大人だって、不器用な恋をする――

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表題作幸せのデセール

鷺宮栄利,32歳,巨大企業の御曹司,グールプ会社社長
上田隆治,29歳,栄利の弟の親友,出張料理人

その他の収録作品

  • 君に捧げるルージョ

あらすじ

会社社長・鷺宮栄利の家に料理人として出張した隆治は、突然体の関係を持ちかけられる。セフレが複数いる男なんてごめんだと断るが、栄利はなぜか「君をもっと知りたい」と言って迫ってきた! それ以来、的はずれながらも懸命にアプローチしてくる栄利の様子に、隆治も愛しさを覚えていく。そこへ、隆治に未練のある元彼が現れ、別れたなんて認めてないと言い始めて――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
幸せのデセール
著者
清白ミユキ 
イラスト
明神翼 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829624685
2.8

(10)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
25
評価数
10
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

不器用ながら真っすぐな思いの強さ

今回は巨大企業グループの御曹司で建設会社の社長と
攻様の弟の親友でフランス帰りの出張料理人のお話。

セフレを複数抱えた攻様が受様に惹かれて
スッタモンダの末に受様を恋人にするまでの本編と
本編の初デート前の一コマを攻様視点で収録。

受様は専門の学校で料理を学んだ後に渡仏、
八年間キュイジニエをしていましたが、
半年前に帰国し、出張料理人をしています。

そもそも帰国に至った原因は
同じ店に勤めていたフランス人の恋人の浮気で
別れて戻っての五年間に愛想が尽きてきた頃、
受様と同じように渡仏して帰国した親友に
今の仕事を紹介された事でした。

親友は巨大財閥グループの御曹司ですが、
三兄弟の末っ子の為、
自分の才を生かして調香師をしています。

芸術家肌の親友は商才も有り、
受様は渡りに船と恋人に三行半を突き付けて
親友の話に乗ってこの仕事を始めます。

親友の協力と紹介に助けられて
受様の出長料理人としての仕事はかなり順調。

本日も親友の兄の依頼で料理に赴きます。
この人物こそ今回の攻様になります♪

攻様は今回で三度の依頼ですが、
受様には理解しがたい人種でした。
どんな点かと言うと…

攻様は三度とも
受様が支度をする最中に帰宅し、
相手の若い男と逢瀬を楽しんだ後に
平然と受様の作った食事を二人で食べるのです!!

受様の元恋人も同性でしたが、
いくら自宅とは言え他人がいるのに
性行為に耽る攻様の無神経さは信じられません。

そうは言えども攻様はお客様ですし、
受様の料理は攻様の好みに合うらしく
攻様に自分の料理を褒められるのは
素直に嬉しい感じていた受様でした…が、

その日の帰り際、
何を思ったのか攻様に突然、
自分の相手をしないかとコナを掛けられ、
いきなりディープなキスを仕掛けられます!!

料理も出来て顔も良い受様なら
攻様の相手として合理的だぁ?!

今の倍の言い値を出すか、
店を持たせてやるとまで言い出す攻様は
金で人を買うかのよう。

融通の利かない自覚の有る受様は
好きでもない男との関係等もっての外と
断固拒否の姿勢を示します。

受様としては縁も切れろと拒否したつもりでしたが
ソレがかえって攻様の興味を惹いた様で
いささかズレたアプローチを受けるようになります。

そして受様も何だかんだと彼に付合ううちに
仕事は出来ても私的な面では案外不器用な攻様が
一生懸命に受様の気持ちを知ろうとする様子に
徐々に彼に気持ちが傾いていきます。

そんな時に受様の元彼が
攻様の手掛けている新規事業のビルに入る
レストランで働く為に来日、

攻様もその店を手伝う事になり、
元彼の存在は二人の微妙な関係に
大きな波乱を呼ぶ事になります。

果たして二人の恋の行方はいかに?!

既刊『わがまま王子のパルファン』
『わがまま王子のモン・コフレ』のスピンオフ。

既刊は本作の攻様の弟カプのお話ですが、
本作は既刊の攻様の兄と親友の恋物語になります。
攻様は『わがまま王子のモン・コフレ』に登場済。

既刊でもちょっと思考が変わってるというか
一般庶民とズレてましたが、
既刊の主役の弟もかなりだったので
この弟にしてこの兄!!って感じと思っておりました。

でも本作を読むと
奔放な長兄と唯我独尊の末弟に挟まれた
環境が攻様の性格を作ったようですね。

この後、元彼の問題に加えて
攻様のセフレ問題でも一悶着有りますが、
最終的には誤解も解けて大団円を迎えます♪

人に甘える方法も生き方も出来なかった攻様と
頼られたり甘えられたりに弱い受様なので
凸凹さでは結構良いカップルなのかな。

そもそも攻様の性格が
一般人とはズレている設定なので、
慣れないながらも懸命に受様を思う
攻様の不器用な恋が実るまで
受様と一緒にドキドキしながら読めて
面白かったですよ。

今回、短編は本編の一コマを
攻様視点から書いた裏バージョンですが、
特定書店で着く特典ペーパーの短編の方が
ラブいちゃで良かったです。

ペーパーは
部下の愛妻弁当が羨まかった攻様が
受様に作ってくれるように頼むのですが、
Hの削減を条件にされて悩む攻様の話です。
本編以上に攻様に甘い受様をお楽しみ下さい♪

今回はお料理繋がりで本作同様、
強引な攻様が可愛く思えてしまっている受様(笑)で
崎谷はるひさんの『くちびるから愛をきざもう』を
おススメしますね。

2

ゆり・えり・まり・・・ってすっごい名前ですね~・・・

「わがまま王子」のスピンオフです。っていうか、挿絵の方の名前を見てスピンオフっていうのは想像出来たんですが・・私はスピンオフなら祐介の先輩?あたりかなぁ~って想像してたのですが・・まさか真理のお兄さんだったとは・・ビックリな展開ですね~・・そんなに本編では出っ張って無かった様な気がするんですが・・勘違いかなぁ~

でも、これは良かったです・・私の中の清白さん久々のヒットでしたね~・・清白さんが書かれる、人間の感情面があまり発達してないキャラのお話は大好きなんですよね~!!

お金に物を言わせてセフレ関係を迫るエリなんですが・・隆治は男前ですね~スパ~んとそれを跳ね除けて!!
その態度がきっとエリの感情の何処かに変化を起こしたのでしょうね~

それからの、エリは読んでるこっちまで、微笑ましくなるぐらい、一生懸命でとても可愛らしくて、卵から孵った雛の様でしたね・・あれじゃぁ隆治も好きになるだろう~

エリが涙を流して好きだというところはとても挿絵も素敵でした~

本編は隆治視点なんで、あまりエリの心の変化っていうのが片鱗ぐらいしか解らないんですが、「君に捧げるルージュ」はエリ視点です。初めて二人で食事に行く約束をした日の出かけるまでの、エリの心情と行動が書かれてるんですが・・とても微笑ましい~・・もうすでに恋は始まっているんですね・・・

1

かわいかった…

私は「わがまま王子」のほうは読んでないのですが…
それでも十分に楽しめる作品でした^^

あまり遊びまくっている攻めは好きではないほうなのですが、
このエリは心があまり発達していないからなのか、
とても必死に隆治を振り向かせようと頑張っているのが
可愛くってとても好きになりました!

また、その相手の隆治も初めてではなかったけれど
2人のやり取りがなんだか初々しくって…(´ω`*)
途中でいざこざがあったりなど、エチシーンは1回程度ですが、
2人の心境の変化などが細かく描かれていてとてもよかったです。

とくに私的によかったのはエリが隆治との食事の
待ち合わせにバラを持ってきたところですかね笑
だって人通りが激しい場所に赤いバラを持ったメガネのイケメン!!
なんていうのを想像するだけでなんだか
くすぐったくなるじゃないですか~(´∀`●)

ほんとよかったです!!

1

栄利と書いて

栄利と書いて「さとし」と読むんですって。彼には兄弟が居て、兄は悠里と書いて「ひさと」、弟は真理と書いて「まさと」。で、それぞれの愛称がユリ、エリ、マリだそうで…。ふーん。個人的にこのくだりはなんだろうと冷めた目で読んでしまいました。スピンオフらしいので本編では何か意味のある設定なのかもしれません。

さて、傲慢で完全無欠を気取っているけど実は不器用な攻×浮気症の恋人(フランス人)に愛想を尽かして半年前に帰国した料理人の受。逃げる受と追いかける攻のお話です。

攻はかなり序盤で何故だか受を気に入って猛アプローチするのですが、攻にセフレが何人も居て不誠実な男であることを知っている受はどうしても彼の想いを受け入れられず、はぐらかしながら奇妙な友人関係を続けていきます。

ちょっと中だるみ感があったかなぁ。中盤から、攻の好意はあからさまな程なのに受はなんで拒否してるんだっけ…と忘れがちになりながら読みました。というか、攻は受の何がそんなに気に入ったんだか最後まで分かりませんでした。お互いに恋愛感情を持ちつつあるのにあと一歩が踏み込めない…というようなカップルは嫌いじゃないのですが、どうもこの二人はパワーバランスがちぐはぐな気がしました。

1

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