復讐のため、生きるため――売れるのは身体しかなかった。

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表題作緋色の蜜蝶

ヤクザのフロント企業社長 館林蘇芳
ヤクザ義兄に命を狙われる義弟 鳥越魁20歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「男の悦ばせ方を教えてやろう」
義兄に殺されかけた魁(かい)を救ったのは、獰猛でいながら怜悧な目をした極道・舘林(たてばやし)だった。住居も戸籍も失った魁に彼が示した選択肢は、男娼になるか死か。義兄への復讐の糸口を探すため、魁は男に抱かれることを選ぶ。妖艶な刺青を施され、調教という辱めを受ける日々。手練手管に長けた舘林との行為は心まで淫らに変えていくが、淫らになるほどに舘林は魁から離れていった。ふと寂しさを覚えた魁の胸には、復讐心よりも舘林への恋情が募っていたと気づくが……。
(出版社より)

作品情報

作品名
緋色の蜜蝶
著者
ななおあきら 
イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773085846
3.3

(3)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
9
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数3

ちょっと拍子抜け?

魁は、ヤクザを父親に持つ大学生。
しかしながら、母は愛人の立場であり、正妻の子である義兄からは目の敵にされており、日々目立たないように生活をしていた。
その両親も亡くなってしまい、魁には義兄には内緒で父親からは生活するのに困らないだけの遺産が残された。
そのお金をもとに、大学生活を送りながら、時折目立たないように生活することに息苦しさを覚え、ふらりと一人旅に出ていた。
そんな一人旅からの帰り道、魁は獰猛でいながら怜悧な目をした舘林に声をかけられる。
思わず足を止めた魁の目の前で魁の住んでいたはずの部屋が爆発する。
呆然とする魁に対して、舘林は爆発の黒幕が魁の義兄であることを告げると同時に、ある提案を持ちかける。
それは、男に抱かれる男娼になるか、死か。究極の二択であった。
義兄は魁が父から引き継いだ遺産を狙っていて、魁が生きていることが別れば魁の命はないだろうし、魁の部屋からは身元不明の男性の遺体が見つかっていて、それが魁であると判断されることがほぼ確定していて、魁は戸籍も失うことになってしまっていて一人で生きていくことは不可能な状況であった。
舘林はそんな魁に、義兄への復讐をするために男に抱かれ、義兄の上にいる男を誘惑するように勧める。
最初は躊躇った魁だったが、他に選択肢もなく、男に抱かれることを受け入れる。
その足で連れていかれたのはその道では有名な彫り師の元だった。
そこで問答無用で妖艶な刺青を彫られることになった魁は、それとともに舘林の元で夜な夜な淫らな調教を受けることになる。
次第に開花していく魁は、義兄への復讐よりも舘林への恋情の方が自分の胸のうちで優っていることに気がつくが、刺青が完成に近づくにつれて舘林との距離が開いて行って……

という話でした。
えーっと、大腿からお尻にかけての妖艶な刺青、という設定はとってもよかったと思うんですが、調教物だと思って表紙の妖艶さに惹かれて読むと失敗します。
煽りに「調教」と書いてあるので、そのまま表記しましたが実は全然、調教ものではありません。
ベッド上での行為は、他の男と関係を持つこと前提、と言われれば調教に相違ないと思いますが、それ以外はいたってノーマルな行為で、過激な描写はほとんどありません。というかむしろ、最後の最後で腰が引けている印象さえ覚えます。
結局のところ、魁に関係を持つように当初から言っていた男もとても紳士だったし、あんまりドロドロした感じの話にはなってなかったなーと思います。
かと言って、過激であれがいいってもんでもないと思うので、別にそれでもいいと言えばいいんですけど、ちょっと設定がもったいなかったかなー……と思います。
難しいですね。

2

刺青が凄い!

ストーリー良し:波瀾万丈な展開で結末が全く予想できなかった
人物良し:皆がみるみるうちに成長していくのが楽しかった。主要なキャラクターには全て好感を持つことができた
挿絵良し:元々表紙買いだから申し分ないし、街子先生のあの刺青は確かに衝撃的に美しかった
特にあの完成した刺青を攻めに披露するシーン
本当にすごかった
五百扇と城島のカップリングも凄く気になってならない。最後まで謎であって、結構萌えた
続編を望む!

3

あの時だけに全て見る事が出来る入れ墨

ヤクザの婚外子だったが愛人だった母が亡くなってからは
本妻や義兄に憎まれていたこともあり、目立つことなく
地味に過ごしてきた受け様は義兄に命を狙われ間一髪で
救われるが、その男はヤクザのフロント企業の経営者で
義兄の復讐に力を貸すと、代償は身体を売ることだと・・・

受け様が貰った遺産の金目当てで義兄から命を狙われますが
自分は爆発に巻き込まれ死んだことになってしまい
戸籍も住むところも何もない状態で攻め様の自宅に行くことに
そこで、受け様の気持ちを復讐に向けるように仕向ける攻め様。

初めから復讐なんて受け様は考えていないのですよね
それでも死んだことになっていて身寄りも無くあてもない
受け様は攻め様の言葉に従うしかないのです。
そして言われるがままに攻め様の店で男娼になるために
身体に妖艶さを出す刺青を入れられる事に、それと同時に
攻め様から性奴としての調教をされていくのですが
受け様は復讐よりも攻め様に情念のように惹かれてしまう。
でも、攻め様には商品としてしか見られていないと・・・

受け様視点で描かれているのですが前半はあまり意思のない受け様。
でも刺青を入れ始めてからは徐々に受け様の本質のような淫らな
ものが身体から滲み出てくるようになります。
受け様の資質を見抜いた刺青師は後に受け様の信仰者のように・・・
刺青師と攻め様は幼なじみの友人なんです。
そして攻め様の受け様に対する執着を初めに見抜いた人でもあります。
この刺青師は後にキーマンになってきます。

受け様の刺青も出来上がりつつ、調教も大方終わっているはずなのに
受け様は客も取ることが出来ない状態のまま攻め様に放置されます。
実は攻め様の目的も復讐なのですが敵は同じなんですが復讐の相手には
受け様も入っているのです。攻め様は復讐すべき相手なのですが
受け様への自分でも抑えきれない執着に戸惑い反動で憎悪も出る。
何も知らない受け様は攻め様を自分の虜にしてしまおうと誘いを・・・
しかし、受け様は攻め様の復讐の事を知ってしまう。
報われない思いを押し殺し、攻め様の復讐に役立つ男を専属の相手に
それからの攻め様は一段と受け様から目をそらそうとしてます。
受け様は役に立たない自分を疎ましく感じ、攻め様の仇の息子だから
嫌われていると思い込む。
でも、攻め様はいくら復讐の為とはいえ受け様が自分以外に
抱かれていると思うだけで眠れないほど・・・

攻め様はタイプ的には究極のクーデレさんなんでしょうね。
このお話では甘い雰囲気になることはほとんどないですが
最後の最後で受け様を助ける為に命がけでってシーンがあり
攻め様の受け様に対する気持ちがうかがえます。
受け様も情熱的かと思ったらわりと鈍い人でもありましたね。
これからは攻め様の不器用な愛がさく裂するのではないかと
密かに妄想しながら読みました。






4

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