umeair
『金色のいつか 1』コミコミ有償特典の小冊子のこちら。漫画12ページ。
両面、どちらからでも読むことができます。
(村咲→富、富→村咲へ切り替わる部分で上下反転していますが、
そのような仕様です)
それぞれの過去、初めて出会うまでの覚悟が深掘りされていて、
解像度がグッと上がるお話でした。
以下、簡単な内容と感想を...
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<富>
”20歳までに決行しようと決めていた”
印象的なモノローグから始まる富side。
富の20歳の誕生日、送られてくるスマホへのお祝いメッセージを見ながら
SNS上の"IRS"にメッセージを送ります。
罪悪感や尻込みする気持ちを振り切り送ったメッセージは
”(中略)俺のデビュー相手になってくれませんか”
富が求めているのは、過去ごと自分をめちゃくちゃに
壊してくれる相手でした。
思いがけず、ハート(いいね)とDMメッセージをもらい、
その内容の優しさにほっとする富。
しかし直後、”いや 優しさは求めていない”とハッとして
思い直します。
自分はただ、”堕ちるきっかけが欲しいだけ”ー
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<村咲>
富と対照的に、”20歳までにやめようと思っていた”という
モノローグから始まります。
”けど、やめられないもんだな”
”やめる理由もないしな”
と、(モブとの)事後、ベランダでタバコを吸いながら
思いを馳せる村咲。
いろんな人と会うのは楽しく、相手も選ばず、
凹凸も相手に合わせてきたしセックスも嫌いじゃない。
ただ、それらが恋や愛に繋がることは
一度もなかったー
と振り返り...
もう潮時なのだろう、と思っていた矢先、
富からのメッセージが届きます。
”山吹富”と表示される名前を見て
「すげー裕福そうな名前」「しかもデビューって」
とツッコミを入れる村咲。
"まさかこれリアルアカ?本名?"
"裏アカと間違えたのか?せつねー"
と呟きながら、「...たまには 人助けでもしてみるかな」
”やめるきっかけになるかもしれないし”と微かな期待を込めて、
待ち合わせに向かうー
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それぞれのラストページで、傘を差して佇む相手が映る、
という印象的なエンディング。
特に村咲に関してはその過去が本編では
深く語られることがなかったため、貴重なエピソードだと感じました。
ここから二人の物語が始まったのだ、と思うと
感慨深く、もう一度本編を読み返さずにはいられない
両者のエピソードでした。