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表題作夜の乱入者

クロスケ
猫神様
斎藤和
小説家,27歳

その他の収録作品

  • 何度でも、その手を
  • あとがき

あらすじ

トラウマから他人と接することに怯える小説家の斎藤和は、ある夏の日、暑さにへばっていた黒猫を介抱した。以来通ってくるその猫・クロスケとのささやかな交流に安らぎを覚える和の前に、突如、猫耳尻尾付きの全裸男が現れる。自らをクロスケだと主張する彼は猫神様で、恩返しに来たという。仰天したまま押し倒され、気持ちいい恩返しをされてしまった和。ずっと傍にいつと約束してくれたクロスケの温もりに包まれ、固く閉ざしていた心が癒されていき・・・。
出版社より

作品情報

作品名
夜の乱入者
著者
椹野道流 
イラスト
琥狗ハヤテ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344815780
3.1

(14)

(0)

萌々

(3)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
43
評価数
14
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数8

新ジャンル?

マッチョ系関西弁ネコミミ兄さんって新しいかもしれない。
猫神さま×トラウマ持ちの小説家。
ファンタジー寄りでライトな世界観は椹野さんだなあという感じ。
さらっと読めます。

主人公の抱えているトラウマ(早くに亡くなった母を忘れられない画家の父親との確執。母親の代償)が正当派というかJUNEっぽいというか王道で重めな割にはさらっと克服してしまって、ちょっとあれ?という感じがしないでもない。
なんかこんなにあっさり乗り越えるならトラウマの内容ももうちょっとライトでよかったのかもしれません。例えば昔友達に裏切られたとか。

途中出てきた脇キャラの八柳さんと河合くんが妙にキャラが立っていて、作者の愛を感じた気がする。
シリーズ化するかスピンオフが出るか。続きの展開が楽しみです。
そしてあいかわらず食事の描写がおいしそうです。
八柳さんのホットケーキ食べたい!!

2

想定内でした。

人が苦手のひきこもり小説家が
家に転がり込んだ黒猫と
愛し合うようになるお話なんですけども・・・

この猫!人型になりますw

昼は猫。
夜はケモミミ関西弁全裸男。
という攻めwww

トラウマを抱えた小説家ですから
猫が人間の姿になるということへの受け入れは
意外なほどすんなりでしたね。
ぬくもりや快楽を与えられたのもはじめてだから
わりとなし崩し的な感じがしないでもなかったかな。

猫神様の掟のくだりあたりから
なんとなく先の展開が読めるお話でそこが残念でした。

人間不信の主人公が心を開いていく過程は
けっこう早いようにも感じられました。
それだけクロスケの存在が大きく影響していたんだと思えばそうなんだろうけど

人間関係に疲れて、ペットが恋人になったらいいのに・・・的な
もう一歩、クロスケ以外の人間と深く関わった末に
クロスケを選んでほしかったなぁ。

ケモミミストとしましては、猫っぽいセックスの描写が
これといってなかったのが残念でした。
もう少し、これはケモミミじゃなきゃできないプレイだよね!
みたいなのがほしかったなぁ。

1

ケモミミスキーを改めて自覚した1冊

もともとは、ケモミミに惹かれて、というより
別の連載目当てに買った雑誌・小説リンクスに載ってたので読んだんですが
はっきり言って、このケモミミ付きは可愛くない!
しっかりした骨格としなやかな筋肉を持つ肉体に
黒いザンバラ髪から黒い耳がのぞき、先端のちょっと曲がった黒いシッポ。
しかも精悍な顔立ちに金色の瞳。
さらにはふてぶてしい態度となぜかコテコテの関西弁w
琥狗ハヤテさんのイラストも手伝って
ネコミミ、というよりも、小型の肉食獣を思わせる容姿の「クロスケ」。

。。。なのに
時折ピクピクと動くモフモフの耳や
しなやかに揺れる長い尻尾に萌えまくってしまいましたw
なるほど、私は
ケモミミ(ただし、ニセモノじゃなくて生えてるもの限定w)であれば
もれなく萌えられる生粋の「ケモミミスキー」だと自覚させられた作品でもありました。

過去のトラウマから人を避けて
家にこもって小説を書いている和(かず)の元に
ある日行き倒れた黒い猫が迷い込んできて
その猫を気まぐれで助けた縁で
その後も足繁く通ってくるその猫に「クロスケ」と名前までつけて
不器用ながらも親交を深めていくのだが
そんなある日の夜、ネコミミと尻尾をつけた全裸の男が
自分の事を「クロスケ」だと名乗り
しかも、助けてくれた恩返し、だと和を押し倒し。。。

という、かなりトンデモ設定のドタバタ劇を思わせる始まりなのですが
人とのかかわりを恐がっていた和が
クロスケと関わる事で、それ以外の人間との交流も出来るようになったり
クロスケがなくてはならない存在となっていく様子が
何とも微笑ましくて優しい気持ちになれます。

後半は、掟を破ってまで和を助けようとしたクロスケと
自分を犠牲にしてまで自分を守ってくれたクロスケを思う和の気持ちに
思わず涙してしまいました。

全体としては、クロスケが関西弁でしゃべってる事もあって
ファンタジー設定ながらも、入り込みやすい雰囲気で
脇を固める編集者と陶芸家もいい味出してて
和の真面目さに反して明るい雰囲気の作品ですが
それぞれの人(猫?)の心の動きが時折切なくて
全体の雰囲気のバランスをうまく保っている感じでした。

なんて、難しい話をしましたが
結論としては。。。ケモミミは無条件で萌える!ってことでw
あ。クロスケのざらざらの舌ってのも萌えポイントですよw

1

まいど、猫です。猫の恩返しやで~

「センチメンタルガーデンラバー」ではまった猫変化もの、その中でこれはちょっとウルっときたりしてお気に入りの一冊です。
大阪弁の猫、しかも猫神様。
主人公と一緒に癒されてください。

過去のトラウマでひきこもり生活をしている、他者とのコミュニケーションを全くの苦手としている小説家の和。
弱っている黒猫の面倒を見たことから、頻繁に家に通ってくるようになります。
そしてある晩、変質者のように全裸でネコミミ&尻尾つきの男がやってきた!
それが、通い野良猫の黒猫のクロスケ。
何度もの生まれ変わりの末、猫神様となり、夜の間だけ人間になることができたのです。
そんなクロスケとの交流の中で人との付き合いが全くダメだった和も、編集者の里空、妖の気を感じ取れる八柳との付き合いができるようになっていきます。
キスと軽い戯れはあるけど、何をするでもなく、側にいて、自分の背中を押してくれる、そんなクロスケの存在が和の中で大きくなっていくのは当然でしょう。
トラウマを乗り越えたお礼をクロスケの為に小説にしたいと、頑張る矢先病気で倒れる和。
猫神の禁忌を犯して和を助けるクロスケは、罰を受けるために和の前からいなくなります。
クロスケが罰を受けたと知った和は、小説を書きあげます。
そして、自分と引き換えにクロスケを戻してほしい、もうクロスケがいないのは辛くて寂しい、どんなにクロスケに助けられたか、涙ながらに訴えるシーンはホロリとさせます。
何気に編集の里空と八柳の関係も気になるところ、きっと作品にしてもらえるものと信じております。

「何度でも、その手を」
では、猫神のクロスケより自分は先に死んでしまうことを懸念する和に、何に生まれ変わろうと探して捕まえて見せるというクロスケにまたまたホロリ。

動物と一緒に生活しているものなら味わう、この愛情感覚、実に身につまされるお話で心に響きました。

1

人外ものって好きなんだ……

やっぱり私「人外ものって好きなんだ」と再認識した1冊となりました。

あれだけ人間が苦手で、話もまともに出来ないけれど、クロスケとだけは笑顔で会話が出来る和。
これはクロスケのキャラのせいなんでしょうねぇ。関西弁でしゃべるし、押しは強いし、でも、和の気持ちはちゃんと優先させて無理強いはしない。
だから、ふたりで夜の散歩に出掛け、対人恐怖症のリハビリをしたり、押しかけ編集者・里空を家に入れ、里空の友人兼喫茶店店主兼陶芸家の八柳とも親しくなり、だんだんといろんな人に心を開いていけるようになります。

クロスケと自分のことを小説に書こうと、新年早々執筆にかかりますが、書くことに夢中になり生活を疎かにした和の身は……。そして、和を見つけたクロスケがとった行動によって、大神様から下された罰とは。
大神様に取り上げられたクロスケを取り戻すために、和がホント頑張るんです。それが健気と言うか、なんというか。
でも、悲劇ではなく、コメディ風味になっているので、クスッと笑えて。関西弁がいい味出してるんですよねぇ。

心通わせたあと、ふたりは指切りをします。猫神様だからもう死なないクロスケと、寿命のある和。クロスケがどんなことを和と約束をするのか。
これはホント、泣けました。クロスケだからこそ出来る約束が、切ないやら感激するやら。
こういう設定は、女子は弱いんじゃないでしょうか?

1

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