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不埒シリーズと若干リンクしているしいです。
こちらの二人より「ROOT」の壮一と耀次の方が魅力ありそうな感じですね。
篠原亮祐が「純愛ポートレイト」では、まあまあだったけど「熱愛モーションブラー」を読んで、こいつ馬鹿だと思いました。
こういう常識とモラルのない子は、好きになれません。
お相手の小井博巳が「熱愛モーションブラー」の冒頭で説教しますがそのまま別れてしまえば良かったのに(怒)
崎谷さんなのできっと仲直りしてラブラブよねっていう結末が見えただけに・・・博巳さん許しすぎですよ。
ブルーサウンド・シリーズにしても、しなやかな情熱シリーズにしても
崎谷はるひの作品には、妙な甘酸っぱさがある。
攻めか受けかどちらか一方、あるいは両方?
に泥臭いほどの純情さやウブさ、子供っぽさがある一方で、
セックス関係になるとやけにこなれていて、
それがへんなギャップ萌えに感じたりします。
これぞBL!とでもいったらいいのか、
社会人でも30超えた男でもおかまいなしに、まるで学園モノみたいな青春色。
それをワビサビのうすい短いセンテンスでぶった斬っていくさまはもはや痛快w
大変、精神的なタフネスがある作家だと思います。
で、本作ですが、前半は「犯人捜し」をちょっとかましつつ
受けがなんかやたら可愛いじゃないですか。
タカツキノボルの絵がまたいい。かわいいんですよ。受けが←ここ重要
でもまぁ、前半はちょっと強引な展開でエンド。
おーいおいおいおい、ノンケ男がそう簡単にひっかかるかぁ?
というツッコミはおいといて、BL的にはアリだろう、うん!
さて、問題は後半。
別れ話からはじまるBLってなんか新鮮です。
さわやかそうに見えた19歳、実は結構なヤリチン君でして、
意地の悪いワタクシ、秘かにホッホッホとほくそ笑みました。
崎谷作品の一つの特徴として、「別離」や「決裂」の瞬間が
しっかり書かれていることがあげられますが、まーどうせまたくっつくんだろ、
とは思いつつ、そこがうまくストーリーを締めている。痛すぎない別離なんです。
ライトなBLとして、読後感がいい。
物足りないといえば物足りないのですが、後腐れがない作品。
読者の皆さんも、主人公を好きになれるか、
結構分かれるかな?と思うカプでした。
美大生・亮祐と会社員・博巳の
年の差の恋愛のストーリーで、
亮祐が、嫌がらせを受けて辛い思いをしている博巳を
友人の力を借り、博巳を助けるというものです。
私は、どうしても攻の亮祐が苦手でした。
上記のような悩みを抱える博巳を助けるのですが、
それは、独りよがりというか、
必要だったのかな?と思わされました。
博巳は自分でできたような・・・。
亮祐は、知らないうちにお釈迦様の手の中で立ちまわっていた的な
気持ちになりました。
本編がそんな感想だったからこそ、後日談の別れるストーリーは、
必要でした!これがあったからこそ、ちょこっと救われました。
ただ、そこでも、亮祐の詭弁のようなものを感じてしまい、
やっぱり好きになれませんでした。
ただ、年下の幼さ故の愚かさを表現されているとしたら、
大成功していますよ!と、思います。
写真学科に通う美大生・篠原亮祐は、バイト先のコンビニに毎晩訪れる真面目そうな会社員(実は隠れ美形)を気に入り、毎日見るのを楽しみにしていた。
そんなある日、酔ってやってきていた彼・小井博巳が戻してしまい、それを介抱したことがきっかけで、亮祐は彼をモデルに写真を撮らせてほしい、と頼む。
それというのも、課題である人物写真をうまく撮れず、困り果てていたのだ。
レンズ越しに素の博巳と向き合うに連れ、外見の美しさと、内面の素直さとのギャップに新鮮さを覚え、亮祐は博巳に惹かれ始める心を止められなくなる……。
という話でした。
表題作は二人がくっつくまで。
それとは別に、この話実は、二人がくっついた後に一回別れる「熱愛モーションブラー」という話が入ってるんですが。
個人的には、この話が秀逸だと思いました。
亮祐はそれなりにモテてきたし、悪い遊びも知っているし、という割と遊んできたタイプで。
一方の博巳は、真面目で、仕事もコンピューター系の会社で男ばかりで、余り遊ぶこともないタイプ。
おまけに、そこに年齢の壁と、社会人と学生、という壁が立ち塞がったら、価値観の違いがあるのが本当だと思うんですよね。
そこが、とても丁寧に描かれている話で。
勝手に撮られた博巳の写真(しかも事後)が、亮祐のせいではないにしろ勝手にコンクールに応募されて、賞を取ってしまう。
それに激怒した博巳が、価値観の違いが原因で亮祐に別れを切り出し、最終的には亮祐もそれを受け入れる……という話が入っているんですが。
それの博巳の言うことがいちいちもっともで、こういうことで恋人同士はきっと別れちゃうんだな……というリアリティがすごい。
きっと他人から見ればどうでもいいことだけど、本人たちにしてみたら譲れないライン、というのは必ずあって。
それがぶつかりあって別れてしまう。
でもそれを結局許した博巳は偉いと思うし。
こういうことでぶつかりあって、最後は本当の夫婦みたいなもの(男同士だから結婚は無理だしね)になっていくんだろうな……と思ったら、思い切り深かったです。
すっごくいい話だと思いました。
もちろん、表題作の話もキラキラしていて好きなんですが。
二つ目の話があるからこそ、締まる部分って絶対にあったと思いました!
写真学科に通う美大生の良祐はバイト先のコンビニで出会ったサラリーマンの美貌を気に入り、毎日彼と会うのを楽しみにしていた。
ある日酒に酔った彼、小井を介抱したことから親しくなり、モデルを頼むことになるのだが……
カメラマンのタマゴ×プログラマの年下攻め。
表題作はしょーもない会社の上司に絡まれる受を助けるために攻が暗躍する話。
二人がくっつくまでにもうちょっと葛藤が見たかったかもしれません。
書き下ろしで攻の残念な過去が色々明らかになり、一気にヘタレ化が進行。
逆に受が男前なのはちょっと楽しいけど。
モラルのしっかりした受に攻が別れを切り出される展開はなんだか妙にリアルでした。
がしかし、どっちにもあまり感情移入しきれなかったのでこの評価です。ううむ。