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表題作甘い恋の賞味期限

津山聡史29歳,(工学部准教授・サークル顧問)
森本要,21歳,(大学3年生)

その他の収録作品

  • 契約の恋人
  • いとこ同士の秘密
  • 別れの誕生日
  • 痴話喧嘩はスパイシーに
  • あとがき

あらすじ

恋に一途な大学生、森本要。
失恋の寂しさのあまり、サークル顧問の津山聡史と
「食って食われて酒池肉林」な一晩を過ごしてしまう。
津山は完璧な美貌と学歴で、異例の若さで准教授の地位を得た男。
学生の評判も上々だ。
ところが本当の彼は、恋愛を面倒と言い切る不遜な性格。
要とは身体の相性が良かったから、つきあおうというのだ。
むかついた要は条件付で了承し!?

作品情報

作品名
甘い恋の賞味期限
著者
あさぎり夕 
イラスト
穂波ゆきね 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784086015462
3

(6)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
17
評価数
6
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

すみません、穂波さんを楽しませていただきました!!

小学生の頃、少女漫画で楽しませてくれたあさぎり夕さんが
BLで更に小説をお書きになるなんて、当時は思いもしませんでしたw
(というよりその時はBLというもの自体知らなかったウブな頃でしたww)

穂波さんの挿絵という事で手にとってみたのですが
漫画家さんだと思えないほど淀みない文章!!
天は二物を与えるのですね…w

スイーツ大好きな女装研究サークルにいる要は
妻子持ちだという事実を隠されて付き合っていた男をきっぱり振り、
失った恋の寂しさゆえ、酔いも手伝って
サークル顧問のイケメン准教授・津山を誘って寝てしまいます。

大学での津山の評判はすこぶる高く、
ゲイである要も好みだけどその完璧さに胡散臭さをかぎとっていたのです。
今まで寝てきた女は数知れず(100人前後って…引くわ…;;)
節操無しで本当の恋なんてしたことの無さそうな嫌なヤツ。
表向きは優しいのに、付き合うとなると普段の仮面をとっぱらい
釣った魚に餌なんてやらない、何もかも面倒になるという厄介さ…。
そんな津山の恋愛指導をしてやると言わんばかりに
期限つきで付き合う事になり、
最終日、要の21歳の誕生日に試験、という名目でスタートします。
本気になんてならない、恋人ごっこのはずが……。

体から始まる恋って結構好きですw
体の相性がとても良かった、なんて勿論それだけが大事じゃないけど、
ソッチの相性って重要ポイントだと思うのでw

ところがですね、キャラのブレに戸惑いました…。
“ゲイだけど真剣で熱烈な恋愛がモットーの要”なのに、
「寂しいと誰彼かまわずお持ち帰りするのは悪い癖」って、
真剣な恋愛するタイプは寂しいからと言って誰でもお持ち帰りしないよ??
しかも、自分の家族が大好きで、末っ子で甘やかされて育ったから
自分が大好き!なのはわかるけど、
「恋人に望んでるのは、服従かな」っていうのは違うんじゃ…。
更に後日、また津山と恋愛観を話している時
「いったん惚れると、相手も同じくらい好きになってくれてると思いこんじゃうんだ」
って服従とは遠いコト言ってましたし、
そう思う位好きだったはずなのに
「俺、見る目ないんだよなー」まで言うのもどうかな、と…。
確かに今まで付き合った男はロクでもなさそうなヤツでしたけども。

対する津山は、
“誰にでも愛想がいいが誰にも真剣になれないうわべだけの男”なのですが、
本気で好きになったことが無かったわけじゃなく。
それをほのめかすような、ブレザー姿で自然な笑顔で笑う
中学生らしき津山と同じくらいの年の女の子の写真を要は見てしまいます。
そのいとこ・智花の登場で、
自分は身代わりなんじゃないかと苦しくなるところは切なかったです。
二人の間の誰も入る隙間のないような雰囲気で、
いくら付き合っているとはいえ、恋人ごっこの自分とはまるで違う津山の表情。

要は嫉妬して、期日の誕生日の完璧なデートの後、
期間を延長してくれないかと申し出る津山を振ります。
身代わりでなんてツラいだけだから…。
しかし、津山は自分なりに長い恋を終わらせ、
今度こそ要一人を見てくれるのです。
その方法がキザだったわ……w

『痴話喧嘩はスパイシーに』
津山の過去に嫉妬して、つい口喧嘩をふっかけてしまった要は
津山の部屋を飛び出します。
自分に対する気持ちを試すように、
“どれだけ本気か、どれだけ我慢してくれるか。
子供じみた行為をして、愛情を量ろうとしている”のだそうです…。
いくら21歳で若いからといっても、こういうタイプは苦手だなぁ…;
そして、わざと嫌味な言い方をして
「じゃあ、どう言えばお気に召すんだ?」なんて返す津山も
元から大人げないところもあるけど、
そういう態度しちゃダメじゃん、っていう。
喧嘩もしないと絆が深まらないものかもしれないですけどね。

キャラに感情移入がちょっと難しかったというのが主な感想ですが
なんと!!穂波さんの4頁×3本のコミックが読めるのです!!!!!
お話に沿って、ちょいエピソード挟みます、みたいな感じなのですが
最近穂波さんはコミックスを全く出していらっしゃらないので
めちゃくちゃ貴重でした……!!(泣)
更に、ちゃんとイラストが10枚楽しめてしまうんですよぉぉぉぉ!!!
残念ながらカラー口絵は無いんですが;
(コバルトさんはルビーさんのようにカラー口絵無いんですね…)
どれもこれも素晴らしかった!!!
穂波さんファンの方は是非是非!!!

3

思ったよりよかった!

 森本要は、恋に一途な大学生。
 そんな要は、失恋の寂しさのあまり大学のサークル顧問の津山聡史と関係を持ってしまう。
 津山は、完璧な美貌と学歴を持ち、異例の若さで准教授の地位を得た男で、学生の評判も上場。
 ところが本当の彼は、恋愛を「面倒」だと言い切り、人と必要以上の関わりを持とうとはしない不遜な性格。
 おまけに要に向かって、「身体の相性がよかったから付き合おう」と言うのである。
 恋愛至上主義な要は、そんな津山の態度に腹を立て、津山に「本気の恋を教える」という名目で付き合うことを了承する。期限は1ヶ月。要の誕生日まで。
 その要の誕生日デートが、恋愛音痴な津山の卒業試験となるのだった――。

 ところが、付き合ってみた津山は思いのほか紳士で、大体の要の要望は受け入れてくれる。
 おまけに、要の元恋人が家に訪ねてくると、それを一喝し撃退してくれる。
 大好きなスイーツを食べるために、女の子だらけの店に入っても嫌な顔はするけれど、決して断ったりはしなかったり――

 意外な一面を知るたびに、自分がどんどん津山に惹かれていっていることに気づいた要だったが――

 というような話でした。

 個人的には、今までこの作者さんが書く話に苦手意識しかなかったんですが。
 元々、漫画家さんであることもあると思うんですが、とにかく文章が小説っぽくなくて軽くて。
 挙句、途中で「☆」とかが出てきて、正直、げんなりすることの方が多くて。
 まったく好きじゃなかったんですが、今回ばっかりはびっくりするくらい普通の文章で、正直とても驚きました。
 それどころか、むしろ、面白くて更にびっくり。
 今までの苦手意識を吹き飛ばすくらい面白かったです。

 要の津山に対する気持ちのいじらしさと、それなのに素直になれないところとか、すっごくかわいいと思います。
 津山も津山で、どうやって自分の気持ちを相手に伝えたらいいのかわからなくて右往左往してるのがかわいいし。
 結局一度は振られるんですが、それが原因で、ひどく落ち込んでしまっていつものペースさえも崩してしまうところが更にかわいくて好きです。
 実はかなり似た者カップルかなー……と思うんですが、それがまたいい味出してました。

1

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