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14才と8才の出会いから14年が過ぎた頃のお話で、母親を亡くして泣いていた14歳の
攻め様に木登りをするほどやんちゃな受け様が手渡したシュークリーム。
きっとこの時に初恋だったと思えるのですが、攻め様は祖父母の所で暮らす事になり
年に数度しか会えなくなるのですが、2年前に二人の両親が再婚して義兄弟になる。
さらに、受け様は昔父親が経営していた洋菓子店を自分の手で再び再会できるように
夢に向かって、大手の菓子店で2年終業後、昔父の店があった場所で、洋菓子店を
開いているパティシエ に弟子入りして、修業の真っ最中なのです。
そして、その店は義兄になった攻め様所有の店で、パティシエ は攻め様の友人。
攻め様も、やはり、都内の設計事務所を辞めて、地元に戻って実家の仕事をする事に。
両親は2年遅れの新婚旅行で2週間不在になるのですが、その間に二人の距離が
年の離れた幼なじみから、不慣れな義兄弟、そして初恋の相手と変化して、
受け様が思う以上に攻め様に昔から愛されていた事を知ると言うお話です。
その過程で、攻め様の友人と攻め様の仲をちょっと誤解したりして、受け様が
攻め様の事を恋愛の意味で好きだと自覚して、義兄弟の困難なんか軽く飛び越えるような
子供みたいな名前の通りの素直な反応をしてるけど、恋をしたことによって
成長していない自分に自信が持てなくて、逃げ出そうとしたりするのですが、
攻め様の真剣な思いに安堵して、ハッピーになるストーリーです。
設定も直(受)のキャラクターもわりと好みなんですが、とにかく龍彦(攻)にまったく魅力を感じませんでした。別に『イヤなヤツ』ってわけではなくて、なんとも薄いな~という感じ。『こういうキャラクター』っていう設定以上の肉付けがないというのか。
ストーリー展開も、すべてが薄いというか浅いというかで、なかなか入り込めなくて、読みながらつい意識が逸れてしまいそうになりました。
王道なのは一向に構わないんです。いやもう、王道大好きですから。
ただ、『王道・テンプレート』であればあるほど、作品の個性を出すのはキャラクターの魅力じゃないかなあ。そこが作家さんの腕の見せ所だと思います。
神楽さんなら、もっときちんとキャラクターの心情も書き込めるはずだと思うんですよね。もしこれが、(あくまでも仮定ですが)レーベルにあわせた結果なら、なんとも残念としか言えません。
神楽さんの新作、かなり楽しみにしてたんですが、正直ちょっとがっかりです。発売を待ちかねて買ったので余計に。
あと、これは今作に限ったことではないんですが、みなみさんのイラスト。
絵柄はホントに綺麗だと思うんですが、特に攻キャラクターがどうも・・・今作も、龍彦がちょっと可愛らし過ぎるというか、少なくとも私のイメージとはまったく重なりませんでした。若過ぎるし。
直も22歳とは思えないくらいショタちっくでしたが、それはまあいいんです。もともと年齢より幼いくらい『可愛い』キャラクターですし。
イラストがみなみ遥さんのショタっぽい絵と、ピンクのカラーからも甘いお話だな、というのは一目瞭然だったのですが、作家さんが好きなので読んでみました。
して、その結果・・・
うう~ん、、、ティーンズというかお子様向きの少年少女小説を読んでいる気分になりましたorz。。。
悪くはないんですよ。
すごくまっとうで、真っ直ぐで、嫌な人は一人も登場しなくて、かわいらしくて、甘くて、正統派なんではあります。
きっと、自分が中学生とか小学生くらいだったら、ドキドキして読めたんだろうな~
汚れ切った大人が、うわ、可愛い☆と素直に読むには読み応えがビーズクッションを抱えてるような感覚で、物足りなさを感じてしまうのでしょう。
子供の頃の出会いがあって、そして親同士の再婚で義理の兄弟になって。
しかも資産家の家柄だったために義理の兄になった男性は、主人公の勤める店のオーナーでもあり。
主人公は、亡くなった父親がやっていた洋菓子店を再興するのが目標で、その店のあった場所に新しくできたパティスリーで修行しているという設定。
店主のパティシエが色仕掛けでパトロンを得ている話を聞いて、すいている義兄と何か関係があるのでは?と少し不安になり、
義兄は、そんなパティシエの影響で主人公が悪影響を与えられないか(要は自分の手元から出て行ってしまうのでは)と、心配で仕方ない。
と、まあ、最初の出会いから全て二人の気持ちは通じていたという設定であります。
ただ本人達が口に出して言わないからすれ違っている状態。
主人公はまっすぐですれてなくて、とてもとてもいい子だし、
義兄は、、、これが今ひとつよくわからないんですけど、しかし、最初の出会いで全てが彼にとって決まっているのですからそれ前提。
見所は、毎晩主人公が持って帰るケーキが、指に付いたクリームを舐めとる、腕にまでたれたシロップを舐めとる、そういうシチュエーションで、ちょっとドキっとするエロさを演出する、というところでしょうか。
甘くていいけど、お話はわるくないけど、読み応えがね、、、ルビーだからとハードルをいつも下げてはいるのですが、ルビー基準できっと悪くはないんでしょうけど、萌えるか?と言われると・・・
むしろ、回想シーンのショタ絵が一番萌えるという!
この表紙の主人公達、28歳と22歳ですからね(汗、、、)