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表題作傷痕にキス

天童戒・高校時代の同級生 21歳
ダ斉木昴哉・イニングーバーのバイト 21歳

その他の収録作品

  • 傷痕にキス2
  • あとがき(神楽日夏)
  • あとがき(吾妻巳緋)

あらすじ

彼の声が、表情が、仕草が、身体の奥を熱くする――。斉木昂哉は高校時代に1度だけ関係を持った天堂戒を想い続けている。無理矢理の情交だったけれど、彼が見せた刹那の優しさに焦がれていた。思いがけず再会し、会社員を辞めて戒がVIP客であるダイニングバーのスタッフになった昂哉。昂哉を覚えていない様子の戒は冷たいが、そばで見つめていられたらいいと思っていた。ところがある日、苛立ちをあらわにした戒に再び身体を奪われ――。

作品情報

作品名
傷痕にキス
著者
神楽日夏 
イラスト
吾妻巳緋 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796400275
2.9

(13)

(1)

萌々

(2)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
34
評価数
13
平均
2.9 / 5
神率
7.7%

レビュー投稿数4

視線が語るもの

今回は受様の元同級生でダイニングバーのVIP客と
攻様との再会をきっかけに転職したバーのバイトのお話。

再会した攻様と気持ちが通じて同居するまでと
徐々に恋人らしくなっていくまでを収録。

受様はダイニングバーのバイト店員です。
彼がこの店の店員になったのは
忘れられない男が店のVIP客だったから。

受様が忘れられなかった男とは
北欧系の美貌と均整の取れた体躯をもつ
高校の同級生で

卒業目前のある日
酷いやり方で身体を蹂躙した相手で
今回の攻様その人になります♪

もともと受様は
病死した父親の借金返済のために、
進学をあきらめて理系研究所に就職、
事務雑用をしていました。

借金の為にひたすら働いて二年、
やっと返済を終えて心が軽くなった時期に
受様は偶然入ったバーで攻様に再会します。

とたんに湧き起こる熱い思い。

常連らしい攻様の態度を見た受様は
バーのスタッフ募集に飛びつき、
今に至ります。

受様にとってこの種の職種は初めてでしたが、
幸いにも基本はすぐ身につきいた上、
受様の年齢よりも若く見える顔立ちと
潤んだように見える大きな目は
ある種の男達の好意を惹きつける様で
集客にも貢献していました。

そんなある日
バーが改装工事をする事になり、
バーに住み込んでいた受様は
攻様に自分の所に来いと言われます。

戸惑う受様でしたが
バーのオーナーからは
攻様が受様の前の勤め先を知っていた事、
雇用の際の保証人になっている事を
知らされます。

その上、攻様は
受様とバーのなじみ客との関係に苛立ち
スタッフルームで強引なキスと
無理矢理の情交を受様に仕掛けてきて!!

果たして二人の関係の行きつく先とは?!

受様はどこでも人の中心にいる攻様に
自身が惹かれる事は当然だと思えても
彼が自分を好いている等とは思い至らず、

攻様は自分自身の行動に
一切の注釈を与えない為に
二人は互いに好き合っているのに
なかなか落着きません。

そのどっちつかずな様子が結構ツボで
ワクワクしながら読めました♪

同人誌を改稿した為か
受様が攻様で有ると言うだけで
オールオッケーなキャラ故か、

受様と同じ年なはずの攻様が
いつもいつもバーに通ってきていて
最初は何やってる人なのか
ものすごく怪しいのです。

2話目で攻様の素性も判ってからは
こう言う展開もまぁ有りかなとは思いましたが、

背景がはっきりしないのは
ご都合主義に繋がる感じがするので
あまり好きじゃないかな(苦笑)

今回は本作同様、
告白の無いままに関係してしまったカプのお話、
森本あきさんの『恋のかけひき』などいかが?

1

初恋相手は暴君か王子か?

発表は2010年。
作者様のあとがきによると、原型は初めて書いたBL小説で、元は同人誌での発表だったようです。そのせいなのか、いまどきあまり見ないような内容というか、そういう意味では興味深いというか面白かった。

視点は一貫して受けの昴哉(こうや)。
現在ダイニングバーの店員で、常連客の戒(かい)に恋い焦がれて、その視線はまるでストーカー。
一方戒はその視線の意味をはっきりわかっていて冷たい素振り。
…という感じで、ずっと昴哉側の戒への想いを読まされる展開。昴哉の不幸なこれまでの生活と戒への恋心、そして卑屈なくらいの自己肯定感の低さ。
戒は実は高校時代の同級生で、一度レイプもされている相手なのですが…
そして中盤、戒の方から昴哉をさらいに来る急展開。
この辺は昴哉視点ということもあってかなり唐突で、読者も昴哉と一緒に動揺する感覚。

「傷痕にキス・2」
後半になると、戒は昴哉を恋人にして家にも住まわせ、衣食住すべての面倒を見て、バーへの送り迎え、絡んでくる客への牽制までしている。
しかし、ここでも昴哉はなぜ王のような戒が自分に構ってくれるのか、いつこの夢が終わってしまうのか、みたいに考えている。
読者としても昴哉視点なので、戒の真意に不安を抱きながら読むが…
結局戒も不安定な子供時代を送り、今では家族との縁を失ってしまった存在で、その代償で有り余るカネを持っている事や、戒の方こそ昴哉に溺れている事が明かされます。
昴哉に自分と似た心の傷痕を感じた…そんな恋物語、なのかな。

1

低温やけどをしそうな関係?

バーが舞台で、時間帯は夜ということが多いからかもしれませんが、作品のイメージカラーはチャコールグレーから黒といった雰囲気。
主人公達も、感情をむきだしにしてぶつけ合ったりということがほとんどない為、しかし淡々としているというわけでもなく、不思議な作りの一冊でした。

主人公の昴哉は会社帰りに見かけた、高校の時の同級生の威があるバーに入っていくのを見て、いきなり会社を辞めて、そのバーの従業員としてバイトに入るのです。
母は家を出て、父親は高校の時に亡くなり、その借金の返済もちょうど終わった時だったので、なんのためらいもなく会社を辞めてしまって寮も出て、まだバイト採用されるかどうかもわからないのに、ホームレス状態でバーに飛び込むなんて、すごく無鉄砲だと思います。
それほどまでに、どうして威にこだわるのか?
高校時代、友人もない昴哉は、学校の屋上で同級生のやはり一匹オオカミ的存在の威と少し言葉を交わすようになっていたのですが、父親の葬儀の翌日、突然威に犯されて、威を無視するようになり、卒業と共にそのまま音信不通だったのに。
バーで顔を合わせても、まるで知らない人のように接されていたのに。
それが、店の客で昴哉に好意をもっている男が近づきだしたら、急に威が接近する気配を見せ出して、しかも、嫉妬したあげく再び強姦のように店のパウダールームで襲ってしまったり。
まあ、結局威も昴哉も高校時代から好きだったのでしょうね。
威は昴哉と同じ歳のはずなのに、ものすごく大人である意味オヤジくさい。
男は黙って態度で?って感じですか。しかもオレのものって決めつけてるし。
昴哉も、刹那的生き方で威を視線でずっと追ってるだけで、何を求めるっていう風でもないのですが、その視線は曲者ですよね。
知っているものだけが知っているっていう、二人だけの世界な感じで、読者おいて気ぼりな風がなきにしもあらずです。

「傷痕にキスⅡ」で二人は同居を始めるのですが、威は昴哉をとても大事にして番犬のようですよ。
でも店で襲って以来、身体の関係は昴哉が怖がってしまって結べないでいるのです。無理矢理しないところも優しいかも?
昴哉は仔犬かウサギか仔リスみたいな子なので、結構粉かけられるようで、そんな男を二人でやりこめるということで、本物の恋人になるという、お話です。
この『Ⅱ』で、威の過去や昴哉の詳しい過去などがわかってくるので、”あー、それで二人は惹きあったんだ”とやっとわかることができます。
それにしても、盛り上がりを見せるはずの事件も何だか二人の温度の低さでさほど盛り上がらずにスルーっと終わってしまって。
全体的に温度が低くて、若いのにこういうカプも珍しいのかな?と思ってしまいました。
もっと昴哉がワルだったら面白かったのに・・・(独り言)

2

甘やかしすぎ・・・

う~ん!!結構面白かったですね~・・攻めが大好きでずっと見つめている受け!受けが大好きで甘やかす?攻めのお話ですね~・・
最初は結構2人の関係が分からなくってすっごい引き込まれました・・最初は攻めの気持ちが分からないんですが・・な~んだそんなに受けが好きなのか!!って感じですね~・・
それが分かってからは・・きつい事いっても読んでるこっちは、甘々のセリフにしか感じらないぐらい甘い感じでしたね~。昂哉は男にモテますね・・・戒とは高校時代の同級生なんですが・・
過去にちょっと関係がある・・昂哉は戒の事が好きだった・・
偶然戒を見つけたバーでバイトを始める、昂哉。
って戒が昂哉の事を好きでなければ、ただのストーカーですよね~・・怖い怖い・・
結局想いが通じ合って・・でも、二人の関係のバランスは私的にはあまり好みじゃなかったですね・・
昂哉が戒によかっかってる・・まではいかないんですが・・甘やかされてすべて与えられて・・って感じですよね~
これが年の差とかそういう設定だったなら納得いったんですが、同級生で、しかも戒は自分が働いている?訳じゃないみたいなので・・・どう?なんだろう・・って感じですね・・「傷痕のキス1」と「傷痕のキス2」とがあるんですが・・「1」だけで終わった方が良かったような?感じがしましたが・・「2」のちょこっとを「1」に組み込んでしまった方が私は好みかな?って思いました・・

2

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