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大人になって、苦い経験や思い出をふっと思い出すということは良くあることです。
ただそれを良い方向に持っていけるのは一握りどころかほとんどいないのを考えると
主人公の穂村くんと先生は本当にラッキーなんだなと思います。
穂村くんの表情に10年前の中学生時代と同じ
自信のなさや、幼さを感じるのは本人も気づかないところで彼の時間は10年前で止まっていたからなんだなあと。
先生と再会した次の日、先生の家を出る穂村くんの表情はお話が始まったころに比べて
大人になっているのがちょっと嬉しかった。
松尾さんの描かれるキャラクターの体型って華奢で折れそう、というわけではないし
むしろどちらかというと筋肉質なのに先生の色気が凄い!
とあるシーンでの先生のおしりに目がいってしまいましたw
結構BLでまったりとした事後って描かれることってないのでそこも新鮮でした。
表題作もとっても良かったのだけれど
松尾さんは留学経験がおありなのか、旅行が好きな方なのかはちょっとわからないんですが
外国の描写が秀逸だなあと改めて思った「Cafe' winterreise 」が個人的には一番好きです。
恋になる一歩手前の、むしろ友達に近い関係が見ていて心地よかったです。
情熱たっぷりのお話もいいけれど、少しづつお互いを見つめていく二人が可愛い。
サッシャみたいな色気むんむんの主人のいるカフェがあったら通いつめます絶対w
最後の連作はアホの子礼賛漫画(*・ω・*)
長髪好きなのでマギの髪を下ろすシーンは興奮しっぱなしでした!!!
前作も絵の素晴らしさに感動したのですが、この本も「絵の力」が素晴らしい。
もちろん、ストーリーあっての絵な訳ですが、この「絵の力」のおかげで、ストーリーがくっきりと立ち上がってくる。
表題作は特に。
表題作の二人は、顔の造形、表情共に、少女マンガとしての最高水準の日本人顔だとおもう。
そして、この二人の、骨格やプロポーションがストーリーに与える力!
再会シーンの、穂村が玄関ベルを押すページから玄関を開けて桐秋が出てくるまでの3
ページ。
この感動は、この「絵の力」あってこそ
背景の取捨も過不足なく、パースも正確。
少女マンガに重要なのは、実は、背景に何も描かれていないコマの存在だと思っているので、「背景の取捨に過不足がない」っていうのは、私にとっては最大級の褒め言葉。
最高です。
こういうのを望んでいたのかも、と思わせてくれた作家さんです。BLコミックというよりは少女漫画を彷彿とさせます、しかも1980年代によく読んでいた頃の。
はい、BL漫画だよっ!とストレートに提供していただけるのは、探す時間や手間なく好きな作品を手に入れることができて非常にありがたいです。でも、全く予期せず読んでいてふとBLを想起させるシチュエーションに遭遇してしまった時のドキドキ感、というのが一番興奮するかも…てか、してた!とこの作品を読んで自覚しました。
表題作以外は海外ものとファンタジーです。表題作ですごいと思うのは、登場人物以外に全く女性が出てこないとか、出てくる人物みんながみんな同性に惹かれている狭い世界であるとか、主人公がものすごいトラウマを抱えているとか極端な環境設定なしに、この現代日本を舞台に自然にBL世界になだれこんでいっているところ。画はすっきり端正です。(でもなんか懐かしい感じがする。。)そして読んだ後、とっても優しい気持ちになります。この方の作品は全て読み尽くしたい。
男性同士の恋愛である必要はないんじゃないかと思うくらいナチュラルすぎて、逆に全然そそられんわ!と思う方もいらっしゃるかもしれません。完成された世界観の小作品や、安心できるストーリーが読みたい方にオススメです。
今回も先生生徒ものとは聞いてたけど、前回の教授とはまったく違うタイプの美術の先生と中校生!
しかも小さな田舎町の町長の孫で優等生です。高校受験を控えた純情な中学生の悠弥が、ちょっと風変わりで美しい美術の先生と美術室で過ごすひとときに憩いを求める…。ただ一緒にいるだけで幸せだったのに、まあそりゃ大人から見たら先生がたぶらかしたってことになるよねえ。まあねえ。
突然田舎町から姿を消した先生のことがずっと胸に燻っていた悠弥が、10年後に偶然先生の個展をみつけるといった再会の仕方もいいです。
社会人になった悠弥と、様々な事から逃げてきた先生との偶然の出会い。
でもまるで再会があることを信じて待っていたような先生にちょっとジーンとしちゃいました。
それにしたって再会したあとの話が短くないですか?
描き下ろしみたいな話もっといっぱい読みたいですよ。
次のドイツのお話も、魔法使いのおじさまと狼小僧のお話も続き熱望!
どれもゆったりと優しく切ない上質な短編集ですが、もっと読みたい~。
もう一年以上前になるのですね。
本屋さんで表紙のカラフルさに一目惚れして買いました!
中身はもちろん漫画なんでモノクロなんですが。
不思議なくらいに色が見える気がする作品でした。
私もむか~し、美術の端っ子くらいは勉強した人なんですが。
残念ながら、油絵はやったことがなくて。
いまでも油絵は憧れの存在やったりします。
この主人公たちは、中学の時に東京から来た美術教師とその生徒。
十年後の偶然の再会で、懐かしい油絵の具匂いが漂います。
人の記憶って、相手の顔は段々あやふやになっても。
色・匂い・音・味・感触など五感の情報は、鮮明に残りやすいって聞いたことがあります。
主人公の穂村くんにとって、中学時代にほのかな想いをよせていた美術教師の桐秋先生との記憶。
いつも鮮やかだった先生の服の色、美術室の絵の具の匂い、窓からの景色の変化。
ふと、過去の想いへタイムスリップするキーワードが、読む側にも色や匂いを思わせます。
物語の中の二人だけではなく、こちら側にも記憶の世界を呼び起こして引き込む世界観は、素敵でした♪
そして、この主人公二人の肉体美!!
普段洋服で隠されたものが見えた時、綺麗だなぁ~、と思いました。
祭りの時に男性の筋肉が、浴衣の裾や袖がめくれる度に見える時。
あのドキドキに似ている気がします。
私のツボまでガンガン刺激してくる作品でした。
このほかには。
ドイツ旅行へ行った青年とカフェの店主のお話。
狼と魔術使いのお話。
どちらもやはり大好きな作品です!
悲しいお話の部分が、不思議なほどさらりとした感じに描かれていたりするのですが。
それが不思議に心に残ります。
桐秋先生の笑顔もそうだったように…。
忙しくて目がまわる時、過去に「神!」と思った作品を引っ張り出して夜ふかししたくなる。
そんな大好きな作品のひとつでした♪
rose-lilyさん
>色・匂い・音・味・感触など五感の情報は、鮮明に残りやすいって聞いたことがあります。
本当にそう思いました。
中のページにはもちろん↑上のどれも無いけれど、松尾先生の作品には、ちゃんとそれらを感じることができます。
rose-lilyさんのレビューを拝見したら、大事にしまい過ぎて部屋の何処かにはある(なので、直ぐに読めない)、コレをすぐ読み返したくなって、只今、困&イラってなっています;わーん!
橘盾^^;