SS付き電子限定版
高校時代の親友同士が、とある事件から疎遠になり、10年。受けはずっと攻めが好きなのですが、その事件以来攻めに嫌われたと思っています。
実家の大病院で医師になった攻めと、ゲイバーで客を取る生活の受け。まるで接点なくかけ離れた生活を送る2人は、受けがストーカーに危害を加えられ、幽霊になってしまったことで、再び運命が交錯。
とは言え、攻めが再会したのは、受けの意識が抜けたあとの受けの肉体だけ。受けは幽霊になってそのへんをさまよっているのですが、霊感皆無の攻めにはまるでその存在を察知できていません。
話は高校時代の回想を絡めながら、攻めが受けを害した犯人を見つけ出すため奔走したり、その間幽体でさまよっている受けが攻め宅にいた攻めの子供と交流しながら進みます。
幽体の受けを見ることが出来るのは、攻め宅のちみっこと飼い犬のみ。
受けが幽体でさまよっていることを知らない攻めなので、会話はかわせないのですが、攻めに乗り移ることで夢の中でエッチしたりしていて、幽霊になってる受け&霊感のない攻めという状態が長く続く割にはエロ度は高かったと思います。
自分に暴行を加えて逃げた犯人を追う攻めを、危険だから何とか止めたいと思っている受けが、何とかそう伝えたいと幽体で奮闘するのが切なくもコミカルで楽しかったです。
そして何より攻めのキャラクターに超萌えました。今は真面目な医者ですが、高校時代は少々荒れていて、売られた喧嘩は買っていた攻め。そのワイルドさが、受けを害した相手に対する怒りや、受けと再会した喜び、意識がない切なさなんかで本性が出てきて、そのギャップがすごくいい。受けが幽体でそばにいるとも知らず、受けに対する愛や執着をダダ漏れにさせてるのにも、ちょっとのたうちまわってしまうくらい萌えました。
受けの健気さや、意外な純情さもとてもよかった。
設定の分かりにくいところや、首をひねっちゃうところ、説明不足なところがいくつかあり、その分マイナスで萌×2かな…とも思いましたが、キャラクターに対する萌と、エッチシーンのキュン度がものすごかったので、神にしてしまいます。
ドキドキハラハラ展開があるかと思えばほのぼの可愛いシーンがあったり、非常に楽しめた本でした。
アマゾンプライム。
yoco 先生が挿絵を担当した本は、ハズレがない。電子版は、表紙絵だけだったけど。
この本も面白かった。
気付いたら殺されて幽霊になっていた水葵。
成仏する前に一目会いたい昔の片思いの人の傍に飛んでいく幽霊の水葵・・
今生最期の願いで、やっと自分の正直な気持ちに向き合えた。
でも、彼には水葵が見えないし、感じてももらえない。
そして彼・黒須一志は、水葵を殺した犯人捜しを初めてしまう。
ビッチ(に見える)生き方をしていた水葵を黒須が暴いていく。
水葵が成仏するまでのカウントダウン、間に合うのかな?・・と、引き込まれる展開。著者は、上手いです。
結末に、ドンデン返しがあって、誤解が解ける、そしてハピエン。
主人公水葵の悲しんでいる人への接し方は、実際に役立てることが出来そう。
ラノベ風タイトルとポップな表紙から、楽しくサラッと読める話をイメージしていましたが、シリアスあり切なさあり、クスッと笑える所ありの大変面白い作品でした。
幽霊(厳密に言うと違いますが)になってしまった受けの回想から始まるので、少し推理サスペンスの要素もあり、どういう事?と不思議に思いながら読み進める内に話に引き込まれしまいます。
そして初心者幽霊の受けの視点で進むので、読んでいて少し不思議で、幽霊としてのビギナーの戸惑いもよく分かりシュールでもあります。
元々攻めと受けは高校時代は親友でしたが、誤解からすれ違い離ればなれになります。そして10年後、夜の街でちょっとした小遣い稼ぎをしていた受けは男に首を絞められ、その身体を発見した攻めが激怒して…という展開です。
まず受けの水葵が、強気でサバサバした人好きのするタイプですが、実は健気で繊細な所があり、そんな部分を人に悟られたくない意地っぱりでもあります。割と不憫な子なのですが、明るく前向きです。幽霊になっても、自分より攻めの事を優先させて、健気でいじらしいんですね。(ノД`)
そして攻めの黒須ですが、大変男前です。水葵の身体を見つけてからの黒須の行動力が素晴らしいのです。大人になり医者としてすっかり落ち着いたと思いきや、水葵の事の関しては学生の頃のキレやすい無茶な部分が顔を出します。そして意外と嫉妬深く、むっつりスケベなんですね。なぜむっつりなのかと言うと読んでいただければ、あー!と納得いくと思います。とにかく水葵にベタ惚れで執着していると言っても過言ではありません。
受けが幽霊なので、攻めと直接会話することも触れあう事もなく、それどころか受けの存在に気付いてすらない状態が終わり近くまで進みますが、幽霊ならではの離れワザが出ます。エロが少な目になってますが、これもカウントに入れるとしたら標準的になるんではないでしょうか? カウントに入るかどうか分からないので、情報登録された方も悩まれたと思います。
とにかく離れ業がエロいです。下手をすると普通にエッチするよりエロエロな雰囲気だと思うんですが…。
ちょっと幻想的でもあり、かなり萌えました( ´艸`) 幽霊が主人公だからこそのシチュエーションです!!
それと、ちびっ子とワンコが出て来ますが、幽霊が見えるので、かなりいい働きをしてくれます。そしてカワイイ…。
あと、幽霊とはいえホラー色はかなり薄めです。しかし、ホラーがかなり苦手な私は、病院のおじいちゃんに背筋が寒くなりました。なのでホラー系が(大変)苦手な方は夜には読まない方がいいかもしれません。
医療的な部分で、意識不明な水葵の身体について気になる方はいらっしゃるかもしれませんが、まあそのへんはファンタジーということでサクッと無視させてもらって、大変楽しく読めました。
作家買いをしてますが、ここ最近の作品では(私は)一番面白かったです。
題名から、コメディ系を予想していたのですが、これがなかなか切なくて・・・すごく良かったです!
首を絞められて殺されかけた水葵は幽体離脱してしまいます。
どうせ死ぬなら最後に、高校時代に恋していた相手・黒須に一目会ってから成仏したい、と考えた水葵は黒須の元へ。
すると、水葵に懐いていたコリー犬が幽体の水葵に気付いて、飼い主の黒須を水葵の身体が倒れている場所へと連れて行きます。
大病院の院長の息子で、医師になっていた黒須は水葵の身体を病院へと運びます。
が、そのまま病院に置いておけない事情があって、黒須は意識のない水葵の身体を自分の住むマンションへ。
水葵は何故か身体に戻ることが出来ず、ましてや成仏も出来ず、黒須の周りを幽体でうろつくことになってしまいます。そして、黒須のことを知るうちに、ますます彼に惹かれてしまい・・・
幽体になった水葵の性格のせいか、題名からの連想通り物語はコミカルな雰囲気です。
でも、水葵も黒須もずっと互いのことが忘れられずにいたこととか、二人が距離を置くことになった理由とか、コミカルな雰囲気の奥にあるものがとても切なかったです。
軽いテンションなのに、切なさが漂ってて、とてもバランスの良い作品だと思います。胸にキュンときて、少々ウルッとしてしまいました。
あと、黒須と一緒に暮らしている匠くんがめちゃめちゃ可愛い!!ほっこりさせてくれます。
幽体の水葵を霊感のある人や子供や犬などは見ることが出来るようなのですが、肝心の黒須には一切見えないし感じられない、というのも萌えポイントです。
エロは少なめですが・・・話の9割方、水葵が幽体なので(笑)
その代わり、黒須の見る夢(というか願望というよりも妄想?)が、すごくエロティックでした。黒須、結構むっつりエロでした!素敵!!
黒須も水葵もみんな魅力的でした。うん、おもしろかったです!!
すらすら読みやすいし、おもしろさも切なさもバランスよくて、素敵な作品でした!!
初読みの作家さま。ちるちるさんでレビューを拝見して、面白そうだなと思って購入してみました。
絵師さんのお名前を見てちょっとびっくり。yocoさんだったんですね。今までのイメージを覆す絵柄で、思わず二度見しました。軽めのタイトルに、ポップな表紙。いい意味で裏切られた作品でした。この内容に、あえてのこのタイトルと表紙だったのかな。ギャップ萌えしました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
正確に言うと「幽霊」ではないんです。幽体離脱、という表現のほうが正しい。死んじゃってるわけではないので、落ち着く先は早々にわかっちゃうんですが、それでもシリアスとコミカルのバランスがとてもよくテンポよく読めました。
蓮っ葉な物言いに、ゲイバーでウリをしている水葵(受け)。
と聞くと、ちょっとなんだかなあ、と思っちゃうところもあるのですが、読み進めるうちに少しずつ透けてくる彼の壮絶な過去が分かってくるうちに、彼の健気さにホロリとさせられました。
彼を取り巻く大人たちのあまりのゲスさに悲しくなりつつ、それでも黒須への恋心を忘れられずにいる彼にエールを送りたくなりました。
一方の黒須(攻め)。
良い。彼もすっごく良い。
水葵への一途な恋心と、それに付随する彼のむっつりなエロ心がとてもツボでした。
水葵のことが好きすぎて突っ走ってしまうのもGJ!ハイスペックな彼が水葵のために、時に無様になりながらも救いたいと必死に頑張る姿はわんこ攻めの鑑でした。
幽霊(というかなんというか)になっちゃってる水葵はモノに触ることはできませんが、黒須に触れることで彼の気持ちとリンクすることができる。
夢の中で彼らが交わすセックスシーンが甘いし優しいでほっこりした気持ちになれます。
両想いなのに、お互いに片想いだと思い込んでいる、という定番な流れではあるのですが、彼らが勘違いしてしまうようになった「理由」がきちんとあるので読んでいて違和感なく話に入り込めました。
ウリセンボーイだと思っていた水葵が、思いがけずまっさらさんだったのも個人的に高ポイントでした。
黒須の息子(だと思っていた)匠や、飼い犬のクラウス、お手伝いの黒田さんや病院の師長さん、といったナイスな脇役もとっても素敵でした。
評価で悩みましたが、神よりの萌え×2で。