それはまるで、蕩けるような恋に似て――。

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表題作君だけに触れる快楽

葛城英仁・父の急死で喫茶店を引継いだマスター
奥田尚・上司のミスを負って出版社をクビになった

その他の収録作品

  • 幸せの呪文

あらすじ

上司のミスを押し付けられて、出版社をクビになった尚。途方に暮れる彼は、まるで罠に嵌められるように、学生時代に自分がもっとも嫌っていた男・葛城の世話になる事に!? 流されるようにはじまった葛城との同居生活だったが、意外にも穏やかに過ぎていく。不意に触れてくる体温にも自分を呼ぶ声にも、いつのまにか馴染んでいく尚は、葛城の真意が判らないまま、彼に抱いていた感情が少しずつ変化していく事に気づき―。雪降る夜のメルティラブ。
(出版社より)

作品情報

作品名
君だけに触れる快楽
著者
結城瑛朱 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
ワンツーマガジン社
レーベル
アルルノベルス
発売日
ISBN
9784862961891
2.8

(10)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
25
評価数
10
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

伝えられない気持ちゆえ

今回は父の急死で喫茶店を引継いだマスターと
とある事情で出版社をクビになった会社員のお話です。

受様視点で再会から恋人としてまとまるまでと
攻様視点で出会いの回想と今の甘い日々を収録。

受様は絵を描く事が好きで美大に入りますが、
自身の才に見切りをつけ
美術書を専門に扱う出版社に入ります。

それから三年、
もともと人付き合いが下手だった上、
陰湿な上司と折り合いが悪かった受様は
その上司のミスを押し付けられて
会社を首になってしまいます。

受様はしばらく前に
付き合っていた彼女に振られたばかり。

彼女をなんとか吹っ切った矢先の失業に
酔わずにはいられない受様は
初めて入ったバーでグラスを重ねますが、
溜まっていくのは苛立ちばかり。

そんな時に思い出したのは
就職が決まった時に苦言を呈した
ある男の事でした。

人付き合いが下手なお前に
会社務めなんかつとまるのか?

嫌味な男の言葉のとおりになった今、
受様は酔っぱらい特有の思込と勢いで
長年溜めこんでいた鬱憤を晴らすべく、
その男を呼び出します。

彼こそが今回の攻様になります♪

攻様は才に恵まれながらも
卒業直前に父が急死した為
父の喫茶店を継いでいました。

三年ぶりに再会した攻様は
昔と変わらず自分よりも大人びていて
更なる腹立ちをぶつけた受様でしたが、
翌日目覚めたのは攻様の部屋?!

学生時代の不満から首になった事まで
散々愚痴った相手に世話になってしまい
頭が痛くなる受様。

しかし攻様は
そんな受様を責めないばかりか
職が見つかるまで店を手伝いながら
ここにいれば良いと言い出して?!

大学時代の同級生の再会モノです。

美大時代、
二人はあまり接点がないにも拘らず
攻様は受様の彼女に横恋慕してばかりいた為、
攻様も自分を嫌っているのだと
思っていた受様ですが、

実は攻様は
受様に一目惚れして悶々としながら、
受様の彼女にまで手を出していたのです!!

偶然の再会を果たした今、
攻様は受様の弱みに付け込んででも
彼を手に入れたいと行動を起こします。

人を変えるのは
人との出会い、付き合いで有り、
お互いを知ろうとする事で
その関係は変わっていきます。

受様が自分の葛藤と攻様の気持ちを巡って
グルグルしているので
受様と一緒にハラハラしつつ
最後まで一気読みしてしまいました♪

続編は攻様視点で
二人の出会いの回想と
まとまった後のラブい同居生活を収録。
攻様からみた受様が眩しいすぎ(笑)

今回は本作同様嫌っていた攻様との再会モノで
日生水貴さんの『一番美味しい恋のレシピ』は
いかがでしょう?

2

好きな子をいじめる心理とはこういう事?

家族から愛されず人付き合いが苦手ゆえ、仕事もなくなった尚。
八つ当たりがしたいがために、学生時代から苦手(と言うか大嫌い)な葛城を呼び出して悪態をつく…ってどうよ?

しかもなりゆきでその葛城のところで働く事になり、一緒に住む羽目に…って展開速っ!ありえねーー!!

葛城は学生時代から尚の事が好きだったわけですよ。でも同姓だしどうにもできないってわかってて、尚がお付き合いする女性を横からかっさらっていってたと。
好きな子に意地悪する心理じゃん、これって。

でもまぁ、尚もどうやら本気でお付き合いしていたわけではないですからね。さみしいから誰でもいい、みたいな感じ。
しかしそれでも寄っていく女子がいるってうらやましいぞ。

なんやかんやで両思いになったって思っていたら、尚のモトカノ登場。最低女でした。
たかるだけたかって尚を一文無しにしたくせに、葛城に色目を使う。うわーー、いるよなこんな女。
葛城もこんな女に優しくするし。尚傷つくし。

しかし葛城に惚れた以上そばにいれないって思った尚に、葛城は勝手な事言って引き止めるんだから。
尚が怒るのも無理ないと思います。

でも、お互いの思いをさらけだして触れ合った魂は暖かくて心地よいと感じたはずです。
単に愛情表現ヘタだっただけじゃん、お互いに。

桜城やや先生のイラストは、葛城がワイルド系で尚がソフトでした。
キスシーンは最高にきれいです。
もちろん、迫力のあるシーンもご馳走様でした。

『幸せの呪文』はホントにぽかぽかするお話でした。
尚が幸せになって良かったです。

このお話にもイラスト欲しかった…。






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