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表題作吐息のジレンマ

仁科宏彦,フードプロデューサー
成見智彰,バーテンダー

その他の収録作品

  • 愛に飢えた天使トモちゃん(あじみね朔生)
  • あとがき

あらすじ

バーテンダーの仕事を根気よく続けていた成見の前に、兄・英彰が現れた。
「おまえが必要なんだ」英彰は、かつて仁科が口にしてくれた、成見が一番好きな、一番欲しかった言葉を繰り返す。
肉親の愛に恵まれなかった成見は、初めてその温もりに接して―。
自分を拾った仁科に所有されなくなった今、成見は次の飼い主を探さなくてはならなかった。
「俺を…兄さんのものにしてよ…」。

作品情報

作品名
吐息のジレンマ
著者
和泉桂 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
キスが届かない
発売日
ISBN
9784062554206
3

(3)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
9
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

ガキというかバカというか…。

一応、飼い主と飼い犬という関係に落ち着いたはずの仁科と智彰。
しかし、仁科はそれほど構ってはくれず、それでいいとは言ったものの自分たちの関係って何なんだろう?と思う日々。
そんな折、智彰の前に義兄・英彰が現れ、智彰を甘やかしてくれるのだが…。

智彰が人を信じやすくて真っ直ぐで、それは生い立ちとも関係してたりするんだけれども。
仁科との関係の曖昧さに不安があって。
そんな中で、仁科が誘ったパーティの席に驚いて。
ほんの一言、仁科が「悪かった」と「知らなかったんだ」と言ってくれるだけで水に流すことの出来た出来事が、全く対処してもらえずどんどん疑念を募らせていくことになって。
少しも大事にされていないんだと優しい人の方へと流れていってしまう。
こういうところがガキというかちょっと智彰のイラッとするところでもあるんだけども。
そこへ、今回つけこんだのが初めて会った妾腹の義兄・英彰。
優しい好青年を装ってはいるものの、ホントひどいというかコワイ。
というか、病んでるんじゃ?というほどの智彰への執着がすごくて。
真綿で包むようであって、何もかもを奪い取るような。
英彰の家へ転がり込むことになった智彰を軽く軟禁みたいな。
家族関係の愛情に乏しかった智彰はキスされても外国のあいさつみたいな感じかなとか思う始末の頭の悪さで。
挙句、いろんなものを奪われているせいなのかこれで英彰にまで見捨てられたら…という感じで依存がすごく強くなって、それはカラダの関係にまで及んでしまうのですよ。
完全にオカシイ!
そうなる前にどこかの時点で仁科が迎えにでも来てくれればよかったのだが、仁科は仁科でまだまだ自分の感情がわからず自分のことが理解不能。
どういうふうに智彰と接したらいいかわからないような状態で。
それでも、最後には英彰を振り切って智彰が戻ってきたことにひどく安心して。
早くちゃんと自覚して気持ちとか言葉とかもっと智彰に伝わるようにしてくれればいいのに!と焦れったくて仕方なかったです。

「愛に飢えた天使トモちゃん」
イラスト担当のあじみねさんのマンガ。
…天使になってるよ!!!(笑)
本編のなんというか暗ーい感じとは打って変わってメルヘンに?
内容的には最初の2人出会いのとことかに近いのかな。
しかし、何故に天使…。

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