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キスブルーの続編です。むずむず。
キスブルー?と同じ二人。友達のままでいようとするのですが上手くいかず、ぎすぎすした状態になります。
そんなとき友坂を好きな女が出現します。その女が野田に恋の相談をし、友坂のいいところを挙げますが、そのとき野田は『優しい友坂しか知らない奴が知ったふうに語ってんじゃねーよ』と心のなかでつぶやきます。キュンっと胸が締め付けられました。
「友達でいたい」という言葉は、はたしてどちらがより傷ついたのでしょうか。
私としては「萌」レベルです。
巻末にある2年後設定「未来は君の手の中」を読んでバカップルになっていたからです(笑)浮気の心配とか…あんまり読みたくないなぁと思ってしまいました。
そして、店長が主人公の「彼はカフェで待っている」…これが「神」です!
店長(良介)の報われない恋。相手(透)は結婚・子持ちで、長い間親友でした。
ノアの箱舟に誰を乗せる?――そんな質問に透は「俺はお前を選ぶよ」とはっきり言います。良介の気持ちを知ってか否か。
店長がキスブルーの友坂に優しかったのは、友坂と透をなんとなく重ねていたのかもしれませんね。
とにかく報われない、大変悲しいお話です。
表紙をご覧になれば分かる通り、2人の距離は縮まります。
お互いに真剣だからこそ、すれ違う2人。
この2人も切ないですが、店長も切ない!!
最初に触れたのは俺だから、罪は俺にある
罪になるほどの恋が、どれほどあるのか。
応えることのできない気持ちなのに、あの優しい言葉はひどい。
だからこそ、響くのだとおもう。
気持ちなんて、どうしようもないのですがね。
友坂目線だけでなく、野田目線もありそこがいい。
恋愛なんだから2人の気持ちを知りたくなるので。
野田を思って切なくて隠れて泣いちゃう友坂かわいい。
友坂のことを考えてイライラする野田もいい。
その感情の根もとがわからなくて悶々とするもんね。
そこをめんどくさくなる手前で、適度にテンポ良く進むから読みやすい。
エミちゃんの潔さに気づかされて吹っ切れて良かったね友坂。
こういう女性の描き方は好き。
友坂の告白のシーン、モノローグとともにたっぷりの間がいい。
野田のライターをカチッとするタイミングでの答え方も。
そして、満を持してのちゅうシーンですよ。
野田が友坂のほっぺにやさしくそっと触れながら「キスしたいんだけど」と言い
「やだよ だってずっとオレがしたかったんだから 俺からさせろよ」と友坂。
このシーンめちゃくちゃ好きだ。
ま、タイトルなだけありますな。
2人の座る距離が離れていて、腕を伸ばして抱きしめ合ってのちゅうがいい。
「タバコ臭ぇ」
「お互い様だろ」
と笑うのが、ここでこれを言わせるために今までの喫煙シーンがあったのか、と思える。
先のことなんてわからないけど、2人の仲はずっと続いていくかも、と野田と同意する友坂。
こういうのも好き。
野田は前歴があるから信用ないと描き下ろしで友坂に言われているけど、友坂のこと本気で好きで浮気グセが治るといいね。たぶんそうかと。
俺達の見えない明日は
何色だろうか?
これはタイトルのブルー、次のコマの空色を指しているのかと思うけど、言うまでもなく鬱なブルーではなく未来は明るいブルーのことですよね。
読み終えてから表紙を改めて見ると、2人ともいい顔しているなぁと、末永くおしあわせに!と思いました、
余談ですが、紙質がよく本を持ったらずしりとくる重量感が好きです。
(他の本と比べたら重さが違った)
友坂が女子に好かれていることを見抜いて、「つきあっちゃえば」なんて善意で言っている野田。楽にさせたいからそう言ったのに、友坂を苦しくしてしまう。野田はそういうところがいじわるだと思います。(笑)
そして、二人が離れれば離れるほど、お互いにどんどん本当の気持ちに気がついてしまう。ストーリーが秀逸なことはもう言うことなしですが、友坂の横顔が色っぽいんです!こういう顔されるとやっぱり萌えます!
最後は無事に二人とも結ばれて終わるのですが、一巻ほどの盛り上がりはなく、何とも平和です。それでも私はこの結末好きです。「やっぱり好きだな」なんて何にしろなかなか言えない言葉だと思いますし、木下先生の手にかかると、言い方もあるけど、甘く聞こえてしまう(笑)
最後は、「若いからまだ先のことなんて想像できない」と締めくくっているのですが、本編でも触れているとおり、二人はずっと続いていくような気がしているのはおそらく私だけではないはず。
面白いのですが、表題作は1巻時点の方が良かったなぁという気もします。ずっと隠し続けてきた友坂くんの恋が(たぶん)実ったのだとは思うのですけどね。
当て馬役で登場した女の子がいい子なんですよ。BLでメインカップルのどちらかに恋をする女の子キャラって、どこか性格的に嫌な部分があるように描かれることが多いと思いますが、この子は本当にいい子。もっといい彼氏を見つけて幸せになっていてほしいです。
まぁでも1巻時点からゆっくりとゆっくりと、「友情」が「恋」に変わる様子が描かれてきましたので、ラストで結ばれた時は「よかったね〜」という気持でした。現実でも青春時代に同性同士で「友人と言うにはちょっと濃厚すぎる関係」になることってあると思うんですよ。でもたいがいは際どいバランスで振り子が友人の方に傾いて、時とともに風化していくことが多いと思います。このストーリーは、そのバランスがあちらに振れた場合のエピソード。
その後、彼らが大人になっても続くかはわからないし、次の恋(があったとして)は同性への物かもわからない。今だけの刹那的なキラメキかもしれない。
だけど、彼らがずっと一緒にいる未来を夢見たいと思ってしまう作品ではありました。
そして、切ないのが同時収録のスピンオフ。バイト先の店長のエピソードなのですが、これは友坂くんの思いが通じなかった場合(だけど、疎遠にもなれず友人を続けている)に起こり得たかもしれない未来の話にも見えて。店長、切ないです。
店長、まだまだ若いのだから、ぜひどこかでずるい奴は乗り越えていってほしいよ…
初っ端に「表題作は1巻時点の方が良かったなぁ」とか書きながら、こんだけグダグダ書き連ねる程度には、感情を揺さぶられるお話でした。