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表題作花嫁のカヤ

ユーティ,18歳,イェフェム族族長の3男
カヤ,20歳,アジム族から贈られた花嫁

その他の収録作品

  • 番外編=朝の風景、似たもの夫婦、起こると怖い妻、ヨヨの婚姻、ユーティの日記~春夏秋冬~

あらすじ

ある日、イェフェム族の族長の息子であるユーティの兄の元に、
好戦的な部族であるアジム族から、花嫁が嫁いでくることになった。
断れば侮辱したとして襲撃されるのではないかと恐れた兄は、その縁談を引き受けることに。
ところが、アジム族の族長・ギバに連れられて村へやってきた花嫁・カヤは、なんと男だった。
アジム族はイェフェム族を襲撃する理由を作るために、わざと男の花嫁を寄越したのだと分かる。
怒り狂う父や兄の様子を見ていたユーティは、咄嗟に「花嫁を頂きます」と答えていた――
男同士で夫婦になったふたりが、相思相愛になるまでの物語。

作品情報

作品名
花嫁のカヤ
著者
野原耳子 
イラスト
桝目の助 
媒体
小説
出版社
七彩社
4.2

(46)

(28)

萌々

(12)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
9
得点
192
評価数
46
平均
4.2 / 5
神率
60.9%

レビュー投稿数9

No Title

初読み野原耳子先生。
レビューを読んで良さげだったので。
結果、満点です。
エロ具合は3割(私調べ)ほど、ストーリーがとにかくおもしろいです。
ハピエンなのはわかっていても、カヤがなかなかかわいそうで、牢屋でユーティに別れを言うシーンでは涙で顔が歪みましたよ…
受けが短髪でおそらく筋肉ムキムキ(狩りが得意の闘争民族出身のため)なのは私の萌えポイントではないのですが、年下のユーティが人目を憚らず愛でまくってそれに恥じらうカヤも、ベッドの上で徐々に積極的になっていくカヤもすごく良かったので幸せな読後感です♡♡

0

我が身を考えさせられた

教えて姐さんでどなたかがオススメされていたので読んでみました。Kindleでしか読めないと。

知らない作家さんでファンタジー。
普段は手を出さないのですが、何となく読んでみようと思って。
面白かったです。ストーリーもスルッと入ってくる。別の部族同士の政略結婚。
嫌がらせで男の花嫁を送り込んできた。
さてどうなる?

雑にネタバレしちゃうと、男同士の夫婦で仲良く暮らしましたとさー。
なんだけど、キャラの設定が良かったです。
朗らかでおおらかそうなユーティが、カヤの事となると冷酷な鬼のように激変するところとか。
ユーティよりも二つ年上のカヤ、父を叔父に虐殺され花嫁として他族に嫁がされる辱めを受けるも、ユーティや周りの温かさに触れ、ここで生きていく強い決意と愛を感じて幸せに過ごす。

なかなか出来ないよ。恨みに取り憑かれそうなのに。

10年経っても2人はラブラブなのですよ。
自分を振り返るともうこんなホヤホヤ感ないですわ。どうしたら、好きな気持ち持続出来るんだい?
たまに、おじいちゃんおばあちゃんでも手を繋いで仲良くお出掛けされてる方居たりしますが、色々あったけど、好きな気持ちは変わらないって感じなのですか?うーん、私はその境地にいけるのか?もう、愛とか恋ではなく家族になってしまったなー。

この2人のアツアツぶりを見て自分を顧みてしまいました。


少し気になったところがあります。
最初、ファンタジー作品として読んでいました。
すると、長さを測る単位としてセンチメートルが出てきました。これで、おや?と私の中のファンタジー世界観が崩れてしまいました。
包帯で怪我をしたところを巻くだとか、医者だとか。
主人公達は、小さいコミュニティで生活してそうなので、私達が当たり前に享受されている物も無いのでは?って思ってしまう。手作りの弓矢を使って狩りに出掛けたり、衣服も買うのではなく自分達で縫ってる描写がある。

なので、薬草で手当して欲しいし、医者ではなく、薬草に詳しい〇〇さんのところに行きな?みたいな感じで表現して欲しかったかな。

ファンタジーと思わず、現代のどこかにある集落と思って読めばいいんでしょうが、変に気になってしまいました。

0

説得力のある世界観に脱帽

イェフェム族とアジム族それぞれの部族の文化といった世界観に、圧倒的な説得力があります。
ファンタジー作品ですが、すんなりと舞台設定を受け入れられました。
アジム族の男性であるカヤが花嫁とされること、そしてイェフェム族族長三男のユティと結ばれるまでの物語に違和感がまったくありません。
本作で野原耳子先生の作品にどっぷりハマってしまいました。

カヤの壮絶な過去を受け止めるユーティは一見おおらかで柔和な青年ですが、一筋縄ではいかないところも魅力的です。
愛するカヤのためなら手を汚すこともいとわないギャップに、読んでいてハラハラするほどでした。
このユーティの一面を縁者であるヨヨから見た短編も収録されているのですが、併せてユーティという人物の掘り下げができるお気に入りのエピソードです。

先にも述べたとおり、本編が素晴らしいのはもちろん番外編も非常に良いところがたまりません。
二人のその後の生活を垣間見てほっこりした気持ちになりました。

この一冊でもとても完成度の高い作品でしたが、この世界観で二人の続きの物語をさらに読みたくなります。
何度も読み返しているお気に入りの一冊です。

0

読みやすい

「傭兵の男が女神と呼ばれる世界」は未読ながら知っていた野原先生の作品。
Kindle Unlimitedに個人で出した作品は全てあるとのご本人のツイートで、ちるちるで一番点数の高かったこちらを読んでみました。

なんとなくみんなが持っている"部族"のイメージをそのまま使うことで説明を省いている印象。世界観が作り込まれたものを読みたい時というより、現代物ではない作品で軽めでテンポ良く展開する本を読みたい時にはぴったり。ユーティの豹変ぶりが好きでした。
"お人好しのお坊ちゃん"が猛々しく血生臭い人間になる様の勢いがいい!ユーティやカヤのキャラクターもかなりシンプルで、うだうだ悩むシーンも少なくサラッと読めます。

いつ頃書かれた作品か知りたかったのだけど情報がうまく探せなかった。作家さんの作品を古い順に読んで、変化を知るのが好きで。

1

政略結婚で嫁にされた族長の息子

初読みの作家。Amazonキンドル読み放題で、見つけた掘り出し物。
おもしろかった。

モンゴル辺りが背景。大草原が舞台です。
他部族と政略結婚できた嫁は、男性だった。
嫁のカヤの父は、前族長。跡目を狙った親族に父子揃って襲われ、父は死亡。カヤの足も不具合が残る。
出身部族に裏切られ、男嫁にされた絶望と怒りに固まるカヤが、
男嫁を受け入れた夫・ユーティと信頼を培い、共に生きる覚悟をして相愛の二人になっていく物語。

草原で部族みんなが協力しあって狩猟生活を送る人たちの姿が生き生きと描写されています。
風を感じるような場面描写が、とてもよかった。

奥付に、誤字があれば報告してほしい、の一文が添えてあって、良い作品作りを目指す著者の心意気を感じてしまった。
誤字報告を添える作品を初めて読んだので、感心。

1

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