どうしてあの時、離れてしまったんだろう。

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作ブロッサム・ピリオド

高校3年生 阿部
中学1年だけ同級で再会した高校3年生 三津谷

その他の収録作品

  • 描き下ろし epilogue

あらすじ

阿部くんは俺に優しくしてくれたからーー。
中学1年の1年間だけ仲良くしていた三津谷と、高校3年の春、偶然の再開を果たした阿部。
以前と変わらない笑顔を見せる三津谷に安堵するも、ふとした瞬間に感じる違和感に戸惑いを覚えていた。
そんな折、「三津谷の背中に火傷の跡がある」という噂を聞いた阿部は
自分が三津谷から離れた、その理由を思い出す。
忘れていた記憶、傷ついた心、笑顔の裏に潜む想いーー。
阿部と三津谷、それぞれが抱える秘密とは?
描き下ろし続編17P収録!
(出版社より)

作品情報

作品名
ブロッサム・ピリオド
著者
嶋二 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784864420426
3.3

(48)

(8)

萌々

(12)

(21)

中立

(5)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
17
得点
156
評価数
48
平均
3.3 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数17

ツンデレ受けと一途攻めがいい

ツンデレ受けくんが素直になるとこかわいい。一途な攻めくんが健気でいい。

0

苦い思い出と不安な未来を抱えて…

こんなに痛い話だとは思わずに、軽い気持ちで読み始めてしまいました…
ブロッサム・ピリオド…開花。
恋の花と解釈していいのでしょうか?
ピリオドがあると言うことで、わたしの独自の解釈は「最後の恋」です。

中学一年の時に仲良くしていた阿部と三津谷。
三津谷の家が訳ありだという噂を聞き、それを鵜呑みにした阿部は三津谷を避けるようになってしまう。
それから疎遠になった2人だが、高校3年生で同じクラスになり再会する。

おそらく阿部はずっと三津谷が好きだし、三津谷も阿部が好きだったのでしょう。
再会して距離が縮まり三津谷の事が好きだと自覚する阿部だが、三津谷は辛い時期に自分を突き放した復讐のために阿部に近付いたのだった…。

三津谷は辛い過去を引きずっています。
助けて欲しい時に助けて欲しかった阿部に拒絶されて、心が折れてしまったのだと思います。
それでも、阿部は三津谷の手を再びとります。
助けるのではなく、寄り添って生きていくために…

最後は、これからどうなるんだろう?と不安を抱えた2人と共に、読者もまた不安に思いながら読了することでしょう。
作者さまは、疲れるのもまた運命…と仰っています。
読者も2人の今後を妄想し疲弊してしまうかもしれませんが、それもまた今作を読んだ運命ということでしょう。
この恋が、2人にとっての最後の恋になりますように…

0

この先は!?という終わり

つらい話でした。
魂の救済です。

中1のときは仲が良かった阿部と三津谷。
三津谷の家の事情が陰で囁かれるようになって疎遠になっていたものの、高3で同じクラスになって…。

5年間の恨みつらみをはらさいでか、という。
大人の目で読むと、阿部はすごく自分勝手でひとの気持ちが分からない子に見えます。
仲が良かった子の両親のこと、父親からの暴力のこと。噂話で聞いたなら逃げないで本人から話を聞いてみようとは思わなかったのか。話を聞くのが重荷なら、ただ側にいてあげられなかったのだろうか。
そう思ってしまうのはいろいろな経験を重ねてきた自分だからで、13歳の子供だったらそこまでの重荷を一緒に背負える覚悟も自信もないものなのかもしれないと思いました。毎日が楽しければそれだけでいいという時期ですもんね。陰口を叩かれる対象に近付けば自分も巻き添えを食らうという程度のずるい処世術は身につけ始めた頃。避けるという選択は、三津谷への友情よりも自分可愛さが勝ってしまった幼い判断力のせいだったんだろうなと思います。

思うけど。
三津谷のモノローグが出てくる辺りからもうつらくて仕方ない。
「もっと苦しめ」という醜い気持ち。「阿部くん、助けてよ」という当時から変わらずに叫び続けていたであろう胸の奥の思い。
助けてほしかった、ただ隣にいてくれるだけで良かった相手に避けられて、父親が連れてくる女の人に体を汚されて、父親は頭ごなしに殴りつけてくるだけ。誰にも声が届かない。そのつらさや憎しみがすべて、「あのとき隣にいてくれなかった阿部くん」へ向かってしまった結果の歪み。
つらい。痛い。読みながら、何というストーリーを考え出してしまったんだ、嶋二先生は!と思いました。若さは宝物でもあるけど、同時に無力であることをまざまざと見せつけてくる展開でした。

ただそれだけに、終わりがあっさりすぎて。
あそこで終わって良かったのかもしれない。
しあわせになれた三津谷をもっと見たいというのは読者のわがままかもしれないけれど、それからの2人がどういう方向性になるのかもう少しだけ知りたかったです。

BLというよりは人間のこころの話で、萌えるというより刺さる作品でした。

0

夢中で読んでた…のに!

うわぁ……ここで終わり?という感想。
物語にどっぷり浸かっていただけに、非常に消化不良な、スッキリ感が無い。

作品自体がすごく良かったから、二人の完結まで見たかった。
この先は読者にお任せ……というやり方もあるのかもしれないけれど、どうしても投げ出された感が強い。

ホント、夢中で読んでたのになぁ……
高校生らしい、世界がまだ閉ざされた中で、必死に自分の境遇と気持ちに折り合いをつけて生きている三津谷が痛々しくて、阿部に彼を救って欲しいと思いながら読んでた。
そういう意味では、救われたのかもしれないけれど、私にはまだ二人は未完に読めた。

……というか、単行本書き下ろしの、エピローグがない方がすっきりしてたかも!
あれで一気に不安になっちゃったよ!
だからもやもやしちゃたのかも!

本編がとても良かったから、評価に迷った。
結局、萌、という意味ではここに落ち着いてしまった「萌×1」

0

近づいて、離れて、また近づいて、そして

1冊丸ごと表題作です。連載全7話に描き下ろしの「Epilogue」までぎゅうぎゅうに詰まっています。作者様のあとがきコミックやコメントはカバー下にあります。

中学1年生の時に親しかった阿部(攻め)と三津谷(受け)。クラスが別れたことをきっかけに疎遠になってしまい、高校で再会しますが…という話です。三津谷に惹かれる阿部の戸惑い、三津谷の素直になれない哀しさがセリフでなく表情で語るのが素敵でした。

高校生カップルの未熟さが愛しい作品です。
まだ未成年。高校を卒業したからと言って、自分の意思で行動ができる大人ではない。これからの二人の関係はどうなるのか…。辛いわけじゃないけど切ない余韻の残るラストでした。で、カバー下を見たら作者様から「続きはどうぞ妄想で補ってください」とありました(笑)

三津谷は、気持ちはともかく言動は受け身姿勢なので、阿部ががんがん追いかけていかないとダメだろうなぁと思いました。本編でも近づくのは阿部からだったので。三津谷が臆病さを払拭して、「俺の男だ」と言い切れるまで阿部には頑張って欲しいです。浮気とかしたら直ぐ逃げちゃうからいかんよ。そんなもろさを感じるカップルでした。

0

妄想

作者のあとがきにもあるけど、妄想で補います。でも、続きが読みたい。

三津谷は病んでるけど、そんな受けが好きだ。
背中に火傷とか、父から虐待とか、初体験が父の女の人だったとか色々あるけど、父から性的虐待を受けてなかったのが救いだったと思う。

これ、口絵は二人が成長した姿なんだろうか。
各話の表紙絵が切なかった。ほぼ、三津谷一人で5話目で阿部と一緒に描かれていて、良かった良い方向にって思ったら、6話目でまた三津谷一人。

しかも、「飛び越えれば、おしまいだ」と書いてある。まさか、自殺するのかと思ってしまった。

卒業してまた離れてしまうけど、作者のあとがきにもあるけど、三津谷が離さないってことで阿部が追っかけて同棲生活でも、すれば良いと思う。
二人で幸せになってほしい。

0

私は好きです

三津谷のヤンデレ感がたまりません。
ほわっとして可愛いのに、実は阿部に対する執着心・復讐心を胸に秘めてる所が良いです。それだけ長い間相手を憎んだり執着するってことは愛がないと出来ないですよね。
三津谷の思惑がわかった後の阿部の心情もリアルで切なかったです。三津谷が阿部に復讐して傷つけることに成功したはずなのに、やっぱり寂しさ、辛さは消えるどころか強くなって一人で自慰しながら「阿部くん、阿部くん・・・」と涙するところは胸が痛くなりました。最後三津谷が阿部くんに自分をさらけ出せて良かったなぁと思いました。

0

切ない青春

1冊、ひとつのストーリーです。

中学の時に友達だった、阿部と三津谷。
高校3年になって再会した二人が、三津谷の辛い過去を通して
どう変わっていくか、どう二人の気持ちが重なっていくのかが
このストーリーの読みどころです。

中学生の時に仲が良かった二人ですが、ちょっとしたことから離れてしまった。
あれから、三津谷のことを忘れかけていた阿部だったが
高校3年になって同じクラスになり、あの頃のことを思い出すと同時に
三津谷のことが気になりだして・・・・
三津谷の方は、阿部のことを嫌いだと思い込もうと必死になるが
本心では忘れることができず、再開してしまったことを恨む毎日。
阿部を傷つけたい、そう思いながらも心では求めてしまう。
阿部は、過去の自分のしてきたことに反省しつつもどうしていいかわからない
そして、本当は三津谷との離れてしまった距離を縮めたい。

そんな二人の子供でもなく大人でもない微妙な年齢の
揺れ動く切ない気持ちや、青春真っ盛りの男子のどうしようもない本能を
絶妙に表現されていると思います。
二人の距離が、体も心も・・・近づいたり離れたり
すごく揺れる心情が、読んでいる側に伝わります。
だけど、あんまり長くて途中じれったく感じるところも・・
最後、せっかくわだかまりが取れて気持ちが通じ合ったのなら
もう少し、甘々な感じのハピエンでもよかったかも。
Hシーンは何度も出て来るけど、これでもかってほど、甘ったるい最後にしてほしかったかな。

最後にボタンをもらって強がりを言うけど、
高3になって初めて阿部に声をかけられたことを思い出して
声を殺して涙を流す三津谷に、グッと来て読んでいるこっちも涙してしまいました。

2

思春期の不安定な色気

心の闇を抱えたミステリアスな受けと、彼を救済しようとする攻めの王道の物語です。
攻めが持っている心の闇やその救済までの過程は、もしかすると腑に落ちないまま進んでいってしまうかもしれませんが、とにかく受けの三津谷くんが色っぽい。
冒頭で三津谷くんが「セックスって気持ち悪い」というセリフがあるのですが、そんなセリフを言わせておいてからの後半の展開が…。不安定で支離滅裂な思春期の男の子の危うさがすべて色気に昇華されているので三津谷くん大好きです。
個人的に暗いお話は苦手ですが、つらいほど重苦しくもならず、さらに分厚くて読み応えのあるよい漫画だったと思います。

1

アンバランスでミステリアス

ヒューマンドラマ風の暖かい作品で、
良作だと思います。

三津谷(受け)がミステリアスです。
物事を達観しているような、
整った風貌のクールな男子です。

ただし、心は不安定。
あることがきっかけで
自分から離れてしまった阿部(攻め)に
暴言を吐いて傷つけたり、
かと思えばビッチの一面もあり。
とてもアンバランスに思えます。

この掴み所のなさがいいのかな。
自分の好みとは違いますが、
これはこれでありなのかも知れない。

三津谷の過去のエピソードは
強烈なトラウマだと思いますが、
描かれ方はアッサリで薄味です。
全体の空気にサラリとなじんでいて
キャラに深みを与えています。

二人で授業をサボって、
使われていない教室で
初めてのキスはキュンとしました。
この作品で一番好きなシーンです。

ラストは、
本当はずっと寂しかった三津谷が
阿部の腕の中で涙をこぼして
とっても素直になっちゃうのですが、
…うーん、ちょっと唐突な気がしました。

きっと、三津谷は
デレが最後に一回しか来ない
ヤンデレなんだろうと自分的に結論。

せっかく厚い本なので、
女子キャラとのイザコザに頁を割くより、
もっと二人の心がシッカリ繋がる
暖かなエピソードを沢山見たかったです。

2

ぎゅっとする

率直に大好きです
コミックになるのがどれだけ待ち遠しかったことか

学ランというだけでも相当テンションあがります

黒髪で影がある美人君三津谷くん
短髪長身明るめの阿部くん

2人の葛藤という部分だけではなく誰もがふと切ない過去がある部分であろう黒い思い出
それに非常に胸が痛くなりました

真意をたしかめずとも否定されることなく、広がる噂や、昨日と何が違うわけではないのに
避けてしまう瞬間

した方は忘れてもされた方は忘れないと思います、それが好意がある相手ならなおさらです

三津谷のその黒い影は癒されることはずっとないと思いますが
恨むほど好きだった気持ちが
薄れゆくほど阿部くんに
大好きと言ってもらって
抱きしめてもらえるといいなーと思いました

明るい能天気な話ではないので
気分がすっきりしない方も多いのではないかなと思いますが

私は、誰でもが犯す過ちや行き違いがいの過去という点においても
考えさせられたので
三津谷に出会えて良かったと思えました

3

切ない?ヤンデレ系?

何だろう?受の三津谷の性格に馴染めなかったなぁ・・・。
過去の執着とかこだわりとか、色々あるんだろうけど、
阿部を傷つけるほど大きな理由にはならないよなーと。

だって言葉をかけて欲しかったって言っても、
じゃあ言葉をかけてたらどうだったっていうの?何かが変わったの?嬉しかったの?
それでアンタ満足したんかい!と三津谷につっこみたいですね。

三津谷の頭ならそこまで突き詰めて考えて「ですよね~それでどうなったって訳でもないよね~」
ってなりそうだけどなぁ。

三津谷みたいに淡々とした感じの子があんな風にビッチを演じるもの突拍子なく感じるし、
全てに一貫性が感じられませんでした。

阿部ちゃんのキャラは割と固まってる気がしましたけど、
三津谷のキャラは固まってなかったなぁ。

とにかく建設的でない展開がもうダメでした。
これじゃ三津谷は精神年齢が低くて、相手にかまってもらいたい時にこんな幼稚なやり方しか思いつかない病んでる子、としか思えない。

阿部がまともな子で良かった。正直お似合いのカップルでも無かったな・・・。
なんといいますか、結構ページが分厚かったので、もう少し違う視点とか展開で、有意義なページを稼いで欲しかった気がします(何か言い方酷く感じられたらすみません)
でも絵は好きでした。こまもゴチャゴチャしてなくて見やすいし。
ん~なんかもったいないですね。

4

秘密を知るということ

 中学生の時、三津谷に関する周りの噂に惑わされて、いつの間にか話さなくなってしまった阿部。高校3年生の時に二人の交流は再開するものの、どことなく素っ気ない三津谷。
二人とも教室や自宅などにいる場面が多いのですが、二人きりになれる場所として空き教室がよく出てきます。そこでは、教卓の中で寝ていたり、窓際で昼食をとったりしているのです。そのうちにだんだんと、阿部はどうしてあの時、三津谷の話を聞かなかったのかとしきりに後悔していきます。そして、三津谷は、せっかく阿部と仲良くなれたのに、最後にはわざと嫌われるとしか思えないような態度で阿部に接するのです。そして、阿部がどういう反応をするのか、出方を伺っているように思うのです。
 私は、三津谷が心の傷を阿部に気づいて欲しいと願っているように思えて仕方がありませんでした。子どものころに降りかかった理不尽なことが、自分の中で消化できていない三津谷です。阿部と体の関係を持って幸せと言うよりも、それ以上にただそばにいるということが、三津谷が一番望んだことだったのかも知れないと思いました。お話自体は簡単なストーリーなのですが、読後は、なぜかとても切なくなるお話です。

2

恋の在処

これだけの厚い本で、お話1本なので、とても丁寧にじっくりお話は進んでいきます。

片方は自分の気持ちが恋愛と認識しているけど、もう片方はまず自分の気持ちが恋愛なのかを認められるかどうかって所から始める、ジリジリパターンは好物ではあるのですが、この二人の場合、そもそも三津谷にそれほどの強い気持ちがあったのかどうか。
阿部にしても、場の雰囲気に飲まれて単に性欲が暴走しただけのような気もするし。
なんとなし、雰囲気はシリアスっぽく切なげだけど、やりたい盛りのお年頃、難しいこといわないで、欲望のままにやっちゃているだけって事でいいんじゃないかなぁ。
まあ、阿部くんには、ご愁傷様って感じだけどね。

2

もっと強がってほしかったかも…

作家買い。
ストーリー重視の作品を描く作家さんですが、シチュとか設定を深く考えすぎなのか、時々違和感を感じることがあります。今作はそっちのパターンでした。。
こういう過去があるから、こういう思考回路で、こういう行動にでるのだろう…と、一応つじつまが合うように理由付けされているので、気にならない人は気にならないのでしょうが…
はたして、この子は本当にこういう思考回路になるかな…?
とか、物語を読んでキャラを知っていくうちに納得できない部分がでてきたり。
キャラに感情移入できないなんて、個人的な感覚の違いなのでよくあることだけど、シリアスで深いストーリーなだけに今回は気になりました。

でも、基本ノンケな男の子が友情や恋愛の狭間で戸惑うのは好きなので、そういうタドタドしさが出ている攻の阿部はよかったです。
また、受も淡白そうなルックスとは裏腹に、セックスに積極的だったり飄々としているところは魅力的だった。
でも、過去に、他の同級生と同じように自分から離れていった阿部に対する恨みがましさとか、ちょっと重い。
なんというか…もっとこっちが心配になるくらい独りで強がっていてほしかったというか…。
想像以上にもろく、音を上げるのが早すぎたかなぁ…という印象です。
悲劇のヒロインぶってる、というと言い過ぎかもですが、多少そんな風にみえなくもないというか…
まあ、個人的な好みの問題だと思うので、実際は同情すべき余地のある三津谷に好感をもてる方のほうが多いと思います。

比較的長いお話だし、感情の動きなど丁寧に描いているので、過去のトラウマなどの設定が苦手でなければ楽しめるかと。ヾ(・∀・`o)ノ

《個人的 好感度》
★★★・・ :ストーリー
★★・・・ :エロス
★★・・・ :キャラ
★★・・・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

3

ん~

カバー下の1頁の漫画なのですが、このぶ厚い1冊のお話がぎゅっとそのままわかる仕上がりなのではないだろうかと思ってしまいました。
なんだか好き。
大事なもの、ちゃんと育てて、手折って悦に浸る。
けれど全てを失ったとき、とてつもない喪失感に~

お話は、過去から現在。
一時の感情で離れてしまった距離。同じクラスになった二人
もとの関係に戻れたのかと思えば・・・
復讐のつもりで近づいてけれど~な受が切なかった。
淋しい
淋しい
淋しい
裏切った相手を今度は
というか、これ続きもの?じゃないのよね。
もう少しラブでハッピーでわかりやすいエンドがみたかったかな

2

それは本当に恋なのか?

またまた嶋二さん、切ないなー。
本の厚みにこれはひょっとして何か色々とあって、ひょっとして彼等のその後なんかもあったりして思いっきり幸せで笑えるものは待っているだろうか?と長編なだけに、色々と期待に膨らんで読みました。
何か辛いなー、、、切ないなー、、、
阿部君も悩むけど、基本は明るそうな子だからちょっと救われてるけど、三津谷が微笑む度に切なさが増すんです。
ラストは吹っ切れた三津谷君がいたけれど、彼の寂しさは阿部君によって救われる事は多分できたのだと思うけど、
だけど、彼等の旅立ちで終わっている。
はっきり明確な何か約束があるでもなし、彼等はというか三津谷くんは特に、新しい未来を歩いて行くんだな。。。と、
わかるのはただそれだけ。
雰囲気と心情を味わうという点ではとてもじっくりと心の動きを見せる物語だけど、
きちんとした幕切れと決着が欲しい人には物足りないかもしれない。
自分は、こうした読者に託した幕切れは決して嫌いじゃないけど、
最近の嶋二作品は切なさを訴えるものが多くて、食傷気味ではあったのだが、これはちょっと好きだったかも。
三津谷くんのやりきれなさが感染するような気がする。

教室の出入口でぶつかった時に落とした教科書を拾ってもらった時に久々に呼んだ三津谷の名前。
阿部は中学校1年の時三津谷と同じクラスで確か仲がよかったはず。
だけど、どうして話さなくなってしまったのか自分でもよく覚えてない。
三津谷に連れて行かれた鍵の壊れた空き教室で一緒に授業をさぼるようになり、そして三津谷とまた話したり一緒にすごすようになるのだ。
三津谷と親しい時間が増えてくると三津谷の事が知りたくなる。
そんな時にクラスメイトから聞いた三津谷の背中の傷の話。
その背中が見たいという欲求が、次第に欲情の色を含んだ欲求にすりかわっていくのは時間はかからなかった。
葛藤しながらも、三津谷の過去を聞かされて思い出した時、阿部を襲うのは彼の話しを聞いてやればよかったという後悔。
一度始めてしまった関係は、三津谷の積極的な誘いによって、阿部には「好き」という感情にかわっていき、とうとう体を繋げた時、三津谷から発せられる残酷な言葉。

自分の気持ちを素直に言い表すことのできない三津谷が憐れだ。
親しみを憎しみに変え、復讐にしてやろうと思わせるほどに、彼はそんなにも孤独であり続けた事がとても悲しいのだが、
それは或る意味、歪んだ執着だったのかな?
三津谷は阿部に助ける言葉を掛けてほしかっただけなのだ。

それについて、二人が激しく口論したり、恨みに思ったり衝突することはなく、その後の時間において彼等は彼等なりに自分の気持ちにきがつくという冷静機関を置けている。
そして言えなかった言葉、言いたかった言葉を発することで、その過去が霧散してしまうわけではないのだが、あの中学一年のときから高校3年までの6年間の時間が急激に埋まった感覚を与えました。

三津谷の好きも、阿部の好きも、何気に恋愛とはニアでもあり、友情の濃いもののような気がする。
ひょっとして恋人の始まりというより、親友のやり直しなのではないだろうか?
この先は、彼等のみぞ知る。。。

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP