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1冊ですが、まるで1シリーズのドラマを見た感覚でした...!!
平和的な民族イェフェム、好戦的な民族アジム族。
アジム族の前族長の息子カヤは、無理矢理に花嫁としてイェフェム族長の3男ユーティに嫁がされます。
カヤの生い立ちがとにかく悲しくて、新族長に父を殺され、ケガで足が悪くなり、挙げ句の果てには男なのに花嫁にされてしまう。
カヤの嘆きがとても心に響いて、序盤ではやくも物語に入り込みました。その後は1冊あっという間です。
花婿のユーティは温厚で、優しくて、野心もないような男です。
「この優しい人に癒されてカヤは立ち直っていくのかな〜」と思いながら読んでいたら、、
まあ、もちろん癒されはしていったが、ユーティはカヤを愛し、カヤのためなら、ためらいもなく誰が死のうがケガしようが構わない、残忍に人を殺しちゃう激しい人でした。
...正直これがとても好きでした!!
欲もなかった優男がこんなに狂うほどに人を愛しているのが最高にグッときます。
二人の初めてのセッ◯スも野外で激しいです。その後のセッ◯スもすごく激しいです。後日談のセッ◯スもかなり激しいです。濃厚で時間長い。ユーティはかなりのドS。
カヤの、ユーティの、相手に恋していく過程がとても丁寧に描かれています。
それぞれの複雑なバックグラウンドがあって、だからこそのこの恋。丁寧だけど口説くない、ペースが良かったです。
最後はきちんとカヤの復讐も果たして、ハッピーエンドです。
素晴らしい物語を読み終わった後は、満足感と、終わってしまったことへの寂しさがありますが、
これは後日談や番外編がいっぱい入っているので、寂しさではなく更なる楽しみがあります。(kindle版を読んでます)
大変お勧めの1冊です。
こちらの作品、kindleでしか読めないことに驚きでした。
あらすじと表紙見て面白そうとなり、どこで売ってるのかなと思ったら、まさかのkindle限定。
出版社さん!!紙で出して下さいと、これほど願ったのは久しぶり。
紙で持ち歩きたいし、続編も読みたいし、願わくば音声でも聴いてみたいと、それ程までに本当に面白かった!
世界観としては、私が想像するに19世紀中央アジアを舞台にした、イェフェム族の族長の三男ユーティと、そこに嫁いできたアジム族のカヤのお話です。
このカヤが切ないのです!
男なのに女として嫁がされることになった経緯とか、結婚式とか、罠に嵌められるのだけど、濡れ衣のせいで村の皆からリンチに遭おうともそれを受け入れるところとか、本当に切ない!
おまけにカヤは幼少期から女性として育てられた訳でもなく、見た目が細身で美しいとか、栄養不足で体が未発達という訳でもなく、カヤのお父さんが殺されるまでアジム族の次の族長は自分になると思い育てられてきた逞しい男性なのですよ。
そんなカヤが片足を負傷させられ、障害が残った足でイェフェム族に嫁げと命令され、女性としてお嫁に行くのです。
イェフェム族は女性の花嫁が来ると当然思っているのですから、大騒ぎなんですよ。もう、カヤの気持ちを慮ると居たたまれなくて仕方なかったです。
結婚式も居たたまれないし、イェフェム族にカヤが男であるとバレてしまうところも、苦しくて堪らなかったです。
もうユーティの優しさが癒しで、癒しで。
2人がだんだん心を近づけていくのが、本当に丁寧に書かれています。
でももう、どこも丁寧で読み応えたっぷりで、狩りをするシーンとか、戦いのシーンとかも迫力あって終始、次はどうなるの?次は?と止まらなかったです!
続編でもいいし、この世界感の別の方々でもいいし、もっと読みたいし、カヤとユーティが幸せな姿がもっと見たいです!!
ちょっと読むつもりが一気読みしてしまいました。
最高に面白かったけど、最高に切ないシーンがあって泣きました。
受けも攻めも男前で、特に受けが最高にイケメンでした。
私の中で耳子さんの作品が最近ブームになっております。
これからも応援してます!
初読みの作家。Amazonキンドル読み放題で、見つけた掘り出し物。
おもしろかった。
モンゴル辺りが背景。大草原が舞台です。
他部族と政略結婚できた嫁は、男性だった。
嫁のカヤの父は、前族長。跡目を狙った親族に父子揃って襲われ、父は死亡。カヤの足も不具合が残る。
出身部族に裏切られ、男嫁にされた絶望と怒りに固まるカヤが、
男嫁を受け入れた夫・ユーティと信頼を培い、共に生きる覚悟をして相愛の二人になっていく物語。
草原で部族みんなが協力しあって狩猟生活を送る人たちの姿が生き生きと描写されています。
風を感じるような場面描写が、とてもよかった。
奥付に、誤字があれば報告してほしい、の一文が添えてあって、良い作品作りを目指す著者の心意気を感じてしまった。
誤字報告を添える作品を初めて読んだので、感心。
イェフェム族とアジム族それぞれの部族の文化といった世界観に、圧倒的な説得力があります。
ファンタジー作品ですが、すんなりと舞台設定を受け入れられました。
アジム族の男性であるカヤが花嫁とされること、そしてイェフェム族族長三男のユティと結ばれるまでの物語に違和感がまったくありません。
本作で野原耳子先生の作品にどっぷりハマってしまいました。
カヤの壮絶な過去を受け止めるユーティは一見おおらかで柔和な青年ですが、一筋縄ではいかないところも魅力的です。
愛するカヤのためなら手を汚すこともいとわないギャップに、読んでいてハラハラするほどでした。
このユーティの一面を縁者であるヨヨから見た短編も収録されているのですが、併せてユーティという人物の掘り下げができるお気に入りのエピソードです。
先にも述べたとおり、本編が素晴らしいのはもちろん番外編も非常に良いところがたまりません。
二人のその後の生活を垣間見てほっこりした気持ちになりました。
この一冊でもとても完成度の高い作品でしたが、この世界観で二人の続きの物語をさらに読みたくなります。
何度も読み返しているお気に入りの一冊です。