青の王と花ひらくオメガ

ao no ou to hanahiraku omega

青の王と花ひらくオメガ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×219
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない6

52

レビュー数
6
得点
100
評価数
31
平均
3.5 / 5
神率
12.9%
著者
葵居ゆゆ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笹原亜美 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
電子発売日
価格
¥755(税抜)  
ISBN
9784866693262

あらすじ

この世の誰よりお前がほしい
オメガ性を持つ〝神子〟が住まう神殿で、第二性別を持たないセレンは下働きとしてひっそりと働いていた。王家のアルファたちが神子を迎えに来る日――。生まれながらの罪のせいで俯いてばかりのセレンに、「顔を上げろ」と言い放ったのは孤高の第一王子・レイだった。「この俺が気に入ってやったんだ。喜んで抱かれておけ」。王になりたくないと異端の振る舞いをするレイのため、献身的に身体を差しだすセレンだったが…。
健気な蕾が清廉に花ひらく、砂漠の寵愛オメガバース

表題作青の王と花ひらくオメガ

レイ・バシレウス・リザニアール,22歳,リザニアール国第一王子でα
セレン,18歳,第二性別を持たない下働き

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

伏線の回収が見事でした

余りにも孤独な2人が結ばれるお話でした。

それぞれの境遇を読んでいてとても心が痛みました。生い立ち故に自己肯定感の低い受けのセレン、慕って来た人に罪を犯して欲しくない為に自らを犠牲にする攻めの第一王子のレイ。

2人が出会ってすれ違いながらも心を通わせる過程がとても良かったです。

それに脇を固める人物も魅力的でした。
心優しい神子のヨシュアに生真面目で異母兄のレイを慕っているエクエス。

そして最後の事件の後にセレンの出世の秘密が詳らかになって、レイは王となる決意をして2人は幸せになります。

伏線や人間関係が最後にスッキリ解決しているので、何も知らないまま読んで欲しいです。

言える事は子供より自分の欲を優先させる毒親は決して幸せにはなれないって事ですかね。

途中途中の描写で分かる事ですがレイは賢王になります。王になってから直ぐにお話は終わってしまいますが、王としての采配も素晴らしいので是非読んで欲しいです。

これだけ絶賛しておいて神にならなかったのは、最後のエッチの時にやたら喋るレイが個人的に受け付け無かっただけです。せっかくカッコいいのにそれは詳しく言わなくってもいいからと思ってしまいました。w

0

ページをめくる度に面白くなっていく

読み進めるにつれてどんどん面白くなる作品でした。
序盤の印象が良い意味で変化するといいますか。
読み始めてすぐに、ああ、傲慢権力者攻めと自己肯定感がない健気不憫受けのパターンかな…なんて思ってしまうような描写から始まるんです。
決して明るい印象はありませんし、もしかしたらこの辺りで引き返してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でもちょっと待ってください。ぜひ、もうちょっとだけ読み進めてほしい。
少なくとも、私は途中からの展開をとても面白く感じました。

舞台は架空の国・リザニアール。
キャラクター達の服装からも分かる通り、どことなく砂漠や中東近辺の国を連想させるような雰囲気。
オメガバース作品は近年よく目にする設定となりましたが、作家様によってそれぞれ微妙に味付けや設定が異なるところに魅力を感じます。
まず、こちらの作品の面白かった点。
オメガが神秘性のある存在として扱われている作品は多々あるものの、発情してから16年でオメガとしての特異な体質が終わるという設定です。
作中にはベータが存在していないように見えますので、ベータになるというのが正しいのか、引退した元オメガの人間となるというのが正しいのかは分かりませんが、これはあまり見かけませんよね。
と、少々話が逸れましたが。
オメガを大切に保護する神殿の下働きとして静かに生きる少年・セレンと、国の第一王子・レイのお話です。

「顔は上げて、前を見て歩け」
レイが何気なく言い放ったこの一言が、生きている事ですら罪なのだと息を潜めて下ばかりを向いて生きているようだったセレンを変えていくんですね。
今作の主人公であるセレン。
絵に描いたような不憫さかつ、自己肯定感が低い健気受けです。
ですが、決して恵まれているとは言えない生い立ちの中で育ったからこその、ある意味卑屈なほどの自信のなさや不遇の存在だったがゆえの視点が、本人はもちろん、レイの意識まで変えていってしまうのが面白いところ。
お相手となるのは、国の第一王子でありながら怠惰かつ傲慢な振る舞いが目立つと、周囲からの評価が低いレイ。
気まぐれに神子ではない下働きのセレンを寝所へ呼んでは強引に伽をさせ、人前で口淫までさせる…と、結構受け入れ難いです。
ここがダメな方もいらっしゃるかと思います。
率直に言ってしまうと、初めての夜伽のシーン辺りまでは受けにも攻めにも魅力を感じませんでした。
サブキャラクターのヨシュアとナイードの恋を応援したくなってしまったくらい。
でもなぜかセレンはレイを優しいと言ったり、道具のように求められることに対しても嫌な感情をあまり持っていないんです。
ここがすごく不思議で、さっぱり分からない。
どこが良いの?なんて思っちゃいます。
しかしながら、これって、読者側・神子・レイの弟のエクエス側から見た場合の「普通」の感覚なんですよ。
彼の育った環境を考えると、セレンにしてみれば自分に少しでも興味を持ってくれたり、抱きしめてくれたり、必要としてくれたり、声をかけてくれるだけでも幸せなことなんですね。
そんな彼のいじらしさや健気さ、素朴な着眼点を知り、ちょうどいい道具を手に入れた程度に思っていたはずのレイの心境がどんどん変化していきます。

この辺りから、レイがわざと傲慢に振る舞っている理由、ひとりで孤独を抱える姿、本来の愛情深く誠実な姿が見えて来るのですが…これがまあなんとじれったくてもどかしいこと。
初めのレイへの印象は最悪なんです。
それが少しずつ良い方向へ変化していく様、それによって愛を知らないセレンが愛されていく様にじわーっと来ちゃう。
セレンを愛しく想うレイの不器用なアプローチや優しさがセレンになかなか伝わらないのがじれったいんですよねえ。
好きな気持ちが分からず、レイにキスをされて顔を真っ赤にして腰を抜かすセレンと、そんなセレンの姿を見て照れるレイの図がすごく可愛らしくて好きでした。
レイのミリアへの想いもいじらしくて、なんだかもうたまらない気持ちに。
序盤に、あのあまり良くない印象を持つようなシーンを持って来て、そこからこんな展開になるなんてと、キャラクターへの印象をガラッと変えてしまう葵居先生の心理描写の丁寧さと人物の掘り下げ方にやられたなあと。
孤独で不器用な2人が出逢って恋に落ち、愛を知り愛を得るまでが描かれています。

サブキャラクターも魅力的なのですが、あの人とこの人が?など、2人の恋を描きながら、さり気なく他の登場人物の過去のつながりまで無理矢理感もなく描いているのが上手いです。
後半に進めば進むほど謎が回収されていくようで面白いんですよ。
レイとエクエス兄弟、セレンの親についてのまとめ方もすっきりとしていて好きでした。
他の神子・元神子のお話も読みたくなりましたね。
ヨシュアとナイードも気になりますし、レイが治める国のその後も気になります。

2

運命を変えていくのは

今回は現王の第一王子と神子を守る神殿の下働きのお話です。

王位を継ぎたくない攻様が選んだ下働きの受様が最愛の伴侶となるまで。

この世界は第二の性を持つアルファとオメガ、第二の性を持たない普通の
人々が存在します。砂漠の辺境に位置する王国リザニアールはアルファと
オメガの数が少ない国です。

はるか昔、この地にやってきたリザニアールの王族は神と出会い、王と
なる資格をもつ者にはアルファという性を、その相手としてオメガの性を
持つ神の子を遣わしたと言われています。

アルファを生む事ができるのはオメガだけであり、そのため今でも王族の
一部は妻を神子のあいだから選びます。そのため、神子はこの国の存続と
反映にかかせない尊いものとして、「神の庭」と呼ばれるイリュリアの町
の神殿に集められて、神子として相応しい教育を受けるのです。

オメガは10才から13才ごろに初めて発情を迎える事で確定します。以降は
数年の頻度で発情期を迎えますが、発情期は16年で終わり、普通の人に
戻ることからイリュリアの住人は元神子も多いのです。

受様はその神殿で下働きをしています。実は受様の母は元神子、父は母を
盗み出した盗賊なのです。母は美しい神子でしたが、王宮からの迎えが
来る前に誘拐され、盗賊と恋に落ち、連れ戻された時には受様を身籠って
いたのです。

両親は神殿からの脱走を試みますが、失敗して父は処刑、失意のまま受様
を生んだ母は何重にも罪を犯した厄介な存在となり、唯一そんな親子を
庇ってくれたのは当時の神官長だけでした。

現在の神官長は規律に厳しく、罪の子である受様にことさら厳しくあたり
ます。受様は掃除に洗濯、料理の手伝いと沢山の仕事をいい使っています
が、そんな受様にとって気を許せる存在は鐘撞堂の老人と、今年18才にな
る黒髪の美しい神子だけでした。

神殿には2年に1度、「神の夜」に合わせて王になる資格を持つアルファ性
の人間がやってきます。今年はちょうどその特別な日のある年で、2人の
王子とその従兄弟達がやってきます。

彼らの到着が時間通りでなかった事に神官長は下働き達を怒鳴り散らし、
受様も難癖をつけられて昨日綺麗に磨いた廊下の掃除を言いつけられます。
出来るだけ急いで掃き清めていた受様ですが、そこに現国王の長子である
第一王子が通りかかります。

仔の皇子こそが今回の攻様になります♪ 攻様は次の王となる資格を一番に
持つ王子ですが、悪評が堪えない厄介者です。今も新官長をからかうよう
に神殿内を闊歩していたようで、受様を見た神官長はみるみる険悪な顔に
なって受様を怒鳴りつけました。

とげとげしい声に慌てて下がった受様ですが、「おい」と背後から大声で
呼ばれた事で桶の水を巻き散らしてしまいます。神官長はさらに受様を
叱責しますが、攻様は鷹揚に対峙し、受様に「顔を上げて前を見て歩け」
と言って去っていきます。

そしてその後開かれた宴では第二王子に気に入られて困っていた仲の良い
神子を庇って退室させると、それを見ていたらしい攻様に彼の代わりに
酌をする様にと命ぜられる事になります。

そんな受様を見た神官長は怒り心頭で、攻様の態度を戯れが過ぎると迫り
ます。受様は神官長を尤もだと思うのですが、攻様は「受様も神子と共に
王宮に連れて行く」と言い出すのです!!

神官長は我儘が過ぎる、前例もないと言いますが、攻様は「俺が命令だと
言えば命令だ」と押し切り、受様は神子と共に王宮を目指す事になります。

果たして受様を伴う攻様の真意とは!?
そして神子ではない受様を待ち受ける運命とは!?

王の第一王子として生まれたながらも王位を継ぐ気のない攻様と、両親の
罪の子として生まれた受様のオメガバースとなります。

他の神子達とともに王宮に上がった受様は神子達の世話係として神子殿に
入ります。攻様は受様を抱き、他の神子に一切目を向けないほどの寵愛を
注ぎますが、受様には攻様がなぜ自分に目を掛けるのかがわかりません。

王妃の産んだ第二王子のほうが評判がよく、神子達も第二王子に気に入ら
れようとしますが、彼は兄である攻様をとても慕っており、第一王子であ
る攻様が相手を選ばない限り、自分が先に選ぶ気がないのです。

第二王子によれば攻様はなさぬ仲の王妃を慕い、文武の才を発揮する良き
王子でしたが、高熱を出す病に倒れてからは、わざと横柄な態度を取り、
自堕落な振舞をする様になったていきます。

攻様が何を考えているのか受様には全くわかりませんが、彼に抱かれて
傍近くにいる事で徐々に彼の優しさと孤独を知っていく中で、攻様に
惹かれいくのです。そして攻様に寄り添おうとする受様の存在が攻様の
考えをも変えていくのです。

そんな2人の関りが、攻様を排除しようとする王妃による王位を巡る陰謀、
王族に深く関わる神子を巡る神官や王妃の策謀を徐々に明るみになり、
2人が伴侶として手を取り合うまでハラハラ&ドキドキ、たいへん楽しく
読ませて頂きました。

受様を罪の子として何かと辛く当たる元神子の神官長、受様と仲の良い
神子、その神子と恋仲になる郵便配達員、市井で生まれて遅くに引き取
られた神子、自らの子を王にしようと攻様の排除を狙う元神子の王妃、
受様の母親である神子、神子殿の獣係まで、主要な登場人物達の見えな
い関りが実に巧妙です (^-^)v

攻様が受様に目をつける最初のあたりの2人の絡みや山場へ向けての受様
はけっこう痛い展開でしたが、攻様が王になった事で神子の未来も変って
いきそうな未来が予想されて読了感はとても良かったのです。

0

表紙の王がカッコよすぎ

表紙の王とオメガバースということで購入決定、紙にしました。
正直受けは子どもっぽい容姿すぎて好みじゃないですが、表紙で一目惚れした王は挿絵でも完璧にかっこよかったです!
8割イラストのために購入しました。

物語の主人公は修道院で親の罪のため使用人の扱いを受けている健気なオメガのセレンと、修道院のオメガの中から妃を選ぶ王のレイです。
セレンは王に愛のない性交を強要されますが、今まで人肌を求めていたセレンはそれでも密かな幸せと感じています。使用人は勘違いしないと自分を諫めているので自分がレイを好きなことが分かりません。
でもレイは何でも受け入れてくれて慕ってくれるセレンを好きになり始めているので、鈍いセレンに焦れています。
後半には王は好きで冷たくしている訳ではないことがわかります。
本当は人格者で、悪い王子を演じている寂しい人だったので最後には甘々です。

2人は権力にしがみつく人々に翻弄されながらも切ないほど我慢して生きてきて、そして出会えたことで不遇の立場をも変えていく愛を見つけるのです。

個人的には受けの容姿をもっと大人びて描いてほしいのと、人前でのフェ◯はやり過ぎ、やめて欲しい。この2点だけ減点でした。

0

毒親

『孤独をあたり前として生きて来た2人が心を通わせ、誰かと一緒にいたいと思うことを肯定的にとらえられるようになる』という、健気な主人公が活躍するお話の王道だと思うんですが……でも、私の心を掴んで離さなかったのはリザニアール王国の第2王子エクエスの母ミリアだったんですね。

この母親、怖いよぉーっ。

これからお読みになる方がつまらなくなっちゃうといけないので誰とは書きませんが、このお話の中では『子どもを産んだ後、死んでしまわなかった親』はみんな悪い(登場人物自体が少ないのですけれども)。
これ、リザニアール王国ではオメガが『神子』と呼ばれ、アルファを生む性として王族に囲われているからなんでしょうな。だから『子どもを産むことから引退したオメガ』が地位を望めば、自分の力ではなく子どもの力で戦わなければならない構造になっている訳なんですよ。
むしろここがね、大変興味深く面白かったんですよ(ロマンス体質じゃなくてごめんなさい)。

慕っていた異母弟の母親に憎まれ王位を異母弟に譲ろうとする王子レイと、誘拐された神子と誘拐した盗賊の間に生まれた『罪の子』である神殿の下働きセレンの恋は、書いてある文章以上に細かな心の動きが察せられる描写で、読んでいてほろりと来ました。

えー、このお話はちゃんと面白かったのですが。
私、葵居さんは2人いると思っていまして。
今回の葵居さんは『いじらしかったり可愛らしかったりする葵居さん』でした。ここのところ、こちらの葵居さんに出会う確率が高いんですよね。
私は『痛くて、ちょっとばかりゲスな葵居さん』が好きなものですから、そろそろそちらの葵居さんにもお会いしたいです。

5

心のままに、人を愛していい

こちら、砂漠の王国を舞台とした、とても感動的で壮大な愛の物語になります。
プラス、オメガバース。

どうしようもなく孤独な二人が出会って、愛する事、愛される事を自分に許す・・・。
「心のままに愛していいんだよ」と言う、深いメッセージ性が心に響くお話なんですよね。
読み終えた後は、なんだか胸がいっぱいですよ。

ちなみに、葵居先生と言うと(個人的に)痛いイメージがあるんですけど、今回はどこか透明感があって優しいお話でもあります。
かなり切なくもあるんですけど。
この雰囲気も、また素敵でした。


で、内容です。
オメガ性を持つものが、アルファである王族の子を産む神子として、大切に保護される砂漠の国。
第二性別を持たないセレンは、神殿の下働きとしてひっそり生きてきたんですね。
そんな中、王族のアルファ達が神子を迎えにやってくる「神の夜」に、第一王子であるレイと出会ったセレン。
レイは、神子では無いセレンを、何故か王宮へと連れて行くと言い出しー・・・と言うものです。

こちらですね、主人公がとにかく不憫なんですよね。
実は彼ですが、神子である母親とその母親を拐った盗賊との間に生まれてと、神子が神聖視されるこの国では許されない存在でして。
その為、極端に自己肯定感が低く、また自己犠牲の意識が強いキャラなのです。
神殿でも下働きとして辛い労働を課されてるのに、それでも人の役に少しでも立たなくてはと、強迫観念めいた思いを常に持っていると言いますか。
こう、生まれおちてからずっと「罪深い存在だ」と言い聞かせ続けられた結果、まっすぐ前を見る事すら出来なくなっちゃってるんですよね。

今回、一番の萌え処ですが、そんな彼が人を愛する事、そして自分を愛する事を自身に許せるようになるー。
その一点だと思うんですよね。

や、セレンを強引に王宮へと連れ去った第一王子のレイですが、自堕落で横柄でと、その評判は最悪なんですよ。
実際、初めてのセレンを苛烈に抱き、昼間から酒に酔って醜態をさらしと、どう見ても「王には相応しくない」存在。

これ、面白いのが、そんな二人が少しずつ少しずつ心を通わせてゆく所でして。

えーと、セレンなんですけど、皆が眉を潜める存在であるレイをですね、一人だけ優しいと感じるんですよね。
や、レイですけど、ただの乱暴者では無い?と、随所随所で読者が疑問を持つ形で書かれてまして。
苛烈に抱いた後、何故かセレンを抱き締めたまま一晩眠ったり、神殿で下ばかりみていた彼に「顔をあげろ」と言い放ったり。

こう、他の神子達の前でセレンに口淫させたりと、あまりに酷い仕打ちには腹が立つんですよ。
立つんですけど、実は彼のこの行動は、ちゃんと理由があってのものー。
王位を弟に譲ると言う狙いからの計算だと分かってくる。

う~ん・・・。
本当のレイですが、とても愛情深い優しい男なんですよね。
彼はその目的の為に、セレンを利用しようと王宮へと連れてきた。
それが、ただひたすら健気でひたむきなセレンの姿に、愛しさを覚えるようになる。
そして、自分の望みの為に酷い扱いをした彼に、報いたいと思うようになる。

いやね、そんな感じでレイの意識や態度が変わってゆくのに、すごくすごく萌えるのです。
また、この二人。
どうしようも無く孤独なんですよね。
実はレイはレイで、心に抱えているものがあってと。
そんな孤独を抱える二人が、互いの存在によって救われる。
いやもう、

旅をして。
砂漠の向こう側の国に行けるのも幸せだろう。
セレンに好きなものを見せてやるー。

そう語るレイに、なんだか胸が締め付けられて。
すごく萌えるシーンでもあるんですけど。
また、セレンがですね、「この人をひとりぼっちにしたくない」と、初めて自分の願いを強く持つんですよね。
これにもまた、グッときちゃって。

ここから、辛い展開がセレンを襲ったりもしますが、そこでやっと、重い枷から解き放たれる主人公と、めちゃくちゃ感動しちゃって。
や、重い枷から解き放たれたのは、セレンだけじゃなくレイもなんですよね。
とにかく、言葉にならないほど感動なんですよ。

とりあえず、攻めの受けへの仕打ちがちょい酷かったりもするので、人によっては受け入れられない作品かもしれないですけど。
ただ、個人的には、めちゃくちゃ萌えたし感動もしました。
特にラストは、何だかホロリときちゃいましたよ。

すごく素敵なお話だと思います。

9

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