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なぜなのかはわからないけれど、こちらの評価ボタンを真っ先に押した自分がいました。
読後すぐにレビューを書いているのですが、なんというか…夢を見ていていたような、とても不思議な読後感に包まれています。
ページをめくり読み進めるにつれて、魔法にでもかけられたかのようにどんどんとこの物語に魅了されていってしまうんです。
決してややこしくも、小難しいお話でもありません。
ですが、非常に魅力的な作品です。
山中の別荘で暮らす吉乃の穏やかすぎる日常に突然飛び込んできた、ひまわりのような子供。
吉乃と向葵が出逢い、一体どんな関係性になっていくのか?
攻め・受け2人の両視点で丁寧に描かれているので展開に置いていかれることもなく、むしろ「何がどうなっているのかを早く知りたい」と、2人と一緒に作品の中で少しずつ重なっていく違和感の謎を追いたくなる。
終始そわそわとしながらページをめくり続けてしまいました。
地域の伝承等も交えながら、人が人を想う深い愛情がしっかりと描かれています。
読みやすいけれど読み応えがあり、ほんのりと現代の御伽話のような雰囲気も感じられる。
そんな作品が読みたい方にはぴったりかもしれません。
BLとしての大きな萌えを感じたというよりも、どちらかというと物語として本当に面白く読めた作品でした。
と言いつつあらすじからもしかして号泣の展開になるのではと警戒して、先に皆さまのレビューを読みながらある程度を予想してから読み始めました。
ちょっと身体の為に余計なストレスをかけない様に過ごしているので、いつも心を平坦にしようと心がけているんです。www
で読み始めて吉乃パートはレビューでヒントを貰ってたこともあり、吉乃を慕う向葵の少年から青年にかけての恋心を楽しむ事が出来ました。2人が初めて結ばれた事をキッカケに何かが変わるのかと勝手に想像もしてました。
でも向葵と吉乃視点が交互に表れるパートに入ると、自分の想像力がいかに貧困かを思い知りました。www
もともと中原一也先生の書くお話は凄いと思ってましたが、作家さまは凄いと再確認しました。
もうね、後半の怒涛の展開が凄かったとしか言いようが無いです。決して派手な展開では無いけど2人の幸せにホッコリしてジワリと来た後に、この世は無情で非情なのかと悲嘆に暮れた後の、やっぱりそうなってしまったのかという諦め、その後の向葵と吉乃の関係にやっぱり号泣していました。
こんなに心構えして前日は面白い青年漫画を読んで爆笑して体調を整えて臨んだのにです。ただ個人的な比較として「拝啓、百年先の世界のあなたへ」よりは泣きませんでした。あちらは嗚咽が止まりませんでしたから。www
こんなに泣いた話をしてますが悲劇ではなくて、ハッピーエンドなのは確かです。中原一也先生やっぱり凄いです。
ネタバレを読まずに読むべきだった・・
「つもごり」とは 月の下旬や月の最終日。 みそか。月の最後の日 「晦」
=最後の夜、という意味のタイトルみたい。
吉乃:よく狐の面を被っている長髪美人、
吉乃の素性が、この物語の肝。
向葵:鎮守の森で迷子になっていた里の子
柊:吉乃に尽くす執事
吉乃は、年を取らない。
たまに訪れる向葵だけが成長して老いていく。
その訳が分かっても、変わらない向葵が吉乃に注ぐ純愛が、なんとも言えない形で完結する。
日本民話が土台の、誰かの幸せの礎になった人の不思議物語。
泣いた。泣き過ぎて。目の周りが痒いわ。
攻・向葵
受・吉乃
あらすじ割愛。
読んでいて、多分こういうことよね?という予想はつく。つくのだが!
じゃあ、この2人が幸せになるにはどうしたら良いのだろうか、と読みながら悩む。。
わからないんです。出会うはずのなかった2人、
恋に落ちるべきではなかった2人…
と、思うのだけれど。
出会って、恋に落ちたからこその痛みであり、
何も知らずに過ごしていた方が幸せだったとは、決して言えないと思うのです。
ネタバレしたくないけど、タイトルの意味、泣ける。
あまりにも切ない、切なすぎるハピエンです。
愛とはなんぞや、と考えてしまったわ。
このお話は、ネタバレ無しで読んで欲しいです。以下重要なネタバレは、書いていません。
攻めと受けのどちらかの時間速度が違っているのかな?向葵が病気なのか、吉乃が病気なのか?最初から不思議な感覚を感じながら、そこには一体どんなカラクリがあったのか?!謎解きしながら読み進める手が止まりません。
ただ、そんな中で、一瞬ですれ違ってしまうような時間の中を、向葵と、吉乃の2人が過ごす時間がとてもキラキラしていて、1回目に読んだときよりも、2度目に読んだ時の方が、その2人で過ごす時間の大切さがいっそう愛しい時間に思えて、1度目もかなり泣いたのですが、2度目に読見返すと、より涙しながら読んでしまいました。
特に、中原先生が書きたかったと、あとがきにも書いておられるのですが、神様に捧げる為のお祭りの幻想的な雰囲気の中で、初めて、二人が結ばれるシーンがなんとも官能的で、とても素晴らしかったです。特に、攻めの向葵はわんぱくな子供の頃から、だんだんと男性としての魅力に溢れてくる表現が、とても良かったです。とにかく向葵が魅力的なんです。受けの吉乃は、病弱で謎めいていて、世間知らずな所があり、不思議な人物でしたが、最後まで読むと、とてもキャラ設定に納得してしまいました。
小椋ムク先生のイラストが、とても素敵で、特に、一番ラストのイラストは号泣です。
私は受けに共感する場合が多いのですが、このお話は、最初から最後まで、一生を吉乃だけを真っ直ぐ見ていた攻めの向葵の男っぷりに惚れてしまう。そんなお話でした。