異世界で もふもふ生活 始めました! 獅子王×身代わりの花嫁

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表題作物言わずとも愛語る

アルヴァロ、獣人の大国ハックィンズの若き獅子王
林田莉央、異世界の王子と人生を入れ換えられた林田莉央、菓子工場の契約社員

その他の収録作品

  • ある雪の日に
  • あとがき

あらすじ

孤独な青年・莉央は、自身と瓜二つの異世界の王子と人生を入れ替えられ、獅子王・アルヴァロの花嫁となる。言葉の通じない獣人たちの国で、虎の執事や兎の侍従たちに囲まれ、別人だと発覚するのを恐れた莉央は、王宮から逃走しようとする。傲慢だと噂の王子がわざと騒ぎを起こしたと思い込んだアルヴァロは、怒りのままに莉央と対面するが、怯えて泣くばかりの莉央を思わず抱き締めてしまう。莉央もまた恐ろしい見た目に反して優しいアルヴァロに惹かれていき…?

作品情報

作品名
物言わずとも愛語る
著者
伊達きよ 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
電子発売日
ISBN
9784041099537
3.9

(92)

(36)

萌々

(33)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
11
得点
349
評価数
92
平均
3.9 / 5
神率
39.1%

レビュー投稿数11

物言わずとも…

まさしく、物言わずとも愛を語ってくれていました。このタイトルがまた、最後の最後に生きてくるのです。

内容は、凄く良かったと思います。視点の入れ替え等もあり、結構な長さがあったのですが、一気に読めてしまいました。物語としてアップダウンがちゃんとあって面白い。表紙の印象どおり、読み終えた後、あたたかな気持ちになる物語でした。

獣人物だけあって、ところどころに挟まれるもふもふ描写がまた癒されました。2人でお風呂に入るシーンなど、読みながら思わず笑ってしまいました。あまりに微笑ましくて!
あと、攻めの獅子獣人以外にも何人か獣人が出てくるのですが、兎従者のアンディとラルゥがめちゃくちゃ可愛い。しかもそれがただの可愛い要員ではなく、主人公の莉央を精神的にも身体的にも助ける役割も担っていて、とても良かったです。

途中ハラハラする展開もありました(切なくて泣けました)が、見事大団円。エッチシーンも満足でした。私は、エッチに至るまでの流れがとても好みでした。いや、やっぱり満足じゃなくて、もっと読みたかったかも…。笑

レビューの冒頭にも書いたのですが、私はタイトルにも通じるものがある最後のシーンがとても好きです。もし続編があるのなら読んでみたいなぁと思わせてくれる作品でした。

溺愛ものがお好きな方には是非とも読んでいただきたい一作。

15

タイトルの意味

『春になるまで待っててね』が凄く好きで
こちらの作品も購入しました。

もーすっっっっっっごく良かったです!!!
読み進めていくとわかるのですが、
タイトル通りモノを言わなくても愛を語るお話です。

異世界トリップモノで、異世界の王子と人生を入れ替えられた莉央と
獅子王のアルヴァロとの恋のお話です。


魔法国家の第15王子のリォルと入れ替えられた莉央ですが、
顔は同じだけど性格が全く違うんですね。
傲慢で堂々としているリォルに対し、自分に自信がない莉央。
アルヴァロは傲慢な王子が嫁いできたと思いきや
全然違うので戸惑うアルヴァロ。

そもそも莉央はこちらの言葉がわからないし、
莉央の言葉も誰もわからなくて会話を交わすことが出来ないんです。
会話さえ出来ない莉央とハックィンズで莉央に仕える兎たち(アンディとラルゥ)。
そしてアルヴァロ。


どうなっていくんだろう…ととてつもなく惹かれ一気に読みました。
アルヴァロはもちろんなのですが、アンディとラルゥがとても可愛くて
登場人物にすごく癒されました。

ちょっとずつちょっとずつですが
確実に二人の気持ちは近づいていきます。
その気持ちの流れが丁寧に書かれておりすごく良かったです…!
二人が結ばれてほんとによかった…!

そしてすごく気になったことが…。
アンディとラルゥのお話の感じで、莉央は子供を授かることも可能な身体なのかな…?と思いました。
もしそうならその素敵な二人の未来も見てみたいなぁ…と思わせてくれる素敵な作品でした(*´▽`*)

3

もどかしいのにめちゃくちゃ萌える・・・!

小説投稿サイト掲載作品に、加筆修正しての書籍化になります。

こちらですね、とにかく面白いんですよ。
読み始めたら止まらなくて、一気読みしちゃったくらい。
「言葉」がテーマになると思うんですけど、主役二人の会話がちゃんと成立するようになるのって、もう終盤なんですよね。
でもそれが、もどかしくもめちゃくちゃ萌える。
そして感動する。
や、誤解が誤解を呼んでみたいな二人のズレが、とにかく楽しいのです。
もうさ、攻めの不器用で無自覚な溺愛っぷりに、ひたすら萌え転がっちゃうんだけど。
彼ぞまさしく溺愛攻めですよ。

こう、ストーリーとしても、笑いあり感動あり涙ありって感じで飽きさせずに読ませてくれます。
若干、視点がコロコロ変わったり、時系列が前後して分かりにくい部分もあるんですけど、基本的にはしっかりした読みやすい文章ですので、その点でもストレスを感じなくて済むと思います。
とりあえず、溺愛攻め好きさんに全力でオススメしたいですね。


内容です。
異世界の王子と人生を入れ換えられ、獣人国の王・アルヴァロの花嫁に突如されてしまった莉央。
言葉も通じず状況もよく理解出来ない彼は、自分が生け贄として喰われるんだと思い込み、脱走を図るんですね。

一方その頃ー。
人間の国から無理矢理押し付けられた花嫁が脱走したと聞き、傲慢だと噂の彼がわざと騒ぎを起こしたんだろうと憤る獅子王のアルヴァロ。
怒りのまま莉央と対面しますが、噂とは正反対の弱く儚げな姿に動揺し・・と言うものです。

と、こちら、ここまでお分かりの通り、主役二人の間には最初から大きな誤解がありまして。
しかも言葉が完全に通じない為、その誤解を容易には解けないと言う状況でして。
で、これがめちゃくちゃ萌えまして!

や、これ、しつこいですが、アルヴァロがかなりの溺愛攻めなんですよ。
しかも無自覚系!
こう、望んでもないのに格下の小国から、無理矢理押し付けられた花嫁。
嫁いできて早々に部屋に閉じ籠り、従者達と会話もしようとせず、食事もとろうとしない。
その上脱走して、第一級魔法使いでありながら簡単に捕まりと、もうわざと騒ぎを起こしているとしか思えない。
愚弄するにもほどがある!と怒りに震えて対面すると、そこには怯えて縮こまる、弱々しい小さな存在・・。

これね、誤解が誤解を呼んでって状況なのです。
莉央からすれば、何を言ってるか分からなくて曖昧に首をふっただけなのに、それが会話も食事もついでに湯浴みまで拒否した事になってしまう。
こう、お腹を空かしてヘロヘロな上に、決死の覚悟の脱走まで失敗してと、打ちのめされた状態。
そこに怒り心頭の獅子の獣人が現れた事で、極限まで張りつめた気持ちが、プツンと切れてしまう。
で、ポロポロと泣き出す。

こちら、両視点で進むため、主役二人のスレ違いっぷりが良く分かるのです。
ここまではもどかしくてもどかしくて仕方ないのです。
が、ここからが怒涛の萌え展開。

莉央と初対面したアルヴァロですが、傲慢で甘えたな末王子だと思っていた彼の、あまりに弱々しい姿に衝撃を受けるんですよね。
力の強い獣人である彼は、匂いから相手の感情がおおまかに理解出来る。
で、傲慢なハズの莉央からは、ひたすら怯えと悲しみしか伝わってこない。
「な、なんと貧相で哀れな姿だ・・!」みたいな。
で、こんな弱々しい存在だと、すぐに怪我したり病気になって死んでしまうのではないか・・!と、心配になる。

いやもう、一気に毒気を抜かれて動揺しまくりのアルヴァロに、ニヤニヤが止まらないんですよ。
挙げ句、「あんな毛のない身体であれは寒くないのか?」
「あれは、なんだ・・重いと潰れそうだから、なるべく軽いものを」とかって寝具を用意させるに至っては、もう「うひゃひゃひゃ」ってなっちゃうんですよ!

またこれ、そんな無自覚溺愛攻めの対となる、莉央のキャラもとてもいいんですよね。
個人的に、メソメソ泣くような受けは苦手なのです。
苦手なのですが、莉央に限っては、なんかやたら可愛く思える。
こう、やたら嗜虐心をそそる受けなんが(BL界には)存在したりするんですけど、それで言うと、彼はやたら庇護欲をそそる。
なんかね、泣いてると、キュッと胸が締め付けられる感じでしょうか。

や、アルヴァロがさ、階段から落ちて怪我をするのでは無いか、転ぶのでは無いかとかって、もうこれでもかと過保護ぶりを発揮するのですよ。
でもそれ、めちゃくちゃ分かる~!と。
ついでに、側付きの従者には心を許してる莉央を見て「そんなに(俺だけ)嫌わなくてもいいではないか」と拗ねてるのにも、可哀想に!となっちゃう。

これね、そんな不器用・無自覚な攻めの溺愛ぶりにも萌えちゃうんですけど、なにより、二人がジリジリと距離を縮めてゆく部分に滾るんですよ。

えーと、作者さんによると「言葉によって傷ついた青年が、言葉によって愛を語り合うようになるまで」がテーマとの事なんですよね。
もといた世界で、口下手な主人公はひどく傷つく出来事を経験した。

ここでは言葉が一切通じず、それでもアルヴァロの不器用な愛情を確かに感じて、二人は愛を育んで行く。
ああもう、言葉の通じない二人が同じベッドで寝る。
莉央が「気持ち良さそうだから」とたてがみをモフモフして、アルヴァロが「もっと触っていいぞ」と喉をゴロゴロする。
これ、萌え転がらずにいられる?

ちなみにですね、ここから、莉央に言語の変換魔法を施そうとした事で、諸悪の根元・リォル(王子)まで絡んで怒涛の展開となります。
いや、切ないしかなりヤキモキさせられるんですけど、アルヴァロの格好良さにはシビれたよ!
そして、自分の言葉でちゃんと伝えようとする莉央には、胸が熱くなったよ!

言葉で人は傷つきもするし、逆に救われたりもする。
人によっては、使う事自体にとても勇気が要ったりする。
でも、すごい力がある。
テーマがしっかり書ききってあるのも、また素晴らしいです。

22

言葉がなくても、あっても

ネット小説って苦手だと思っていたんですけれど、最近はそうでもないと思い始めました。私が慣れてきたのかもしれませんが。
特にこの作品、好きです。
なんちゅうか「いやー、作者さん、真面目だな」と思ったんですよ。
伊達きよさん、絶対いい人に違いない。

『異世界の自分と入れ替わりもの』というジャンルのお話なんですけれどもね。
莉央は言葉を尽くして説明しても、口のうまいやつにいいようにやられてしまった酷い経験を持っています。
だから、言葉を信じていない。
そんな彼がある日突然、全く言葉の通じない異世界に放り込まれてしまうのです。
それも獣人の王の花嫁として。

異世界ものでここまで言葉が通じないお話って、私は初めて読みましたよ。
このジャンルを私があまり読んでいない所為もありますが。

好意や優しさ、思いやりなんてものは、言葉が通じなくとも何となく伝わるものです。この伝わる感じがとてもお上手です。
読みながら「でも、フィジカルな接触を伴う恋愛感情っていうのはどうなんだ?」とずーっと考えていたんですよね。
好意って様々ですものねぇ。

これをですね、実に素敵に書いていらっしゃるのですよ。
言葉では何も伝わらないと考えていた莉央クンが、恋をして「自分の言葉で好意を伝えなくては」と思うようになるんです。
ここまでの心の動きが、とても丁寧に書かれていてホントに好感をもちましたよ。
真面目で優しくて可愛らしいお話だと思います。

最後に地雷除けを書いておきますね。
『女の子みたいな受け』が苦手な方はちょっとダメかもしれません。
あとね、性暴力を受けたことのある方は、莉央クンが現代日本で受けた仕打ちの部分を読むと辛くなっちゃうかも。男性からの無理やりのキスだけなんですけれども、その後の会社からの事情聴取部分がなかなかつらい感じの描写が続きます。

伊達さん、次作も期待します!

9

ライオンちゃん

北沢きょう先生の挿絵なので購入。ムーンライトノベルスさんで完結済みのお話、本編56回分(加筆修正)と後日談SS+あとがき+電子限定版書き下ろしSS。出てくるケモたちがみんな可愛かったので萌2にしました。登場人物が途中で次々増えるという訳でもないし、サブキャラの役割も納得いくもので、お金無い時でキツいけど読んで良かった!!とめちゃ思いました!ケモ好き&優しいお話が好きな方におススメです。

人と話すのがとても苦手な莉央(りお)。地元のIT企業を退職した後は、夜中の工場製造ラインで一言も話さずにいる毎日。明日も変わらないと思っていたのに目が覚めたら、何もない地味な自分の部屋とは違って、綺麗な白を基調とした部屋。そしてなぜか二本足で立ち燕尾服を着た虎がいて、話す言葉は全く意味が分からず・・と続きます。きたきた、言語通じない異世界難度E!

攻め受け以外の登場人物は
リォル(魔法国家の第15王子、攻めに嫁いできた傲慢な人間族)、グィルス(虎ちゃん執事)、アンディ、ラルゥ(うさちゃん侍従)、ラミロ(上級魔法士)、サヴィオン(魔法士)ぐらいかな。リォル以外はみんな一ミリも人姿になりません。

++好きだったところ

一級魔法士で人間族の傲慢王子リォルが、攻めさんになんか嫁げるか!と、異世界にいる自分(=莉央)と入れ替わっちゃうというお話。災難なのは何にもできない一般人の莉央。

獣族を蔑んでいる人間族のことを良く思っていないライオンちゃんと、何を言ってもどうせ伝わらない、信じてもらえないと思っているビビり&よわよわ受けさん。周りはケモだらけ、おまけに言語が「****」という状態、しかも相手はどう見てもでっかいライオンちゃん!コミュニケーションが上手に出来る訳なんかありゃしない!

そんな状況下でゆっくりゆっくり二人が心を通わせていくんです。そこが良い・・・受けはちっこいしビビって泣いてるし、庇護欲そそられ感満点なところからまずスタート。ご飯を食べさせ、毛並みで少し警戒感をとかせ、一緒に横になり、もふもふさせて・・・。ああ癒し。

侍従のうさちゃん二人もこれまた良し。ちゃんと有難うという態度を示してくれる莉央に一生懸命尽くして、王様と上手くいくように、ぴすぴすお鼻を鳴らしながら一生懸命フォローして、侍従の鑑!

攻め受けの恋心がゆっくり育つところもよいし、ケモたちの耳シッポ様子も好きだし、優しい、心を通わせる温かさが素敵なお話でした。タイトルがほんとに秀逸です。

8

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