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嫌われのち溺愛! 神武官×召喚された神子
小説投稿サイト掲載作品からの書籍化で、嫌われからの溺愛ものになります。
ある日突然異世界に神子として召喚されてしまった主人公。
その国の王子と恋に落ちますが、やがて王子の愛は冷め、主人公は一人王宮を去る事に。
しかし逃げるように入った神殿で待っていたのは、責務も果たさず恋愛にうつつを抜かしていた神子への周囲の冷たい視線でー・・・と言ったものになります。
私は元々作者さんのお話が大好きでして。
実はこちらもすでにムーンライトノベルズさんの方で既読だったりするんですけど、めちゃくちゃ心に沁みる素敵なお話なんですよ。
えーと、何だろう。
いわゆる異世界転移ものから想像する派手派手しい展開なんかは皆無で、至極地味なお話なんですよね。
主人公は世界を救ったりはしないし、魔物と戦ったりもしない。
そして特別な力を発揮して、周囲から神性視されたりもしない。
それどころか、若さ故の未熟さで手痛い失敗をして、周囲から嫌われどころか憎まれた状態で、ただただ毎日を償いの為に生きる・・・。
そう、めちゃくちゃ不憫だし気の毒な主人公なんですよ。
これね、そんな気の毒な主人公が召喚されてから八年後ー。
23歳になった彼の周囲との関わりだったり、攻めとの関係性の変化だったりを、彼の神子としての日常を通して丁寧に綴ってゆくお話なんですよね。
冬から始まり、春を経てやがて秋へー。
季節の移ろいと共に。
で、それがとても優しいし、とにかく心を打たれるし、ついでに攻めとの恋愛には萌えまくりだしと、すごくすごくあたたかくて素敵なんですよ。
えーと、私が元々作者さんのお話が好きな理由なんですけど、単純に設定やストーリーの面白さってだけじゃなく、その深みのある人物描写でして。
主人公も、お相手となる攻めも、関わりを持つ神官達も、そして主人公を捨てた王子さえも、当たり前の生きた人間として存在して、それぞれ弱さだったり愚かさだったり、逆に優しさや強さと言うものを抱えて生きる。
主人公が右も左も分からぬ異世界で優しく接してくれた明るい王子に恋をして、王宮で彼との幸せな毎日に浸った事。
王子の心変わりを受け入れられず、ただただ自分を憐れんでいた事。
逃げるように入った神殿で、初めて神子としての務めや自身の責任を知った事。
何だろうな。
圭ですが、ごくごく普通の青年なんですよね。
彼のこれまでを知れば、納得もいくし仕方のない部分の方が多いんですよ。
それでも、周囲からは男にうつつを抜かした恥知らずな神子でしか無いんですよね。
そして、そんな圭に憎しみをぶつけたのが、彼付きの神武官となるテス。
圭との初対面で「神子として認めない」と告げ、それ以降は会話一つ交わすでも無く、ひたすら冷たい態度で接する。
これね、そんなマイナスから始まった二人が、いかにして誤解を解き、どうやって結ばれるのかー。
ここが見処の一つで。
圭が過去の過ちを深く悔い、そのせいで完全に萎縮しているなら、実はテスはテスで、噂を鵜呑みにして圭を深く傷つけた自身の言動を悔やんでいた。
そして不器用な彼は、圭にどう接すればいいか分からず、ぎこちない態度は冷たいものにしか見えなかった・・・。
実は割と早い段階で二人の気持ちは通じあい、そこからは彼等が恋人同士として距離を縮めて行く様がじっくり語られと、序盤を除けばひたすら甘酸っぱくて可愛い展開なのです。
最初に嫌われからの溺愛と書いたのですが、気持ちが通じ合ってからのテスは、とにかく甘いしあからさまに独占欲とか見せるし、ついでにわりとムッツリだしと、結構愉快なヤツで。
ただ、それが甘くて可愛いだけに終わってないのって、しっかり掘り下げられた主人公の心情描写だったり、深みのあるストーリーにあると思うのです。
主人公が自身をしっかり見つめ、過去に縛られ続けるのでは無く、勇気を出して一歩を踏み出す事。
そんな彼の変化を促したのが、攻めから与えられた愛である事。
また、攻めは攻めで主人公から、本当に欲しかった大切なものを貰っている事。
めちゃくちゃ素敵ですよね。
そして、主役二人だけじゃなく、圭を裏切った王子にもまた後悔があったりと、一人一人にドラマがあるのが本当に素晴らしい。
人って失敗もするし、思い出すだけで恥ずかしさに転げまわっちゃうような愚かな行動をとってしまう事もある。
だからこそ、成長出来るし、少しはマシな人間になれるのかもなぁと。
本当、心に沁みる素敵なお話なんですよ。
ちなみに、web掲載時から加筆修正ありですが、書き下ろしがめちゃくちゃ良かったです。
この書き下ろしを含めて、物語は完結してると思う!
圭は誤解からの嫌われと辛い6年間を過ごしたワケですが、この背景に隠れた意外な真相が語られるんですよね。
二人の愛にめちゃくちゃ感動なんだけど!
そして、超スッキリと気持ちいいんだけど!!
あと、今月末に出る「春になるまで待っててね」もめっちゃいいお話だったりします。
や、作者さんですが、ラブコメから切ない系から大人の恋愛までと、すごく作風が幅広いんですよ。
で、こちらはひたすら癒し系。可愛いすぎて転げまわるわ!
それにしても、次に書籍化されるなら絶対アズラエル家だと思ってたのに、全然されませんね。
なんでや・・・。
兄弟(義理)で3Pで主人公は淫魔のハーフでと設定だけ見るとエロ特化だけど、家族愛とか自分の存在意義とか綴った、笑えて感動してめちゃくちゃ萌えて、ついでにエロエロなとても素晴らしい作品なのに!
最後になっちゃいましたが、エロ時の二人のズレにはひたすらニヤニヤしました。
や、経験者である自分がリードしないと!と、妙な責任感を発揮して頑張っちゃう圭と、その事に過去の男の気配を感じて、嫉妬から暴走するテスてな具合で。
初々しくて可愛い恋愛を繰り広げてる二人なのに、このズレのせいでエロは濃厚なのをかましてくれます。
Web版を読んでいたのですが、大幅な加筆ありという事で購入しました。
結果、買ってよかった…!
このお話、あらすじを書くのがとても難しいなと思います。
ざっくりいうと、異世界に召喚された高校生が王子様に愛されて幸せになって、けれどあっけなく捨てられて、失恋の悲しみの中王子の住まいから神殿に渡ったら、そこで「散々私達の事を無視しておきながら、今更のこのこと!」みたいな感じで責められて、嫌われ者の神子になって……。という流れなのですが。
ここまでは本当に序盤の話で、本文中では短く淡々と語られます。
物語はここから、嫌われ神子となった圭と神子付きの神武官テスとの恋愛模様を、圭の神子としての生活を交えながら進んでいきます。私はこの穏やかに愛が膨らんでいく描写が本当に好きで。
とても地味なんですよね、いい意味で地味。孤児院を訪問したり、洗濯したり、しもやけの薬を作ったり。でもその中で起こる事件や何やで、彼らは確かに近付いていって…。勿論それなりにドラマチックでもあるのですが、全体的にとても穏やかな印象です。章分けが「春」「夏」「秋」「冬」と季節を追っていく感じなので、余計にそう思えるのかもしれません。
周り皆に嫌われていると思って下を向いてばかりいる圭と、そんな彼を責めた(誤解からとはいえ)過去がある不器用なテス。二人が心を通わせていく様子が、本当に良いです。
この作者様、とても丁寧に描写してくださるんです。文章が達者かと言われたらそうではないかもしれないのですが、何だか無性に伝わってくるものがあるというか、二人の表情から指先の動きまで頭の中に自然と浮かんできます。
どこがどう良いか言葉にしづらいのですが、とても魅力的な文章だと思います。
Web版では書かれなかった二人のその後や、数年前の事件の真実などが、加筆部分で判明します。Web版を読んで気に入られたら方には是非とも読んで欲しいです。
個人的に、第三者視点の話が大好きなので、収録されている番外編にも大満足でした。
おすすめです。
初めての作家さんです。お値段もそれなりでしたので迷いましたが読んでみて良かったです。
もう泣けて泣けて。
最初の恋が終わってからのお話の始まりでしたが。
圭が辛くて寂しくて悲しくて可哀想で。
突然異世界に召喚されて神子だと言われ、第二王子と恋に落ち捨てられ。
その後は散々神子の務めを果たさなかった、うつつを抜かして贅沢三昧してと周りから蔑まれ冷遇され。
何も知らなかったことを言い訳しないところが良い子で余計泣けて。
嫌われ者だと思いながらも5年間神子の務めを真面目に果たして。
幸せな部分も長いのですが、どことなく悲しみと隣合わせのような、読んでいて圭がだんだん成長していくのも泣けて。
テスはどんな気持ちで5年間も圭に付き添っていたのかな。ずっと圭を好きだったようですが、圭が冷遇され傷付き嫌われ神子だと思いこんで。誰にも心を開けず寄せられず。そんな圭を完璧な仕事ぶりで守るという行動で気持ちを示してたのかな?
言葉を伝え合うタイミングが圭はこれで良かったと思ってますが…。テスはもっと早く圭に言葉をかけてあげられなかったのかな?いくら話すのが苦手と言っても。
最初のテスの言葉を後悔しているようですが。
テスがどんどん積極的になり、圭の言質を取るような真似までして恋人になり…。
徐々に圭もテスに恋に落ちていき幸せを噛みしめる二人。
最後は幸せに結婚式を挙げて幕を閉じるのですが。
今後の神子のあり方を協議したり。これは異世界召喚物に一石を投じるお話かもしれませんね。
たくさんエピソードがあり、丁寧に書かれた物語でした。
神官長はテスの気持ちを知っていたようですね。
せめて圭が一人でも自分のことを認めてくれる存在を知っていたら…とタラレバを考えてしまいます。
著者は、ツイッターでも不定期にショートストーリーを投稿しています。
どちらかというと、ファンタジーのオメガバースモノが好きな作家みたい。
この作品は、ナロウで投稿版を読み、編集されて磨きこまれた商業版を読了。
比較すると、やっぱり商業版のほうが練れて完成度が高い。読後の満足度が高いのは商業版です。
ホントに気の毒な受の圭は、常に自責思考で自虐的。
圭は、突然異世界に同意なく神子として召喚されて、
王族の神殿への対抗意識から、王命で第二王子の恋愛接待をうけ
3年間、神子としての業務から外れていた、
王子が圭に飽きて別の愛人へ心が移り、圭は捨てられて本来の神子業務に入る。
神殿側は、圭の事情を知っているのに、詰る、蔑む、嫌う。
でも圭は、自分の想いがこの世界の気象に影響することを知り、ひたすら修行に励む・・・圭の努力する姿を見て、馬鹿にしていた神官たちが変わりだす。
特に、護衛官のテス。
圭は、常に相手を責めない・・・気象が荒れないように感情を抑えて、神子として振舞う圭が可愛そうで、泣けてしまう物語。
商業版は、圭を取り巻く周囲の人達の描写が、より細かい。
web版で気に入ったなら、ぜひ商業版と読み比べて楽しんで欲しいです。
まず非常に読みやすい文章でよくまとまってるというのが感想というのもおかしいかもしれないがそうだった
読むのはこれで2作目
web版は未読ですのでノベルズのみですが読みやすい作家様なのだなという思いが強くなりました
今作は恋を失ったあと別の恋になるまでの物語だった
タイトルの8年間についてのお話ではなく
8年経った後の9年目のお話にほぼ特化されてるのが非常に面白い
転生させられ異世界で神子にさせられ王子に見そめられ濃密な体の関係を含んだ恋人時代を送り恋人に捨てられ、己の立場を知り、周囲に見放され蔑まれる8年間
が終わった9年目のお話
ここをこんなふうに切り取るって考えたことがすごい
この8年間をもっとみっちり書きひっくり返す事でカタルシスを持たせる話が多い気がしますし
個人的には受けが苦しく切ないのを読むのが好きなのでそれでもよかったんですが
8年が終わった一年の
虐げられ自己評価が全く伴わない傷ついた魂が
その傷ごとあなただと受け入れ愛する人がいると知り
自らの反省を込めた行いが人々に受け入れられ許され愛されている事を知り
自分を受け入れ変わっていく姿を読ませるのは凄いな
と驚きました
個人的にはもう少しすれ違いの期間があってもいいなーと思うのですが
作家力として神に選びたいです
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