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表題作Liwyathan the JET

魅朧 
海賊船の船長でドラゴン
カラス
暗殺奴隷 

あらすじ

混血ゆえに虐げられてきた暗殺奴隷のカラスは、その日はじめて任務に失敗した。依頼主に叱責され、殴られ、満身創痍でねぐらに戻ると、そこには暗殺対象だった男が待ち構えていた。報復されることを恐れて逃げ出すも、満足に食事もとれず傷を負った体ではろくな抵抗もできない。男に捕まり、気を失ったカラスが目を覚ますと、そこは柔らかなベッドの上だった。かたわらには暗殺するはずだった男が眠っている。唖然とするカラスに笑いかける男は、自分は海賊船の船長で、人間ではなくドラゴンなのだと語る。どうやら、ずいぶんと厄介な相手に目をつけられてしまったらしい。
ドラゴン×人間。ハイファンタジー世界の異類婚姻譚BL。

作品情報

作品名
Liwyathan the JET
著者
田花喜佐一 
媒体
小説
サークル
Hexalmadel BOOKS〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
発売日
4.5

(2)

(1)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
9
評価数
2
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

不憫受けが幸せになるファンタジー

今読むと逆に新鮮に感じる、真正面からのファンタジー。悪者を倒す話であり、不憫受けが救われる話でもあり。攻めがチート級の能力持ちなので、安心感が半端なかった。

暗殺者として育てられたカラスは、大衆から差別され、主である司聖からは人間扱いされない。とある男の暗殺に失敗すると、その暗殺対象に攫われる。そして初めて愛を知り――というストーリー。

カラスを攫ったのは、カラスに一目惚れした魅朧。ドラゴンだが(便利なので)人の姿で生活し、他者の心の内を読み、海賊船の船長としてカリスマ性を持つ。ドラゴンは独占欲も執着心も強く、一度伴侶を決めたら一生添い遂げる一途な性質らしい。

警戒心MAXなカラスに対し、ゆっくり慎重に距離を縮めていく魅朧。そして人として尊重されることの意味を知り、優しく尽くされるうちに、徐々に心を開いていくカラス。だがその過程で、カラスが誰かに魂を縛られていることに気付く。

この呪いの内容はかなり胸糞。カラスを縛った犯人は一人だが、他にも魅朧の仲間の裏切りなどもあり、悪者を一気に片づけに行く展開に。解呪法は術者を殺すことで、魅朧がブチ切れ状態なのもあり、犯人は酷いことに。といっても魅朧の圧勝で、描写にグロさはなかったかな。

心が読める魅朧視点では、カラスの壮大な告白ともいえる内容が視える。司聖の事情もねじ曲がったいろいろが視え、その背景を知ったカラスの答えは、前向きでとても良かった。魅朧とその仲間たちに愛され、希望を口にできるようになったカラスに、温かい気持ちになる。

中盤、船内シーンが長く中だるみを感じたのがちょっと残念。全体のストーリーはとても面白かった。カラスが人として生きていくのはこれからなんだな、と応援したくなって読み終えた。良かった。

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