これは「悪役令嬢の兄」が、破滅の未来を回避して幸せを目指す物語!

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悪役令嬢の兄の憂鬱

akuyaku reijou no ani no yuuutsu

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表題作悪役令嬢の兄の憂鬱

あらすじ

フィンラード王国の若き侯爵ユリシスは、
冷酷にも見える美貌の持ち主。
そんな彼の悩みは妹のイザベラだ。
彼女は性格が悪く、婚約中の第一王子と不仲らしい。
しかも「イザベラは悪役令嬢となり、ユリシスをも巻き込んで破滅する」という予言を、
ユリシスは側近のイザークから聞く。
「悪役令嬢とは?」と思いつつ、
運命を変えるため動き始めるユリシス。
一方、彼に忍び寄る謎の男が……。
奇想天外「悪役令嬢の兄」ファンタジー!

作品情報

作品名
悪役令嬢の兄の憂鬱
著者
夜光花 
イラスト
柳ゆと 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川文庫【非BL】
発売日
電子発売日
ISBN
9784041146125

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7

4.3

(43)

(23)

萌々

(14)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
186
評価数
43
平均
4.3 / 5
神率
53.5%

レビュー投稿数9

続きが読みたい欲が高まったところで1巻終了(涙)

若き公爵ユリシスが、側近イザークの未来を予言(と言っても実はワケあり)した言葉により、大切にしている妹をこれ以上悪役令嬢にさせまいと奮闘するところから、色々未来が変化していくお話。
(ざっくりすぎる説明御免です!!)


いやはや。

読了してすぐの感想は、↑のタイトルでも記述したとおり、「続き、いつですか?!!」(両掌を前に差し出しながら)でした。


おそらくイザークが推している通り、ユリシスが幼き頃に助けた魔族で竜となれるジハールとCPになるのかもしれませんが、ジハ×ユリ?? 既定路線なんですかね??
ユリ×ジハも見てみたい気もしますが、今作ではまだユリシスからジハールへの恋としての矢印が小さすぎて、今後の気持ちの変遷が楽しみです。


そして、さすが夜光先生です。

読み応えたっぷりすぎて、あっという間に読めてしまいましたし、キャラクターも魅力的!

イザークとユリシスコンビも好きなんですよね!
それからイザベラもいい子に成長して、応援したくなる健気な子になって…!(目頭を押さえながら)




まさかのユリシスがラストで国王代理になる結末は、さすがに予期せずだったので、おお! と驚嘆の声が洩れました。
その後、絶対あると…信じてます…(大事なことなので3度言った)!




1

最近流行りの悪役令嬢ものの兄


若干19歳にして二大公爵家のひとつモルガン家の当主となったユリシス。
両親を亡くし、たった1人残った愛する妹イザベラを守るために、公爵として必死に働いてきました。それで守れてると思っていました。
が、ある日側近のイザークが、このままではイザベラもユリシスも破滅すると進言してきて驚きます。
イザークは予言者で、「イザベラは婚約破棄されイザークは王位簒奪を図る」と。
可愛いばかりと思っていたイザベラが悪役令嬢予備軍に成長していたことに仰天し、イザベラの矯正から始めるのです。


めっちゃ面白かった。流石ですね。

「なろう」も含めそこそこの数の悪役令嬢、令息物を読んでいますが、これほどの話はなかなかありません。
悪役令嬢の兄だけど、前世の記憶があるわけではない。あるのは側近のイザーク。
イザークは前世女性でユリシス推しで、ユリシスに幸せになってもらいたい、そばで見守りたい(腐女子も混じってる)と側近をしているのです。
ユリシスには前世とか乙女ゲームとかと言ってもわからないので、予言として妹のイザベラが悪役令嬢になって悲惨な末路を辿ると進言するところから話が始まります。
最愛の妹と自分の末路を回避すべく、イザベラの性格の矯正を行い、王子との仲を取り持ち、婚約者の第一王子と第二王子の暗殺を阻止し、学園へはイザベラを守るために人員を配置して、脅威から遠ざかったように見えて、強制力はそんなユリシスの奮闘を嘲笑うかのようにストーリー通りにしようとします。
聖女候補になってしまうわ、ゲーム主人公のマリアに王子がたぶらかされるは、隣国の王子と未来の魔王もやってくるわと次々と難題が降りかかるのです。

最後は大団円で、未来の魔王による匂わせというか、立場が違ったら連れ去られてたかもって感じで終わったけど、それはそれで良き。
ユリシスには婚約者のアンジェリカがいるし。王族のせいで結婚がちょっと先になってしまったけど、ツンデレ気味だけど世話好きないい子だから、結婚して幸せになってほしい。
未来の魔王とはいい友人のままで。

ユリシスが国1番の美貌をまーったく自覚しておらず女性のみならず男性もその笑顔で骨抜きにしてるのに、嫌われてると頑なに思ってるポンコツ具合も面白かった。
ユリシス推しだったイザークが話の展開の結末やらユリシスの無自覚タラシ具合に右往左往してるのも楽しかった。
正義感がそれほどあるわけではなく、徹頭徹尾イザベラだけが大切で、領地とイザベラさえ守れれば、あとはどうでもいいと思ってるのも吹っ切れてていいと思います。

とても綺麗に完結してるから、私はこれで完結でいいかな。余白があるのがいいと思うし。
ユリシスに再び難問を突きつけるなら続編もできると思うけど、蛇足になるかもしれないし。

兎にも角にも、ハラハラしたりニヤニヤしたり、読み進めるの手書き止まらないとても良い話でした。


2

広げてまとめて収めてすごい!

BL以外のお話を読むのは久しぶりです。
夜光花さんなのでこれは読まねばと。

さすがです。
1冊で広げて広がりまくって、そこに乙女ゲームの転生者も絡めて、さらには家族愛兄妹愛や無自覚な美貌の主人公、ついでにBL風味を一滴。そしてまとめあげるのが素晴らしい!

1冊にこんなに盛り込めるなんて!イザベラ矯正の辺りでどうなるんだろ…と心配してましたが、まさかまさかの展開でお釣りどころかフルコースを食べてコーヒーを飲んでる気分です。

なんですがね。非BLもの小説というか読者対象がどういうカテゴリーかわからないのですが、なにか物足りない。うまくまとめてまさかの結末ですごいのに、それぞれが良い収まりどころなのに、なんだろう。
ユリシスとジハールが、え?そんなあっさりやり遂げちゃった感じ?とくにジハールはユリシスの言う通りにあっさり計画を変えて。
ユリシスへのちょっかいもなんか爽やかだし。

BLを読み慣れてるからかなあ。

3

夜光先生の一般小説

夜光先生の一般小説☆面白かったです!
まず悪役令嬢ではなく転生した人物でもない悪役令嬢の兄視点が斬新。
ユリシスは信頼する側近イザークに破滅する未来が視えると言われ疑うも、信じるしかない現実を目の当たりにし、未来を変える為に奮闘する。
そんなユリシスは早くに両親を亡くし、妹のイザベラを守る為に仕事に邁進する若き公爵。諸々完璧だけど人心を察するのが苦手で自己評価も間違っている、ちょっと残念だけど愛すべきキャラだった。
イザークの予言に疑問なのは解る。理解し現実を見るとイザベラの悪役令嬢っぷりに悪い未来しか視えず不安しかない。ユリシスが只管気の毒でした。
イザークのアドバイスがあるとはいえ、何が正解か分からない中で手探りで対応していくのはハラハラした。強制力働いてるし、聖女候補のマリアが悪女で自由奔放だし、ジハールも好きに動くし、ルートが変わってイザークは狼狽えてるし。読み終わってエンディングを迎えた時はホッとしました。ユリシスお疲れさま!
でも、まだまだ先が気になるので続編希望します!めちゃくちゃ楽しかったです!

4

流石でした

BL枠には入っていないものの、今ハマっているジャンルで尚且つ夜光花先生が書かれていると知り迷わず予約していました。SNSで流れて来なければ見逃していたと思うので、煩わしいと思っていたコミコミさんのフォローを外さなくて良かったです。www

こちらの作品が面白いと思ったのは、異世界転生者が主人公ではなかった点です。異世界転生者が悪役令嬢の兄こと侯爵ユリシスに側近として知識を与えて、降りかかであろう厄災を避けて最愛の妹を守って行くという視点が最高なんです。ページを捲る手が止まりませんでした。

そしてもう1人の転生者を登場させ、側近との2人の対比をすることでお話がなお一層奥行きが出たように思います。

更にユリシスが幼い時に助けた子竜がキーになることで、異世界というファンタジー作品に欠かせないものもしっかりと描かれていました。

決して魔獣をバタバタ倒したり、魔法をバンバン放ったりと派手なシーンはないんです。ただ、必要なシーンにここぞとばかりに使われてて、この辺の匙加減が流石でした。

比較すれば先生の人気BLシリーズの方が断然派手だと思います。
ただ、この手のジャンルだとこれくらいが主題に沿っててとてもバランスが良いのです。

夜光花先生は人気シリーズが沢山あって、そのどれもが違っててとても引き出しの多い作家さまだと思うのですが、こちらの作品でもその片鱗が伺えて更にこれからが楽しみになりました。

可能ならばこの続きが読んでみたいと思いました。他の方が気になっている魔族のジハールとか、とても良いキャラだと思ってます。
ただ、こちらは匂わすくらいでBL臭はこれ以上強くなくても良いと思います。
恋愛要素がないのも凄く良かったです。

10

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