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契約ドムがはなしてくれない

keiyaku dom ga hanashite kurenai

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表題作契約ドムがはなしてくれない

弓削 柊一郎(Dom)、28歳、会社経営者
原 陽太(Sub)、23歳、派遣のSE

その他の収録作品

  • セーフワード改定会議
  • おれたちのカラー

あらすじ

派遣社員の陽太は大事な妹の結婚費用を稼ぐため、裕福なドムたちの会員制クラブで働き始める。
そのクラブのセーフワードは「大好き」。
その言葉を口にすれば関係は簡単に解消されてしまう。
一方、ドム性のコントロールのためにクラブを訪れた弓削は、
初指名した陽太の純粋さに無意識のうちに惹かれ「おまえを、一ヶ月買いる」と言いだす。
突然、洋服も食事も贅沢なほど与えられ、陽太は戸惑うが、
裕福ゆえの弓削の苦悩などを知るうちに彼に魅かれてしまい、プレイ中におもわず…。

作品情報

作品名
契約ドムがはなしてくれない
著者
あまみや慈雨 
イラスト
ASH 
媒体
小説
出版社
リブレ
発売日
電子発売日
ISBN
9784799765364

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86

3.2

(15)

(4)

萌々

(3)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
6
得点
45
評価数
15
平均
3.2 / 5
神率
26.7%

レビュー投稿数6

ストレスなく読める甘いDom/Sub

難しい設定が苦手なので、私にはこのくらいのゆるっと読めるお話で、Dom/Subのエッセンスはちゃんと詰まってるのが良かったです。
(その分、波瀾万丈なドラマが好きな人には物足りないかも)
プレイも、スパンキングとかはないです。痛いの苦手な人でも大丈夫。
個人的に納得感あったのは、この作品世界ではドムの支配力がちょっと問題視されているというところです。
グレアでいうことをきかせられてしまうと、商談とかで有利になってしまうから。(昔はそれが許されていたけど、週刊誌などに取り上げられて、世論がドムに甘くなくなっているという流れです)
なので、若き社長の攻がグレアをコントロールできるようになるために会員制クラブにやむなく通うというのが良かった。
単に快楽のためだったら、普通にやな奴なので(笑)
あと、私も長女なので、妹のために我慢したり諦めたほうが実は楽みたいなのも、わかる気がしました。
お互い満たされる関係に上手いこと収まってよかったね、と思えるカップルでした。

3

初Dom/Subにうってつけ


ファンタジーもバースものも苦手と言ってると、最近はもう読めるBL小説がないので、表紙が魅力的だったこちらを手にしてみました。

結果、大正解!!
いきなり異世界じゃなくて、現実寄りの世界のドムサブを選んだのが良かったみたいです。

あ、心配してる方のために真っ先に言っておくと、スパンキングなどの痛いプレイはありません。
だけど、コマンドを使ったプレイは行われるので、ちゃんとえっちもたっぷりです。

受の陽太は妹のために働かないといけないのに、突然のサブ性発症。その上仕事も雇い止め。どうしようと思っているところで、会員制ドムサブクラブの仕事を紹介されます。
攻の弓削も、同じく突然のドム性発症。折しも世間はドムの支配力に反感を覚え始めている。うっかりグレアを放ったりしたら、風評から会社の経営に関わる…! というわけで、グレアをコントロールできるようにクラブに通う。

キャストと客として出会った二人だが、やがて本当の恋に…というお話です。わかりやすくて助かります(笑)
ドムサブな上難しいカタカナ名前や設定が出てくると、私なんかはすぐ振り落とされちゃうので…

そして、このお話は途中途中で攻めの弓削視点が入るんですよ。
受けのいないところで受けのことを思ってポンコツになってしまう攻めを見られるのが最高〜。終始にやにやできます。

ドムが社会的に問題視されてるから、弓削がドムであることは隠さないといけないんですけど、それによって二人の秘密感が増してるのも良かった。後日談のカラーの話は身悶えました…。

この設定だと、続きもできそう。出たら嬉しいな。

ドムサブって難しいのかなーとか痛いのかなーとか思ってる方にはお勧めできる作品です!

3

さらっと読めて、実は深い甘々Dom/Sub

拙いところもあるけど、ひと味違う。
それが一読した感想。
バース設定って、現代物でやるとパワハラになっちゃう関係性を描くのに非常に便利だと思うんです。だから流行ってるのかなって。
つよつよアルファ様とか。(最近は逆張り作品も出てきたけど)
Dom/Subでも、ドムが社会的にも上の職業についてる、などが多いかなと。

でも、この作品内では、ドムの力が強いは強いけど、社会的にはその支配力が問題視され始めてるんです。

だから、ドムの弓削も基本はサブの陽太に助けてもらわないと(プレイで発散しないと)困る。
で、通ううちに実は弓削の中にも、お金持ちであり、経営者であるからこその悩みなんかがわかるようになって……サブの陽太はそんなところから、自分とは住む世界が違うと思っていた弓削に対して理解を深めていきます。
陽太は陽太で、大人の顔色を伺って、欲しいものを欲しいとも言えなかった性格を、コマンドによって解放されていく。
二人の関係がちょうどいい。バース性から始まったけど、最終的にはお互いの人間性に惹かれたんだなっていうのが伝わってきて。

その辺が読んでて心地よかったです。

あと、くっついてからの弓削の過保護っぷりが凄い。作者さんがあとがきだったかインタビューだったかで、運命の受に身も世もなく振り回される攻が好きとおっしゃってただけのことはある。

おすすめします。

0

運命のDomとSub

甘いDomSubはやっぱり良い!
設定を活かした距離の詰め方、好意のアプローチがそそりますね^ ^

支配と従属がベースにあるDomSub作品って、セックスの延長線に据えるための都合のいい設定かなと以前までは思っていましたが、ここ最近のDom Subは支配と従属の意味がお互いにとってWin-Winの……つまり、信頼関係が根っこにないと成立しない精神面での繋がりに寄ることで、深い愛情を構築していくストーリーになっていくのが素敵だなと思っています。
そんなこともあってか、最近はDomSubものを積極的に読むようになりましたし、この作品も迷わず手にとった次第です(*´꒳`*)


セックスしようがしまいがプレイによって満たされる支配と従属の描写が優しいのがいいな。ついでに甘いともっといい。プレイメイトとして割り切った関係から、恋に発展していく弓削の気持ちの変化が無自覚に甘くて楽しいです^ ^
弓削も陽太も第二次性を自覚したばかりで戸惑う中、たまたまマッチした高相性に惹かれ合っていくのが面白い!
特に弓削の陽太へのアプローチはあからさまで、これまで色んな人と関係を待ってきたんだろうけど恋愛慣れしてない不器用さが完全なスパダリじゃなくて可愛いんですよね。妹思いの陽太にちょっと嫉妬したり、プレイメイト関係なしに陽太を好きになっていく弓削の健気な一面に、恋が人を変えるとてつもないパワーを目の当たりにしました。

スパダリ社長の溺愛が重くて深く、DomとSubの関係ありきになってないところがこの作品の注目ポイントかな。もちろんDomとSubとしても最高の相性の2人で、その徴の発現がドラマチックさを演出しています。オメガバースでいう、運命の番みたいな設定をDomSubと掛け合わせる作者さんの遊びごころが、より2人の運命性を盛り上げているのが見ていて楽しい♪( ´▽`)

交際後の弓削の献身ぶりは必見です!
健気なスパダリ社長がどんどん甘くなっていくその時その時を楽しんで読んで欲しいなと思います。

2

初心者マーク2人の歩み

無自覚な初恋にわたわたと戸惑う男前って、なんでこんなにもかわいいんでしょう。

Dom/Sub作品は何作か読んできたものの、初心者Dom×初心者Subという組み合わせはあまり見かけないような気がします。
ダイナミクスが目覚めたばかりの初心者マーク2人って、ちょっと面白い組み合わせですよね。
それに加えて恋愛に関しても揃って初心者マークを付けているものですから、もどかしいやらかわいらしいやらな1冊でした。
Dom/Subのおいしいところを盛り込みつつ、痛い表現はなく安心して読めるDom/Sub作品だと思います。
この題材はあまり読んだことがないよという方でも入りやすいのではないでしょうか。

こちらの作品が作家さんのデビュー作とのことで、文章に関して言えば若干気になる部分があるにはあるんです。
でも、コミカルさと切なさがほど良い加減で混ぜ込まれていて、作品の世界観とキャラクターに関しても把握しやすいですし、するっと自然に展開が頭に入ってくる読みやすさがあります。面白いです。

会員制の高級クラブでの出逢いといえば、なんだかもっといかがわしいものを想像してしまいそうになりますが、色気たっぷりというよりは初恋の甘さがたっぷりといった印象を受けました。
そして、今作の攻め・弓削のキャラクターがすごく良かったのです。
高身長・高収入・抜群のルックス…一見完璧そうに見える彼が見せる、全くもって完璧ではない人間くささと、ほんの少しの情けなさが妙に愛らしくて愛着がわいてしまう。
陽太のことが気になって気になって仕方がないのに、恋に無自覚+持ち前の不器用さを発揮する姿はまるで初恋にもだつく中高生のよう。
とあるセリフを言ってほしい弓削がかわいくてかわいくて仕方がありません…

ほしいものをねだることが出来なかった陽太が、愛情深い弓削と出逢えたことは運命なのかもしれませんね。
プレイも気持ちの変化もやさしい流れで、しっかりと心が伴っている素敵なお話でした。
次回作も読んでみたいです。

2

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