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今回は米国帰りの心臓外科のスペシャリスト外科医と
緊急指定を受ける都立病院勤務の麻酔科医のお話です。
二人の出会いからまとまるまでの表題作に
その後の恋愛模様を綴った後日談を3本収録。
受様は都内でも有名な緊急指定病院に
麻酔医として勤務しています。
受様は
恩師だった麻酔医を手術事故で亡くした事から
外科医ではなく麻酔医となりますが
麻酔医は患者と接する機会は多くありません。
それだけに
患者と積極的に関わるようにしています。
そんな受様の行動を
良しとしない医師もいますが
沢山の患者と接する事は
受様のライフワークの一環ともなっていました。
大学を出てから7年、
医師として学びながら
患者との関わりを大切にしてきた受様の前に
ある一人の医師が現れた事から
この物語は始まります。
その医師とは
関東でも有名な総合病院の次男坊で
アメリカで経験を積んだ心臓外科医です。
彼が今回の攻様になります♪
攻様は
長身で独特な雰囲気のある二枚目ですが
感情の起伏を感じさせない男でした。
手術室での攻様は
腕前も患者に対する姿勢も
受様が信頼するに足る人物でしたが
医師や患者に関係なく
仕事以外の話は無用と思っている様で
誰であっても攻様との会話は続かず
誰に対しても冷めた態度をとっていました。
それなのに受様は
攻様と初めて合った時から
攻様が自分を凝視する強い視線を
度々感じていたのです。
その上
患者との約束をする受様を
不確定な未来に対する安易な約束だと
受様の患者の関わりに苦言を呈するのです。
攻様はアメリカで
ホストファミリーの子供の手術に関わりますが
子供を救う事が出来ず
アメリカにいられなくなったのだと言うのです。
受様は攻様が負った疵の深さを理解しつつも
患者と信頼し合う事もまた自分達医師が出来る
最善の事だと思っていましたので
攻様が手術を控えていた患者に
信頼される関係を築いて欲しいと嘆願します。
そんな受様に対して
攻様は対価を払えとキスを要求してきて?!
雑誌掲載作に後日談を加えて
ノベライズされた一冊になります。
似た者同士の医師同士の
オフィスラブ(なのかな?!)な恋物語です。
お互いに大切に思っていた相手を
手術で亡くしている2人ですが
受様は患者との関わりを深くし
攻様は患者と関わらない道を選び
出会った時の2人の考え方は正反対です。
しかし
攻様は受様の中に昔の自分を見たように
受様も攻様の中に自分と通じるモノを
感じていたのではと思われます。
普通は視線を感じるほどジーと見られてたら
悪い印象持ちそうじゃないですか?!(笑)
受様視点で攻様の放つ熱烈な視線と
受様に好意をよせる少女の存在を上手く絡めて
2人がまとまるまですんなりと読めました♪
1話完結のお話だと
まとまるまでに比重が置かれていますが
本作は後日談もたっぷりで
出来カプの苦悩(?!)も堪能させて頂き
とっても良かったです。
「愛しい独占欲」
同僚医師の離婚話と
攻様の見合い話を絡めてぎくしゃくする話。
「目覚めたそのあとで」
2人の関係がバレてグルグルする話。
「決断の一瞬」
受様が同僚達のターゲットになっていると知り
攻様が(心情的に)ドタバタする話。
医療関係のお話ですが
駆引きもドロドロしたモノではないので
とても読みやすいお話ですよ♪
今回は
医者ぽさが堪能できつつ読みやすい一作として
春原いずみさん『天才外科医の憂鬱』をおススメです。
麻酔科医×外科医との一目ぼれ同士のラブストーリー。
白衣萌えには良さげな病院内ラブと医師と患者の関わりをさり気なく盛り込んだ
一目ぼれ同士が恋人になるまでのお話でした。
病院が舞台になっているけれど、医療に対する設定はあっさりしていて、
過去に攻め様が大事な患者を亡くしたトラウマと同じように受け様も恩師を麻酔の
医療事故で亡くし、外科医から麻酔科医へ転身したこだわりが背景にあります。
心臓病で入院している受け様大好きな女の子を切っ掛けに急速に近づいて
思いを通わせ恋人になる、優しく甘やかなハッピーエンド。
互いに初めて視線が重なった時から、気が付けば相手を直視してる。
ノンケ同士の戸惑いをほんの少し絡めながらの可もなく不可も無く、さらりと読める作品。
書下ろしの方が、二人の恋愛的な意味では濃い内容でした。
恋人同士になりながらも医師として働く二人はなかなか一緒の時間が取れなくて、
それでも甘い雰囲気なのですが、同僚の医師同士だった夫婦の離婚の話を聞いた後で
攻め様に見合い話があり、会えないことで不安を抱いていた時期に、偶然攻め様と
そのお相手が一緒にいるところを見かけ、何も言ってくれない攻め様に疑心暗鬼に。
嫉妬している姿を見せたくなくて、攻め様を避けてしまい、ギクシャクしてしまう。
微妙な擦れ違いだけど、愛するが故の心の揺れを描いています。
やっぱり全体を通して感じるのは甘く、センチな作品だと思います。
無意識下での一目ぼれから始まる恋。
表題作では視線がちょっと淫靡な感じを漂わせています。
患者に対する態度の主張で衝突したりもしますが、お互いがお互いを認め合い、
理解しよう・直してもらおうと努力する姿勢が見られて、気持ちのよい二人だと思います。
まぁ「お前の言うこと聞くから、その対価にキスね!」というのはBL的一種のお約束。
結ばれるまではお互い探り探りなので、なんだか微笑ましさもあります。
攻めの真岡に見合い話が持ち上がったり、同僚達に二人の関係がばれてしまったりと
一波乱も二波乱もあります。
けれど、真岡の頑張りで何とか乗り切っていきます。
もうほんと真岡さんがいい人すぎます。ちょっと口数少ないかもしれないけど。
結衣は少し神経質な健気受けでしょうか。
読む人によってはちょっとヒステリーちっくだと受け取られてしまう可能性もあるかも。
初めて読んだ作家さんでしたが、読みやすかったです。
お医者さん同士の恋愛は大変そうだなぁ。
気になったのは「決断の瞬間」だけ脱字が多かった事…
急いで仕上げたんですかね?
もとは雑誌掲載作品のため、一話はそれほど長くなく、短編が4つほど入った構成になっています。
短いからか結ばれるまでがやけにトントン表紙に思えてしまいまして、こっち(読み手)が二人のキャラクター性にハマる前にくっついてしまったような気がし、感情移入する間がなかったように感じました。
大きな救急病院が舞台で、外科医×麻酔科医者という組み合わせです。
アメリカからきたちょっと傲慢で強引な男前の医者と、美人でお人よしで健気だけ
ど芯が強い医者という、スタンダードなものでした。
しかし、アメリカから亮治が赴任してきて、少し言葉を交わしただけで、亮治に大切な人がいると知って嫉妬する結衣を見て、いつ好きになってしまったのか早すぎる気がしてしまいました。
ゲイで一目惚れならともかく、結衣はノーマルで、男を好きになったことないのに何でだろう?と結衣自身戸惑うシーンもあるため余計に。
その後、手術をたてに亮治にキスを請求され、あれよあれよという間にくっついてしまった感じが…。
短編なので仕方ないのですが、ちょっと単調だったかなあと思います。
二人が結ばれた後の展開も短編になっており、亮治が女性と一緒にいるところをみてショックを受けるお話や、同棲を始めるお話など、どれもスタンダードなものでした。
王道の組み合わせや、医者もので王道な展開が読みたいときには良い作品だと思います。