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ここ2年くらいでBL小説に嵌り、特に人外やもふもふ系が好きなのでかなりの数を読んだ気がしましたが、狼の姿で致しちゃったのは初めて読みました。
5年も前にこんな素晴らしいもふもふを書かれていたとは・・・剛先生やりますね。
狼の姿で乗られて「キャンっ」とか受様が鳴いちゃうのがもう~なんとも悶えました。
結局人の姿に戻ってまた、イチャイチャしだすんですが、なんとも可愛い。
狼話は、番は唯一無二っていうのが凄く好きです。
そういえば、こちらの作品は狼同士の番なんですよね。
これも、意外にあんまり遭遇しないです。お相手は只の人間って言うほうが多い気がします。
こちらの作品では人狼の中でも生まれた時に背中に狼の毛が生えていたものだけが、ご先祖様の心臓を食べると狼に変身できるようになるのですが、受様は自分が人狼だと言う事も知りませんでした。
狼に変身できるようになると500年もの間生きれるようになります。
その長い時を一緒に過ごす番を見つけるお話なんですよ。これは甘くないわけがありません!
こちらの受様は色々吹っ切れてしまえば、うじうじしないお方だったので、イチャも楽しんでおりますし、読んでて気持ち良かったです。
「私は、きみが生まれてくるのをずっと待っていた」
なんてロマンチックで切ないんでしょう。
気の遠くなるような時を生きるヴァンパイアや人狼を思う時、人との出会いや別れを思うと切なさを感じずにはおれないのですが、この物語の人狼達は、同じ種族の中から自分の番となるべき者を探しています。そして長い時をその者と過ごすのです。
狼のように、死ぬまでずっとその相手と。
この物語の「人狼」には設定があって、全ての人狼の血を持つものが変身できる人狼になるのではなく、ある条件で生まれてきたものだけが変身でき、長い命をもつことが出来るのですが、そういう体になるにはある儀式をしなければなりません。
自分の身の秘密を全く知らされていなかった良宏は突然目の前に現れた男カイルからそのことを知らされるのですが、二人の出会い方がなんとも印象的でした。
カイルは傷ついた美しい狼の姿だし、獣医である良宏は狼と思って傷を手当てしたら、その狼がある日突然男に変身してるし、十分な説明も受けないまま良宏はいきなり抱かれてしまっているし(笑)。
何十年も良宏に出会えるのを待っていたカイルがもう待てなかったんですね(笑)。
人狼を追うハンターの追走や、カイルの悲しい過去が物語に程よく緊張感や切なさを与えて最後まで面白く読めました。
人狼シリーズ1作目です。
アメリカのとある町で獣医として働くヒロ君のもとに、
ある日、怪我をした狼が訪ねて来ます。
傷が癒えた狼は金髪の美丈夫に変身し、
自分が狼伯爵であること、ヒロ君が実は人狼であることを告げます。
とまどいながら、納得しつつ…少しずつ彼を愛しはじめていきますが…。
人狼とハンター達の終わりなき戦い、先代の日本狼の非業の死など…
すべて受け入れ、過酷な人狼としての人生を、
狼伯爵とともに歩む道を選んでゆきます。
そんな中で、現代の人狼は、その戦いぶりも実にさまざま!
ある者は財を築いてハリウッドのプロデューサーになったり…
(狼男の映画製作を助け、人狼を夢物語にしてしまうためとか。)
ある者は小説家になります。
(狼伯爵カイル君です、彼はくだんの映画の原作者!)
さて、人狼の日本代表(?)主人公のヒロ君はといえば…
…これが実に日本的といいますか…やっぱり獣医さんなんですよ。
獣医として狼保護活動に力を尽くしていきます。
(できることからやっているんです、彼は。)
正直、天才肌のセレブ揃いの海外の狼達の中で、
身長170センチの日本狼さんは、一見見劣りするかと思いきや、
それは有能とか気が効いてるとかいう以上に…
知的で、ピリリと辛い働き者です。
(やはり、日本人はこうでなくては。)
たぶん170センチの世界からだと、
他からでは見えない視点で、物事が見えるんですよ、きっと。
山の神の神秘性とはちょっと違うけれど、
この男の小柄な意思の強さには、誰もかなわない!
カイル伯爵が惚れた理由は、ここでしょう。
そんなこんなで、ヒロ君は今日も…
狼達の楽園のために飛び回ってるみたいです。
読もう、読もうと思いながらもなかなか読む機会に恵まれなかったのですが、ここでようやく読むことができました。
狼伯爵と呼ばれる攻め役と山神の末裔でアニマルドクターな受け役の不器用で互いをフェアにとらえようとがんばる恋愛模様といい、不器用恋愛萌えの私にはたまらない内容になってます。
そして中盤にははさまれる最初の番(つがい)との別離。これがあるからこそ、この作品がきらめく理由にもなるのだなと思わずにはいられません。もっともアカデミシャンな評者である私には、別の意味を伴ってこのシーンが読めてしまうのですが(誰でもナチから逃れられなかったこと・ピンクトライアングルを真正面からとらえたこと・そして「男たちの妄想」からすべての当事者が逃れられなかったこと)、それでもいい作品であることには間違いありません。
不器用さと歴史の残酷さ、その向こう側に位置するはずの二人の恋愛――映画『ワルキューレ』よりも、この作品のほうが味わいと残り香の味がおいしいです。
アメリカの田舎街で獣医として働く良宏は、ある日銃で撃たれた狼の手当した。
人に慣れている上妙に賢くて、自分でテレビまでつける狼を不思議に思いながらも、一緒に過ごすうちに情がわいてくる良宏だったが……
ある朝目覚めると隣で寝ていた狼は美貌の男に姿を変えていた。
カイルと名乗る男は自分が百年以上の時を生きる人狼で、良宏もその同族だと告げるのだが……
剛さんの作品で、なおかつ人狼と聞いては買わずにはいられませんでした(獣スキー)
適度にライトで葛藤もあり楽しかったです。
肉とそれ以外はわずかな食べ物しか受け付けない体質の良宏は、自分が普通の人たちとは違うことにコンプレックスを感じています。
自分がカイルと同じ人狼につらなるものだと知らされた彼は、押し切られるままに体を許してしまう。
そんないきなりな展開も、今まで人と違うという理由でまわりに壁を作っていた良宏が初めて他者に受け入れられるという葛藤があるから納得して読める。
その後もっとベタで王道ドラマチックな展開(たとえば命をかけたやりとりとか)になるのかと思いきや、意外と平坦なままで終わってしまいました。これはこれでおもしろかったのですが、なんか不思議な感じでした。
他のみなさんが書かれているように自然や狼と人の問題や、人狼全体に焦点が当たっていた割合が大きいせいもあるのかも。
そういう割合重いテーマをさくさく読ませてくれるのはさすがだと思いました。