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表題作ドレスダウン

加賀谷隆介 元モデルでデザイナー 29歳
笹生暁 学生モデル 19歳

同時収録作品ドレスダウン

斑目 K+スタッフ
呉羽 K+スタッフ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

将来の目標が決まらないままモデルを続ける暁は、ある日新進気鋭のデザイナー・加賀谷に自社ブランドのイメージモデルに抜擢され…。
(出版社より)

作品情報

作品名
ドレスダウン
著者
神楽日夏 
イラスト
雨澄ノカ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344824805
3.1

(10)

(0)

萌々

(3)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
29
評価数
10
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

切磋琢磨の相乗効果です

今回は、あまり自己主張は強くないが天性の品の良さと素地をもちながらも、読者モデルの延長で男子ファッション雑誌のモデルをしている大学生の主人公と、
元モデルで、映像にも手腕を見せ今度自らのファッションブランドを立ち上げようとするマルチな才能を持った男性との
仕事を通して互いが影響しあい成長していくお話でした。

ネガティブな面はほとんど見受けられず、神楽さんらしいポジティブな姿勢が貫かれていて、とてもそれは潔く心地良いお話に仕上がってます。
普通、こうもイイ子だったりポジティブ傾向のお話だと、つい胡散臭く思ってひねくれた読者の自分がでてきて、そんなのありえないー!ってなることが多々あるのですが、
この神楽さんの他の作品もそうですが、作家さんの特徴としてその前向きな姿勢と爽やかさが全然嫌味じゃなくて素直に受け入れられるのですよ♪
今回は年齢が10以上離れた主人公達ですが、
彼等が仕事を通して真剣に、それをよくしていくために協力しあい、妬み嫉みにも負けず成功させていく姿は、むしろ、自分にも勇気や励ましを与えてくれるものだったような気もするのです。
この作家さんが好きだからというひいき目もあるかもしれませんが、今回もよかったんですヨv

暁は大学生ですが、バイトでファッション雑誌の読者モデルのような仕事をしています。
家も金持ちで恵まれた環境にあり、多分大学卒業するころにはモデルは辞めるんだろうなと漠然と考えていました。
そんな時、突然、暁が憧れる元モデルの加賀谷から新しく立ち上げるファッションブランドのモデルオーディションのオファーに呼び出されます。
他にオーディションに来ているモデルもなく、加賀谷が監督デビューした映画のセットをそのまま再現した部屋に通され待っている間に寝てしまいす。
目を覚ますと、目前に加賀谷が覗きこんでいて、暁は合格を告げられます。
加賀谷のようなファッションをしたいと思っていたのに、自分には似合わないと思い込んでいた暁が、加賀谷のデザインした服を着ると、それはとても良く似合い、フィッティング感想を素直に述べると、それに合わせて改良し更に服が良くなっていく。
そうやって、新規ブランドの一員として加賀谷にもスタッフに認められた暁は、今までの中途半端なモデルとしての気持ちから脱却して、ブランドをよくしたい、一緒に成長させたいと願い作り上げて行くのですが・・・

この暁が憧れだった加賀谷によって自信を得、一生懸命になっていく姿がとてもいいのです。
彼は決しておごり高ぶりません。
それは彼の生まれと育ちにもあるのですが、彼を妬み嫉妬を剥きだしにする他の先輩モデル達との良い対比になっています。
運がいいといえばそれまでですが、彼も努力するからこそ未来が開けて行くのです。
それに男前です!うじうじしない、分別もある、何より賢いです。

そして加賀谷という男性は、とても精力的に働く人間です。
ちょっと頑固で融通がきかないところもありますが、暁の言葉は素直に取り入れる。
彼もまた真摯な態度で男前なのです。

そんな二人で、お仕事ガッツリなので、恋愛は一体どうやって・・・?
と、本の1/2過ぎてもその兆候もない二人にヤキモキ。
でも、ラストは全然不自然ではないのです。
初お披露目のショーが終わってから、というちゃんと一つの事をやり遂げてから互いの心の部分で確認しあうという、公私を混同してないんですよ。

一緒に仕事を作り上げて同じ目標に向かって進んでいく。
そこに互いの良い面や秘められた心が織り込まれて、その仕事をしていく事自体が互いの気持ちを寄り添わせていく過程の何ものでもないのです。
互いに切磋琢磨して、影響を与えあい、そして補いあう関係は、理想の姿でした。
ファッション業界なのに、全然うわついてない地に足のついた作品です。

1

成長し続ける服を君に

ファッションに疎いとこのタイトルになかなかピンとこないです(笑)
モデルさんなんかが服を着崩して独自のセンスを見せるような感じでしょうか。
ドレスアップと反対の言葉ですが、この作品もコンセプトはファッションです。
攻め様が元有名モデルで、映画監督も俳優もこなすマルチな才能を持ってて
常に先を行っているような人物、その攻め様が新たにチャレンジするのが
デザイナーなんです。
そして受け様は読者モデルに毛が生えたような腰掛学生モデルなんですが
そんな受け様が攻め様のブランドモデルとして抜擢されることになるんです。
ストイックで仕事にのめり込むような攻め様に次第に影響されて、受け様は
次第にプロのモデルとして努力していくようになるんです。

元々素直で裕福な家のボンボンなので、もって生まれた気品が備わってる受け様
3年間雑誌のなどで仕事をしてきたんですが、トップになるような欲もないので
業界の汚い姿や嫌がらせや嫉妬とは無縁だった受け様ですが、カリスマ的な
攻め様に見出されたことで、嫌がらせを受けるようになります。
でも、攻め様たちと一緒に創り出す攻め様の服は受け様にとってかなり魅力的で
服と一緒に自分も成長していくように感じ、いつの間にか攻め様の為に出来る事を
考えてる自分に気が付くのです。

更に、自信に溢れ、強引で唯我独尊な人物だと思っていた攻め様の不器用で
気弱なところを感じ取ってしまう受け様。
自分が思っていたほど攻め様は自信家でもなく、自分と同じように悩んだりする
普通の感覚を持っていると知りさらに好意が募るのです。

受け様を取り巻く業界人のトラブルや攻め様の知られざる弱さなんかを背景に
ブランドを立ち上げ、共に育てていくような年の差カップルのラブでした。
受け様の外見を裏切る、男前な感じも素敵だし、攻め様の意外なヘタレ具合も
ギャップがあって面白い感じで読む進められるお話でした。

0

デザイナーとモデル。

大学生兼業のバイト的モデルである暁(受)が、元モデルで俳優で映画監督で新たにファッションブランドを立ち上げた加賀谷(攻)に見出されたことから始まるファッション界のサクセス(シンデレラ?)ストーリーです。

暁が、加賀谷がデザイナーを務めるブランドの『顔』に抜擢されたわけですが、あのオーディション自体は別にいいとしても、肝心の『具体的な仕事の内容』も告げないままに公式発表はどうなんだろう・・・

暁が『発表したモデルが変更になったらイメージダウンじゃ』と言ったのに加賀谷は『途中で変わる方がまずい』と返していますが、だからそれはいちばん最初に(発表前。というかそもそもモデルを依頼するときに)確認しとくところじゃないのか!?
『ビジネス』『プロ』を強調すればするほど嘘っぽいんだけど。

う~ん、何よりももともと個人的に『お仕事もの』がすごく苦手なんですよ。

イヤもう、仕事描写(モデルというより加賀屋のブランドを作り上げて行く過程)があまりにもクドい!

『つまらない・くだらない』わけではありません。仕事関係も(ラブ面はこの際、なんとか目を瞑って)それなりに興味深くは読んだんです。

確かに、暁の加賀谷への憧れの気持ちがだんだん特別になって行くのもわかるんですが、とにかく仕事ばっかりで正直なところウンザリしました。
私は別に、ファッションブランドやモデルのお仕事の裏側が知りたくてBL読んでるわけじゃないんですよ。

キャラクターもストーリーも、特に何の魅力も感じません。そもそもこれホントにラブストーリーなの?

怒涛のような仕事描写を詰め込んで、最後にもうページがないからいきなり(としか思えない)ラブシーンですか。
いったいいつ恋愛の意味で気持ちが通じたんでしょう。以心伝心ですか?


う~ん、まあそこまで悪くはないんですけどね。ラブ面を考えず(・・・だからもうその時点で『BL』としてどうなんだ)、ファッション業界を舞台にした群像ものとしては。
ただ『ラブストーリーとしては』まったく好みとは言えません。別にこれなら読まなくてよかったとさえ感じました。少なくとも新書を買った意味はなかった。


個人的には、同じ神楽さんのモデルものなら『虜にしたい』が大好きなんですよ(←神楽さん作品でもベスト3に入るくらい好き)。
『虜に~』はモデル同士で、設定もストーリーもまったく違うので比べる気はありませんけどね。

それでも、神楽さんの『モデルもの』3作の中では、こちらがいちばん・・・え~、面白くなかったです。

結構好きな作家さんなんですが、その中でも『芸術方面』(モデルではなく作る方とか)を扱う作品は基本的に苦手です。ラブ『以外』がとにかくしつこい・クドイ!←『肌にひそむ熱のありか』が、もう読むのが苦痛・不快なレベル(どうしても再読したくないし思い出すのもイヤなので、レビューもいまだに書けないくらいダメだ)。


一応作家買いなので、こちらも新刊出てすぐに買って読んだんですが、あまりにも何も残らなかったのでレビュー書けなかったようです。←いえ、実はとっくに書いたつもりでいたんですよ。でもまだだったことに気づいて慌てて再読した次第です(ホントに何も浮かばなくて、記憶頼りだけでは書きようがなかった)。

二度目なのに、読むのにものすごく疲れました。何度も中断して頑張ってなんとか読了。もう二度と読み返すことはないでしょう。
評価は迷うことなく『中立』です。それしかない。

ただ『お仕事もの』がお好きな方、特にファッション業界に興味がある方には面白いのかもしれません。


あとはイラスト。
綺麗な絵柄だとは思うんですが、どうも『挿絵』としてはちょっと苦手なタイプです(カラーはいいんだけどモノクロが)。

1

kirara

まりみやさま。

コメントいただいたのに気付かなくてすみません。

ひぃぃ、ごめんなさい・・・あくまでも『私の』好みだということで見逃してください。神楽さんは好きなんです。本当です。

確かに、神楽さんは最近執筆ペース落ちてますよね。応援も籠めて新刊が出れば必ず買ってますし、繰り返しますが好きな作家さんには違いないので(去年末の最新刊も好きですよ)、私も頑張っていただきたいと思っています。

コメントありがとうございました。とても励みになります。

まりみや

ご無沙汰してます!!
相変わらずのバッサバッサの滅多切りレビューに思わず苦笑。
私も作家買いの先生なので同人誌も含め全て読みましたが、神楽先生は独特の世界観があるので好みはハッキリしそうですよね。
kiraraさんは容赦ないレビューが個人的には参考になるので、これからも頑張ってレビューおねがいします。
神楽先生は今後お話を読む機会が減りそうな感じなので、大好きな作家さんだけにがんばってほしいなぁと思う。

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