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銀の髪の海の妖魔と、凶兆の赤い髪を持つ人間の王子。
二人が出会って、惹かれあって、結ばれる、わかりやすいおとぎ話です。
二人はそれぞれ、銀の髪に蒼い眼と、赤い髪の王族という、人から忌み嫌われる凶兆を持ち、銀の髪のハクレンは、セイレーンだった記憶を失っていることもあり、自分を穢れた劣った者と思い、赤い髪のマルスは人々が自分をただ恐れているのだと思っています。
でも、二人が出逢った時、二人はそれぞれ、お互いの外見に、そんな禍々しい評判がついて回ることを知らず、ただただ、お互いに相手を美しいとだけ思い惹かれあうのです。
王子・マルスはこの屈折がちょうどいい味付けになってます。
ハクレンの方はちょっと卑屈が過ぎる感じもしますが、18歳までの記憶がない元セイレーンという設定なので、これはこれでもアリかなと。
結末は諸々サクサクまとまりますが、おとぎ話としてはこんな風にスルッとまとまってくれた方が私は好きです。
一風変わった人魚姫のようなお話。
レーター買いです。Cielさんの美麗イラストにうっとり……。
セイレーンであるハクレン。
一族の掟をやぶり、ハクレンは一時的に追放され、陸の上で生きるように命じられる。
セイレーンだった頃の記憶は奪われ、人間に忌み嫌われている『セイレーン』と容姿が似通っているハクレンは、街人から疎まれていた。
人間となり生活を送るハクレンの前に現れたのは、第3王子のマルス。
緋色の髪と黒い瞳。
マルスもその容姿を不吉な象徴だと恐れられ、孤独な暮らしをしていた。
似通った二人はいつしか惹かれあい、肌を重ね、心を重ね、ずっとそばにいると約束したのだが───。
序章の部分でセイレーンについて語られており、ハクレンの犯した罪、そして人間として暮らすようになる経過が書かれているので、最初からハクレンの正体が分かっています。
マルスの憎む相手、そしてハクレンの正体。
二つが絡み合うことで、二人の間にどうしようもない壁が生まれてしまいます。
このときのハクレンの心を思うと切ない。
何を言っても、マルスはもう信じてくれない。
自分の正体は『魔物』だから。
そう思い儚く微笑むハクレンが痛々しいです。
マルスめ、もっと寛容になれ!と思わず叫んでしまいそうになりましたが、積年マルスもずっとセイレーンを憎んでいたからこそ、なかなか気持ちの整理がつかなかったのでしょうか。
そもそも人間も水妖も、お互いが多大なる誤解と勘違いをしているから、話がややこしくなるんです。
末姫や護衛騎士の関係性や、今どこで何をしているかは、おそらくこういった理由なんだろうなぁと思っていた展開でした。
そうじゃないとハクレンの無実やセイレーンの実態が証明出来ないからね。
結局『ハクレン』だからこそ惹かれたのであって、魔物でもかまわないと戻ってきたマルスにホッとしました。
ホッとしたのもつかの間…最大のピンチが襲うわけですが…ハクレンがとった行動に、マルスへの深い愛を感じました。
冷たかった体温が、あたたかくなった。
それが意味することに、ハクレンとマルスは同じ時を過ごすことができるんだと胸が暖かくなりました。
異端の王子様×セイレーンのファンタジー物。
受けは素直で良い子だし、設定は素敵でしたが、印象としてはアッサリな印象でした。
後半、受けの正体がバレてしまった!というシーンで夜中にもかかわらずタイミング良く突然ずっと探してた妹姫と騎士が現れたり、攻めも受けの言葉を全然信じなくて種族が同じってだけで殺そうとしちゃったり。。
妹姫もお兄さんのこと心配だったなら一言伝えてあげたら良かったのに。。とみんな薄情だなと思いました。
あとはセイレーンの魂玉を抜けば人間になれるという設定もご都合主義で、置いていかれた感がありました。
そんなこんなありながら結ばれてこれから!というところであっさりお話も終わってしまい、若干拍子抜けでした。
振り返ってみると、攻めの良いところがあんまり出てなかったかなー?
人々に恐れられ孤独な中、戦ってきた優しい人なんだとは思いますが、なんだか良いとこなしだったなーという印象です。
世界観は素敵でしたが。。
雀影
セルフツッコミ
挿絵について
数少ない濡れ場を確実に挿絵にするのは当然ですが、お話のファンタジー度に比べて、結合部の準備中をバッチリ展開の、受けのよだれ&下生え&性器かたちクッキリ白抜き絵は、それまでの繊細きれいロマンティック気分を瓦解させる衝撃でした。
いきなりそんなにエロ方面に振り切られたら寧ろ萎えるし。