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───ねぇ、田中さん。俺とどうなりたい?
一言で言えば、そういうお話だったと思います。いやぁ素晴らしい。なにが素晴らしいって、間と表情と温かさが素晴らしい。
元ハルコ先生は私が最も愛する作家さんの一人なのですが、こういった“間”は、その中でもハルコ先生がダントツに巧みでいらっしゃるなぁと思います。私事ですが、そんな先生の魅力に出会ったのがこの作品が雑誌に掲載されていたときです。思わず雑誌のバックナンバーも補完してお話を追いました。つまりお話は100%存じ上げている…のに!コミクス化したことで更に更に輝きが増していますね。
ほんとうに最高の一冊でした。
このお話はですね。
田中さんが人の温度…それだけでなく他人それ自体まで苦手な傾向にあることと、堂島さんがそんな田中さんに惚れ、決して強引に事を運ぶことなくあくまで田中さんを待っていたというのがあらすじであると共に感動ポイントなんです。
重要なのは、田中さんの“過去”が彼のいまのスタンスを築いてしまったにも関わらず、それについてはほとんど言及されていないという点です。
これが素晴らしい。
田中さんに必要で大切なのは、過去を穿り返してどうのこうのとするのではなく、“いま”、堂島さんとどのように向き合うのかということなんだと思います。雑誌掲載には、3つ目のお話の表紙の部分にしっかりとそのようなアオリ文がありました。「ねぇ田中さん。俺と、どうなりたい?」と。
それに、お話の後半で田中さんが諸悪の根源と思われる元彼に再会してしまったときも、堂島さんは「あの人誰?田中さんの何?」など一切口にはしません。「(“いま”)どうしたの?」と聞くだけです。
もう、チョーかっこいいじゃないですか。この堂島さんの言動は総てにおいてかっこよかったです。堂島さんは、“いま”、“いま”の田中さんとどうにかなりたいのだなぁと思いました。
最初の頃は田中さんとの間合いの取り方をあまり弁えていなかったですが、田中さんを愛おしむ気持ちが柔らかく甘くなっていく様がほんとうにキュンキュンしちゃいます。
それから、その「どうしたの?」に答えられずに堂島さんを怒らせて(≒傷つけて)しまった田中さんが、自分から「気持ちは言わなければ伝わらない」と思うようになったのが最高に感動しました。
ちょっとだけ元彼のアドバイス?があったとはいえ、温度という…一番確かで正直な感覚を嫌っていた田中さんが、全身優しさでぬくぬく毛布みたいな堂島さんに「好きです」だなんて…!
………「気持ちは言わなければ伝わらない」。これは、田中さんにとっては目標でしたし、堂島さんにとってはずっと田中さんにしてきたことですよね。田中さんがそれをできるまで、堂島さんには「下がってお待ち下さい」ということだったのでしょうか。
田中さんは言葉でも伝えたけれど、体でもそれを伝えてきたのが感動でした。
体といっても、性的なアレではなくて、表情ですよ!(笑
この全5話の中で、最初の頃におばあちゃんに愛想笑いした以外では全然笑わなかった彼が、体を繋いだあとに寝ちゃった堂島さんに対して「くすっ」と笑うんです。
これがほんとうに……キました!
一番幸せそうで、一番誰かをいとおしむ顔をしていて………。私は散々感動泣きした後でしたが、最後にまた波が押し寄せてきました。ここで笑顔は反則ですよまったく!
晴れて幸せになった二人ですが、書き下ろしのSSが可愛くて可哀相で笑っちゃいました ((´∀`))
デートしたい堂島さん。えーと思う田中さん。
エッチしたい堂島さん。えーと思う田中さん。
なんですかこの温度差…!!!!!
でも最後に、田中さんの消える魔球のようなデレがあって最高にキュンとしました。
もう…、堂島さんと田中さんとハルコ先生の手の平で転がされている気分になりました。
ということで、間違いのない一冊です!
帯『-ねぇ、田中さん。俺とどうなりたい?』
「愛おしさが胸に募る、ほっこりラブストーリー。」
自分的には、おーついにホームラン来たかー!!ってのが第一印象。
元さんは好みで今までも着実にヒット飛ばしてんですがホームランは無かったんですよ。
表題作はついにバッドがボールを捕らえたって感じで気持ち良くスコーンと飛ばしてくれました。
元さんって目の表情が凄く上手い作家さんだと思うんですが、今回はそれが特に上手く使われてました。
視線の使い方がもっそい良い!
堂島は目力があって視線の先がぶれなくて真っ直ぐが多い、対して最初の田中は視線の先がどこかしらぼんやりしてる、一点を見つめてるっていうんじゃなくて空間を見つめてるっていうのかな。
その辺が上手いなーーとしみじみ。
派手なストーリーじゃないんですがそこがいいんだなー。
作品ごとに微妙に変化していく表紙絵も好き。
カバー下を見た瞬間に文字通りブッと吹きました、こういう感覚好き。
元ハルコさんは絵柄もマンガの描き方も独自の間やセリフの使い方もツボに入ります、好みなんだと思う。
ホームランって事で神で。
本編とは関係無いけど帯文章の“ほっこり”って単語はなんか苦手だなあ。
あとこれも本編と関係ないけど奥付でタイトルと著者名にちゃんとフリガナ付いてるのは嬉しかった。
これはタイトルも著者も読めるけど、結構読み方迷うタイトルとか著者名とかあるのでこういう気配りは細かいけど助かります。
某古本屋で見かけて、タイトルに惹かれて購入しました。
アナログな絵柄と少しだけ前の時代感の雰囲気が良いです。
「人に触れられるのが苦手なくせに隙だらけな内気の受け」が性癖なので、ページを開いて天を仰ぎました。有り難う御座います。背景の書き込みが少ないのが、かえって良い味を出しています。主人公の過去回想については、初見だとややセリフのつながりが分かりにくく、意味をすぐに読み取れないところもありましたが、読み返す楽しみが増えるので無問題。
ベッドから飛び起きて鎖骨のキスマを確認したときに主人公が泣き崩れたのを見て、堂島さん、受けちゃんを泣かせるなんて……!と思いましたが大丈夫でしたね。「田中さんと手をつなぎたい」のシーンで無事悶え死にました。
で、過去の相手が登場して、それを慰めたいと思っている堂島さんと、一人にしてほしいと願う主人公のすれ違いのシーン。電話に出ようとしたら鳴りやむ携帯が悲しいです。何気に主人公の制服も冬物になってるんですよね。過去の相手に迫られる主人公を助けにくる堂島さんと、その後の濡れ場! 「言わないと伝わらない」普段は口にできない感情を言葉にする主人公! 「同じで 嬉しいね」で締めくくられる濡れ場!
最後のキスに堂島さんへの愛を感じました。
「人に触られるのが苦手なくせに隙だらけな受け」性癖の方は是非!
元ハルヒコさんは好きな作家さんの一人なんですが、特にこの作品は受けが可愛くて思わず包み込んであげたい!なんて思ってしまう作品です。
そういえば、ちょっと自信無げな、おどおどした感じとか、過去のトラウマでそうなってしまうキャラの表現が元さんはとても上手いと思います。
この作品も受けが過去の出来事のせいで、他人との接触が苦手でいつもビクビクした感じです。
なのに駅員さんという、常に人と接している職業(笑)。
その受けを優しく包んであげる器の大きい、カッコイイ攻め。
最初は結構強引に思えるんですが、受けのペースに合わせてゆっくり、ゆっくり、二人の関係を大事に育てていこうという愛情溢れた人柄にも惹かれました。
駅員さんが出てくるお話って、それほどないように思えるんですが、制服を着た田中さんがとっても可愛かったです。
表題作の他にも、中学時代からの親友のお話「THINK DRIP」が収録されています。
きっと攻めは中学時代から受けのことが好きだったと思われるんですが、ずーっと親友という立場を保ってきて・・・というお話です。
ハルヒラ先生の本を読むのは2冊目でしたが、
ハルヒラ先生の本はほんとうに繊細だなと思います。
私は攻めがゲイっていうのがあんまり好きではないので、
「ゲイ攻めかぁー....」っていう風に最初は思ったのですが
絵の綺麗さと受けの健気さがすごくよかったのであまり気になりませんでした。
ハルヒラ先生の描く健気受けは本当に素晴らしいと思います。
ちょっと残念だったことといえば、
受けの田中さんの過去の描写自体ははっきりしないところだったので
個人的にはもう少し詳しくてもよかったかと思います。
あと、ゲイ攻めの場合はよくあることなのでこの作品に限らずなのですが、
何故堂島さんが田中さんのことを好きなのかがわかりずらいと思いました。
ですが内容や世界観はすごく素敵です。
何度も読み返したくなる本です!
茶鬼
伊吹亜弓さま
役に立ったボタンがガッテンボタンだった、ガッテンガッテンガッテン!!!するところです=3
何で一個しか押せないんだろう?
まさに、まさに「今の田中さん」ですよね。
堂島さんがすっげーいいヤツで、いいヤツで、田中は幸せだぜッ。
色々細かいことは本当にいらない、今だけあれば
亜弓さまの作品と作家さんを愛する気持ちが伝わってきて、
この作品、本当いい作品だよなーってまた再び味わってます♪