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表題作夢みるアクアリウム

ヒロセ,30歳,山荘で引き籠っている男
安曇怜史,高2,家を飛び出し山荘で過ごす

その他の収録作品

  • 夢から覚めても

あらすじ

進路の悩みと失恋の痛手から、家を飛び出した怜史。外界から閉ざされた山荘で、年上の男・ヒロセと過ごすうち惹かれていくが…?

(出版社より)

作品情報

作品名
夢みるアクアリウム
著者
真崎ひかる 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344825932
3.6

(14)

(2)

萌々

(7)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
49
評価数
14
平均
3.6 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数5

非日常で芽生えた思い

単純に面白かったなぁ、って思える作品でしたね。
家出少年と、同じく全てに行き詰って外界から隔離したような環境で偶然出会った
二人が、非日常を共にしていく中で気が付かないうちに心を寄せているような話で
直ぐにそこから恋愛に発展することなく、出会いと同じように唐突に別れが訪れる。
そして3年の月日が流れた時に、再び出会い、恋になる。
読み終わるとタイトルの「夢みるアクアリウム」の訳が凄くマッチしてるなって
感じる作品なんです。

思春期の恋や性癖の悩み、面倒だと思いながらも余計な争いごとをしたくない故に
まわりからは優等生のお利口さんの良い子と思われている受け様。
仄かな恋心を抱いている幼なじみで6歳年上のパン屋の青年、でもその相手は受け様の
兄が好きだと言う事を知りショックを受ける、更に自分の将来を親が勝手に決めていて
優等生と言われた受け様は何もかもどうでもいいと思うように逃げ出してしまう。
自暴自棄になっていた受け様が雨の中で怪我をし、偶然いた攻め様の別荘に怪我が治る
まで、居座る事に、今までの受け様では考えられない身勝手な行動なんです。
そしてその相手も、大人なのに、迷惑だとか厄介だと言う感情を隠しもしない攻め様。
最悪な出会いで、雨の中まるで水の中に捕らわれたような非日常が始まる。

この出会いで、受け様は誰かの為に料理を作る事の楽しさを感じるようになり、
攻め様は、仕事の企画で行き詰った懸案が受け様の可愛い夢を叶えてやりたいなんて
発想から再び気力を取り戻すように感じました。
ほんの10日間共にいたことで、互いに一生忘れられない非日常になるんです。

再会した時の攻め様の不器用な感じが萌え心を擽るんですよね、いい大人なんだけど
子供みたいな攻め様、攻め様だけには甘えているように感じる受け様。
歳の差カップルなんだけど、それを感じないくらいお似合いの二人でした。

3

ヘタレ攻めなのね

真崎作品って、ヘタレ攻めが多い気がするのは気のせいだろうか?

ざっくりまとめると、
初い少年が、正体不明の男と雨の山荘に閉じこめられて、うっかり胃袋を鷲づかみにしちゃうお話。
で、
少年の方が、ひっそり一途に男を思い続けて、でも探すすべもなくいるのに、再会しても男の方がヘタレてるの。

なんか、既視感のある展開のような気がしなくもないけど、好きな展開。
成就エチの、エロがいきなり濃かったりしないのも好感が持てる。

濃いエロを期待しないで、普通にラブいBLっぽいお話が読みたい時にお薦め。

3

閉ざされた空間で

自分のあやふやな進路に悩み、幼なじみに失恋して思わず逃げ出した山の中で見知らぬ男と知り合う…という非日常での出会いの恋でした。
主人公の怜史はまだ高校生。相手のヒロセは年齢職業も不明です。

ヒロセは怜史に滞在する家や食材を提供してくれますが、「自分は犯罪者かもしれないぞ」と仄めかします。
ストックホルム症候群という言葉が途中ででてきますが、確かに、二人きりの閉鎖された空間にいるから互いに一時の興味を持ったのかなあという感じもします。
怜史の、いつもいい子を演じてきたけど本当は甘えたがりで言いたいことも我慢しているという性格はこの年齢の主人公では可愛らしくて好感が持てました。ただ、ヒロセについては正体がほとんどわからない状態で最後まで、なんとなく掴みにくかったです。

こういう閉鎖された空間での恋というのが個人的にとても好きです。
特に犯罪に巻き込まれているわけでも監禁や逃亡しているなどの重くドロドロした設定でもなく、日常に疲れて少し離れたいと思った二人が出会った…という設定が良かったです。
子供も大人の恋愛というのも好みでした。

しかし、出会って数日で恋に落ちるというか、惹かれあって擬似恋人のような気分になるにはちょっと早いような気もします。
それこそストックホルム症候群、非日常だから恋をしたのかなと思ってしまいます。
もしそうならここを出たら忘れてしまいそうだけど、二人はその後も互いを思い続けるので、そこまでの恋愛に至った説得力は少し薄い気がしました。二人きりで山の中で過ごしたエピソードがもっと多めでも良かったかも。

別れが突然やってくるのもちょっと唐突すぎて納得がいかない部分もあります。別れは仕方ないにしても、連絡先も名前も調べたらわかると言っていたヒロセが数年後に偶然再会するまで、連絡も突然いなくなったフォローも一切することもなく…。なのに再会直後に「お前は特別だ」、などちょっと矛盾しているような…と思ったり。
何かしらこちらにコンタクトを取ろうとしてくれても良かったのではないかと思ってしまう。

それも含めて、数年後に偶然再会してもまだ「この人だけ」を互いに思っていたというほどに、深くこの人が好きだと思えるエピソードが山の中で過ごした時にもっとあれば、と思ってしまいます。
あれがたった10日ほどの生活だったために、現実で考えるとなかなかこの人だけを何年も思い続けるのは難しいのではと思います。

しかしおかしな出会いかたをした二人ですが、きちんとした段階をふんでいない分、ヒロセが「きちんと恋愛をしよう」と再会後に言ってくれた事で救われた気がしました。
これはこの長い1冊をかけて出会い部分だけをえがいていて、今後は2人がこの先をつくっていくお話何だろうなあと思います。

もう一つ・・・蛇足なんですが、せっかく素敵なタイトルと表紙なのに、それから連想できるような中身ではちょっとなかった気がして、肝心の「アクアリウム」という単語の意味合いが薄いと感じたのが残念でした。
もうちょっと中身を表したタイトルがあったんじゃないかなあと思います。

3

水族館が舞台だとばかり・・・

評価は結構悩みましたが『萌×2』よりの(でも『萌×2』まで行かないかなあという感じ。大変微妙です)、『萌』です。

タイトルや表紙イラストから、てっきり水族館(アクアリウム)が舞台なんだと思い込んでました。あらすじ読めば、そんなワケねえ!ってすぐわかるんですけどね。

怜史(受)は、大学受験のために夏期講習に通う中、実家(洋食屋)の後継ぎになる道を一方的に期待され、片思いしていた幼馴染みは勝手ばかりしている兄を好きだったと知ってしまいます。

失恋と進路問題をきっかけに家を出て、山荘で正体不明のずっと年上の男・ヒロセ(攻)と過ごすことになった怜史。

前半はよかったんですよ。山荘での生活の淡々とした流れるようなイメージは好きです。ひさびさに(先生、すみません。好きなんですよ・・・)真崎さんで当たりか!?と思ったんですが、山荘を出て、時間が飛んで・・・のあとが、どうも今ひとつ微妙な感じでした。

いやもう唐突としか言えない感じで、いきなりヒロセが消えて、現れた知らない男に『ヒロセはもう戻らない』と告げられ、追い出されるような形で山荘を出るんです。

そして、次のページ(章)ではいきなり数年経ってるんです。目が点になりました。いえ、突然数年後に飛ぶこと自体は珍しくもないんですが、バサッと断ち切られたような感じだったんです。表現の問題なのかなあ。
しかも、家を出た原因となった進路問題はあっさり流してるとしか感じられないし。いえ、そこに葛藤がなかったとは思いませんが、見えて来ないんですね。

結局、怜史は大学には行かずに知り合いのレストランで修業して、実家の後継ぎとして働いています。そこでヒロセと再会するんですが・・・

この後が、なんとも急ぎ足な気がしました。
前半と後半(分量は前半が多少多いです)が上手く繋がってない気がしたんですよ。ストーリーが破綻してるって意味じゃなくて、なんというかトーンが。
ペンギンやジグゾーパズル等、モチーフの使い方はよかったです。

でも、ラストの水族館は魅力的でした。行ってみたいと思いましたよ。

トータルでは決して悪くはなかったんです。キライではないですよ。でも、前半期待してしまった分、失速したようでちょっと残念でした。逆に言えば『惜しい!』と思えるだけ入り込んでたってことなのかもしれません。

すぐではないでしょうが、たぶんまた読むでしょう。

3

歳の差萌?

最初は、隣のお兄さんと、自分の自由気ままにやってる兄貴との恋愛三角関係か?と思いながら読んでたら、いつの間にか市有地の別荘に転がり込んでて…
そこで出会った30男のヒロセと不思議な生活を送るうちに惹かれていっちゃったというかストーリー。

ある日、用事のために出かけたヒロセは戻らず、スーツの変な人にヒロセが戻らないことを告げられる。失意のうちに、家に戻り、料理の道へ進む。
再会したヒロセは御曹司で、さらにサトへの想いを引きずっていた。
で、結ばれたとさ。

うーーん、ある意味、スパダリのヒロセと上手くいっちゃうハッピーエンドなんですが、BLの醍醐味があんまり感じられず、盛り上がりポイントが無かったような。
他の方のレビューにもありましたが、アクアリウムというキーワードがとってつけた感があり、幼なじみと兄貴の話も中途半端。要素がばら撒かれて散らばっちゃっているような読後感です。
ふんわりしていて、初心者向けなのかも知れませんが、BLである意義、的なものが無いと単なる恋愛小説よねって思っちゃいました。

0

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