どれくらい好きだって云えば、好きになってくれる?

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表題作飼い主を決めるのは猫

川島司信、受様の高校時代の後輩で押しかけ居候25
南野史佳、人付合いが悪い書店アルバイト26

その他の収録作品

  • 桜の吐息

あらすじ

やっと懐いてきた猫を探して、史佳は高校の後輩・川島と再会する。それ程親しくはなかったのに史佳の生活に転がり込んできた彼は「ずっと好きだった」と躊躇いなく自分に触れてきて…。彼はどれくらい一緒にいて、いつまで自分を好きでいてくれるのだろうか? 独りが寂しかったのに、同性にしか興味を抱けない事が後ろめたくて、誰も愛せずにいた史佳。簡単に不安になる自分を川島は抱きしめてくれる。けれどその川島も、秘密を抱えていて――。.

作品情報

作品名
飼い主を決めるのは猫
著者
結城瑛朱 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861231681
3.5

(4)

(0)

萌々

(2)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
14
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

臆病な猫が人馴れしていくみたいです

高校時代の先輩後輩の再会ものラブストーリーなんですが
学生時代の二人の接点なんてそんなにないんですが受け様が
餌付けしていた野良猫の危機を救ってくれたことから
成り行きで行く当てがないからと猫と一緒に居つかれてしまう。
攻め様は受け様を昔から好きだったと告白するのですが
受け様は別れた元カレに捨てられたことが結構痛手になってて
攻め様の思いを信じられないのに、一人で寂しさを紛らわしていた
受け様はその思いに縋りつくような感じで・・・
寂しがり屋でツンツンしててホント猫気質な受け様です。
そして攻め様はどちらかと言えばヘタレワンコ気質ですね。
ショートを挟んで受け様視点が前編で、出会いから関係を持ち
攻め様の隠された正体を知り、戸惑いや怒り悲しみの感情のまま
攻め様を追い出し、切なく恋しい思いを抱いてる受け様の心情が
綴られているストーリーになっています。
攻め様視点の後半は恋人同士になり二人が新居で同居を始める
頃からの話で、攻め様の受け様に対する思いが伝わってくる話
前半よりも受け様がかなり猫ちゃんぽい感じが強くなってます。
前半で自分に自信がなかった受け様ですが後半ではそれが逆に
攻め様のヘタレな感じが浮き彫りになっているんです。
思いあってるのにちょっとしたきっかけですれ違う二人
再び一緒にいるためにはどうすればいいのかを悩み苦しみながら
攻め様が答えを出していくストーリーです。
好きすぎてどうしていいか判らない感じが伝わるお話です。

1

捕まったのはどっち?

今回は受様宅にムリヤリ居候する高校時代の後輩と
人付合いが悪いと言われる書店アルバイトのお話です。

攻様との再会から恋人になるまでを受様視点で
受様の元カレが絡んでくる後日談を攻様視点で構成。

受様は猫好きで
マンションの置き場にやってくる野良猫に
密かに餌を与えるのを楽しみにしていました。

しかしある朝、
マンションに住む奥様達が野良猫を捕まえて
保険所に連れて行こうと話していたのを耳にします。

それでもあまり心配していませんでしたが
バイト先から帰ってきても猫がいる様子がありません。

あわてて探した受様ですが
件の猫は数年ぶり顔を合わせた高校時代の後輩に
保護されていたのです。

彼が今回の攻様になります♪

攻様は何やら訳有りで住む場所を無くて
受様を頼ってきたらしいのですが
受様は彼と親しかった記憶もなくて
困惑してしまいますが

猫を保護した攻様は
当然のように猫ともども受様宅に転がり込んで
居候を決め込んでしまうのです。

しかも初めて逢った時から
受様の事が好きだったと言うのです。

受様には小説家になりたくて
就職活動をせずにバイト生活をしていましたが

バイト先で知り合って告白してきた男と
付き合った過去がありました。

好きだと言われて付き合った男でしたが
彼には受様の他にも複数の相手がいて
彼との付合いは受様に深い傷を残したのです。

それでも
攻様の気持ちに押し切られる様に身体を繋ぎ
攻様がいない生活など考えられなりますが

偶然、
バイト先の書店で再会した同級生に
攻様が有名な小説家になった事を知らされます。

しかもその筆名は
受様が大好きな小説家の名前だったのです!!

しかもその作家はある日突然
行方不明になったと言うのです。

攻様の正体を知った受様は
納まらない怒りのままに攻様に詰め寄りますが

自分の中から何も出てこなくなって
小説が書けなくなったと言う攻様を許せず
攻様を追い出してしまいます。

2人の恋はココで終わってしまうのか?!

初出の同人誌版
雑誌掲載時に後半部を書き下ろして
全プレペーパー用に書き下ろした
幕間短編を加えて新書化♪

何も持たないと思っていた攻様に
好きだと言われる事で徐々に
前向きになって行った受様ですが

自分との再会を望んだのが
攻様のスランプ故だと知って
攻様を許す事が出来ませんでした。

自分に出来なかった夢を成し遂げ
認めている男だからこそ逃げて欲しない。

受様が自分に自信が有れば
攻様を受け止める事が出来たのかな。

2人が再び前を向いて
お互いの手を取り合うようになるまで
1年という時間がかかりますが

お互いへの思いを深め
自分自身と向き合うためには
無意味な時ではなかったと思います。

後半で同居を始める前後のお話で
攻様が受様の元カレが絡んできた事から
2人の間に波風がたつお話になります。

前半は受様視点、
後半は攻様視点と視点が変わる事で
お互いに相手に見せない強さと弱さも窺えて
最後までとても楽しく読めました。

結城さんの商業誌は完読しているのですが
本作の掲載雑誌は店頭で見かけ無くて
出ていた事だけ知っていた感じだったのです。

しかし、読んだらすっごく既読感が!!
もしかしてこの本ってば新刊じゃない?!

とか
思ってしまったのですが
元同人誌をもっていたのでした(笑)

結城さんは次の新刊予告も出てますが
次も同人誌のノベライズみたいで
個人的にはちょっと残念です。

新作が読みたいな♪

今回は年下で策士な攻様のお話で一作、
火崎勇さん『甘い罠』をおススメします。

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