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  • あんたなんて嫌いだ─孤独な獣人Ωは傲慢王子αに執愛される─
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あんたなんて嫌いだ─孤独な獣人Ωは傲慢王子αに執愛される─

anta nante kirai da-kodokuna juujin omega ha gouman ouji arufa ni shuuai sareru-

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あらすじ

『第三回 fujossy小説大賞』大賞受賞作

獅子の国のスラム街で強く賢く生きてきた狐獣人オメガ・ソロは、いつものように靴磨きを始めた先でハイエナ獣人・トレイルに捕まり、臨時の給仕として王宮へ連れていかれる。
スラムとは別世界の王宮で、虎の国で悪魔と忌み嫌われる“白虎”の第三王子・ヴァイスーー『運命の番』と出会った瞬間、ソロは初めての発情期に呑まれ、体を暴かれてしまう。
ヴァイスは横暴で傲慢なアルファだが、ピンチを助けてくれもして……
歩み寄ろうとするソロだが、訪れた部屋で見たのは、ベッドの中トレイルと寄り添う姿で――

「運命や情に流されず、お前の意思で俺の側に来て欲しい」

愛し方を知らない孤独な王子と孤児。
『運命の番』という残酷な呪いが幸福に変わる、至高の獣人オメガバース!

作品情報

作品名
あんたなんて嫌いだ─孤独な獣人Ωは傲慢王子αに執愛される─
著者
 
イラスト
木村タケトキ 
媒体
小説
出版社
MUGENUP
レーベル
エクレアノベルス
発売日
電子発売日
ISBN
9784434359446

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2.6

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
7
評価数
3
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

酷すぎる言動の攻めに、前半白目になりかけたけど…

一体全体、どうやったらこの2人、くっ付くんだろう!?
と思ってしまうような前半部から一転
(タイトルも「嫌いだ」とはっきり言っているし!)、

後半はやっとやっとやっと!光が差し、甘さも味わえる
夜明けの獣人オメガバース物語でした。

あとがきにあるように、身分差×不憫受け×獣人×オメガバース…と
いろんな要素てんこ盛り、電子で400Pを超えるボリューム。
三角関係要素、NTR(受けが攻めの兄と関係を持つ)もあり。

普段あまり積極的にweb発のものは読まないのですが、
あらすじにある”『第三回 fujossy小説大賞』大賞受賞作”
という文言に惹かれ、手に取りました。

文体のライトさや一人称であること、
若干冗長に感じられる場面があること、
攻めのヴァイスが(忌み嫌われているとはいえ)一応王族であるのに
言葉遣いがかなり粗野だな…といったところなど
細かい部分はちょっと色々気になりつつも、、

一体全体、どうやってこの相性最悪そうな
”運命の二人”が結ばれるの?と気になり、
物語に引き込まれていきました。

終盤やっとやっと訪れた蜜月っぷりには、
ほう…と安心のため息が。ε-(´∀`;)

本当にレビュータイトルどおり、とにかく前半は白目を剥いてしまうほど
攻め・ヴァイスの言動が酷いのです。
二人の出会いと関係はヒートによる陵辱から始まるし、
何よりヴァイスのソロに対する暴言が許し難く...

「Ωの中でも劣等種、王族と対等だと勘違いして思い上がった奴、
ただの子どもを産む道具」と、運命の番としての引力には抗えず
無理やり何度も犯しておきながら暴力的な言葉をぶつけるヴァイスに
気持ちが沈みました。

で!中盤以降このヴァイスの態度が一変、
ここからの変貌ぶりがすごかった…!

自らの行いを反省し、しゅんと項垂れてわんこのように(虎獣人だけど)
しおしおしお…となり、ソロに許しと愛を乞う。

前半部分であまりの言動の酷さに「うわあ…」と思っていた自分も
いつの間にかそんなヴァイスに絆されており、
ドキドキハラハラしながら行く末を見守りました。

で、もったいない!と思うし「ん?」と戸惑ったのが、
この肝心な”態度一変”に至るまでのヴァイスの心情変化のプロセスが、
ごっそり抜けているように感じられたこと。。

後々、ヴァイス自身や彼の友人であり側近のハイエナ獣人・
トレイルの言葉によって前半部の傲慢(すぎる)言動の裏にあった真意、
本当の気持ちが明らかにされるのですが。

ソロが城を飛び出して逃げ出してから
ヴァイスが一体どんなことを考え、どんな決意をして
会いに来るまでに至ったのか。

そこがかなり物語の重要ポイントだと思っただけに、
場面が一気に飛んでしまったように思えたのが残念でした;

とはいえ。

その後の彼らの心情・関係性の変化は
じっくりと描かれていて、読み応えがあります。

簡単にはヴァイスに絆されず、許さず、激情をぶつけ
(ヒトの姿でいるヴァイスの前ではソロはしばらく手が震えたり、
近づけなかったりします)

共に過ごす時間が少しずつ増えるうち、
次第に”虎の姿のヴァイスには触れられるようになる”
→”一緒に眠るようになる”→ヒトの姿のヴァイスの手に触れる...

と、ステップを踏んで少しずつ少しずつ
変わっていく二人の関係性、ツンデレ同士の心が触れ合う様子に
きゅん..としました。

作中に出てくる子どもたち、イチとニイが最高に
可愛く、個人的なお気に入りです。

シリアスで切ない物語に光を与えてくれるキャラでした。

”じいさん”とあの人との意外な関係、その繋がりや
心も身体も結ばれた二人のその後、マリーという子が生まれ、
その”マリー”という名はあの…と前半部分に繋がってゆくところも
素敵でした☺︎✨

本当に”ラブ”ストーリーになるのか!?という始まりから、
孤独だったソロ(&王宮で忌み嫌われていたヴァイスも)が
愛を知り、家族を得、心満たされるようになるまで。

紆余曲折を経て”幸せ”を手に入れる様子を
じっくりと追い、大団円に最後、ふー…と安心のため息が出たお話でした。

3

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