな?作品の中でオフ会とかあるのかと思ったんですけれど。
ユウとの知り合いか、RYOUSEIの身近の人かと思ったんですけどね。

今回の攻めが久々にかなりの執着具合だったので読んでいて面白かったです。
ユウに嫌われない程度の執着にしないとね。

2

溺愛攻め

あっという間に読了。
続編がありそうな結末だった。
「精神的、年齢的に大人な攻めと、うまく感情表現できない生真面目な受け」というお得意の構成。

ユウは、母似の美少年。
母の愛人の息子に押し倒された事を母に告げたら、
逆に我慢して受け入れるように諭されて、母親や諸々から逃げて家出。
家出して乗った電車に同乗していた艶子さんに助けられて間借り。
艶子さんのマンションの火事で、報道画面に映る後ろ姿を見て、涼誠はユウの居場所発覚。
ユウにとっての「推しの涼誠」と、同居生活が始まる。

ユウはエリマキトカゲ、パニックを起こすと「飛び出し癖」が出て、走り去る。
我慢、我慢と、大好きなユウに逃げられたくない涼誠
ハイスペックな涼誠お兄ちゃんが、我慢を重ねる様子が面白い。

ラブコメディで、シリアスじゃない。
軽めタッチで、合間読み向き。

7

執着溺愛

イラスト買いです。

執着溺愛攻め×不憫受けという最高のお話でした。
読む前は、推し?うーん…って思ってたのですが、
読むとなるほど!って思ったし好きだなぁって思いました。


個人的に、佑紀のお母さんがほんとにありえなくて、拒絶心がすごかったです。
子供にそんなこと言う親はもはや親じゃないなと。

我慢しろって言われた佑紀は逃げてよかった…。
悪い人だって世の中たくさんいるだろうに、
そんな中で艶子さんに出会えてほんとによかった…!

佑紀が涼誠と再会するまでのお話は、辛いだけじゃないんですけど
でもやっぱり幸せとは言えなくて、そんな中で艶子さんと早々に出会えたのは
佑紀の運の強さだと思うし、安堵しかないんですよね。


後ろ姿だけで佑紀を見つける涼誠はさすがとしか言いようがないです。
涼誠が惜しみなく佑紀を愛情で包み込んでる姿に
溺愛攻め…最高だなぁ…としみじみ思いました。

サマミヤアカザ先生のイラストが儚さを醸し出していて、すっごくよかったです。
素敵なお話でした♪

5

推しに溺愛されるとか羨ましいっ

きたざわ先生作品を最近読み始めまして、まだそう多くは読めていませんが、溺愛・あまあま作品が多く、糖分補給にもってこいです。
受けが可愛くて仕方ない攻めというのが、私は可愛くて仕方ないのですが、
こちらの作品の攻めも安定の溺愛っぷりで、受けを好きな気持ちがダダ漏れでめちゃくちゃ可愛かったです。

佑紀が物心つく頃からずっとそばにいてくれた、近所に住む大好きな涼誠お兄ちゃん。親の都合により離れる事になったふたりなのですが、会えずに過ごした五年余りの月日の中で、ふたりとも拗らせてました!(^ ^)
モデルとして活動する涼誠お兄ちゃんは、佑紀にとって推しの"RYOSEIさま"へと変化し、
涼誠は涼誠で、消息がつかめない佑紀への想いを怖いくらいに募らせていて。
再会するまでも、再会した後も、涼誠の佑紀を想うがゆえのヤバさがとても楽しかったです。
まだ佑紀を見つけられてもいないのに、自分の住居に佑紀の部屋をつくったり。
ヤバい攻め来た♡と、私ワクワクでした。

視点は、受けメインにしながら、攻め視点も時々あり、攻め視点ではひたすらに、佑紀かわいいかわいい…というヤバめな感じなのですが、そこもまた楽しかったです。

佑紀が涼誠を"推し"として扱うものだから、恋愛のテンポは遅め。
佑紀は涼誠を直視する事すらできないくらいなので、良い加減もう慣れてくれよ、目ぐらい合わせてやってよ、と私、少しジレジレしてしまいました。

電子書籍には、電子限定の短編が入っていました。
佑紀の姿が見えない、気配を感じられないと平静でいられない涼誠が、涼誠の弟視点で語られている部分が可愛いのなんの。(実際は、佑紀と離れていた時間がそうさせたので、ちょっぴり切なくもあるのですけどね)

5

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