おまえを喰わせろ

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表題作極道と恋と代償

橘高浩進 蕎麦屋の常連だった橘組の組長
織坂一哉 元蕎麦屋のレストランの店員 28才

その他の収録作品

  • 子分の災難
  • あとがき

あらすじ

蕎麦職人だった一哉(かずや)は養父の遺言で、息子の亘(わたる)にこき使われていた。ある日亘が事件を起こした時、助けてくれたのは、かつての店の常連で極道の橘高(きったか)だった。その礼に出向いた一哉は、なぜか自分自身を代償として橘高に差し出すことに!? 自分にそこまでの価値はないと、何度も彼のもとを訪れる一哉。その日々は不思議と穏やかだった。しかし、亘の策略で再び身体を売ることになった一哉は、それを知り激昂した橘高に蹂躙される。突如冷酷になった橘高の気持ちが分からず、苦しむ一哉にさらなる事件が——!?

(出版社より)

作品情報

作品名
極道と恋と代償
著者
浅見茉莉 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773086027
2.8

(8)

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萌々

(1)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
21
評価数
8
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

お礼は身体で?

蕎麦屋とお客として出会った二人がトラブルから再会してすれ違いながらも
恋になっていくラブストーリーでした。

受け様は、亡き父の師匠でもある蕎麦屋の主人に引き取られ、大学まで出してもらい
それでも、少しでも恩返しがしたいと蕎麦屋で働く事に、しかし、蕎麦屋の主人が
亡くなり、実の息子が跡を継いでくれるまで受け様が店を一人で開いている時に
お客として攻め様は毎週来てくれて、自分好みの味だと褒められもっと頑張ろうと
した矢先に、先代の息子で1歳年上の義兄が、蕎麦屋をたたみ、イタリアンレストランを
オープンすることに、受け様は先代に息子を頼むと言われていたので恩返しの為に
義兄の為に経理からホールまで受け持ち休みなく働く事になります。
そんな時に、レストランに攻め様がやって来て再会するのですが
何も言わずに蕎麦屋を辞めた事で攻め様に対して後ろめたさを感じる受け様

それでも義兄の為に頑張っていた矢先、店に嫌がらせを受ける様に・・・
それはヤクザのショバ代を払わない事からで、受け様は支払おうとしますが義兄が
闇雲にヤクザの所へ行き、拘束されそれを助け出そうとしていた時に攻め様と再会
攻め様に助けられ、事なきを得た受け様はお礼をしようと攻め様の元へ・・・
そこで攻め様の正体もヤクザだと知るのですが受け様は助けられた事のお礼として
手土産と現金を・・・でも攻め様はお礼なら身体でと・・・

受け様は、簡単にそれを受け入れるんですよね~この時点で受け様は好きになって
いたんでしょうね。
でも、それにも気が付かず、受け様はその後も攻め様の所へ行くのですが
今度は身体ではなくて、攻め様が好みだと言っていた蕎麦をお礼にするのです。
自分の身体に自信が無いからせめて、美味しいと言ってくれた蕎麦でのお礼は
受け様の精一杯の思いなんですよ。
そんな二人の肉体を求めない関係がしばらく続いた時に更なるトラブルが・・・

やっぱりまたもや義兄のトラブルなんです、受け様も何処まで義父の遺言に
縛られてるんだろうって思うくらいなんです。
この義兄はイラッとくるキャラなんですよねぇ~
それがきっかけで攻め様への思いを自覚してしまう受け様なんですが更に攻め様に
面倒をかけてしまい、いよいよ受け様の思いが代償行為以外にはなれないと思い詰める
事になるんです。
攻め様も分かってはいてもどうにもならないというか、不器用というか・・・
根本的には受け様の義兄に対する態度が原因なんですよね。
義父への恩返しの為にやってるけれど、義兄の為にはなっていないんです。
後半それを嫌と言う程思い知る事になるのですが・・・・

すれ違ってしまった思いが解けると甘々な関係になる二人です。
全てがいい方向へ向かうハッピーラブなんです。
書下ろしショートはかなりウケましたね。子分さんがほんと哀れでしたもの(笑)

2

こういうのもあるんだ…。

極道に面倒事。
助けてもらったお礼といえば、身体で払え!
………そんなお話なのかと思ってたら、そうではなく。

元々、受・一哉がやっていた蕎麦屋の常連だった攻・極道の橘高。
ある窮地から一哉を救うことになるのですが、そこに下心みたいなのはなくて。
けれど、それでは気がすまないとお礼をしたがる一哉。
物や金銭は受け取らない橘高は、一哉を引かせるために「じゃあ、身体で」というような言葉を発してしまい…。

つまりは橘高に最初の段階ではそういった下心はなかったわけで。
引かせたかったから言っただけなのに、一哉はどうしてもお礼がしたくて「じゃあ…」と乗ってしまうんですよね。
もう、この段階で読み手としてはそれぞれに互いに対するフツー以上の感情があるのは読み取れるんですが。
そうなると、そこからが焦れったいというか。
「恋」には発展していかないんですよね。
一哉はそれを「代償」でしかないと思っているし、橘高の扱い方にもそれっぽいところがあったり。
それもこれも、2人の感情がすれ違っている部分があるからだったりするんですけど。
自覚症状が遅いからそういうふうになっている部分もあって。
なんかいろいろつっこみどころはあるんですが、個人的には最終的に蕎麦屋復帰して欲しかったなという思いも。

あとは「子分の災難」が面白かったです。
本編よりこっちの方が好きかも。
子分がいい子ゆえに不憫というか…。

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