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表題作君がいないと眠れない

笹井史郎,受けの6歳年上,外資系生命保険会社の営業マン
椎名京、年齢・性別・略歴不詳の官能小説家

あらすじ

人気官能小説家の「九島響」こと椎名京は、実は生活能力ゼロのダメ人間。それでも生きていけるのは、口が悪いけれど世話焼きの友人・笹井史郎が、生活全般の面倒を見てくれているからだった。笹井さんさえ傍にいていてくれれればいいと淡い思いを秘めていた椎名だけど、ある日彼に結婚願望があることを知り、大打撃を受ける。笹井を誰にも奪われたくない!と椎名は「理想の嫁」になるべく悪戦苦闘するが?!

作品情報

作品名
君がいないと眠れない
著者
渡辺ゆい 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044531058
2.5

(4)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
9
評価数
4
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ハタから見れば既にカップル?!

今回は外資系生命保険会社の営業マンと
年齢・性別・略歴不詳の官能小説家のお話。

二人が出会って7年、
受様が一念発起して友人から恋人関係になるまで。

受様は正体不詳の覆面作家です。
高2の時にSF小説で新人賞佳作入賞しますが
紆余曲折の末、官能小説家としてデビュー。
今では既存の読者層ばかりか女性にも人気の作家ですが
元来出不精な受様は
気心の知れた友人達との小さな世界で満足しています。

その受様が誰よりも頼りにして懐いている人が
今回の攻様になります♪

彼は受様より6つ年上の生保の営業マン。
口が悪くぶっきら棒な言動の割りに面倒見が良く、
遊園地のアルバイトで知り合って以来、
家事能力が一切なく執筆中は寝食も忘れる受様を
何かと気にかけてくれていました。

二人が出会って7年が過ぎ、
攻様は大学生から社会人となり忙しい毎日ですが、
受様は好きな小説を書いて
いきずまったら攻様のマンションに逃げ込む
マイペースな生活をしています。

受様はこのままずっと
この生活が続くものと思っていましたが、
ある日、攻様の大学時代の友人の結婚話から
攻様に結婚願望が有る事を知ります。

彼が誰かと所帯を設けたら
自分のために裂いてくれる時間を別の誰かに奪われるの?

攻様が世界の中心だった受様は
世界が暗転したような、
言い知れぬ絶望感に押しつぶされそうになります。

その上、
受様の本を気に入ったと言う有名な監督から
映像化したいというオファーが有り、
担当編集から覆面の廃業と
積極的なメディア進出を迫られてパニックに!

しかし友人の助言で一人前になれば
攻様に認めてもらえるかもと方向転換、
友人の紹介で全身見違えるほどの変身をとげます。

が、
この受様の変身は攻様には大打撃に!
攻様は受様が人馴れしない天然系な為、
今まで当然のように自分のものだった彼が
自分から離れようとしているのかと
怒りのままに受様を押し倒してしまうのです。

すれ違い始めた二人の恋の行方はいかに?

はたから見ていると既に出来上がっている
イチャイチャカップルにしか見えない二人なので
友人以上恋人未満の状態を打開すべく動く割には
墓穴を掘っている受様の行動も微笑ましいです。

カバー裏面のあらすじの
『半同棲バカップルの純情ラブ』という表現が
ハマりすぎるくらいぴったりな本作♪
読後感も爽やかで読みやすかったですよ。

今回は本作同様、
片思いのお相手を手に入れようとする小説作家のお話で、
藤崎都さんの『官能小説家』をご紹介します。

2

生活能力のない受け

「寝ても覚めても君だけを」がおもしろかったので読みたいと思っていた作品です。こちらが「寝ても~」より先にあたりますが、どちらを先に読んでも読める内容だと思います。

主人公の椎名は売れっ子の官能小説家ですが、人見知りで引きこもりで一人では日常生活をまともにおくれない・・・という、「生活能力に欠ける作家」というのは設定ではよく見かけるものかもしれません。
そんな椎名を7年間も面倒を見ている笹井。
彼の寡黙で淡泊で無愛想だけど面倒なそぶりでも椎名を気にかけてくれる、というスタンスが好ましかったです。
笹井は外資系の会社に勤めて過剰に働くのはいや、プライベートはパッキリ分ける、というクールな人物。
自分はどっちかというとワーカーホリック気味に仕事に打ち込むキャラよりも、パッキリ決まった時間内までに仕事を終わらせるスマートなタイプのほうがカッコイイな~と思ってしまうので、笹井のクールなスタイルがとても好みでした。

椎名は笹井にベッタリ依存しているけど、当たり前に自分の世話をしていてくれた笹井がいつか結婚してしまうかも・・・という事実に気付き、椎名の努力は始まります。
椎名は自分は笹井がいなければ生きていけないと思っていて、笹井がいなくても生きていける人に笹井を取られたくない!という主張は勝手でもあるんですが、必死になる様子は健気でした。

当て馬役にカッコイイ男性が出てくるというのもストーリ的に好きでした。お話は主に椎名視点ですが、時々笹井視点になります。
なので互いが互いを好きだと思っているのはこちらからはわかるのですが、可愛くてちょっとバカなすれ違いもの・・・という感じでさらりと楽しめよかったと思います。
個人的には椎名がちょっと女の子ぽい、というのが気になったのですが、ダメダメな主人公というのが好きなら楽しめる作品だと思いました。

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