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表題作BLOW ME DOWN!(2) アウグスツス

すっかり変わってしまった少し軟派な男
花のように美しいが少しわがままで真っ直ぐな少年

あらすじ

湯島望は花のようにかわいらしいが、ひどく屈折した少年だった。
しかし大病院の息子ということもあって、どんなに悪いことをしても誰も望を叱らないし、責めない。
だが小学三年生の時に出会った同い歳のはとこ、大原勇也は違った。
悪い望を正直に悪いと言える真っ直ぐな少年だった。
けれど勇也は寮のある清峰中学に行ってしまう。
三年になって望も編入するが、そこで勇也はボスと呼ばれる望の知らない人間になっていた。
望のこともユシと呼びつける少し軟派な男。
その上「恋人のふりをしよう」と持ちかけられ、望は…。

作品情報

作品名
BLOW ME DOWN!(2) アウグスツス
著者
海賀卓子 
イラスト
松平徹 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784883024193
3

(2)

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萌々

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(2)

中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

本当の気持ちをいえなくて。

 湯島望は花のようにかわいらしいが、ひどく屈折した少年だった。しかし大病院の息子でもあり、母親が入院して、医者である父親があまり帰ってこず、いつも一人ぼっちという少しかわいそうな事情を抱えた望のことを、どんなに悪いことをしても誰も叱らないし、責めなかった。やり場のない想いをもてあまして、ますます屈折していく望の元に、ある日、父親が同い年のはとこ・大原勇也を連れてきた。
 勇也は、悪い望を正直に悪いと言える真っ直ぐな少年で、二人はケンカをしながらも、仲良くなりながら大きくなっていく。
 けれど勇也は、中学に上がる時に、「もう遊びに来ない」と言い残し、寮のある清峰中学に行ってしまう。
 一人取り残されたようになった望も、三年になって編入するが、勇也はボスと呼ばれる望の知らない人間になっていた。望のこともユシと呼びつける少し軟派な男に変わっていて、望は戸惑う。
 そして、ある日、「恋人のふりをしよう」と持ちかけられ、望はそれを不本意ながらも受け入れた。
「ふりでも他に恋人は作らない」という条件で……。

 もう一組のカップルである前作よりも、今回の話の方が個人的には、好きです。
 普通の幼馴染の気持ちが変わっていくまでを書いた話。
 これが男女だったら構わなかったのにも関わらず、男同士だったからどっちも素直に自分の気持ちを伝えられなくて、どんどん話がこじれていく。
 結局、大学を卒業することになって、「恋人のふり」をする必要もなくなったことに焦った望が告白して、ハッピーエンド。
 けど、個人的には「望を追い詰める」と言った勇也の今後が見てみたいです。どうやら、勇也には隠してる本性があるようなんですが、今回は二人がくっついたところで終わってるので、その本性の出番はなし。
 相手のことを好きすぎて、ちょっといっちゃってる人は、かなり好きなので、期待してます!

1

クセのある物語。

あらすじやらレビューやらを見て1作目はちょっと好みからズレるなってことで2作目から読んでみました。
とりあえず、主人公は1作目とは別なのでこれだけ読んでも大丈夫です。

我儘放題の小さな暴君のような望の家に連れて来られたのははとこだという勇也。
どこか望と距離を置きたがるような父親にも気に入られているその姿が気に食わない。
誰もが甘やかしてろくに怒ろうともしない望のことを子供のように叱りつける勇也。
最初は気に食わない奴だと思っていたのに、ケンカしてても望が危ない目に遭うと助けてくれたりして。
いつしか2人は仲良くなるのだが。
勇也が訣別宣言をして遠い中学校へ行ってしまったことで望は取り残されてしまう。
その頃には「リョウ」というもう1人、望のそばにいる人間が増えていたが、望は中3になって勇也のいる中学へと編入を果たす。
しかし、そこで見た勇也は自分の知っていた勇也とはかわってしまっていて…。

親戚の幼馴染みとの片想い×2。
と言ってしまえば、それだけのお話のような気もするのだが。
どうにも、それぞれに想いが昏いというか…。
望はどこか「愛情」のわからない子で、小さい頃には虫を潰して遊んだりもしてて。
その描写とか見ててもただ殺す感じではなく潰すというか木端微塵というかとにかくやることが「なんだかコワイ」という印象を受けるんですよね。
そして、自分の周りには蠅がたかっていて、自分からは腐臭がしていると感じるような(実際には蠅なんかいないんだけども)
勇也への気持ちに気付いた時も、気持ちに気付くというよりも先に身体が反応してしまった感じで、そのことにどうにも自分でも汚らしいもののようなものを感じたり。
とにかく、明るい感じの純粋な「好き」って感じではないものを持って。
強がりばかりで素直になれないところもあって、「嫌い」という言葉をぶつけることも多かったりで。
一方の勇也の方がおそらくは先に自覚症状が出てきたんだとは思うんだけども。
だからこその、中学での訣別だし。
近くにいては感情が暴走して抑えきれないからと離れて。
きっとどうせ望には男同士なんて汚らわしいと思われるだけで受け入れてもらえるはずもないと思っていて。
心の拠り所になるような年増の女性と付き合うことにもするのだが(結局、勃たずで肉体関係のないまま4年)
どうにも消せない感情があって。
執着に近いのかな?
そして、最後の感情面の書き方見てるとヤンデレ傾向というか。
自分1人のものにしてしまいたい感じで。
明るい中高生のさわやか恋愛の話では少しもなかったです。

あと。
1作目の主人公の片割れにあたるんだろうリョウ。
この人、キーパーソンではあるんだけども、その生い立ちとかのせいもあってかなり特異な人物なのですよ。
それは言動もそうで、直接的な言葉とかね。
これになかなか馴染めなかったです。
最後の方のシーンでは更に仲間たちみたいなので語尾が不思議な人たち増えてたし。
望と勇也だけの物語だったらもう少し最終的な印象は違ったかなーとも思いました。
個人的には山本が好きです(笑)

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