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4作品収録された短編集。
短いですがどれも文章力がやたらと高くて、1作ごとに作風がガラッと変わります。山藍紫姫子先生の圧倒的な文章力に脱帽です。すばらしい作品集だと思いました。
「クリームな僕」
オークションで落札された無垢で純粋な猫耳美少年が調教開発される話。リバ、3 Pありでめちゃくちゃエロくて最高でした。
「ディナーには僕を」
万引きの冤罪をかけられた中性的美少年が警備員に捕まって、尋問(言葉責め)されながらめちゃくちゃにされる話。これは短くてものたりなかったです。
「天児」
朱雀楼という売 春宿で体を売る少年の話で、語り口調で古めかしくて面白い。
主人公がモブにめっちゃくちゃにされる内容で、どエロいんですが文学的であまりエロく感じないです。
「妖精王子東京へ行く」
妖精画家の主人公がヒョンなことから妖精の王子様を捕まえて家に連れて帰り、奇妙な同居生活が始まります。妖精と画家のケンカップル、意外な展開で笑えました。
「耽美の女王・山藍紫姫子」作品!と表紙を見ると、え⁇と驚くような。
ネコミミ〜〜⁇
「クリームな僕」
設定は未来。
性奴、として造られたキャット・ピープルの猫型少年、ミナト。
ただ可愛がってくれた所有者の女性が亡くなってオークションにかけられ、買われた先で今度こそ本当に「性奴」として調教されることになる…
ショタで無垢で可愛らしいミナトがアレコレされて、それが知識もなく語彙もないミナトの視点で語られる背徳性。
「ディナーには僕を」
どこか不思議な白昼夢。
高校生の少年が本屋で万引きしたと捕らえられ、身に覚えのない本がバッグから出てくる。
巨体の警備員は身体検査をすると称して、服を剥ぎ取りユニットバスに押し込めてくる…
これ怖かったー…!
どこまでが現実でどこからが幻影だったのか。それとも心の奥底の願望なのか…?
「天児」
鎌倉時代…?
稚児の娼楼の1番の稼ぎ頭・安珠の、数々の悲惨な体験。
双子の妹は帝の后。妹の穢れをその身に引き受ける「天児」として、これでもか!と陵辱されるシーンが続きます。
ラスト安珠は幸せになれるのですけれどね。(イラストは女の子的)
「妖精王子東京へ行く」
虫サイズの妖精の王子をいじめる、妖精画家の武彦。
呪いをかけられて、今度は満月でムッキムキに変身した王子にヤられまくる。
その後も満月の度に…
だけどだんだん気持ちよくなってて。
…ギャグっぽくてこれはこれで面白いです。発想が楽しいです。
山藍先生の幅広さに感服。
この4作でそれぞれのショタで、作品ごとに文体も全て違う。やっぱりさすがだ〜!
短編集ですが、表題作はかなりショタチックです。
キャラクターが可愛くて口調が幼児ぽく女のコぽいので読み手を選ぶかもしれません。
設定は愛玩具として買われてしまった主人公、というものですが、えろえろだけど本人は無邪気で楽しんでもいますので思っていたよりライトなお話でした。嗜好が合えば楽しいお話だと思います。
2つめも少年受けのお話で、ひたすら攻められるショートストーリーです。内容よりプレイを楽しむお話かと思います。ですが、これが一番好みだったかも。
でもいいところで終わっているので残念でした。もう少し読みたかった!
その他、時代もの、ファンタジーなどバラエティに富んだ内容になっています。最初の2つが特にえろ度が高めでした。
作者さんご本人はこのお話を書いたことをすっかり忘れていた過去の作品と言ってますが、きっとその時は楽しんで書いたんだろうなぁというのが伝わってくる感じでした。
「クリームな僕」はショタちっくでさすがに驚いたけど、
読み進めるとやっぱりヤマーイ先生なんだよね(笑)
山藍先生ご自身、「書いたことを忘れていた」というから、
探してきた花丸文庫さんグッジョーブ!です。
いまどきとなってはショタ同人誌レベルでありがちな話になっちゃうんだけど、
あくまでかわいらしさとエロっぷりを両立させているところは山藍節というか。
花丸文庫って、ほかのレーベルよりもイラストがあまり直接的じゃないのと
数が少ないのが特徴だと思うんですが、それがうまく作用してます。
短編集4つが入ってるんですが、この順番もなかなかうまい。
序盤で、「え!?こ、これがヤマーイ先生ですか!?」とい度胆抜かれつつ
コンパクトな読みやすさ。
次の「ディナーには僕を」はありがちなポルノ展開かと思いきや…Σ(゚д゚) エッ!?
コミックでいえば国枝彩香に近いブラックさがあります。
そして今回のイチオシ!寓話風の「天児」。
山藍作品っていうとやたらダークなイメージありますが、よくよく読むと
こういうやわらかい温かさを持った作品も実は多い。
「妖精王子東京へ行く」は「金環蝕」にもおさめられていた
エロティック・ブラックユーモアなんですが、イラストレーションが
ものすごく面白かった(笑)
最後まで読むとニヤリとさせられる選択がイキです。
短編4作を同時収録した耽美の女王が送るショタ風味が満載のお話です。
作者の短編集に既に載ってる作品を加筆修正した4作で、なかなか面白いチョイス!
作者の短編集『金環蝕』からは「妖精王子東京へ行く」、『シシリー』からは「天児」、
『愛と憎しみの迷宮 下』からは「ディナーには僕を」そして表題の「クリームな僕」
からなる4編なのですが、表題はホントに全てが無垢なにゃんこちゃんの調教のもで
無垢で無邪気なペット&性奴だから痛さの無い可愛さなのですよ。
バナナを入れられ3Pありのエロエロ耽美ショタなのですが
山藍先生の作品なのに痛さが無くて、でも恋する切なさを耽美に込めてる作風で
ネコ耳シッポのラブリーさをぽーじゅ先生がナイスアシストしてる作品です。
「ディナーには僕を」は妄想学生の白昼夢的なお話で、屈強な警備員に
浣腸プレイをされて、嫌々しながらも耽溺していく少年なのです。
「天児」は平安時代を彷彿とさせるような設定で、作者のお得意どころの作風です。
ひな人形の身代り的な要素を題材にしたお話で、双子の妹の全ての穢れを一心に
受ける身代り依り代として売童として凌辱を受ける日々に耐えるお話です。
主人公目線で語られる手法で綴られるお話で、凌辱のかぎりに貪られながらも
ただ一人に恋する乙女的な内容もあり、痛さはあるけど、最後は幸せになる話。
「妖精王子東京へ行く」はホントに珍しくもコミカルな作風で、
主人公の倒錯的変態かげんが開花したと思ったらその対象で玩具になっていた
妖精王子様に逆にエロ仕返しされるお話です。
自業自得の悪いことをしたらこうなるよ的な寓話をもじったような作品です。
重くて暗くて痛い、そして狂気で切なくて苦しいなんて作品が多い作家さんですが
それを理由に今までさけていた方にも山藍紫姫子入門編みたいに読んで頂けたら
って感じの短編集になっていると思います。
もちろんエロエロ耽美やショタが苦手なんて言う方にはおススメ出来ないかも・・・
BL的に多様な要素を巧みに組み入れた耽美作品です。