俺から離れられないようにしてやる。

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表題作眠る獣

元教え子のヤクザ 堂場櫟 28
化学の先生 藤生嗣実

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校教師の藤生が、繁華街で見かけたのは堂場櫟。堂場はセンスの良い高級なスーツを身にまとい、家業のヤクザを継いでいた。かつて教え子だった頃に彼を救えなかった藤生は、その事実に悔恨の情を抱く。再会後、堂場はたびたび藤生のもとを訪れるようになった。そして鋭い眸で見るのだ、「心の傷は、癒えたのか?」と。そんなある日、堂場は突然、まるで獣のように藤生を犯すが……?オール書き下ろし*刹那的十年愛。

作品情報

作品名
眠る獣
著者
榊花月 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403522192
2.8

(5)

(0)

萌々

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(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
13
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

おもしろかった

いや、これ、予想以上でしたw

元教え子に再開したらヤクザになってて、しかもその元教え子に抱かれるという設定に興味を持ちましたが、中身がちゃんと良かったですね。

攻めの堂場も、受けの先生も、先生の現在の生徒たちも、それぞれ人物像がよく伝わってきました。中でも先生のキャラが良かったです。

やる気満々の教師でもないし、思いっきり嫌な奴でもないところが、人間らしいです。

生徒に何かしてあげたりしたときに、この先生は「義務だから」と何回か言っています。その言葉は優しくないけど、いい人ぶらないところが逆に素敵な先生だと思いました。

堂場はそんな先生に対して、ドカドカ家に上がり込んだり、ヤクザだし、しまいには無理やり抱いちゃうしで、一見ヒドイ態度をとっているけれど、先生にかまって欲しい!先生が欲しい!という気持ちがすごく伝わってくるので憎めません。大人になってガタイも良くなり、組を背負ってたりもするわけですが、好きな人に対しては子供みたいな言動なので、可愛いです。

堂場は、何でも静香に受け入れてくれる先生に母性を感じているんじゃないかな?なんて思いました。やっと二人は安心できる人を見つけたのだと思います。

とはいえ、ヤクザと教師という現実的には絶対うまくいかないカップルですし、トーンもわりとシリアスめなので、物語が短く終わってくれたことも◎でした。うまい!みたいなw感じです。



1

文庫だから萌でいいかなー

帯『俺から離れないようにしてやる。』

教師と元生徒の話。
それなりには面白く読んだんですが、どうも気になったのが何故に藤生〔受〕は、堂場〔攻〕との10年前の事に対してそんなにも罪悪感を持たねばならず、また堂場は何故10年たった今もそんなにこだわっているのかという点。
藤生は堂場を警察に引き取りに行っただけだし、それに担任でも特に相談を受けたり話を聞いていたりという生徒では無かった。
その時点の藤生が彼女に亡くなられて無気力だったという事はあったかもしれないけど、そんなに酷い事は特にやってないと思うんだけど、どうなのか。
担任で色々と相談にのってやっている樟辺と教師として対応が違ってくるのは当然といえば当然。

再会した元生徒の堂場はいっぱしのヤクザになっていて、強引に、けれどどこか憎めない態度で藤生の元へとやってきます。
そうしている内に堂場は藤生を抱くのですね。
ま、生徒成長×教師は萌えシチュですがそこに行く何かきっかけみたいなのが欲しかったなあ、作中の理由だけではどうにも弱いので。
エロはシャブと尿道攻プレイ有り、シャブは使わなくても良くて合法ドラッグとか媚薬とかにしといた方が良かった。

文庫本だし値段分は読めたかなーって印象、気になる箇所は幾つかありましたけどね。

1

生徒の一途な思いに気づいてあげて

新米の先生って実際はたいして年は違わないけど、中高生からみると結構大人に見えたものです。
男性ならスーツの装い・女性ならもう化粧もしてて「先生」だからナチュラルな大人メイクだったりして・・・若さもあって近いけど「先生」は「先生」ていう近いけど遠い存在でもありました。
う~ん今の学校には友達みたいな距離の先生も多いのかな??

ええ、主人公は高校教師です。お相手は10年前新任の時に生徒だった、今現在はヤクザの堂場。
トラウマもの?といったらわかりやすいのかしら。
10年前、藤生は自分自身のことでいっぱいいっぱいで当時高校生だった彼の苦悩を教師として何も出来なかったばかりか、唯一自分の異変に気付き気遣ってくれた彼を遠ざけてしまったという過去があります。

今ではそんな苦い過去を時たま思いだしつつあの頃よりは教師としてマシになったかな?という日常。
複雑な事情を抱え不良になりきれない男子生徒の捜索などしてたところ、バッタリかつての件の教え子に会ってしまったのです。
彼に対して思うのは10年前の罪悪感で・・・

しかし堂場のほうは、主人公は全く気づいていないけどかなり先生のこと気に入ってますw一途な気持ちまるわかり!今現在、先生に優しくされてる生徒に嫉妬しちゃうなんて可愛い奴です。
気持ちを持て余して強姦しちゃったりと、あまり10年前と変わらない不器用さ。あの頃よりもヤクザの肩書きも増え不良少年はおっかない狼青年に成長。
お互い大人になっても10年前に戻ってしまって二人の不器用さにじれったさを覚えます。どっちかがもっとわかりやすいキャラで素直だったらこんなにこじれたりしないだろうなと思います。
いや、それだと二人の面白みが・・とか考えてました。

エロ的には痛そうでどうかと思う描写もあるけどストーリーはなかなかです。


0

よかった

恥しく無い人は恥しいからこうしようとは考えないだろうから,結局のところ意識して恥しがらないなんて恥しいままと変わりがないんじゃないだろうか。
堂場は十年前の自分と樟辺の扱いの違いに釈然しない感情を抱いている。
十年前の藤生の態度には辛い経験から来る理由があるのだが,それを知らない堂場は現在の藤生の行動は納得のいくものではない。
藤生の行動の基準は自分の中にあって最期までそれは変わらない,でもそれが最終的に藤生の決断に繋がったのかもしれないな。

0

肝心の元凶がこれ?

「かつて教え子だった頃に彼を救えなかった」なんて、余程のことがあったんだろうと思って読んだのに、ほぼ藤生先生の思い込みで、肩透かしを喰らいました。10年も引き摺るようなことだろうか。
そこが腑に落ちないもんだから、最後まで藤生先生が一人でグダグダ悩んでいるだけに思えて萌えどころではなかったです。
今現在の藤生先生はなかなか良い先生で、一人の生徒との交流が描かれており、そちらのほうがお話として面白く読みました。

0

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