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表題作唇で壊される。

丘智周  恋人が途切れない
神流柚槻 恋愛に関して傷有り

あらすじ

かつて年上の男との恋愛に傷ついた神流柚槻は、以来本気で誰かを好きになることができなくなっていた。
キスまではいい。でも、それ以上は許されない。
そんな柚槻の周囲には何人もの遊び相手がいた。
けれど、丘智周と出会ったときから、なにかが変わり始めた。
誰にでも優しく接し、相手をその気にさせる智周に恋人が途切れることはない。
そんな男に本気になってはいけない。
そうわかっていても、惹かれる心は止められなかった。
つきあい始めたふたりだが、好きになるほど不安と寂しさは深まっていき…!?
出版社より

作品情報

作品名
唇で壊される。
著者
橘紅緒 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813011637
3.9

(39)

(20)

萌々

(5)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
10
得点
151
評価数
39
平均
3.9 / 5
神率
51.3%

レビュー投稿数10

ヤラレマシタ

昔好きになった男ってのが、遊び人で、本気になるのが馬鹿なんだといったスタンスの人だったため、神流は自分の気持ちを隠して、その男と接するわけですが、途中で苦しくなってしまって、終わらせるんですね。
それからは、本気で誰かを好きになることができなくなっていた。
バリバリ、引きずってしまっていたわけです。
そんな時に出会ったのが、これまたモテル男を好きになってしまって・・・

目新しい設定は何もないですよね。
でも、なんでしょう。
もう、生まれて2○年。こんな不器用な恋愛、忘れてしまったわってくらい、
こう、ジレッタイ?って言葉がぴったりな受の不器用さに涙を誘われ、
ウルウルきましたね。
丘智周にも実はトラウマがあって、余計、チグハグになってしまうのですが・・・。
付き合うまでも、遠回り、付き合ってからも勘違い、不安、寂しさ、いろいろ付き纏うんですね。
でも、なんだかすごく優しい空気が流れていたお話でした。
読後は、「よかった~二人とも笑顔で」と、見守っていた二人がようやく幸せになったっていう
カンジがありました。

おすすめです。
読んでみてください。

8

独特の空気感

かつて辛い片思いを経験し、恋愛に臆病な大学生カンナ。
恵まれた容姿を持つ彼は、一時過ごす相手には事欠かないが、常に遊び。
キスはする。キスはするけれど、それ以上は踏み込ませない。

誰にでも優しく感じのいいチカは、相手をその気にさせる達人、
常に恋人を切らすことがない。
そんな相手に本気になってはいけない、と思いながら……

特別な話でもないし、淡々と物語は流れていくのだが、全編に独特の雰囲気が流れる。
ランプの火が象徴的に出てくるが、そんな夜の光のような、憂いを帯びた雰囲気。
チカの住まいのスタイリッシュなうらぶれ方が、またいい。

ストーリーは不器用な恋の物語。
あらすじを書いてしまうと、あっけないほどの話で、
やさしいハッピーエンドだし、甘い話といえば甘い話。
当て馬の少女の正体もなんとなく見当がついたし、ドラマチックさはないが
リアリティのけぶるような情景や、繊細な心模様を積み重ねながら物語は進む。

カンナの大学も見当がつくが、チカの学校があまりにもピンポイントで分かるのは
いかがなものかなぁ?と思ったりもしたが(笑)
モデルの場所の雰囲気を上手く取り込んでいるので、
土地勘があるとよりイメージに彩りが加わるかもしれない。

まぁ、こんな高校生いるかなぁ。とも思わなくはないし、ツッコミどころもありますが、
一言でまとめると、この作者の描く
こういう独特のちょっと現実離れした空気感が頗る好み……です。
奈良さんの挿絵も素敵だったので、まぁ「神」にしちゃおう。

5

唇が壊したものは。。。

電話一本で呼び出されてくれる不特定多数の友達がいて
しかも、その友達も
ケーバンを変えたらそれで途切れてしまう程度のつながりしかないという
そんな遊び慣れた雰囲気を醸し出している
この何事にも熱くならないカンナという男に嫌悪すら感じていたのに
その根っこにあるのは
報われない片思いに本気になって辛い思いをしたという過去のトラウマだったと知って
カンナの抱える不安がそうさせていたのだと思って
印象がちょっと変わりました。

そんなカンナを変えていく、誰にでも優しいチカ。
しかし、彼の無自覚の優しさもまた
過去の経験がそうさせているという事実。

過去に振り回されている二人の恋はとても不器用で
些細な事で相手を疑ったり、受け入れられなくなったりします。

そんなすれ違いを繰り返す二人の行方を
ほんの残りのページ数を数えてヤキモキしながら読みましたよ。

それだけに
ラスト~エピローグは心の底からほっと力を抜いて味わわせていただきました。

全体的に、抑えたトーンの文章ながらも
その裏に隠れた熱がバシバシ伝わってくる、そんな作品でした。

奈良千春さんのイラストの雰囲気も、作風にピッタリで良かったです。

タイトルも、作品全体をひとことで要約しているようで上手いな~と思いました。

4

甘いかもしれませんが神評価

ネタバレなしで書きたいと思います。
橘さんはかなり好きな作家さんで、ずっと新刊を待ち続けています。
こちらの作品も大好きです。

受けのカンナは遊び慣れた風を装い、内面へ誰も踏み込ませないように自衛する大学生。
好きだった大人の男が本気の恋なんて鼻で笑うタイプだったため、傷ついた過去がある。

攻めのチカは、来るものは拒まずといった誰にでも優しく恋人を欠かさない不思議な雰囲気の青年。
カンナの友人・五十嵐がバイトをするバーで働いており、そこで出会う。

カンナは傷つきたくないので相手とは一線を引いてつきあいたいけれど、チカはそんなもの見えてませんといった感じの青年でかなり不思議系です。
物を食べたりトイレ行ったりがあまり想像できない感じでしょうか。
ただ、チカがそんな感じなのには原因があるのですが。

チカの正体(大げさ?)は読み進めていくと判明しますが、読み手としてわたしはよく穿った見方をするので素直じゃないタイプかと思いますが、そんなわたしも「マジか」と(笑
反面、途中出場してくる女の子はわかりやすかったですね。
でも良いんです、当て馬は必要ですからね!

カンナがどんなに魅力的であったとしても「キスまでしか許さないのにあんなにイレグイだろうか」と頭を傾げる部分もありますが、もうそんな小さいことは横に置いちゃうわ!というぐらいわたしはチカ素敵!とジタバタいたしました。(いいトシして…)

しかし作家買いのため、あらすじに目を通さず読み始めてしまいカンナの友人・五十嵐が相手かと思って「うーん、好みじゃないかも」なんて最初感じていました。あらすじは多少は読むべきですね…

4

のりおちん

ココナッツ様、コメントありがとうございます!返信、こちらで大丈夫でしょうか?読み専だったもので、不慣れですみません。

『唇』、良いですよね〜〜!チカみたいな自然体の攻めって、あんまりBLにいないですよね!あんな無自覚モテ男が「実は一途」で、カンナみたいな美人が「実は処女」だなんて……あぁ、BL尊いヾ(:3ノシヾ)ノシ 紅緒さん、お休み中なんですね……知らなかった。復帰されるのが待ち遠しいですね。

不安と寂しさを抱えて“遊び”の振りを続ける受け

年上で遊びなれた男に本気になった。
本気を見せて重いと思われるのがイヤで
せいいっぱい背伸びして駆け引きを覚えた。
キスひとつに戸惑う純情を押し殺して“遊び”だと演じる恋に
苦しみ、疲れ・・・自分から初恋に幕を引いた 神流柚槻(カンナ)

本気で惚れたりするから馬鹿をみる

わかっていたのに、夜のクラブで遊びなれた余裕の笑みを浮かべる男
丘智周(チカ)に恋をする。

飽きられたくなくて、また駆け引きを演じる柚槻(カンナ)・・・

みたいな話でして
受けも攻めも、どこかアンバランスな存在感で
つかみどころのない空気感に焦れるっ。萌えるっ。
「唇で壊される。」というタイトルどーり
何度も柚槻の肌に落とされるチカの唇にチリチリと胸が焦がされるようでした。
初恋の痛手を抱えたまま、新しい恋をする柚槻
だいたい相手を好きになる行為自体が、すでに“重い”わけで
好きになればなるほど気持ちは重力を増す。
でも相手に重さを渡さないから
自分ばっかり重くて苦しくなっちゃうんだよね。
そのじれったさが恋なんだよーっ!!!

橘紅緒さんの作品を、はじめて読んだのですが
ものすごく読みやすかったし
焦れ焦れさせられて胸がジンジンした。

奈良千春さんの挿絵も、雰囲気があって良かったv

3

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