期待していた通りの幸せなラストにはめっちゃ感動……。゚(゚´Д`゚)゚。
好きな人を危険な場所から救い出す向日葵アルファの覚悟や、劣等感を払拭していく白薔薇オメガの勇気、そして相愛の2人の元にやってきた新しい生命の存在にと、エンディングに導かれていく見せ場の多さはドキドキの嵐でした。
見目麗しきアルファと深層の令息との高ビジュアルカップリングは、奈良千春先生のイラストによって世界観がより華々しく彩られていることにもご注目です。
陽の気を持つ向日葵が持つ生命力の強さと、清らかで陰のある白薔薇の花が魅せる優美さはストーリーにも良い存在感を与えており、花の特性とキャラの魅力をリンクさせた人物描写がとても面白かったです。
離婚歴のあるオメガの雪の、恋愛や結婚に積極的になれないトラウマ感情がどこかミステリアスで陰があって、自分自身を役立たずと評価している自己肯定感の低さが何とも痛々しくて切ない…。陽貴と同じ向日葵アルファの元義家族たちに酷い扱いを受けていた過去を、陽貴がどこまで上書きしていくのか見ものでした。
魔族に捕らわれたり、魔王との子どもを作らされそうとしたり、2人が恋愛関係を育む過程には厄介な案件が飛び込んでくるのもまたこの作品の楽しさです。魔王が思いの外イイ男だったら多少心がグラつくけど、そこは安心して下さい。魔王はそれなりに魔王でした^ ^
魔王の鬼畜さよりも、女王の無慈悲さの方が私には引っかかりました。
あの女王のキャラはあれで正解なのか……?雪(というか女王にとって価値があまりないと判断された者)に対して冷たい態度だったのが許せません。紅薔薇の精が怒るのも無理はないなと思ったし、雪より陽貴に生きて戻ってきて欲しいと願う女王の命の選別主義にはもやもやしました。陽貴が女王の人柄を庇うように火消しに回ってたけど、全然共感できなかったです。
あとこれは私の気になりどころでしたが、雪を離縁した元義家族たちは今どうしているのかということ。雪を娶ったのだからそれなりの血筋の貴族だろうけど、陽貴と同じ向日葵の同族なら外戚とか横の繋がりはあったりしそう……その辺りはどうなんでしょうか。
私の希望的観測ですが、雪が陽貴と結ばれて幸せになっているところをぜひ見せつけて欲しかったです。できることなら元義家族たちの没落を願う。元義家族たちのザマァな姿を見ることができたら100点満点でした。
美人で優しく、お料理上手な奥さん……めちゃくちゃ最高!
向日葵が照らす明るい日差しは2人が歩む未来を輝かせる光となり、いつまでも幸せであり続けて欲しいなと思います^ ^
特装版の方で購入したのでそれを含めて評価しますと、やはり小冊子が追加のぶん2人のイチャあまストーリーをより楽しむことができたので、満足度は高かったです。(当然お値段も高い 笑)
特装版の小冊子はいわゆるボーナスステージ。2人の恋人ムーブをもっと摂取したい欲張りさんにオススメです。
そして本編の方はというと、すれ違いや誤解が渦巻く切ない2人のやりとりが見どころとなっていて、甘いシーンとそうじゃないシーンとの比は大体半々くらいでしょうか。多田と守谷にはずっと糖度高めの恋愛を楽しんで欲しいけど、そうはいかないのが恋愛というヤツ。だからこその面白さではありますが^ ^
恋人になったばかりで今が一番楽しい時期でもある一方、まだお互いのことを深く知らない手探り期でもあり、嫉妬や恋敵、元カノの存在にモヤモヤする不安定な心理描写は耐えどころでした。この試練を越えることでひと皮もふた皮も剥けていく2人を見守っていくのがとっても楽しかったです。
本気の恋愛になると臆病になる多田の不器用さが今巻も目立っていました。交際経験はそれなりにあるのに、ちゃんと恋愛をしてこなかったツケが回ってきたモテ男の悩ましい姿は少し頼りなくも見えるけど、それはそれで旨味は多し。恋愛に余裕がなくなるのは、ちゃんと守谷に向き合っている証拠だからです。
元カノたちにはほったらかしをキメていたらしい多田が、守谷には独占欲を抱いたり、嫉妬心を向けたり、不安な感情を抱えたりと、彼女たちとは明らかに違う恋愛感情の格差に私の萌えゴコロは大いに刺激されまくりでした。
そんなこともあり、多田の元カノが登場してもそんなに不安になることはなかったです。むしろ元カノの口から今までの多田と全然違うじゃん的な発言や反応にムフフでした( ´∀`)
恋人期ならではの感情に振り回される2人の心理描写からずっと目が離せなかったです。嫉妬やすれ違いにはハラハラさせられたものの、ちゃんとご褒美シチュエーションで上書きしてくれるので、トータル的には最高の満足感でした!
完結を迎えてしまったけど、卒業後の進路や社会人になってからの2人の未来を頭の中に思い描きながらしばらくは物語の余韻を楽しもうかなと思います。男子高校生たちのワチャワチャ感も含めて大好きな作品です♪( ´▽`)
諦める方向に向いてしまった若かりし頃の恋を、30歳手前になって一念発起。
物事を始めるには、タイミングとほんのちょっとの勇気……これに尽きるのではないでしょうか^ ^
親友だった2人が結婚を前提としたルームシェアの同居人となり、一方では高校時代からの想いを再燃するカタチで。そして、もう一方では過去の恋を自覚していくカタチで物語が動いていきます。
結婚をいきなり言い出した発言からしても、花海の下心は非常に分かりやすい。ただ、花海の想い人である玉水が少しポンヤリしていて、花海の気持ちに全く気付いてないのがどことなく頼りない感じですが、さて。このルームシェアをキッカケとして、30歳のリミット前に想いを通じ合わせることができるのか見ものです。
これまで恋愛に積極的になれなかった玉水が恋に積極的になれるのかだとか、親友の花海に大して親友以上の気持ちを持てるのかだとか、気になりどころはいっぱいです。
花海の気持ちは確定なので、玉水がそこにどれだけ寄せていけるかが焦点となりますが、花海に抱く気持ちを過去の10年ぶんから掘り下げていかないといけないので、玉水にとっては楽な作業ではありません。焦ったくてもどかしい感情が入り込んでいく中で、2人が先の未来にどう答えを出していくのか見届けて欲しいなと思います。
試し読みに惹かれて購入したのもあり、ストーリーの経過も結末も大人の恋の不器用さが滲み出ていてとても良かったのですが、描き下ろし後の読み切りのお話は…うーん……表題作の余韻をずっと浸っていたかった身からすると、ちょっと雰囲気が合わなかったかなと。その長さぶんで、誤解があった学生時代のすれ違いの答え合わせの時間に使って欲しかったです。(女子の告白を受け入れたときの花海の心境とか、玉水に彼女できた発言とかその他もろもろ)
大人のしっとりとした恋のお話は大好きな部類ですが、描き下ろしのアフターストーリーでも満足し足りないなって思いもあり、萌え2にしました。
異世界転生や悪役令息、タイムリープものが流行りとなっている今のBL界隈では見かけることが少なくなったタイプのストーリーでしたが、正統派ファンタジーの趣きが品の良さを伺わせる作品でした。
複雑な設定もなく、特殊なストーリーでもなく、物語の全体像が理解しやすいのがいいですね^ ^♪ 相関関係がクリアで内容を追いやすい利点に加え、登場人物たちの名前が短めで覚えやすかったのが私個人の推しポイントです。
カタカナの長い名称に手こずることもなく(笑)、またyoco先生のエモ系イラストの効果も相まってかページをめくる手がリズミカルに動きました。
宿屋を営むノアの元にワケアリの貴公子が世話になるという、期間限定のプチ同居のほんのりとした甘さが心地よかったです。リヒトは身体の大きな傷、ノアは耳と尻尾といった秘め事を抱えており、でもまぁそれはすぐにバレるんですが、秘密が露わになってからの距離がグンと深まっていく恋愛の動きは一番の注目しどころでした。
リヒトが意外と情熱家で、恋愛に淡白そうに見えるそのギャップにドキドキ…(//∇//)
ノアを抱きたい欲に駆られるリヒトの余裕のなさは、私のBLゴコロを大いに刺激しまくりでした。
リヒトが騎士であることが、過去に両親を失ったノアの心の傷に関係している事実には切なさが募りましたが、リヒトにかけられた呪いの背景や、リヒトを襲撃した黒幕の存在、そしてノアの父親を奪った者たちの正体が全て裏で繋がる謎解きの側面はハラハラ感情を含めて目が離せませんでした。
ファンタジックな楽しさが入り混じる2人のBL展開はもちろんこの作品の目玉です。全ての問題が解決してからのリヒトはまたしても余裕と理性を失くし(笑)、ノアを求めるあまあまエチエチな姿がエンディングの満足度を更に高めてくれました。
最初の方に魔族は性別関係なく子が成せるとの言及があり、いつかはリヒトとノアの小さな宝物が増えたりするのかなぁ…とこっそり期待なんぞしております^ ^
BLじゃないけど、幼馴染みのティナの恋がどうなるのかも実は気になってますし、終わってしまった先からもう続きが見たくてウズウズ…。彼らの未来予想図を頭の中に描きながら、物語の余韻を楽しむのも良いかも知れません♪
ムッツリスケベな攻めが大好物な私にブッ刺さるお話でした♪\(//∇//)\
リアルの世界ではクール塩な攻めが、夢の中ではあまあまエッチな姿を惜しげもなく見せてくれるそのギャップがサイッッッコウです!
頭の中ではこんな風に好きなコに愛を囁くのね、とか。あんなにも優しくねっとり抱くのね、とか。多々良の身体を愛おしげに触れたり、ときに激しく攻めたてたりと、岳が"ガク"というフィルターを通して自分の願望をぶつける構図にフォッフォッフォッでした。
夢の中に出てくる"ガク"と、現実世界に存在する"岳"の同一性と相違性に着目しつつ、両者の狭間で揺れ動いていく多々良の恋心にぜひご注目下さい。
惹かれたキッカケは夢の中の"ガク"の方でした。リアル世界の岳とどんどん関わっていくうちに、夢の中の"ガク"が岳に置き変わっていくのですが、その変化が何を意味するのか。多々良の潜在意識が夢とリンクしていることは想像に容易く、夢の中の舞台で身体の関係から始まっていく展開に始まりからドキドキでした。
しっかし。
夢の中でのエッチがめちゃくちゃエロくて、まるで恋人同士のような雰囲気が甘くてイイですね( ´∀`)
寝てるときにしか会えない時間限定の逢瀬だからか、どの夢エッチも濃厚で最高の眺めでした。
想いを遂げる瞬間や恋人同士になってからの時間は、待ち望んだシーンだけあってムフフとニヤニヤのお祭り騒ぎです^ ^
あと、素の岳が思いの外可愛いくてギャップ萌えでした。
これで終わってしまうのが勿体ないくらい、これからの2人のエピソードがもっと見たかったです。
個人的には岳サイドの視点がもっと欲しかったかな。不眠中だったときの状況や心理状態を深掘りして欲しかったなと思いました。続編があればぜひ望みます^ ^
続編の2人は更にラブ度に磨きがかかり、読者を魅了するパワーがひっきりなしでした!
2人の周りにいる人たちもみんなニコニコで、たくさんの人たちに祝福され応援されている愛されカップル度がすんごい。見守り型っていうのかな……釣り船を出してくれたオッチャンたちも、スーパーの店員・百合子(とその他従業員を含む)も、暦の友人とその家族も、宇之迦御魂様たちも、皆が暦と三珠に向ける眼差しが温かくて幸せの世界線にずっと浸ることができました。
男同士なのにねとか興醒めするようなことを言うヤツは1人もおらず、男同士の恋人関係をサラッと普通のことのように受け入れてくれるこの世界の住人たちの好意的な熱視線に拍手を送りたい。
ナンパしてきた女子たちですら2人の魅了に惚ける始末。相変わらずくじ運の引きがすごいのも相まってか、止めどなく溢れ出る祝福のオーラとツキのオーラに、彼らの未来がこの先もずっと安泰であることが想像できてしまいました。第三者が入り込む隙間は1ミリもないし、仕事も人間関係も充実、安定の生活保証(神様からの米の定期便)……いやぁ…最高に無双状態です( ´∀`)
目の下のクマが目立っていた暦の顔色もだいぶ良くなり、今や暦は爽やかな好青年と化しました。三珠お手製の良質な食事を摂り、ストレスフリーな仕事環境に身を置けばそりゃ血色に潤いが出るのも納得でしょう。それに、夜は恋人との濃密な時間を過ごすとあれば、もう何も言うことがありませんね^ ^
ハッピーがフル装備すぎて、ニヤニヤが大量増産でした。
神秘的な美しい容姿と人好きのする明るい性格が三珠の魅力です。小さく変幻したときのムッチリ美ボディもある意味蠱惑的で、色んな角度から暦や私たち読者に笑顔と元気をくれる三珠の愛らしさにたっぷりと楽しませてもらいました。
三珠は周りのみんなを幸せにする力の持ち主だと思います。宇之迦御魂様を含めた眷属の方々の反応を見ても、すごく愛されて育ったことが分かりました。
そんな三珠が尽くすんだから、暦がどんどん良い男になるのは当然のこと。元々ポテンシャルの高い男だったけど、三珠との出会いで暦の魅力がたくさん引き出されていくのを見届けるのにワクワクでした。
暦と三珠の掛け合いも面白いし、コミカルなギャグエッセンスも秀逸。美しい絵柄が読み欲を促すのはもちろんだけど、色んな感情を掻き立てる心理描写もまた素晴らしかったです。
生きることに楽しさを見出せずにいた社畜青年の救済ストーリーとも、サクセスストーリーとも言える愛の物語に深く酔いしれました。
未来永劫、2人のこの幸せが続くよう願っています^ ^
スタンと桂人。そして、エドと礼の2カップルが奏でる濃密な愛のさえずりに、ああ…なんということでしょうか。素晴らしすぎて言葉が出ません……!!
パブリックスクールファンならこの番外編は絶っっっ対に読むべき。
これが読みたかったんです。これを待っていたんです。゚(゚´Д`゚)゚。
ファンの期待がパンパンに詰まったあまあまラブラブの世界をたっぷりと堪能しました。
言葉が悪くなりますが、クッッッッッソ最高でした。
収録されているエピソード2つとも、クッッッッッソ萌えです。
神評価ボタンを100万回くらい押したい。いや……それでも足りないくらいです。
何度読み返してもずっとニヤニヤが止まらない頬筋のコントロールが大変でした^ ^
本作は「パブリックスクール ―リーストンより愛をこめてⅡ―」の続きのストーリーです。
前出の作品での感動的なラストは記憶に新しいですが、そのあとの続きの物語にこんなにも神的景色が広がっていたとは…。どちらのカプも素敵なエンディングで、その後の甘いストーリーを私なりに頭の中に思い描いていたりもしたけど、やはり彼らの酸いも甘いも知り尽くした樋口美沙緒先生の描く世界はすごかった。最高舞台の演出力に圧倒されっぱなしでした。
濃密な楽園世界の広がりは至高の絶対領域でした。
これがスタンと桂人、エドと礼ぶんですからね。天国のような読み心地に、幸せ感情の生成が追いつかなかったです。
短かめでサラッと読めるページ数だけど、この中に詰まってる満足感はページ数に比例しません。読んでる途中から胸がアツくなるものを感じてたまらなかったし、読み終わってからもずっと途絶えぬ幸せの余韻にただただ浸りました。
色んなことを経験し、乗り越えてきた彼らの歴史を思えばこそ、この番外編の幸福度がより沁みるのではないでしょうか。
最高糖度がもたらす幸福世界を存分に味わって欲しい絶品のストーリーでした^ ^
死後の世界を異世界風に描いたストーリーは、あまりないアプローチかつ独創性があって面白かったけど、主人公……いきなり死んだのにも関わらず、生前の世界への未練や家族への懺悔が真っ先に出ないないなんてちょっと違和感。
義兄への恋慕のために犯罪に手を染めるほど大好きだったんですよね?
義理の両親には深い愛情を与えてもらったんですよね?
自分が死んだことを自覚したら、すぐに思い浮かぶのは大切な人たちのことじゃないのかな。なのに、バージンがどうのこうのって……うーん…そんなに軽い反応ができるものなのか疑問でした。
夏生は犯罪を犯してこの地獄に堕とされた罪の意識が薄すぎるような気がします。恋に盲目になりバカなことをしたのは分かっていても、多くの人たちを不幸に陥れた反省が少ないのはどうかと思う。娼夫になりたくない?随分とワガママな男だと思いました。
そんなんだから義兄につけ込まれて利用されたのかもですね。周りが見えず、独りよがりの愛を満たすために悪事に手を染める夏生の思慮の浅さは愚かとしか言いようがありません。両親が今どうして暮らしているのかを心配もせず、大事に育ててもらった義理の親を悲しませる親不孝者の内面描写が薄っぺらく思えて、死後の世界という重厚感が夏生に対してはあまり生かされていないのがもったいないなと思いました。
バックグラウンドに迫るのは、どっちかいうとハーデの方ががメインでしょうか。過去から繋がる精神的負債の原因が暴かれていくストーリーは、この世界の構造社会と相まって読み応えがありました。
あと、ハーデにそっくりなチビッコはめちゃくちゃ可愛いので必見です^ ^
悪役令息に転生した主人公が奮闘する作品は多いですが、このボリュームなので、サクッとサラッと進むストーリーでないことを覚悟と期待の上で読むべし!
悪党ファミリーの「悪役令息」に転生した、原作を知る主人公。
原作とは異なる奇怪な展開が起こる謎。
ヒロインがヒロインではない裏口ルートに、ラストはスカッとする断罪シーン。
次から次へと主人公を襲いくる展開は待ったなしの面白さで間違いありません!特に、メインディッシュの断罪シーンは見せ場としては最高で、ここに至るまでの伏線回収の丁寧な処理には脱帽でした。
あそこのあの設定がここにこう生きてくるのかとか、ここで上手くハマるんだなとか。最初の頃には絶対に見えてこない隠された部分が少しずつ露わになり、バラバラだった点と点とが1つの線となって最高の結末へと導かれていくことにワクワクいっぱいでした。
そもそも。この作品は転生ものがメインだと思いますか?
サタリアだけが転生後の世界をコントロールしてると思いますか?
サタリアに転生した世界の側面だけだと物語の全貌は暴けません。サタリアの手に余る事象が起こっていることに違和感を感じる読者のみなさんなら、もしかして…と勘付く方もいるでしょう。
キメラのアルヴェンの動きに注目すれば、その答えは自ずと分かると思います。サタリアに一心に愛を向けるアルヴェンの行動は予期できないことが多く、彼の存在は非常にミステリアスに映ります。
アルヴェンが何を考えどう動いているのか、サタリア視点からは何が何だかですが、彼の行動理由の謎が明かされると、おおおお……!!!でした(((( ;∀;))))
ラクトフェル伯爵家への復讐に燃えるはずだったアルヴェンが心変わりをした理由や、サタリアに執着する理由には驚くほど納得。「悪役令息」は、あくまでも"悪役"であって"悪"ではないことを知って欲しいです。
サタリアに転生する前に役者をしていたという青年は、悪のラクトフェル伯爵家を没落に追い込むため、徹底して悪役になりきる道を選びました。生来の優しさまでは隠しきれていなかったことが結果的にサタリアに多くの味方を付けることに繋がり、最大の誤算にして最高の結果になったことは胸アツのフィナーレでした!
最高のエンドには歓喜の思いでしたが、サタリアの父親への制裁にはもっと罰を与えても良かったと個人的には思っています。コイツはもっといたぶって死エンドでも良いくらい。サタリアをこれまでに殴ってきた回数ぶん、アルヴェンに顔の原型がなくなるくらいにボコってもらいたかったです。
恐怖支配してきた歪んだ親子関係には反吐が出ましたが、三つ子の弟たちとの兄弟愛には最悪な家族関係の中にあってひとときのオアシスでした。
魔法生物やキメラが登場するファンタジックな世界観と、悪と善が渦巻く人間模様に釘付けになった物語は、ボリューミーな期待を裏切らない一冊でした。アルヴェンとのラブはもちろん見どころですが、サタリアを慕う魔法生物たちとの主従愛も同じくらい見どころです。
生み出す側の慈愛と生み出された側の献身との関係性にグッときたのも最高の読後感に繋がりました^ ^
たった1人を除いては、次期宰相と謳われるジャッジの想い人が誰なのかは明らか。
そして、そのたった1人にだけは気持ちが伝わらないといけないのに、残念ながら全く好意が伝わらない恋心がなんとも不器用でむちゃくちゃ焦れました〜!
これね、奇跡的な恋のすれ違いのお話なんですよ^ ^
最初っからバレてるんでもう言っちゃいますが、ジャッジはルットにお熱です。
でも、ルットはジャッジが自分のことを見てるのを"睨んでる"もしくは"監視してる"と思ってて、罪を犯した双子の妹にそっくりな自分を嫌ってると勘違いしています。ルットが罪を犯したわけではないのに贖罪を負わせるのは、貴族と平民の立場上仕方がないことではありますが、妹が傷害未遂を起こしたお相手が王子の婚約者だから事は重大な案件なわけです。
そんな事情があり、やらかした妹の悪評が未だ残る学園内で働くルットには一部の生徒から敵意を向けられることもあり、ルットの中ではその筆頭株がジャッジだと思っている節があるんですよね。まぁ……ジャッジという男は気の利いたことが全く言えず、口を開けば気持ちとは真逆なことを言ってルットを傷つけ、顔は顰めっ面で怖い。これでルットのことが大好きだと言うんですから、恋心1つでこうも人は愚かになれるのだなと感心しきりでした(笑)
睨んでるんじゃなくて、ルットのことが心配で見てるだけ。
素直になれなくて、つい尖った言い方になっちゃうだけ。
真面目に頑張るルットのために、裏で手を回してルットが仕事しやすいように、身なりをきちんと整えられるように、妹と安心して生活できるように、ちゃんと賃金が得ることができるように……あからさまにアピールはしないけど、自分の権力と財力を使ってルットに尽くすジャッジの足長おじさん的な根回しが健気すぎる……
文句も言わずにひたすら妹の罪を償うルットもかなりの健気さんで、2人本当にお似合いなんですが、ルットがジャッジを怖がっているうちは気持ちが全く噛み合わず、焦れったさだけが上積みされていくので、ここはじっと我慢で読み耐えましょう^ ^
ジャッジのヘタレに、ルットのニブい態度もすれ違いにワをかけて、両想いの道が遠のいて行くのはご愛嬌。ルットがジャッジに惹かれていくと、すれ違いが更に拗れていきますが、この噛み合わなさがこの作品の見どころでもあります。
ただ。周囲が2人の恋(どちらかというとジャッジの片想いを)を気にかける目線は見守りの強い味方でしたし、ルットの元に寄せられるタレコミ情報にニヤニヤしながら、ジャッジがルットの心を掴んでいく過程を微笑ましく見届けることができました。肝心なところで詰めが甘い次期宰相の人柄を始めとして、登場人物たちのキャラクターの厚さはエンタメの宝庫ですので、脇キャラたちの存在感も併せて楽しんで欲しいと思います。
ズレにズレまくった歪みを修正し、恋愛の土台が整っていく恋愛模様をじっくりと堪能して下さいね。
ルットの双子の妹と王子の婚約者との関係に秘められた隠しネタも面白かったですよ!( ´∀`)