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表題作ナアレフの恋人(2)

上総藍良 元組長 現「ナアレフ」オーナー
清野初音 元外交官 現「ナアレフ」マスター

その他の収録作品

  • 博士とスパイ
  • 女神と悪魔
  • 愛と罪

あらすじ

美貌の喫茶店店主・清野と、彼の恋人で刑務所帰りのヤクザの組長・上総。再び一緒に暮らすようになり、清野は上総の自分への執着にもなかば諦めをつけている。その清野がかつて上総から逃れるため、外交官の卵として赴いたイギリスで巻き込まれた謎のスパイ疑惑。十五歳で悪夢の再会を果たし身体を奪われた怒涛の思春期が明らかに。二人を見守る組の顧問弁護士・三島と、警察官の川端の、許されざる恋の軌跡も同時収録。喫茶店ナアレフに集まる男たちの複雑な過去のとは......。シリーズ第二弾! 全編書下ろし。

作品情報

作品名
ナアレフの恋人(2)
著者
谷崎泉 
イラスト
藤井咲耶 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
ナアレフの恋人
発売日
ISBN
9784576071862
3.9

(17)

(5)

萌々

(7)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
66
評価数
17
平均
3.9 / 5
神率
29.4%

レビュー投稿数3

超絶美形も苦労が多いね

『ナアレフの恋人』二巻です。
前巻がひっじょうに面白かったもので、すぐ二巻に手を出しました。
今回も三本収録。
三本あれば一本の中身は薄くなりがちですが、そんなことがないのが谷崎作品。


受けの清野は、良いのはその美し過ぎる容姿だけ?というようなズボラな喫茶店マスター。
同級の上総とは幼馴染みで、現在同居中。

攻めの上総は32歳。
出所してきたばかりの、暴力団上総組のカリスマ元組長。
極度の嫉妬執着で、清野を縛り続けています。

上記のメインカップルの他に前回から引き続き、警察庁に奉職する川端(受)と暴力団組織の顧問弁護士で川端にゾッコンの三島(攻)がおります。


今回は前巻に比べて内容は固いと言えますが、それでも散らばられた「くすっ」笑いは健在。
というか「ぶふふ」と豚鼻笑いしちゃいました。

メインは七年前の清野の周辺のお話。
なんとか上総の束縛から逃れるため、清野は外交官の卵としてイギリスへ赴任していきます。
そこで国家間の問題に巻き込まれるのですが、それはひとえに彼が超美形であった為で…もう気の毒としか言えません。
そして可笑しいのは清野が感じる身の危険とは、自分の容姿に纏わりついてくる男性相手であって、それ以外に何かあるとは当たり前ですが思ってないことですね。
一般人である清野とエージェント(CIAのレッドアイとSISのボッシュ)たちでは、まったく立ち位置が違うので噛み合わないっぷりが凄いです。

そして二話目は、15歳の清野と上総の再会から。
そしてそのまま怒涛のような上総の押しと無理矢理結んだ体の関係で、今に至るという感じですね。
嫉妬スタートですよ。
しかし、今の上総も凄いと思っていましたが、少年の時の方がパワーや噛み合わな度は上ですね。

2

笑いどころが多い

シリーズ全体の中でこの2巻が好きです。
スパイ疑惑の話が本当に面白くて、によによしてしまいました。
メインカップの一話目は受けの清野の視点、CIA、SISの視点で書かれています。それぞれの考えていることを全部知ることができ、それがまた笑いを誘います。
清野と諜報員側の思っていることは見事に食い違っていますが、CIAもSISも互いに疑い合って、そこに清野も加わり三者が見事に全然違う方向に考えを進めているのが笑えてきます。
さすが魔性の男清野!

1

コミカルでテンポがいい。

攻・上総藍良(31) 元組長 現「ナアレフ」オーナー
受・清野初音(32) 元外交官 現「ナアレフ」マスター

・博士とスパイ
清野が上総から逃れるために外交官としてイギリスに派遣された頃のエピソード。
後に上総が逮捕される原因になる種が蒔かれています。

上総から逃れて英国で自由を満喫しようとしている清野ですが、その美貌は世界共通の魅力でした。
たまたまロシアの老人に声をかけられ、たまたまイギリスで再会して、ちょっとばかり観光にお付き合いした…清野にとってはただそれだけの出来事でした。

しかし、その老人は、ただのゲイではなかったのです。
よりにもよって国家的利益をもたらす可能性のある研究の第一人者であり、イギリスに亡命してきたばかり。
しかもその研究を狙って、ロシアのマフィアと英国諜報部SISのエージェント、米国CIAらが周囲を警戒しているのですが…そんなこと清野は知りません。

老人が接触した唯一の人物として清野は調べられ、マークされます。
不自然に現れるエージェントたちを大げさなくらいに警戒しまくる清野。
自分の周りに意味ありげに近づいてくる若い男と親しくして良い事など無い、というのが彼の経験(主に上総との経験)から得た教訓でした…(苦笑)。

スパイの諜報合戦…BLじゃ無いけど、面白い。
清野とエージェント側が完全に食い違ってるのが、コメディです。
そして後々の清野が哀れだ(笑)。

・女神と悪魔
上総と清野の出会いと再会のエピソード。
子供の頃は上総の方が小さくて弱かったんですねぇ。
出会いが2歳。
その頃から飛びぬけて綺麗だった清野に懐いた上総。
ヒヨコに刷り込まれたんですね(笑)。
そのヒヨコは凶悪なダチョウ(勢いとか、そんな感じなので)に成長し、中学3年の再会で清野をとっ捕まえた、と。

引っ越したマンションの隣の部屋に上総が住んでいた偶然は運命。
あっという間に強姦され、以来、清野は上総から逃れられなくなりました。

・愛と罪
上総組顧問弁護士・三島郁美×警察庁キャリア官僚・川端隆紀
まだお互いが自分たちの立場を分かっていなかった頃の話。

三島と川端は、仕事では敵対する関係です。
それを互いに隠していた…主に三島の方が隠していたわけですが。

互いの立場を超えることができるのか、という。

主役カップルがムリヤリ・なし崩しなラブなのに対して、こちらの2人はしっとり大人の雰囲気をかもし出しつつ、三島の土下座愛。
どっちも楽しめます。

2

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