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青の王と深愛のオメガ妃

ao no ou to shinai no omega hi

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表題作青の王と深愛のオメガ妃

レイ・バシレウス・リザニアール、リザニアール国王
セレン、神子でレイの正妃

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

リザニアール国の王となったレイと王妃・セレンの間に、愛しい娘が生まれて三年。幸せな日々を送っていたはずが、あるとき「セレンが邪悪な精霊の化身である」との神託が下る。レイは取り合わなかったが、真実ではないかと思うセレン。出産以降、発情が来ていないのは確かだったから。ほかの神子とつがうようレイに頼み込み…。「おまえは、今でも俺を愛しているか?」愛し愛されているのにままならない二人の運命。大人気・砂漠のオメガバース『青の王と花ひらくオメガ』、続編開幕!

作品情報

作品名
青の王と深愛のオメガ妃
著者
葵居ゆゆ 
イラスト
笹原亜美 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866696454

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(12)

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萌々

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(2)

中立

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趣味じゃない

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レビュー数
5
得点
49
評価数
12
平均
4 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

思うだけでは伝わらない想い

今回は国王となった第一王子と下働きだった王妃のお話です。 

攻様の子を生みながら未だに軽視される受様と
受様以外の側妃をと望まれる攻様を巡る騒動の顛末を収録。

この世界には
男女の性別の他にオメガとアルファという性が存在します。

アルファは男性のみに現れ、オメガとしか子を成せません。

オメガは男女ともに一定数現れ
初めての発情から16年でオメガ性は消失しますが
オメガ性の間もオメガ性をなくしても
アルファ以外の男性の子を身籠る事は可能です。

リザール王国の神話では
神はオメガという第二の性を持つ神子をつかわし
王となる資格を持つ者にはアルファという性を与えたとされ

オメガ性を持つ者は神子として大切にされ
王族の男性は次の王となる子を得るために
神子を妻として娶ります。

攻様は第一王子ながら神子である弟王子の母に疎まれ
容姿のせいでも敵が多かったために
わざと自堕落な日々を過ごしていましたが

神子の母が産んだ罪の子と言う出生のために
神子ながら神殿の下働きをしていた受様と出会った事で
政敵を一掃して王位に就き、受様を妃とするのです。

受様は攻様との間にアルファ性ではない姫を得ますが
その後に発情する事がなく2年の月日か流れます。

攻様は跡継ぎとなる男子を得るために
新たな神子を迎えるようにと言われますが
効く耳を持ちません。

そんな中、王宮神殿長が王との謁見で
「王妃となった受様は祝福された相手ではない」という
神託を神の庭の神子達がきいたと攻様に告げるのです。

この神託の意味するものとは!?

既刊「青の王と花ひらくオメガ」の続刊で
運命のつがいである受様を得た事で王となった攻様と
両親の罪の子と蔑まれた受様の王宮オメガバースです♪

オメガバは作家さんによって様々な設定がありますが
本作はオメガの設定がかなり特殊で
その性質故に受様が悩む展開となっています。

前作から3年攻様は王となり、親となった事で
人としても大きく成長していましたが
伝統や格式を重んじる神官や臣下の思惑より
受様(と姫)を優先するのは相変わらずです。

個人的には攻様に理があるように思えますが
攻様が選んだからと受様を受け入れた面々にとっては
攻様の言動は受け入れがたいものなのです。

しかも当の受様も
自分は攻様に相応しくないと思っているので
受様の過去で見下す者の言葉を正しいすらと思っていて
実に歯がゆい状況なのです ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

攻様が好んだ受様の素直で真面目な気性こそが
受様に悪意を向ける者達の画策を呼びますが

受様に寄り添う者達の助け手ともなる展開でもあり
攻様が受様以外の手を取らないと宣言する幕引きまで
ハラハ&ドキドキ、たいへん楽しく読ませて頂きました。

1

コミコミ2冊セット推奨!

これから買う人はコミコミ2冊セットを買って、小冊子を入手して欲しい。
なぜなら、小冊子がエロいから。
本編は葵居ゆゆ先生にしてはエロ要素少なめ。
①初回の投げ込みSS
②アニメイト・コミコミ限定SS があって、
①②に続く話が2冊セット限定小冊子。こちらがエロい。え?何そのプレイ。性癖開花?みたいな感じ。

では、本編の感想。ネタバレ。
結婚後の話。レイが即位して三年経ってて、娘が産まれて。セレンは発情期が来ない。
イチャイチャ夫婦だけど、セックスレス。

レイは良き王、良き夫、良い父親。
わかりやすく良い男になってしまったわ。
だけど、セレンは元々、自己肯定感ほぼゼロな人だし、生まれたのが女の子だったし、新たな敵キャラ神官がものすごい嫌なやつだし、で。

だからエロが少ないんだけど、前作に出てきたセレンの味方キャラ達がこぞって登場。レイとセレンのやり取りより、レイとダニエル、セレンとサヴァンやヨシュア等々、色んなやり取りが、すごく良かった。

BL小説はどうしても恋愛する2人のやり取りがメインになりがちだけど、今作はメインの2人から外側に広がって関係性を楽しめます。

娘と動物、祖父(ダニエル)なんかも癒し。
一番テンション上がったのはアンゲロス。
アンゲローーース!って叫びたくなる。

先に書いた新敵キャラも強烈。嫌味おじさん。夫婦のイチャイチャを聞き耳立てて、乗り込む気持ち悪さ。前作王妃を超えてると思う。

萌えという観点では神ではないかもしれないけど、既婚子持ちの私はセレンに共感できる部分も多々あり、前作よりこちらの方が好きです。

1

この続きが読みたい

まさか『青の王と花ひらくオメガ』の続編が読めるとは思わず、直ぐに予約していました。前作では最後の最後でレイがあの場面で饒舌になってしまいキャラに違和感を感じてしまったのですが、こちらの続編では最初からセレンへの愛を周りに隠そうとしていないので違和感はありませんでした。

むしろ、溺愛キャラとしては合格だったと思います。たまに失言はあるもののセレンが大事で守りたいという気持ちが伝わって来て、頑ななセレンの態度に報われないレイが気の毒にさえ思えて来たほどです。

葵居ゆゆ先生の上手いところは、前巻で綺麗にまとまって終わったところを前作のキャラを活かしつつ、全く違う面を発見させてお話に奥行きを出して来たところだと思います。

そして、今回も綺麗に終わらせているのですがレイやセレンのその後を読みたいと思わせる魅力がありました。

ただ、個人的にはセレンの性格が卑屈すぎてあまり好きになれないのが難点でした。それでも今回でかなり吹っ切れたらしいので、これまでと違ったセレンや王宮の様子が読んでみたいと思いました。

0

溺愛攻めへと変貌したレイ & 変わらず受身のセレンのすれ違いがもどかしい…

『青の王と花ひらくオメガ』の続編である、こちら。2冊同時に購入し、昨日今日で一気読みしました。

前作で紆余曲折の末に結ばれた二人。今作は、そこから3年経った頃のお話になります。

攻めのレイは溺愛度が加速し、頼もしい夫であり父になっていました。前作で「この俺が気に入ってやったんだ。喜んで抱かれておけ」と言っていた人と同一人物とは思えない変貌っぷり。
決してセレンが嫌がることはせず、セレンの気持ちを第一に考えて動く。その、一本筋の通った姿勢が清々しく感動的でした✨

前作では、自分は”罪の子”だからと、周囲からのいじめや酷い扱いに文句も言わず、ただじっと耐えるだけで抗おうとしないセレンに焦ったさを感じたのですが。

…うーん、やはり続編でも序盤、その部分はほぼ変化がなく。
自分を殺して耐え忍ぶ姿は、奥ゆかしいというよりも、(前作でレイが言っていたように)卑屈に感じられてしまいました、、
もっと抗って道を切り開いていこうよ〜!と手を引っ張りたくなる…

でも!
愛しい娘、エリアナが関わることを言われた時、やっと初めてセレンが怒り、言い返すんです。この時は「よくやった!!!」とグッと手を握りましたよ(๑•̀ㅂ•́)و✧ 母は強し。

ただ…「セレンは邪悪な悪の化身である」との神託が全くの嘘であることを証明するため(愛するセレンのために!)奔走し、神官に一泡吹かせたレイをなじるセレンの言動がですね。。
えええ〜;と思ってしまった…
感謝の気持ちや愛を伝えた上で、あなたのことを心配しているからこそ嫌われるような言動をして欲しくない、と伝えればいいのに。
感情的になって「レイ様はひどいです」と言うセレンにはちょっと共感できず、ひたすらレイが可哀想でした。。
泣きたいのはレイの方では!?…と思いながら読み進めていたら、ちゃんとその後、しっかり反省していて溜飲が下が…りかけたところの、「謝らないです」発言にまた「えええ!?」となり。

また、セレンが当初娘を産んだことをどこか負い目のように感じ(女性はアルファ性を持たず、次代の王にはなれないため)、二人目は男の子を…とうっすら考えていたのも、自分的には途中のがっかりポイントだったかな、、レイの弟に男児が産まれたので、その気持ちは理解できるんですけれども。。
けれどそれも最終的には”産まれてきてくれたら、性別に関係なく幸せ”と思えるようになっていてホッとしたりしました。

…と、今作はレイの愛情深さに安心&うっとりすると同時に、セレンの感情の揺れに都度振り回され、萌えと「えええ…」が交互にやってきた感がありました。
それでもレイと、セレンとエリアナと、もしかしたら近いうちにもう一人加わって4人にー?(+鷹のアンゲロスも❤︎)と、更なる幸せを予感させての気持ちの良いラストでした・:*+.

最後に一つ、欲を言うならば。できれば、大砂漠猫とエリアナちゃんが戯れるところも、挿絵で見たかったなあ〜〜〜

2

愛情ともどかしさと

最悪が最愛に。
後半になればなるほど面白さが増していった前作から数年。
まさか続きが読めるとは!

前作から3年経過したその後のレイとセレンが描かれている今作。
国王と王妃となった2人はいったいどんな姿になっているのだろうと、期待に胸躍らせながらページをめくりました。

まず、レイの愛情深さが非常に際立っていた続編だなと思います。
前作の序盤のレイを思い返せば返すほど、彼はこれほどまでに愛情深い人だったのかと驚き。
何においてもセレンファーストの溺愛っぷりなんですよ。
目に入れても痛くないくらい娘のエリアナちゃんのことも慈しんでいて、なんだかもう家族への愛がすごい。
葵居先生の溺愛攻めはやっぱり良いなあと攻めに萌えた1冊でした。

と、レイの株はものすごく上がったものの、お話の内容的には、深い愛は確かにあるのだけれど…ややもどかしさが勝ったといった印象です。
前作の通り、すったもんだがあった上で一国の王と王妃となった2人なので、決して順風満帆なことばかりではないんですね。
お世継ぎ問題にプラスして、セレンを軽んじる者がいたりとなかなか上手くはいってくれません。
ここがちょっとリアルで、おっと思ったところでもあり、読んでいて若干のフラストレーションを感じるところでもありでした。

セレンの生まれ育った環境を思えば、自己評価が低いことも、1人で頑張りすぎてしまうことも理解が出来るのです。
時に真っ直ぐすぎるほどに正直なレイのセレンへの想いがなかなか伝わらないのももどかしいですし、セレンのレイを想うがゆえの自己犠牲的な言動と考えも分かるだけに、2人がすれ違ってしまう度に思わず「ああぁー!話し合ってー!」と言いたくなってしまう。
読み手は両方の視点が読めているわけですから、早くセレンはレイに素直になればいいのにとついつい思ってしまうけれど、セレンはそれが出来ない人なんですよね。
そんな2人が本当の意味でどう気持ちを寄せ合っていくのかが読みどころかなと思います。

2人の苦しいすれ違いに加えて、まるでお局のようなヒールキャラクター(男性です)が登場し、それがまた読んでいてしんどかったのですが…
前作にも登場したとある人物がなんとまあ良い仕事をしてくれるではないですか!
作中で1番まともに感じ、1番印象が良い方向に変わった人物でした。
合間合間に彼のスカッとする気持ちの良い発言がなければもしかしたらだれてしまっていたかもしれません。
きっとこれからもセレンに文句を言いつつ、なんだかんだで助けてくれるのではないでしょうか。

読んでいてしんどいところもあったけれど、また会えてうれしい人たちが登場したり、すれ違いつつも想い合う2人はやっぱり素敵。
展開的に苦しかった分、もう少し終盤の甘さが多めにほしかったかなとこちらの評価になりましたが、今後の2人も追いかけたくなる希望のある結びは好みでした。

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