イラスト付き
既婚者に惚れてしまった不憫受けのお話。途中で逃げてあっさり時が過ぎ、最後にバタバタくっついた感じがちょっとモヤる。話としては面白かったが、八尾には白石以外と幸せになって欲しいと思ってしまった。主人公に悲恋エンドを願った作品。
白石は八尾夫婦に拾われ、初めて幸せを知り、当然の流れで八尾に惚れる。リアルでも妄想世界でもエロにまみれており、感情より肉欲を強く感じる。それを男らしさと言うかのごとく、男なら当然~、男として〇〇といった表現がそこかしこに散りばめられている。
こうした文言の多さは、白石の内心か作者の観念かは知らないが、男性性への主観を強く主張しているようであり、無用のこだわりを感じる。ついでに、何事もしつこく書かれすぎると読みづらさにつながってしまう。
八尾はものすごい善人だと思う。一昔前、もしくは田舎の社長っぽい気質。土下座して支払いを待ってもらっている状況で、従業員にボーナスを出す経営者。妻に先立たれた後に、白石に手を出す人間とは思えない。
結果としてそこには妻の願いがあったわけで、芙実の言葉を勝手に誤解していた白石を、手紙に後押しされた八尾が追いかけてくっつく。芙実と白石の性別が逆なら総叩きになっていたであろうお話で、話の筋は良くても納得感はあまりない。
出て来た当初から、八尾は幸せになって欲しいキャラだと思って見ていた。そしていつからか、白石には八尾を解放して欲しいと思ってしまった。
社長である八尾が、従業員かつ拾った子供である男に手を出すほどの魅力が白石にあったのか、私には分からなかった。
定期摂取、小山田あみ先生。
初読み作家さんでしたがアンリミのレビューが良くて読みました。
女も抱ける攻め、奥さんいる攻めは基本性癖対象外なんですが、これはとーーってもよかったです♡
奥さんは病気で亡くなってしまい
もちろん忘れることはできず、
ずーっとふたりの間に存在しているのですが
その加減が絶妙でした。
了が想いを持て余してこれでもか!!ってくらい
夜遊びしちゃうのはソワソワしたけれど。
最後、八尾さんがちゃあんと迎えに来てくれ、
エロオヤジな面に笑い、
あったかい気持ちで終わりました^ ^
元々乱れた生活を送っていた了が八尾と出会ったことによって人生が変わっていく、、、、。
ゲイの子にとって、好きな人が女性の人生の伴侶を既に持っていて、さらにその人も良い人で自分を可愛がってくれる。辛いんだろうな。自分の思いは打ち明けられない、そして二人が良い人だけに、離れるのも難い。
そして八尾への思いをダメなこと、悪いことという負のスパイラルに陥ることで、どんどん悪い方向へ向かう受け君。
だからそばにいながら、爛れた私生活を送ってしまう受けが切なくてかわいくて…何とか八尾に振り向いてあげて欲しいと思いながら読んでました。
奥さんが亡くなる際に出張先で側にいることの出来ない八尾から頼まれた了は最期の見取りをするんですが、そこで最後の言葉を聞いて誤解しちゃいます。。。
だから八尾から離れるんですが、奥様がよく出来た人で、八尾への手紙を残しています。
それがあったから、八尾は了を探し出してでも側に置きたいと思う訳で。
最後は了、良かったね、って言ってあげたい。珍しい?形の関係でしたが、これから幸せになって欲しい思うストーリーでした。
他のレビューにもありましたが、八尾の「やり方わからないから教えろ」ってシーンはめちゃくちゃ萌えました。
世話になった愛妻家の男が好きで好きで、その男を思い浮かべる自慰や一夜のセックスを繰り返す美青年なお話。即物的なのに純でいじらしい、めちゃめちゃ良かったです。
冒頭からモブと絡んでるのですが、“尻が震える”「なんだ、このはしたないマゾ尻は」という言葉が最高でした(笑)
白石了と、白石が喘ぎながら呟く「八尾さん」、名前も素敵です。
母や血の繋がらない父に愛されず、早熟に育てられてしまった白石が、八尾と良妻に拾われて食事と良心と仕事を与えられ、一方で八尾への欲望に罪悪感を感じるという、白石の人生と精神の描き方が好きでした。
八尾の声や仕事中に盗み見た大きな手、新しく見つけた彼の部分があれば急いでそれをオカズに自慰にふけるような彼は、側から見てちょっと笑ってしまうくらい滑稽で、でもその強すぎる恋心が可愛くて、八尾が良い人間だからこそ共感させられる部分があります。
白石にとっては助けてくれた人で仕事や仕事に対する姿勢を教えてくれた八尾を何重にも好きで忘れられる訳がないし、同時にその妻に嫉妬を感じても裏切られる訳がない。切なくて結構地に足がついている…
遊び相手に殴られ青痣が出来ても、翌朝八尾が笑顔を見せればそれで良かったと思える彼の恋心は純愛でした。
白石が何度も繰り広げるS八尾の妄想も楽しくてHで、それがあるから実際襲いかけたシーンと結ばれた時はより濃厚に感じました。でもラブラブなのもう少し見たかったな。
八尾の
「ちゃんと手解きしてくんねぇと、わかんねぇだろうが。俺はお前が初めての男なんだぞ、了」
という言葉の破壊力!!!すごかった。
題名と表紙の花は違和感がある気がしますが、しかも表紙のデザイン渋いですが、小山田あみ氏のイラストも美麗で、白石のしなやかさと変態さが眼福でした。
薄雪の斑を表す春の季語「はだれ」には、寂しい意味合いの和歌が多い。
でも、冬が去り、春が来ていることを示す季語。
寂しく冬枯れしていた主人公の了に、やっと春が訪れる物語。
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はだれ:
「はだれに」はナリ活用の形容動詞「斑なり」の連用形
雪がはらはらと降るさま。雪が薄く積もるさま。また、その雪。はだら。
〔名〕 「はだれゆき(━雪)」の略。《季・春》
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斑な恋、という題名。スキマが有るってこと。
冒頭は、主人公の白石了が、片思いの相手の代理=行きずりのその日限りの男と愛し合う場面。
了は、儚げな印象の美形。
ずっと、片思いをしている「八尾」という男性が居るけれど、想いを告げられ無い。
想いを隠して、病身の妻を持つ八尾に尽くしている。
・・出だしから主人公の辛い立場の説明があって、かなり苦しい恋愛を描く作品だと理解できた。
了は帰巣する家族を持っていない根無し草。
了は、家庭の温もりを知らない、自分を癒す巣がない寂しい生い立ち。
八尾の死んだ妻は、優しい母性愛を注いでくれた。
虐待されて育った了の愛する八尾は、男っぽい父性愛が豊かな人。
了が愛を求める方向性に悲しいものを感じる。
幼い頃から、母親の愛人に仕込まれたせいで、了はセックス依存症。しかもドM。
了が愛されたい欲求を消す妄想や自虐行為が増長していく。
了の体の傷を観て、さすがに八尾が気づいて動く。その陰には、妻が遺した手紙があった。
優しかった八尾の妻は、了の気持ちに気付いていた。
了が八尾の会社を辞めて、バー「スイートレモン」で働いていると、八尾が了を探しに訪れる。
・・色々あって、やっと寒い了の心を温める巣と人を得る事ができた。
バーのママたちが、痛みが分かる人達で良かった。