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表題作フードの情熱

デパート食品部門部長・宇野沢旭(34歳)
店舗開業のプランナー・野田秀理(28歳)

あらすじ

東京・八重洲にあるデパート『五井』。そのフード部門部長で34歳の宇野沢旭は、ある日丸の内に建設されるフードビルの話を知る。そのコンサルタントとして呼ばれたのは、若干28歳の美貌の青年・野田秀理だった。旭は計画を聞き出そうと、正体を隠して秀理に近づくが、どこか寂しげな横顔や抱えている秘密に、次第に仕事とは関係なく秀理を知りたいと思うようになり――。
出版社より

作品情報

作品名
フードの情熱
著者
剛しいら 
イラスト
緋色れーいち 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
茉莉花茶の魔法
発売日
ISBN
9784861342752
2.2

(4)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
7
評価数
4
平均
2.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

フード業界で活躍する男達

八重洲にあるデパートのフード部門部長の旭は、
ライバルとなる丸の内に建設予定のフードビルの計画を探ろうと、
NYから呼ばれたコンサルタントの秀理に正体を隠して近づく。

秀理は、美貌のクォーターでゲイ。
彼が自分に性的に興味を持っていることを利用しようとするが、
その仕事ぶりや性格を知るうちに、やがて旭の方も彼に惹かれていき……

正体がばれてどうなるのか?に興味があったのだが、
二人ともキッパリ男らしい性格なので、
バレても全然修羅場にはならず、あっさりライバルとして共存していくことにw

まあ、職業話としてカッコいいといえばカッコいいんだけれど、
恋愛ものとしては、葛藤がないのはつまんないというか……(笑)

秀理の日本での仕事は期限付きなので、その後二人がどうするのか?
秀理はしたたかに計画をしているようだし、その時にどうするのかには
ちょっと興味があるなぁ。

フード業界の裏話も興味深く、そんな感じで心揺さぶられる事もなく
やり手の男達の話をサクサク気持ちよく読める。
そういう気分の時には悪くない一冊。
カフェシリーズという連作との関連作らしく、
なかなか魅力的なキャラがチラッと出て来るので、
そちらを読んでいると更に楽しめるのかもしれない。

0

仕事と恋

ストーリーは繋がっていないと思うのですが、剛しいらさんのダリア文庫の食べ物シリーズの一冊です。主人公の旭は百貨店のフードバイヤー、受けの秀理はニューヨークからやってきた飲食店のコンサルタントです。
お互い同業者、旭はノンケで秀理はゲイという組み合わせ。
半分はお仕事ものとしてしっかりかかれています。

フード業界についてしっかり調べてるし難しい単語が出るような業界ではないのでわりと身近でおもしろかったです。
旭はかなりの仕事人間で、そのために離婚を経験しています。
個人的には男性としては仕事ばっかで家庭をダメにした人っていい男だとは思えないんですが…BL的には仕事ができて体格もいいし、社会的地位もあり公平な判断力もあっていい男だなあ~という感じですね。
しかし、この旭は少々仕事人間過ぎる気もします…。

その旭が仕事を越えて、秀理に興味を持つようになっていく展開はほほえましいものでした。
秀理も外見は、可愛いけどプライドが高くしっかり者です。
外見はスイーツだけど中身はチリソース、と自分で言っているのがおかしかった。
同業者どうしのお話なうえに二人とも仕事ができるので少しプライドがぶつかりあっている感じはするのですが、仕事のできる男×仕事のできる男という組み合わせが好きなら楽しめると思います。

お仕事の中身はがっつりなんですが、恋愛ものとしてはあと一押し欲しかったかもという中身だったので評価は星三で。
剛しいらさんはいつも仕事ものの内容が無理なくしっかり書かれているのが素晴らしいと思います。

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ダリア文庫で剛さんは『カフェシリーズ』をお書きになっていますが、そこから広がって(?)こちらは『フード』です。カフェシリーズ『茉莉花茶の魔法』の二人も登場。

八重洲に昨年開店したデパート『五井』で、フード部門部長として「デパ地下」の統括をしている旭。仕事第一で有能だけど、そのせいで娘をもうけながらバツイチとなっている。
駅周辺には老舗デパートの立ち並ぶ激戦区だが、そこへ、丸の内側に新しくフードばかりを集めたビルが建設されることになる。
五井にはもちろん大きなライバルとなるわけで、旭は情報を集めるが、そんな時、偶然フードビルのプランナーとして来日した野田秀理と出会う。

情報を聞き出そうと秀理に近づく旭。
秀理は若くして優秀ながら、やはりプランニングとマネージメントで有名な父に押さえつけられゲイであることも打ち明けられずにいて、理想の恋人に出会えないことにも寂しさを感じている。
そんな秀理にとって、知り合った旭は理想のタイプ。
しかし、旭は本当の正体を隠しており、もちろん秀理はそんなことは知らず・・・とくれば、この辺が山場かと思いましたら、意外やそうではありませんでした(笑)。

山場という山場はなく、仕事のできる男たちは自分を招聘したセクハラパワハラ社長にも、身分を隠すという『嘘』にも、テキパキと対応するのですな。グジグジ悩んだり言ったりしない、実にすっきりさっぱりした人たちでした。爽やかで気持ちいい(笑)。
有能な男は愛する男を手に入れるためにちょっとした手も使ってしまうのですが、使われた方もさらっとかわしますね。愛し合いながらも緊張感ある相手というのが、いかにもキれる男たちという感じです。
お互い学びあい、時には協力しながら、ある時はライバルとして切磋琢磨していく、面白そうなカップルですね。
プライベートでは旭が秀理の尻に敷かれそうですが。
そうハラハラすることもなく、難しい話でもなくいい具合で、ちょっと個人的に疲れてた時に読みましたけど、読みやすかったし良かったです。

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