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9

君の夜に触れる

kimi no yoru ni hureru

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表題作 君の夜に触れる

榊千夏 → 阿座上洋平

御縁佳澄 → 土岐隼一

あらすじ

「本当の俺を知ったら…
きっとあんたは失望する」

殺し屋の千夏は、運命に再会した。

運命の名は、佳澄。
目の前で兄を亡くしたとき、手を差し伸べてくれた少年である。

数年後、千夏は偶然
ひったくりに遭った佳澄を助ける。
目が見えないと話す佳澄を放っておけない千夏は
近付くべきではないと思いながらも、
彼と距離を縮めることになるが…。

暗闇にとらわれた二人が
お互いの孤独を溶かしてゆく、救済の物語。

作品情報

作品名
君の夜に触れる
著者
もりもより 
媒体
CD
オリジナル媒体
コミック
メーカー
フロンティアワークス〈CD〉
収録時間
92 分
枚数
2 枚
発売日
JANコード
4589644788773

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9

4.8

(35)

(31)

萌々

(3)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
170
評価数
35
平均
4.8 / 5
神率
88.6%

レビュー投稿数10

涙が溢れた「君の夜に触れる」の瞬間

千夏×佳澄


キャスト:千夏 → 阿座上洋平 、佳澄 → 土岐隼一

Disc1:コミックス 第一話〜第三話 約50分
Disc2:コミックス 第四話〜最終話+後日譚 約42分


2人の美しい関係性が見事に表現されて、
繊細で、切なさから生まれる幸せが満点で、
2人の会話、まるで時間が止まるかのような静けさと温かさが漂いる。

阿座上洋平さんの千夏、
男前で凛とした声色で、
抱える孤独、悲しみ、不安、
心に潜む葛藤に引き込まれてしまう。
佳澄と話の時の柔弱さから、
だんだんと露わになる熱さや愛情、
佳澄に対する心情の変化まで素晴らしく演じられている。

土岐隼一さんの佳澄、
そこまで純粋で柔らかなトーンもできるなんて感嘆せずにはいられない。
暖かさに満ちていて、力強さを感じさせる声。
盲目がどのように世界を感じているのか、
孤独が声から滲み出ていて、
内面の豊かさ、喜びや希望がもあふれ出し、
そして、全てを千夏に託すという真摯な気持ちがリアルに伝わってくるのよ。

2人が触れ合うシーン。
静かな夜に、心臓の鼓動、吐息、交わる温もり・・・、
CDでしか表現できない感動・・・胸がいっぱいになる!

「君に触れて、はじめて夜が温かいものだと知った」
2人が同時に心の声にする瞬間、すぐに涙が溢れた。

音楽も素敵で、
シーンにぴったり合っている。
静かな旋律が、
物語の雰囲気や2人の心情を巧みに表現している。

おまけのCDケースサイズのアクリルプレートも嬉しい。

声優たちの生き生きとした演技により、
セリフを読むコミックス以上のものが生まれたと感じる。
切なくて温かく幸せな美しい物語に再び心が掴まれてしまいました。

6

視聴動画から期待大!まるで映画のような独特の時間の流れ方が秀逸!

原作既読、大好きな作品です。

その上、千夏くんを演じるのがこれまた大好きな阿座上洋平さんと知った時はゾクゾクとわくわくで発売が本当に待ち遠しかったです。

そして視聴動画で聴いてみて、優勝を確信しました!

土岐さんの上品でおっとりしていて、盲目でありながらも下を向くことなく精一杯生きている強い佳澄さん。

少年と言っても差し支えのない千夏くんを阿座上さんがそのまま演じてくれたのも、ふたりが初めて会った大事なシーンなのでその判断をして下さった事嬉しかったです。

音楽やSEも物語に奥行きや立体感を与えていて初視聴からこれは名作の予感しかしない!

さて、本編なのですが
とても静かな引き算の映画を観たかの様に感じました。

まっ暗闇の中で平均台の上の両端に立っているような対極なふたり。

殺し屋家業を背負わされた殺せない千夏くん、彼の背中からは薄い光が差していてたぶんそれは兄と母。でも彼は大きな過ち?と思い込ませる父親の呪いと兄の死という重い責任を抱えていて、目の前の暗い影しか見えていません。

佳澄さんは完全な暗闇の中に居ながら、千夏くんに向かって平均台の上を少しずつ歩み寄って行きます。大変危なっかしくでも勇気を持って傷つく事を厭わないように、見えない瞳で千夏くんをまっすぐ見つめるかのように。

千夏くんがまた父親から仕事をふられて
傷付き、雨の夜に佳澄さんのもとを訪れます。佳澄さんは雨は賑やかで好きと言い、遊びに来たカエルと戯れながら幸せそうに雨音に耳を傾けていて、部屋の灯りに包まれています。

一方で、千夏くんは光の届かない佳澄みさんの家の庭から声もかけられず静かに佇んでいます。2人の世界を別つかのようなこのシーンも見事に表現してくれました。

2人は会話をかわし、共に歩み寄りながらもいつ平均台から落ちてしまうのではないかとヒヤヒヤしますが、お互いに影響を与え合いながらやがて手が届き触れ合い抱きしめ合う。するとそこは平均台などではなくて、ひとすじの道でありやがて新しいふたりの道を歩んで行くことになります。控えめに言って号泣です。

加えて千夏くんの父親を演じた新垣樽助さん。出番は少ないのですが、この父親にも辻褄の合わない葛藤や悲哀が滲んでいて、ただの悪い父親にはならない事がお芝居からも伝わるのは新垣さんの説得力で絶対だなと思いました。

阿座上さんも土岐さんも、ひとつひとつの台詞を丁寧に繊細に情感豊かに演じて下さり、本当に素晴らしかったです。

これは何度も何度も折にふれて聴き返したい作品となりました。

最後に阿座上さん大好きマンとして、
1番好きな台詞は「いってきます」です。

眠っている佳澄さんを起こさないようにそれでいてちゃんと帰ってくるよの挨拶に聴こえて、千夏くんは一体いつからそういう意味の「いってきます」を朝の挨拶を出来ていなかったんだろうと思うと
嬉しくて哀しくなりました。


5

君の温かさに触れる です!

単行本の言葉に加えて新しい台詞や言葉も入り、ドラマCD初心者の私でもとても聞きやすかったです。そのうえ、声や音の凄みがより物語の世界へ誘ってくれるというか…ぐいぐい引き込まれる印象でした。他のドラマCDは聴いたことがないのですが、雨や海の音や場面のBGMなども聞こえてきました。これがまた効果的で、ドラマCDってすごい!と感動しました。

お気に入りのひとつは最終話の、夜を過ごす場面。ふたりの「夜」が「恐ろしさ」から「温かさ」に変化するところ。不覚にも泣きそうになりました。ここはひとりで単行本を読んだ時よりも、はるかに好きになった場面。最高のシーンです。声も混じり合い、まさに「君の夜に触れる(君の温かさに触れる と読むのかも…。)」でした。

中心人物ではありませんが、好きなキャラクターがいます。作品のなかに登場する女中のかよさんは、きっとすごく察しのよい勘のよい賢い女性なのかもしれません。ふたりの関係や、それを見守る聡さんの気持ちをさりげなくくんでいるように思います。ああいう女性素敵です!

5

最高でした!かなりセリフやモノローグが足されています

もより先生が原作にて画のみで表現されているシーンなど、かなりセリフやモノローグが足されていました。音声作品ならではの楽しみです。

全体的に静かに進みますが、冒頭のあのシーンは……なかなかリアリティがありました。だからこそ、全体を通して聴いた時に、暗闇と光とのコントラストがはっきりしていて良かったです。

佳澄さんは柔らかい雰囲気だけど芯があって、決して女々しくなく。千夏くんの、殺し屋なのに心の優しさを隠せていない感じもすごく伝わりました。個人的に、好きな食べ物を聞かれた時の、千夏くんの「……かん」が好きすぎてニヤニヤしちゃいました。

最終話、2人の声が重なる「君に触れて はじめて夜が 温かいものだと知った」ではブワワ〜っと鳥肌が立ち……次には涙腺が崩壊しました。

息遣いとか間だとか、もより先生の作品を大切に大切に演じてくださったキャストの皆さまに大感謝です!何様なんだ私は。

4

重なり合う心の演技が素晴らしい

声優さん一人一人の演技がとても素晴らしく、ゆっくり、じっくりと本を手にしながら、楽しんでいます。
何度も読んでいる作品ですが、ドラマCDとして聴いた時に、また新たな感動が出てきて、涙しながら聴いています。
千夏くんの本の読み聞かせのシーンが楽しみだったのですが、佳澄さんがつられて暗唱するのが本当に可愛らしい2人でした。
そこからの、水族館デートも、効果音もとてもリアルに入れられていて、水が跳ねた二人の様子が目の前で起きている事の様に聞き惚れていました。
そして、千夏くんの父親智春さんの場面は、智春さんの渋いのに、どこか狂気を帯びている声が、すごくピッタリで、聞いていてハラハラドキドキ(何度も読んでますけど)でした。
傷ついてた千夏くんの心に触れる佳澄さん。そして、お互いの心の夜を理解して、グッと二人の気持ちが重なり合う場面、二人の声が重なり合って、、ここは涙が溢れます。そして、夜明けのシーンは心の夜明けを迎えた優しさに包まれて、このシーンは是非本を見ながら聞いて欲しいですが、千夏くんを感じる佳澄さんが、とてもかわいらしく、清々しい気持ちの感動の波が、海の音に重なって、とても感極まってしまいます。
脇を固める声優さんも素晴らしい演技で、少ししか登場しなかったですが、千夏君の母親千秋さんの、凛としたお声が、どんな母親だったのか?一言で想像出来てしまいました。そして、一人で二役(千夏君の兄冬樹さん、佳澄さんの弟聡さん)演じられた佐藤悠雅さんがとてもお上手だなぁと、おもいました。お兄さんの優しさ、しっかり者の弟、全く違うキャラクターなのに、とてもよかったです。特に聡さんは出番が何度かあったので、背筋が真っ直ぐな聡さんの見た目にピッタリだな!とおもいました。
ドラマCDの制作に携わった方達の、丁寧な作りが実感出来ました。
何度もまた聴いて幸せな気持ちを噛み締めたいと思います。
そして、細かな所まで愛情持ってイラスト描いてくださる、もりもより先生のアクリルプレートは最高です!これが通常版に付いているって、凄いです!

3

この作品が収納されている本棚

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